2022年末、安保3文書の改定が閣議決定されました。ただし、本誌がたびたび問題提起してきたように、これは降ってわいたものではありません。岸田文雄首相は今年1月にさっそく訪米し、“成果”をバイデン大統領に報告します。一方で、昨年12月にはウクライナのゼレンスキー大統領が電撃訪米。ただしゼレンスキー大統領の場合、眼前の戦争に関して軍事的協力を求める目的がはっきりしています。岸田首相はいったい何をしに行くのか。まさにアメポチとしか言いようがありません。
「専守防衛」の政策転換という問題とともに、その背後の国民世論形成についても、本誌2月号記事は重点を置いて分析しました。たしかに防衛費倍増の財源は問題です。所得税・法人税は市民の経済活動にともない徴税されるもの。たばこはやめられても、こちらは避けられるものではなく、強制的な戦争協力と言って過言ではありません。旧統一教会の問題がかまびすしいなか、宗教法人課税をここで俎上にあげてみてはどうでしょうか。だいたいの宗教は平和を看板に掲げているもので、有意義な議論が展開されるのではと思います。
話を戻すと、マスコミでは財源が問題とされても、軍事増税の前提である“有事の危機”がつくられたものである、あるいは軍事以外の方法で解消すべきであることには、ほとんど触れられていません。安倍国葬に反対する世論が軒並み50%を超えた一方、敵基地攻撃能力の保有に賛成する世論も50%を超えているのも、マスメディアの世論形成の結果といえます。自衛隊の増強の必要性も強調されているなか、「入隊すれば三食三六五日無料で食べられます」「ひとり一個ケーキ、ステーキがひとり一枚」との自衛隊の説明会の様子が話題になっていました。ネットでは「実は給料から天引きされている」とのツッコミもありましたが、それも含めて今を反映しているように思います。
さらに現在、注目がますます高まるのが、コロナワクチンによる薬害の問題です。2月号では10月に結成会見が開かれた遺族会「繋ぐ会」の活動についてレポートしました。11月25日には同会と超党派議員連盟により、衆議院議員会館で厚生労働省を相手に勉強会を開催、ワクチン接種の中止を訴えています。そのなかでは、福島雅典・京大名誉教授が一部で「10%しかない」といわれる厚労省職員の接種率の開示を求めるシーンもありました。少し調べればわかりそうなものですが、現時点でも厚労省側は開示せず。本誌1月号では免疫低下など、このワクチンの「3つのリスク」を解説。感染防止についても、ファイザー社が実証テストをしていないことが明らかとなっています。接種回数を重ねるほど健康被害のリスクは上がるといわれており、これ以上の接種拡大は避けるべきです。1月号、2月号をあわせてお読みいただければと思います。
戦争準備と国民管理、原発と「環境問題」など、扱うテーマは増えるばかりであるとともに、その一つ一つが身に迫ったものとなっています。今月号も、『紙の爆弾』は全国書店で発売中です。ご一読をよろしくお願いいたします。
『紙の爆弾』編集長 中川志大
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逮捕の元電通専務の背後に〝司令塔〟「東京五輪グッズ」めぐり新たな汚職疑惑
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防衛増税に自民党内の反発 それでも首相に居座る岸田文雄の皮算用
メディアの政権協力を暴く 戦後軍事政策の大転換は自公野合のクーデター
戦需国家・米国への隷従を具現化する改定三文書 世論操作と情報統制で進む対米一体化の「戦争準備」
右も左もまともな分析なし 中国共産党第20回大会は何を示したか
中世の残滓 絞首刑は直ちに廃止すべきである
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全体主義を求める現代社会 市場原理主義というカルト
ジャニーズ事務所と〝文春砲〟のバトル 2023年芸能界 越年スキャンダル
シリーズ 日本の冤罪34 二俣事件
弱者に寄り添い続けた ジャーナリスト・山口正紀さんを悼む
連載
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