7月12日、猛暑の中、東京都下の割烹料理屋大広間で、鹿砦社の懇親会が開催された。
まず松岡代表から、8年前の事件について報告。当時大混乱の中 で必死の発行がされた「紙の爆弾」のバックナンバーが参加者に配られ、これを手にしてあの事件を振り返る。事件のあらましは既に鹿砦社 のサイトなどで詳しく説明されてるので省略するが、この事件で鹿砦社 は壊滅的打撃を被り、再起不能かと思われた。
しかし鹿砦社は再起し、この出版不況の中で最も元気な出版社とまで言われ、もう同業者がうらやむほどだ。それを祝し、共に闘った者たちと一緒に、今後さらに気勢を上げる催しである。

第一部は女性講談家・神田香織さんの講談「チェルノブイリの祈り」。 その語り口により、原発事故の壮絶さを戦慄するとともに、消火活動で 身体を蝕まれた消防士の夫に献身的な看病をする妻の姿には、聴き入りながら目頭を押さえる。
終演後、神田さんは福島の出身なので、今の日本の事態にたいへん心を痛め、また政治への憤りを感じていると言っていた。また、神田さんの著書『乱世を生き抜く語り口を持て』などの即売も行われ、その場でサ インしてもらえることから、積み上げられた本を手に取る人たちが次々 と。

第二部は、そのまま宴会となった。料理と酒が運び込まれる。鈴木邦男氏の音頭で乾杯し、生ビールで喉を潤す。アルコールが不可の人には、 よく冷えたウーロン茶であった。料理は和食。野菜も多くて栄養のバラ ンスが良い献立である。
会場には、女性デュオPaix2(ぺぺ)も来ていた。この二人は、鹿砦社が活動の支援をしており、このため昨年の7.12は、鹿砦社と その縁者たちで、彼女たちのライブに参加したのだった。

他にも出版関係社や、事件の当初から支援や連帯をしつづけてきた人たちがやってきた。その中から、浅野健一氏やマッドアマノ氏らが、マイクを手にして祝辞を述べる。
そして最後は、今や鹿砦社の看板ともいうべき月刊誌「紙の爆弾」の中川志大編集長の挨拶と共に、本年の後半にむけて、更に頑張ってゆこう との意欲を参加者全員で確認し、この勢いで、暑さと政治経済の陰鬱さ を吹き飛ばそうと決意したのだった。

(井上 靜)