前回、訴訟をいくつも抱えた「てにをは」もなってない自称ジャーナリスについて述べたが、このうちの訴訟の一つが山場となり、来る6月6日金曜午後1時30分から、東京地方裁判所立川支部の402号法廷で証人尋問が行われる。

形式的な弁論手続きではなく、法廷で当事者に直接問うので、傍聴すると全容がわかるし、面白いやりとりが期待できそうだ。

この証人尋問は、被告となった自称ジャーナリストの側から申請されたもので、証人は被告の友達ということだ。証拠になる電子メールを自分が受信し、これを被告に転送したというのだが、その内容は奇妙なものだった。送受信が明らかではなく、他のメールを転写したようなものだった。

だから、話題となっている遠隔操作の裁判に比べると程度が低く、かつて国会で問題になった「偽メール」に近い。

また、このメールの文中に、証人が自分のことを精神障害者だと記述した部分があり、これと同時に、被告である自称ジャーナリストの性格も、同様に精神障害者であるらしく、少なくとも、精神病の薬を服用していて、依存症となり、医師に処方された分量を守っていない、と明記されていた。

実は、この証拠の電子メールは、被告側から提出されたさい、一部だけ抜粋されていて、精神病について述べた部分が欠落していた。そして、内容が連続しておらず不自然な文になっているとの指摘を受けると、残った部分は後から提出するとした。

これについて被告の訴訟代理人となった弁護士は、法廷戦術として小出しにしただけだ、と言いはするものの、しかし指定された期日をまもらず、裁判所に連絡しないまま、大幅に遅れて提出することを繰り返しており、裁判官に弁護士がとがめられたこともあった。だから、なかなか提出しなかったほんとうの訳は、精神病について書かれた部分を隠しておきたかったからではないかと考えられる。

つまり、被告の自称ジャーナリストは、自らの行為の正当性を友達に証言してもらうというのだが、その被告と証人がどちらも精神に病気または障害を抱えているということだ。そして、被告が服用している薬には、もともと依存症や副作用の問題があり、それを、証人が言うように、医師に処方された分量を守らず大量に服用しているのなら、言動が異常になっても当然である。

実際に、被告が隠していた部分に書かれた証人の記述によると、被告は薬の影響で痙攣や健忘などの症状があり、金銭のやりとりまで忘れていることがあったという。

この自称ジャーナリストは、鹿砦社や週刊金曜日にも、嫌がらせ、ネット上で虚偽の流布、関係者への中傷や暴力行為を繰り返しており、だから既に報告したとおり、何件もの訴訟を抱えているが、まったく反省していない。それどころか、嫌がらせをエスカレートさせている。これがあまりにも酷く常軌を逸しているので、ひんしゅくを買うだけでなく不気味だといわれても来たが、実は精神の病気であるうえ治療薬の飲みすぎであった、ということであるなら、すべて納得である。

そういう人を、なぜ裁判で指弾しなければならないかというと、もちろん迷惑だとか不愉快であるからだが、予防措置という側面もあり、むしろこれが重要である。放置しておいたら、こうした人物を利用しようとする者がいないとは限らないからだ。

例えば、言動が異常なうえ判断力が欠如していることに漬け込み、悪いことをやらせて、鹿砦社や週刊金曜日に頼まれてやったと言わせる。これくらいのことを、悪い権力者なら唆しかねないだろう。だから、危険な芽は摘み取っておかねばならないのだ。

(井上 靜)