松岡 お疲れ様です。M君裁判の高裁判決からまだ日も浅いですが、本日はこのかんの動きについて話し合ってみましょうか。
◆M君リンチ事件控訴審判決以後の動き
A M君控訴審判決は複雑ですね。でも、はっきりしておかなきゃいけないのは、M君が勝訴したという事実ですね。もちろん、判決内容に不満はあるにせよ、賠償金額が113万円超に増額されました。このことはキッチリしておくべきでしょう。
B しかし判決直後から、判決文にも目を通さないで、東京新聞の佐藤圭記者や、中沢けい、例によって香山リカなどが素っ頓狂な発信をしてましたね。
C あれは非常に無責任で、知識人(仮にあの人たちがそうだとすれば)には、考えられない行為ですね。
D 彼ら得意の「印象操作」だね。ここ数年もう嫌というほど見せられてきた。嘘を平気で発信する。中学生や子供じゃないんだから、最低限言論のルールは守るべきなんだけど、そのあたりの常識がもはや通用しないのが、彼ら・彼女らだと見ています。
A 判決の日にM君は上告を決めましたね。あの判断は早かったですね。弁護団や支援会の中で議論はなかったんですか?
松岡 それは明かせません。けれど「1%でも可能性があるのであれば最後まで闘おう」と最後は全員一致で決まりました。もちろんM君の意思が最優先されたことは、言うまでもありません。
D 一つ紹介しておきたいんだけど、判決後の報告集会に、凛七星さんが来て発言されたんだ。泣いてたよ。「デジタル鹿砦社通信」でも紹介したけど、そのときに「凜さん、今の心境を短歌に詠んでくれませんか」とお願いしたんだ。凜さんから3首頂いたから紹介します。
情熱と 幻滅の間で 灰色の 街に正義は きょうも闊歩す
十三夜 おもいもよらぬ 声を聴き 月の曇れる 空を眺めり
A 奥深いですね。
B 凜さんには感謝ですね。
◆鹿砦社元社員・藤井正美に「通告書」送付、神原弁護士を代理人として無味乾燥な回答
D ところで社長、もうあの件は公表してもいいんじゃないですか?
松岡 そうですね。『カウンターと暴力の病理』は事件音声のCD付きで販売して、それが注目を集めましたが、鹿砦社にとっては重大な“事件”についても詳細なレポートを掲載していました。
A あ、鹿砦社元社員の藤井正美ですね! 業務中にツイッターや私的メールに励み、企業・団体恫喝もしていた…。
松岡 藤井正美さんは、仕事をさぼって膨大な時間、ツイッターをやっていたり、企業・団体恫喝をしていたことは証拠があります。ツイッターに膨大な時間を費やしていたことはわかっていましたが、企業・団体恫喝や、「M君リンチ事件」隠蔽の中心的役割を業務時間中にやっていたことなどは、わからなかったんです。ですから、退職金やボーナスまで支給して会社を辞めてもらいましたが、会社が被った損害が並大抵ではないことがわかりましたので、損害賠償として3千万円支払うように、弁護士を通じて「通告書」を出しました。
B 藤井は誠意ある回答をしてきたんですか? あそこまで証拠が挙げられていたんじゃ、なんの抗弁もできないでしょ?
松岡 ところが、返答の締め切り期間近くになって、ある弁護士から連絡がありました。
A ある弁護士って、まさか神原弁護士じゃないですよね?
松岡 その通りです。
A、B、C えっ!!
松岡 神原弁護士から、喧嘩を売るような誠意のない回答が鹿砦社の弁護士に届きました。
A もし、ですよ。もし俺が藤井の立場なら、絶対に神原弁護士にだけは依頼しませんよ。だって「いまだにしばき隊です!」って再宣言しているようなもんじゃないですか。
松岡 私もびっくりしました。こちらとしては、企業恐喝もどきのことが明らかになった以上黙っているわけにはいきませんよね。でも、血の通った人間らしく、ちゃんとした対応をしてくれれば、穏便に済まそうと思っていましたが、神原弁護士が送ってきた文面には、奇妙な決めつけもあり(弁護士法に抵触する可能性あり)、再度弁護士を通じて藤井さんには通告書を送り回答を待っているところです。
B 腰抜かしかけたよ。なに考えてるんだろうね。
C 藤井の行状の数々には「証拠」が山ほどあるんだけどなぁ。
D まあ、様子見ですかね。でも、いつまでも「好々爺」が続くとは思えないんだよね、俺には。社長「棺桶に半分足突っ込んだ」(藤井にそう評された)身としてはどうします?
松岡 さあ、粛々と処理するだけですね。
A あえて左翼用語を使うか、黙んまりが常の社長が「粛々と処理」って、かえって怖いな…。
B いやはやまた注目事件が破裂しそうですね。
◆鹿砦社対李信恵訴訟の1つ(大阪地裁第13民事部)に李信恵さんの出廷が決定! しかし逃げを打とうと画策か!?
松岡 藤井さんの件はさておき、鹿砦社が李信恵さんを訴えた裁判、10月31日の弁論で、てっきり結審になると思っていたら12月12日に、私と李信恵さんの証人調べが行われることが決まったのもニュースですね。このことを当日(31日)夕方、早速ツイートしたところ、当日出廷した上瀧浩子弁護士や李信恵さん自身からは何のリアクションもなく、2日夜になって当日出廷しなかった神原元弁護士から「緊急訂正」として「鹿砦社と李信恵さんの訴訟について、12月12日の法廷に李信恵さんが出廷するということはありません」とのツイートがありました。おかしいですね、裁判所も、3人の裁判官がわざわざ退席し法廷外に出て合議、双方の意見を聞いて期日と尋問の時間配分を設定したにも関わらず、今さら出廷しないなどと言うことに驚きます。出廷しないということなら李信恵さんは不利になるだけですし、李信恵さんもここは堂々と法廷で「鹿砦社はクソ」と主張したらいいでしょう。
D でもね、これに関してはちょっと気になる部分があるんです。こちら側は証人申請していたでしょ。被告側は上瀧浩子弁護士が「原告の尋問が行われるのであれば、こちらも申請します」と、たしか発言してました。当日神原弁護士は来ていなかったからね。あとになって「証人の申請をしない」という手で逃げる可能性はないか、と。
松岡 もしそうであれば、いったんは法廷で申請すると言ったことの撤回ですし、裁判所もわざわざ尋問するということで期日を入れたわけですから、法的にどうのこうのではなく「逃げた」と見なされて仕方ないでしょう。
D そう。法解釈はともかく、素人には「逃げた」としか見えないね。
B 社長、被告で尋問されることはたくさんあっても、原告の本人尋問って初めてじゃないですか?
松岡 失礼なこと言わないで下さい。私はこれまでも原告で何度も本人尋問の経験があります。銀行を訴えた、ある裁判では、「(郷里の熊本弁で)なんば言いよっとか!?」と資料を放って大声を出したこともありました。
B そうでしたか、失礼しました。
C いずれにしても12月12日は注目ですね。
A 李信恵出廷となると、連中はまた全国動員かけてくる可能性ありますね。50代のネット荒らしや、どうかしちゃった会社役員、その筋の人みたいな外見のあの人も来るかもしれない。
松岡 法廷闘争では今年最後の大舞台になりますね。
D この裁判は12月12日で結審、来年3月までには判決でしょう。
◆もうひとつの対李信恵訴訟(第24民事部)をめぐる奇妙な転回と今後の方向性
A それから、もう一つの対李信恵訴訟で、こちらが提出しようとしたリンチ本の原本5冊を裁判長が「邪魔」と言って拒絶し持ち帰らされた一件はひどかったですね。
松岡 私はその数日前に急病が発症し、当日は行けなかったのですが、悔しさとともに、「なにか変だな」と思っていたんですね。その裁判長、実は李信恵さんが在特会らを訴えた訴訟で李信恵勝訴の判決を下した人だということが判明して、「ああ、そうだったんだ」と“得心”がいきました。そのままではまた李信恵勝訴の判決を下すことは火を見るよりも明らかですが、幸いと言おうか、その担当裁判官、増森珠美裁判長は、年度末でもなく、また月の途中(10月22日付け)で京都地裁に異動になりました。100人以上もいるとされる大阪地裁の裁判官の中で、なにか"動き”があるのでしょうか。
D それはそうと、社長、"あの件“はどうされるつもりですか?
松岡 どの件ですか?
D ほら、例のいったん“沈没”したあの人の…。
松岡 その公表は、まだ先にしましょう。
A 「まだ弾は残ってる」ってこの間社長書いてましたけど、どれだけ残っているんですか?
D 秘密に決まってるだろ。俺が代わりに答えよう。こっちが弾を撃って弾倉が空になりかけると、どこからともなく次々に新しい弾倉が持ち込まれるんだ。「弾は尽きない」ってことだよ。李信恵さんにしろ野間にしろしばき隊の連中にしろ、社長を見くびっていたかもしれないけど、このところすっかり相手にしないじゃない(笑)。俺は関係してなかったけど、昔の話とはいえ、一時は「暴露本出版社」として世にその名をとどろかせた鹿砦社。やはりここは「暴露本出版社」として昔の勢いを取り戻してほしいところですね(笑)。
松岡 ノーコメントです(苦笑)。「ペンのテロリスト」などと嘯いていた、あの頃の元気はありませんよ。私はあくまでも、この事件がひどすぎて、人間として許せないということでやってきただけです。私は一貫して言っているように、李信恵さんらがM君に公に心から謝罪して、それ相応の金銭的な償いなどをやってくれるのであれば、和解に向け汗を流させてもらいますよ。それどころか、最近エル金などは、左翼体験者は私しかいないのでおそらく私に向けて言っているものと思いますが、「極左ゴロ」などと詰(なじ)って、この期に及んでも喧嘩売っていますよね。若い頃だったら、「誰に向かってもの言うてんねん!」てなもんですが、もう「棺桶に片足突っ込んだ爺さん」ですからね(苦笑)。
ついでなので、最後に一言。M君リンチ事件は、この国の反差別運動にとっても社会運動全体にとっても最大の汚点です。今のまま反省もなく開き直っていれば、将来陰に陽に悪影響を与えます。今はマスコミタブーとして、また李信恵さん周辺の国会議員やジャーナリスト・大学教員・知識人らによって隠蔽されていても、必ず将来的には歪みが出てきます。それでは遅いんです。私たちの力は微力で、私たちの力では、この5冊の本ぐらいしか出せませんでしたが、それでも理解してくださる方はおられました。
比較の対象として適格かどうかはともかく、ゴルバチョフがペレストロイカ(改革)とグラスノスチ(情報公開)を始めた時、その後のソ連崩壊やベルリンの壁崩壊につながるとは誰も想像しませんでした。蟻の一穴からダムが崩壊することもあるんです。昔風に言えば、「小さな火花も荒野を焼き尽くす」と言おうか、私たちは今は「小さな火花」にすぎませんが、やがては「荒野を焼き尽くす」ことができると信じています。ちょっとアジ調になりましたが…。
C 特別取材班のメンバーが数人入れ替わって、前以上に意思統一が簡単になりましたね。
D 「原則的に行く」と。差別問題でも言論戦でも。おっちょこちょいや、付和雷同はそぎ落としたからね。まあ引き続き頑張りましょう。
松岡 皆さんよろしくお願いします。