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ここでは6月号の注目記事3本の一部を紹介します。

◆「議員も記者も排除」で答弁拒否率76% 小池百合子暴かれた”女帝”の虚像
 取材・文◎横田 一(ジャーナリスト)

 

 

女性初の総理大臣への道が再び見えてきた瞬間、学歴詐称疑惑を報じた“文春砲”が直撃、知事三選すら危うくなった――。目まぐるしく展開する“小池劇場”が再び開幕していた。

過去最低の内閣支持率にあえぐ岸田文雄首相と入れ替わるかのように、小池百合子都知事のメディア露出度が急増。国会議員でもないのに上川陽子・外務大臣と並ぶ「女性初の総理大臣候補」と持ち上げられ、電撃辞任して衆院東京15区補選(4月28日投開票)に出馬が取り沙汰されるなど、国政復帰の可能性も囁かれた。

「絵空事ではなさそうだ」と印象づける朝日新聞の記事が出たのが3月12日。八王子市長選(1月21日投開票)から間もない夜に自民党都連会長の萩生田光一氏と小池知事が会食し、「小池氏に対し、今夏の都知事選で3選を目指す場合は支援、また古巣の自民党に復党を望めば、後押しする考えも示したという」という関係者のコメントを報じたのだ。

八王子市が選挙区(衆院東京24区)の萩生田氏が小池知事に感謝したくなる心情は、市長選を取材した記者ならすぐにわかる。本来なら陣頭指揮をとる役割を担っている地元選出の衆院議員で、しかも自民党幹部なのに、裏金事件で表に出ることを控えざるを得なかったからだ。

今回の市長選は三期務めた現職から新人への継承という一戦にもかかわらず、萩生田氏は候補者と街宣車に乗ることは一度もなく、室内に支援者を集め支持をひっそりと訴えるだけだった。

ただし高市早苗大臣を応援弁士として呼んだ1月16日の個人演説会では、冒頭で挨拶。東京地検に対してこんな“勝利宣言”を発していた。

「ワイドショーを観ていると、だんだん私が(裏金事件の)真ん中にいる(聴衆から笑い)。『大丈夫か』と街の中で皆が話していたのだろうと思いますが、そういう問題ではなくて、『修正をきちんとする』ということになっておりますので、東京地検に連れて行かれることはございません」

それでも世間の批判を気にしてか、街頭演説で同じような訴えを堂々とすることはなかった。

そうした萩生田氏の代役を務めたのが小池知事だった。投開票日の2日前に現地入り、街宣車上で自公推薦の新人・初宿和夫候補と並んで支持を呼びかけた。世論調査では、元都民ファ都議の滝田泰彦候補(立民・共産・社民などが支持)にリードを許していたが、最終盤で初宿氏の逆転勝利を呼び込む原動力となったのだ。

政治とカネの問題で逆風にさらされる自民党に小池知事が助け舟を出したのは、八王子市長選だけではなかった。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n9e7d84b5819b

◆自創協力で次期戦闘機の第三国輸出解禁へ 日本を「兵器産業国家」にする創価学会・公明党
 取材・文◎柿田睦夫(ジャーナリスト)

 

 

「私どもは、池田先生のご遺訓・ご指導を命に刻み……日々、前進してまいりたい」

昨年11月18日、この四半世紀にわたる「自公政権」の生みの親でもある池田大作・創価学会名誉会長死去を公表するにあたり、原田稔同会長が談話を発表してそう述べた。

池田氏は創価学会名誉会長、SGI(創価学会インタナショナル)会長であるだけでなく、「本会の永遠の師匠」(会憲・会則第三条)という存在である。その「遺訓」は「命に刻む」ほど重いものなのだ。

池田氏の主張の中心に、常に据えられていたのが「平和」だった。実際、その説話や著書(とされるもの)には「平和」の語が頻繁に登場する。創価学会員にとって「精神の正史」である小説『新・人間革命』(聖教新聞社)の冒頭には、こうある。

「平和ほど、尊きものはない。平和ほど、幸福なものはない」

さらに、「核兵器および一切の軍備を地球上から消滅させ、一切の戦争を廃絶する」とも書いている。

池田氏は核兵器だけでなく、一切の軍備を消滅させることこそが「平和」なのだと説く。創価学会と公明党は、この「池田遺訓」にどう向き合ってきたのか――。

開会中の通常国会で、「防衛装備移転3原則」をめぐる重要な政策変更があった。日英伊3国が共同開発する次期戦闘機の第三国輸出解禁である。「兵器産業国家」への始動というべきものだ。これを、国会決議抜きに自公両党の“密室会議”で決めた。

ちなみに「防衛装備」とは「武器」のことで、「移転」とは「輸出」のこと。安倍晋三自公政権がそう言い換えた。安倍氏が得意とした目くらましの手法である。

かつてこの国には「武器輸出三原則」があり、武器の輸出は原則全面禁止だった。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n97b6256833da

◆事業者に従業員を監視・排除させる日本版DBS法案の違憲性
 取材・文◎足立昌勝(救援連絡センター代表)

 

 

対象事業者に従業員らの性犯罪歴の確認を義務づける「日本版DBS」法案について自民党内の意見がまとまらず、国会提出が遅れていたものの、3月19日に閣議決定されて、衆議院に送付された(5月9日に衆議院で審議入り)。昨年9月5日に有識者会議からの報告書がまとめられても、自民党内の異論百出により成案化が遅れていたのである(1月号を参照)。

法案の正式名称は、「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案」というが、内容から判断すれば、職業選択の自由を定めた日本国憲法に違反する「特定性犯罪者排除法案」といっても過言ではない。

 日本版DBS法案の仕組み

性暴力が児童に与える影響が多大なものであることは、異論のないところである。そこで政府は、教員や教育・保育従事者等が特定性犯罪を過去に行なった事実があるか否かに関する情報を、国が学校設置者や当該教育保育事業者等に提供する仕組みを設け、それらの者を教育現場等から排除することを目指し、法案を作成した。

まず法案では、教育や保育等を提供する事業者は、子どもとの関係において、

①児童を指導するなど非対称の力関係があるなかで支配的・優越的立場に立つ支配性
②時間単位のものを含めて児童と生活をともにするなどして児童に対し継続的に密接な人間関係を持つ継続性
③親等の監視が届かない状況の下で預かり養護等をするものであり他者の目に触れにくい状況を作り出すことが容易である閉鎖性

という三要件を持ち、その現場では性犯罪や性暴力が発生する基盤があるとされる。

この三要件により、法案における事業・業務の範囲が定められた。自民党の要望を受け入れて、範囲を大幅に拡張した形だ。子どもたちが通う稽古事、習字教室や将棋教室は、すべてこれに含まれるものと思われる。

これらの事業において、業務従事者による児童への性犯罪・性暴力を防止しなければならないのは当然だ。しかし、その防止義務を事業者に課すことには、明らかに無理がある。国民の相互監視の一形態といえるのではないか。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/ndd097058ed36

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『紙の爆弾』2024年 6月号

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