学生時代、4年以上コンビニでバイトをしてきた事もあって、それから10年以上経った今でもコンビニ店員の対応には目を光らせてしまう。

さすがにコンビニバイトを5年も6年も続ける人は稀なので、残念ながら対応の甘い店員は多い。レジの動きを見れば大体腕がわかるというものだ。まず弁当や温めものを一番に打って、温めるかどうかを聞く。これができる人が殆どいない。温めものがあって、先にレンジに入れてしまえば、会計が済む頃には温めも終わってスムーズに出せる。最後に温めを聞くようでは、客が並んでいる場合円滑にレジが進まない。

さらに袋に入れる際、パン等柔らかいものを容赦なく下に入れて、上に重いものを詰める店員も結構多い。当たり前だがパンが潰れてしまう。初歩だと思うがこれがわからない人は珍しくないのが悲しい。酷い人になると「温かいものと冷たいもの袋一緒でいいですか?」なんて聞いてくる。「袋お分けしますか?」と聞くのはいい。それなら一緒でいいと答えるのだが「分けるの面倒だから一緒でいいよね?」といった聞き方には反感を覚える。

雑誌棚を見て、いつも乱雑に並んでいる店も行きたくない。売り物を奇麗に並べて(フェイスアップといったかな)、商品として売ろうという気持ちが感じられないからだ。また、そういう教育が店員にできていないと示しているようなものだ。私などは、販売期間であっても立ち読みであまりに表紙が汚れていた場合、裏に下げていた。最近は立ち読みができないように雑誌を紐で縛って並べている店も多いが、あれも疑問に思う。確かに立ち読みだけで帰る客もいるが、それ以上に数ページ確認してから買う客、立ち読みついでに食べ物を買っていく客も結構な数居るのだ。悪というと言い過ぎ感はあるが、立ち読み客は必要悪と考える。目先の立ち読み客を追い払って、全体の客入りを減らしては元も子もない。

忘れてはならないのが、店員はよく来る客の顔をすぐに覚えるということだ。週に一度でも顔を出せば、一か月しないうちに覚えられる。私のバイト時代は、客が入ってきた時点で買う煙草の銘柄を用意し、レジ横に確保していたものだ。逆に、立ち読みで本を汚したり、商品を傷ものにしたりすることがあれば、すぐに警戒されることになる。「客だから」と横柄な態度を取るべきではない。店にとっては一人の客が来なくても一人の客だ。一番近所のコンビニに出入りできなくなったと考えたとき、一番不便を強いられるのは本人なのだから。

それから会計後、コンビニ店員の「ありがとうございました」に合わせて「どうも」や「ありがとう」と一言言ってもらえるだけで、ずっと気が楽になる。これは生意気盛りの大学生だった私ですら思ったのだから、気を良くしない店員はいないだろう。バイトと言えど、長時間の立ち仕事は結構体がきついものだ。無難な対応をしてくれた店員には、一言「どうも」と言おう。

(戸次義継)