サイバー・バズが行った調査で、SNSの無い生活にどれぐらい耐えられるか?というアンケートの結果、1日以上耐えられないと答えた人が実に46%にもなった。

SNSとはソーシャル・ネットワーキング・システムのことで、有名どころではTwitterやFacebook、Lineといったものを指す(以前はこの説明が必要と思われたが、今となっては説明不要なぐらい浸透していると言える)のだが、これらのメディアがいかに深く浸透しているのかがわかる。

しかし1日も耐えられない、というのは本当だろうか。インターネットが普及し始めた頃、ネット中毒という言葉が現れた。1日たりともネット無しでは耐えられないというような人が続出したのだ。どちらかというとそれは、それまでPCオタクとか言われていた部類の人だった。パソコン通信というものもあったが広く浸透せず、オフラインのPCという個人の領域がネットを通じて外の世界に広がることで、多くの人が夢中になって抜け出せなくなっていった。

ネトゲ中毒という言葉もある。ネトゲとはネットゲームのことで、ネットゲームの世界から抜け出せなくなるほどに熱中してしまう人のことだ。韓国や台湾では2日3日飲食も睡眠もとらずゲームをやり続けた結果、死亡するという事態も発生している。欧米では「ドラッグ・ゲーム」と呼ばれることもあるように、その中毒性からドラッグのようにハマって抜け出せなくなるという危険性もある。

そして今、SNS中毒が蔓延し始めているというわけだ。当然、趣味のレベルでやっていれば、何ら問題も無いが、生活に支障をきたすレベルになると問題だ。不思議なことに、ネットゲームにしろSNSにしろ、あまり興味がない、よく知らないと言っていた人ほど中毒になりやすく抜け出せない傾向にある。

インターネットが普及し始めた頃にネット中毒だった人は、ネトゲにハマったとしても割と短期間で飽きたり醒めたりして、以前の生活に戻りやすい。ネトゲによってネットの楽しさを知ってしまった人は、長く抜けられないでいる人も多いが、それでもやがては飽きてくる。そういう人たちはSNSに過剰に熱中することなく、適当にいじる程度だ。インターネット初期に飛びつかず、ネットゲームにも興味を示さなかった人がSNSに夢中になってしまうと、1日でも無しではいられない、という思考に陥りやすいのではないか。

ちなみに私はネット中毒だ。1日だって繋がない日はないし、SNSも毎日のようにチェックしている。1日だって無しではいられないと思っていた時期もあるが、出張でネットに繋げない地方に行った時、思いもよらぬほどネット無しの生活を普通に過ごせた。当然仕事でも使うので今から全く無しにはできないが、2、3日無くとも特に困らないものだ。

(戸次義継)