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ここでは5月号掲載の記事3本の一部を公開します。
◆政治経済学者・植草一秀が読み解く 株価高騰の裏で何が起きているのか
3月4日に日経平均株価が初めて4万円を超え、岸田文雄首相は「日本経済が動き出していると市場が評価」と歓迎してみせた。しかし、3月下旬にも1ドル=約151円と円安は止まらず、物価高が私たちの生活を圧迫し続けている。「今の株高」が示す日本の状況を、昨年末に『資本主義の断末魔』(ビジネス社)を上梓した政治経済学者の植草一秀氏が語る。(構成・文責/編集部)
日本経済は27年間停滞したまま
日経平均株価について、私は2022年末の時点で、3万6000円を突破すると予測しました。当時は信じる人がいませんでしたが、今年2月22日に史上最高値を34年ぶりに更新し3万9098円に、3月4日には4万円突破という動きを見せています。
日本の株価上昇の要因は3つ挙げられます。1つ目は、日本の株価が割安であること。2つ目は、企業利益が増加傾向にあること。3つ目は、大幅な円安です。たとえばマクドナルドのビッグマックの価格で、日本は米国の半値。まるでバーゲンセールであり、これは株価にも当てはまります。
1つ目の割安な株価については、日経平均で1株あたりの純利益を株価で割った、株の「益利回り」は6%強で、驚くほど高い利回りになっています。一方、長期国債(10年)の金利はまだ非常に低く、最近上がってきたといっても0.8%程度。両者を比べると、株の利回りが圧倒的に高い。株が買われ、株価が上昇するのはおかしいことではありません。
株価が上昇すると、「経済政策がうまくいっている証拠」と政治家は喧伝しますが、株高をもって日本経済が順調であるとか、経済が成長しているとは必ずしもいえません。株式はあくまで企業利益だけを反映するものです。
実際、日本経済全体は、1995年から現在に至るまで、全く成長していません。1995年以降の国内総生産(GDP)をドル換算した推移を見ると、日本は1995年を100とすれば2022年は76。27年前に比べて4分の3に縮小しています。同じ期間に米国経済は3.3倍に拡大し、中国に至っては24.5倍。つまり、世界を見ると日本経済だけが成長できずに4半世紀以上も停滞を続けてきたのです。
賃金統計でも、日本の1人あたりの実質賃金は、1996年~2023年で17%減少。世帯所得の中央値も、1994年から2019年までの25年間で、505万円から374万円へと約130万円も減少しています。OECD(経済協力開発機構)が発表する各国の平均賃金(購買力平価ベースでの賃金所得)で、1995年に日本はG5(先進5カ国)で第3位でした。それが現在ではG5と韓国を含めても第6位。つまり、経済も賃金も大幅に悪化した中で、企業利益を反映する指標だけが良くなっているのです。
財務省発表の法人企業統計を見ても、第2次安倍政権時の2012年から2017年の5年間だけで、法人企業の当期純利益は2.3倍に拡大しました。
経済活動の結果として生まれる果実は資本と労働に分配されますが、資本側の取り分が拡大し、労働側の取り分が減少したということです。つまり、労働者の賃金減少という犠牲の上に企業の利益が拡大し、株価が上がっているというのが現在の図式です。
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◆血税を使ってJR東海と地域の崩壊を招く 破綻寸前の「アベ友利権」
取材・文◎横田 一(ジャーナリスト)
「JR東海の破綻リスク」まで指摘されるリニア中央新幹線を巡っては、事業主体のJR東海が品川―名古屋間の開業を、当初目標の2027年から34年以降に延期することを発表。一方、計画反対の急先鋒をつとめてきた川勝平太・静岡県知事は“不適切発言”を巡り4月10日に辞職願を提出した。
ただし気になるのは、昨年頃からインターネットを中心に、川勝知事を批判する記事が急増していたことだ。
その主たる発信源は“変節記者”と呼びたくなる雑誌『静岡人』編集長の小林一哉氏で、大手出版社のネットメディア・現代ビジネス、プレジデントオンライン、東洋経済オンラインに頻繁に登場、南アルプスのトンネル工事着工を認めない川勝知事に対して集中砲火を浴びせ続けている。
そんな中で「2匹目のどじょう」を狙うかのように川勝知事批判を始めたのが、元プレジデント編集長の小倉健一氏(イトモス研究所所長)。古巣のプレジデントオンラインだけでなく、現代ビジネスやWiLLオンラインにも記事が掲載されるようになった。
そこからは、リニア計画を進めるJR東海が拍手喝采を送りそうな小林氏や小倉氏の記事を、名だたる経済メディアが積極的に掲載する思惑が透けて見えてくる。広告収入が期待できる大企業に寄り添った商業(タイアップ)路線を突き進んでいるのではないかと疑いたくなってしまうのだ。
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◆民間人・企業を狙う「国家管理」 「経済安保」新法案の危険な中身
取材・文◎足立昌勝(救援連絡センター代表/関東学院大学名誉教授)
3月19日の衆議院本会議で、所管の高市早苗経済安保担当相が、経済安保法の第2弾にあたる「重要経済安保情報保護活用法案」の趣旨説明を行なった。今後は2022年に成立した経済安保法と同様に、内閣委員会に付託され、審議が続くことになる。
この法案の正式名称は、「重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案」といい、経済安保法が成立した時から第2弾として予定されていた。「経済活動の担い手が民間事業者であることに留意しつつ、官民の情報共有を可能にする仕組みが必要」と、法案の観点が説明されているが、その内容は、重要経済安保情報を“秘密”と指定し、漏洩や不正取得を罰することで、情報漏洩のリスクに万全を期するというもの。いわば経済情報秘密保護法である(本稿ではこの名称を用いる)。
日本には2013年からすでに特定秘密保護法が存在し、防衛・外交・特定有害活動の防止・テロリズムの防止の4項目が“秘密”と指定されてきた。その指定件数は年々増加し、指定が始まった14年の382件から1年ごとに約20~70件が追加され、23年は751件。10年間でほぼ倍増している。
このように国家秘密は増加傾向にあり、国民の監視からどんどんと離れている。この現状において、さらに経済情報秘密保護法を成立させることにより、経済面での秘密指定が行なわれていけば、世界経済における自由競争も阻害することになる。
政府は安全保障の確保のため必要だと言う。しかし、経済の国家管理という意味で、今から50年くらい前に頻繁に言われていた「国家独占資本主義」の再来といえるだろう。
曖昧すぎる対象
この法案は、特定秘密保護法と一体をなし、「特定秘密保護法の経済安保版」といわれている。「法律案の概要」によれば、まず政府保有の経済安全保障上重要な情報として特定秘密があり、それに加えて重要経済安保情報が挙げられている。その具体例として、「サイバー脅威・対策等に関する情報」が採り上げられている。
形の上では、特定秘密保護法と一致しているように見られるが、今回の法案の最大の特徴は、後に述べる「重要経済基盤毀損活動」の適性評価につき、その調査を内閣総理大臣の任務としていることである。適性評価対象者の選別は、時の内閣の意向が反映されることになり、国家的色彩が強まることは明白だ。
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政治経済学者・植草一秀が読み解く株価高騰の裏で何が起きているのか
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