◆内親王が文書を発表

宮内庁は11月13日に、秋篠宮家の長女眞子内親王(29)と小室圭氏(29)の結婚について、内親王の気持ちをまとめた文書を公表した。

このなかで、眞子内親王は「結婚は、私たちにとって自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択です」と強い意志を記している。しかしながら、結婚の儀の予定は「現在、具体的なものをお知らせすることは難しい状況」としている。


◎[参考動画]眞子さま お気持ちを発表 結婚は「必要な選択」(ANNnewsCH 2020年11月13日)

これを受けて、秋篠宮家および天皇陛下、上皇陛下ともに、内親王の意志を認めている(尊重して静かに見守る)という。これで今年に予定されていた婚儀は、来年以降となることが確実となった。文面は以下のとおりだ。

「一昨年の2月7日に、私と小室圭さんの結婚とそれに関わる諸行事を、皇室にとって重要な一連のお儀式が滞りなく終了したあとの本年に延期することをお知らせいたしました。新型コロナウイルスの影響が続く中ではありますが、11月8日に立皇嗣の礼が終わった今、両親の理解を得たうえで、あらためて私たちの気持ちをお伝えいたしたく思います。前回は、行事や結婚後の生活について十分な準備を行う時間的余裕がないことが延期の理由である旨をお伝えいたしました。それから今日までの間、私たちは、自分たちの結婚およびその後の生活がどうあるべきかを今一度考えるとともに、さまざまなことを話し合いながら過ごしてまいりました。私たちの気持ちを思いやり、温かく見守ってくださっている方々がいらっしゃいますことを、心よりありがたく思っております。一方で、私たち2人がこの結婚に関してどのように考えているのかが伝わらない状況が長く続き、心配されている方々もいらっしゃると思います。また、さまざまな理由からこの結婚について否定的に考えている方がいらっしゃることも承知しております。しかし、私たちにとっては、お互いこそが幸せなときも不幸せなときも寄り添い合えるかけがえのない存在であり、結婚は、私たちにとって自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択です。今後の予定などについては、今の時点で具体的なものをお知らせすることは難しい状況ですが、結婚に向けて私たちそれぞれが自身の家族とも相談をしながら進んでまいりたいと思っております。このたび私がこの文書を公表するにあたり、天皇皇后両陛下と上皇上皇后両陛下にご報告を申し上げました。天皇皇后両陛下と上皇上皇后両陛下が私の気持ちを尊重して静かにお見守りくださっていることに深く感謝申し上げております」

いっぽう、ニューヨークのフォーダム大学に留学中の小室圭氏は、10月5日に29歳の誕生日を迎えた。2018年8月に渡米し、ニューヨーク州の弁護士資格の取得を目指す小室氏は、来年の夏には卒業の見込みである。現在は3年にわたる留学の最終年ということになる。

小室氏は成績も上位に入り、論文が法律専門誌に掲載されるという快挙も達成している。すなわち、ニューヨーク州弁護士会のビジネス法部門が刊行する『NY Business Law Journal』(19年夏号)に、学生ながら論文が掲載されたのである。査読のある論文が専門誌に掲載されるということは、たとえば小室氏が大学院の博士課程の単位を取得した場合、博士論文を執筆する資格が得られるのだ。弁護士資格はもちろんのこと、アメリカの法学界に位置を占めることも可能なのである。

◆反対派が画策する「なりふり構わない“強行策”」

いずれににても、メディアによる小室氏の母親の「400万円の借金問題」が障壁になっていた婚儀は、皇室全体の理解を得られたことになる。

既報のとおり、秋篠宮家においては、11月8日に「立皇嗣(りっこうし)の礼」が無事に終わり、眞子内親王の動静が注目されるところとなっていた。

というのも、今年9月に紀子妃は誕生日の文書に「長女の気持ちをできる限り尊重したいと思っております」と記し、眞子内親王の気持ちに大きく歩み寄っていたからだ。

しかしながら、小室氏との結婚にたいしての秋篠宮夫妻の考えは、あまり変わっていないという観測もある。つまり否定的なものがあるというのだ。

「たしかに紀子さまは、コロナ禍のステイホーム期間を利用し、眞子さまとの親子関係改善に努められてきました。紀子さまが呼びかけられた防護服づくりのボランティアや専門家とのオンライン懇談に、眞子さまも参加されたのです。その結果、一時は“対話拒否”状態だった眞子さまもだんだんと耳をかたむけるようになられたのですが、これも紀子さまの作戦といえます。儀式の延期により “結婚宣言”を先延ばしにしつつ、眞子さまが小室さんとの結婚を諦めるよう、紀子さまは地道な説得を続けてこられたのです」(宮内庁関係者、11月13日「女性自身」オンライン)。

こうしたコメントを、秋篠宮夫妻の真意と取るのか、宮内庁の「空気」と読むのかは難しいところだ。宮内庁関係者はこう続けている。

「眞子さまの小室さんを思うお気持ちは、紀子さまが想像されていた以上に揺るぎないものだったのです。紀子さまは9月の文書で、眞子さまとの対話は『共感したり意見が違ったりすることもあります』と語られていますが、その後、どんなに対話を重ねても“意見の違い”は埋まらなかったのです。むしろ、紀子さまの露骨ともいえる引き延ばし策に気づかれた眞子さまは、不信感を強めていらっしゃいます。眞子さまは小室さんとの結婚という悲願をかなえるため、なりふり構わない“強行策”を準備されているようです」(前出)。

思わせぶりなコメントだが、根拠はないでもない。

女性皇族の結婚はそもそも私的な事柄であって、「納采の儀」や「告期の儀」も宮家の私的な行事である。男性皇族の結婚とは違って、皇室会議にはかる必要もないのだ。

つまり「なりふり構わない“強行策”」とは、本通信で何度か指摘してきたとおり、皇族離脱をもって自由結婚をすることにほかならない。

だが、今回の秋篠宮夫妻が眞子内親王の意志を尊重することをもって、二人の自由恋愛結婚は何はばかることなく実現されるのだ。上記の宮内庁関係者の「なりふり構わない“強行策”」なる「杞憂」こそが、婚儀反対派の代弁にほかならないことを、ここから先の婚儀手続きの進行は明らかにすることだろう。

そして「ふたりの愛」は宮内庁内部の守旧派、皇室ジャーナリズム内部の墨守派に「勝った」のだと指摘しておこう。

この「愛の勝利」は皇室および皇族をいっそう民主化し、天皇制そのものが激変する可能性を胎動させる。敬宮愛子内親王が天皇に即位する可能性、悠仁親王にたいする秋篠宮家の自由主義教育に批判的な勢力の、おびえる姿が見えるようだ。

▼横山茂彦(よこやま・しげひこ)

編集者・著述業・歴史研究家。歴史関連の著書・共著に『合戦場の女たち』(情況新書)『軍師・官兵衛に学ぶ経営学』(宝島文庫)『闇の後醍醐銭』(叢文社)『真田丸のナゾ』(サイゾー)『日本史の新常識』(文春新書)『天皇125代全史』(スタンダーズ)『世にも奇妙な日本史』(宙出版)など。医科学系の著書・共著に『「買ってはいけない」は買ってはいけない』(夏目書房)『ホントに効くのかアガリスク』(鹿砦社)『走って直すガン』(徳間書店)『新ガン治療のウソと10年寿命を長くする本当の癌治療』(双葉社)『ガンになりにくい食生活』(鹿砦社ライブラリー)など。

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