秋篠宮家の眞子さまの婚約をめぐって、秋篠宮殿下から踏み込んだ言葉が述べられたのは、かなり深刻な事態として国民に受け止められた。皇太子以上に皇室のあり方に意見を述べる秋篠宮らしく、国民が納得するような説明がないかぎり納采の儀は行なえないと明言した。紀子さまは「長女のことを案じている」という主旨に終始した。
じつは、宮家の団欒の中でも触れられないのが、眞子さまの「婚約」問題なんだという(皇室記者)。婚約相手の小室圭氏とその母親(佳代さん)が、交際相手の男性から「提供」された439万円を「返還」しない問題である。そもそもこの事実がマスコミをにぎわすまで、国民は小室氏に父親がいないことも知らなされなかった。いわく「海の王子」「湘南の皇子」と、その爽やかな素顔をほめたたえる記事ばかりだったではないか。その出発点こそが、問題にされるべきであろう。
◆危機感を抱く天皇家と宮内庁
さわやかなロイヤルカップルの誕生に、国民をあげて慶賀の空気が支配していたところ、お盆をひっくり返すようなスキャンダルが暴露された。そこからはもう、小室バッシングが女性誌もふくめて繰り広げられた。マスコミの無責任なバッシングはともかく、じつは宮内省および皇室(天皇・皇后両陛下)にとっても、看過できない背景がこの騒動を大きくしているのだ。
11月23日に行なわれた「新嘗祭」には、高円宮家の長女である絢子さんと結婚した、守谷慧氏の姿があった。絢子さんが皇族から離脱しても、天皇家の親族であることにはかわりない。したがって、皇室のもっとも重要な祭儀である新嘗祭(年に一度、米をはじめとする収穫物を神嘉殿に奉納する)にも、総理大臣や三権の長とともに出席できる。かりに小室氏が眞子さまと結婚すれば、平民である総理や三権の長、あるいは宮内庁長官よりも上位の席で、この新嘗祭に参加することになるのだ。
◆会話がない秋篠宮家
秋篠宮ご夫妻の記者会見において、わざわざ宮内庁記者クラブが眞子さま問題で質問を準備したのも、秋篠宮家のなかで眞子さまの婚約問題で会話がないからだという。ふつうの会話はあるものの、小室氏の話題になると口を閉ざすという。眞子さまと会話ができないご夫妻の気持ちを、記者たちが忖度した会見だというのだ(皇室ジャーナリスト)。紀子さまの「長女を案じている」という発言も、まさに眞子さまとの断絶を率直に表明したものにほかならない。
小室家は父親の死後、自宅のローンこそ終わっていたものの、佳代さんの収入だけでは圭氏の大学(ICU)進学もままならない経済状態だった。そこで付き合いのあった男性に10回ほどにわたって439万円の進学資金を提供してもらったのが真相だ。その後、男性は「わたしはバンクカードではない」と憤り、返済をせまったという。一時は結婚の約束を交わしていたが、それもこの「金銭トラブル」のなかで解消された。ようするに、佳代さんとしてはカネヅルに過ぎなかったのだろう。しかし借用書のない貸し金であれば贈与とみなされ、佳代さんに返済の義務はない。
◆借金王子でもいいではないか
いっぽう小室氏は、周囲に「ご夫妻はいくら話しても、ぼくの話をわかっていない」と話しているという。両家は「言葉が通じない」状態だというのだ。金銭トラブルのほかにも、小室氏が仕事上の会食の席に、眞子さまを同席させたという報道もある(女性セブン)。
留学先のフォーダム大学ロースクールは、年間の学費は700万円ほどとされるが、小室氏には授業料免除の奨学金が付与されている。ニューヨーク州の弁護士試験に合格させるためのマンツーマン指導も行われているという。そうした待遇が受けられるのは、同大学がホームページに「プリンセスのフィアンセ」と記したからだ(宮内庁の抗議により削除)。
プリンセスと付き合うことで堂々と役得の味を占め、皇室を危機に陥らせようとしている剛胆さを、われわれは小室氏のさわやかな容貌から読みとることは難しい。しかし彼が眞子さまの心を射止めているのは、疑いのない事実のようだ。貧乏王子でも、欲得にまみれた外戚夫人でもいい。皇籍離脱にさいしての1億5000万円あまりの結婚一時金を、国民が納得しないというのならば、そんなシステムをやめてしまえばいい。宮様、学生時代からの自由恋愛で結婚した秋篠宮家において、皇室改革の火の手を上げるのはいかが。
◎[参考動画]秋篠宮さま 眞子さま小室さんに「それ相応の対応」(ANNnewsCH 18/11/30)
▼横山茂彦(よこやま しげひこ)
著述業・雑誌編集者。主な著書に『軍師・黒田官兵衛に学ぶ経営学』(宝島文庫)、『真田一族のナゾ!』『山口組と戦国大名』(サイゾー)など。医療分野の著作も多く、近著は『ガンになりにくい食生活――食品とガンの相関係数プロファイル』(鹿砦社LIBRARY)