わが国の反差別運動に重大な汚点を残した「カウンター大学院生リンチ事件」(別称「しばき隊リンチ事件」)関連の訴訟で似非反差別主義者・李信恵が鹿砦社を名誉毀損で訴えた裁判で、1月28日、大阪地裁(池上尚子裁判長)は、あろうことか、鹿砦社に165万円の賠償金とブログ「デジタル鹿砦社通信」の記事の削除を命じました。

 

リンチ直後の被害者M君。リンチがいかに凄惨だったから判る

私たち鹿砦社は、深夜に1時間に渡る凄絶なリンチを受けつつも、治療費はじめ当時なんの補償もなされず、それどころかセカンド・リンチと村八分を加えられていた大学院生M君への救済・支援と真相究明に携わってきました。それは、6冊に及ぶ出版物(紙の爆弾増刊)として結実し、少なからずの方々から高い評価を受けてきました。

事件が起きたのは2014年師走、大阪屈指の繁華街・北新地です。李信恵ら現場にいた加害者5人はじめ関係者らの隠蔽活動により事件が表面化することはありませんでした。私たちに事件の内容が告げられたのは、事件発生から一年余り経った2016年3月でした。

リンチ直後の被害者M君の顔写真を見て、さらにM君が必死で録音したリンチの最中の音声データを聴き仰天しました。

渡された資料にも目を通し、M君への救済・支援と真相究明の取材を開始しました。国会議員、研究者、弁護士ら多くの著名人が、事件を知りながら隠蔽に加担し、背後に不思議な闇があることを感じさせられました。調べれば調べるほど、その闇は深いと思いました。

M君は、李信恵ら加害者5人と、しばき隊リーダー野間易通を訴え(2つの裁判です)、対野間訴訟では全面勝訴を勝ち取りました。しかし加害者5人を相手取った裁判では、満足のいく金額の判決は得られませんでしたが判決は確定しました(内容に不満は残りましたが勝訴であることには間違いありません)。

M君へのセカンドリンチの一部

 

M君へのセカンドリンチの一部

その関連が今回の訴訟でしたが、一審大阪地裁は、李信恵の主張を認め鹿砦社に165万円の賠償金とブログ記事削除を命じたのです。

人道的立場からリンチの被害者を救済・支援しようとしてきた私たち鹿砦社が、加害者のリーダー的立場の者から訴えられ賠償金を食らうというアイロニ-―この不当判決に私たちは控訴し徹底抗戦することにしました。

日頃「反差別」「人権」を叫ぶ者が、1時間にも及び凄惨なリンチを加え、被害者M君を師走の寒空の下に放置し立ち去った。加害者及び周辺人物は事件後、一時は「謝罪」の意を表わしたもののこれを覆し、被害者M君へのセカンド・リンチと村八分を行い、事件をなかったことにすべく隠蔽を図りました。

 

M君へのセカンドリンチの一部

私たちは、ほとんどの関係者が取材を拒否したり、逃げたり、沈黙するという困難な情況の中で、鹿砦社50年の歴史でも特筆しうるほど地を這うような取材を行いました。幸いにも、心ある在日の方々の協力を得て、どんどん驚くような情報が寄せられました。あまりのディープゆえに“握っている情報”もあります(いつでもぶちまける用意があります)。M君の訴訟費用は広くカンパを募り浄財を寄せていただきましたが、その3分の2は在日の方々でしたし、第4弾本に付けたリンチの音声データを「私に任せてください」と海外でプレスしてくださったのも在日の方でした。あまりに凄惨な音声ですから国内ではプレスできず困っていたところです。

私たちがこのリンチ事件に携わってちょうど5年が経ちました。このままでは終われません! ここで退いたら、言葉の本来の意味での社会正義に反する蛮行を行った徒輩が笑うだけです。血の一滴、涙の一滴が涸れ果てるまで闘います!

彼ら・彼女らは一切反省していません。その証左として、M君のリンチの現場にいた者(伊藤大介)が、再び暴行傷害事件を起しています。私たちはこれまで再三再四、しっかり反省、教訓化しないと、同種の事件は繰り返されるだろうと警鐘を鳴らしてきたのに、です(詳しくは最新刊『暴力・暴言型社会運動の終焉』をご一読ください)。

私たちは、控訴審において、軽々な審理を阻止せんと、代理人も元大阪高裁裁判官のベテラン弁護士を招き、さらには法曹、言論関係者を中心として急遽声を挙げていただいた方々31名が「公平、公正、慎重な審理を求める要請書」に名を連ねていただきました。これも「控訴理由書」と共に原本を大阪高裁に提出いたしました。以下、その一部の方の名を記載いたします(順不同、敬称略)。

大口昭彦(弁護士)はじめ弁護士5名、足立昌勝(関東学院大学名誉教授)、矢谷暢一郎(心理学者/元ニューヨーク州立工科大学教授)、野田正彰(精神医、作家/元関西学院大学教授)、本山美彦(京都大学名誉教授)、寺脇研(元文科相キャリア/大学教員)、平野貞夫(元参議院議員)、玉城満(前沖縄県議員)、高野孟(ジャーナリスト)、揖斐憲(サイゾー代表)、森奈津子(作家)、天木直人(外交評論家/元駐レバノン国特命全権大使)、山口正紀(ジャーナリスト/元読売新聞記者)、黒薮哲哉(フリーランスライター)、板坂剛(作家)、山田洋一(人民新聞編集長)、マッド・アマノ(パロディ作家)、飛松五男(行政書士/元兵庫県警刑事)、水戸喜世子(救援連絡センター初代事務局長)ほか。

*今後、本件については適宜報告してまいります。

『暴力・暴言型社会運動の終焉』

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