小渕優子経産相、松島みどり法相が10月20日、辞任に追い込まれた。ざーまーみさらせ! だが、まだ足りない。女性大臣として任命された輩のうち高市、三谷、有村はまだ平然と職にとどまっている。高市は初めて国政選挙に出馬する前から統一教会(原理研=勝共連合)からの支援があからさまで、極右の人物として知られていたが、山谷、有村は、今をときめく「在特会」(在日特権を許さない市民の会)の支援者であり、山谷は外国人記者クラブでその件を質問された際、あわあわ、回答に窮していた。
首相が安倍なので側近がこのような極右女性大臣というのはお似合いではあるが、山谷が国家公安委員長とは悪い冗談にもならない。「在特会」の暴力、暴言を放置して、それに反対する市民をどんどん逮捕するだろう。だって、山谷自身が「在特会」と仲良しなんだから。因みに安倍自身も統一教会からの献金・支援を長年に渡り受けており、こいつを支持する「在特会」の心情は摩訶不思議である。
◆過激な「差別思想」の持ち主で固めた第二次安倍内閣の閣僚たち
女性政治家だからといって、男性よりも子供思いだとか、心優しいなどと、まさか信じている読者は少なかろうが、第二次安倍内閣で大臣に就任した女性政治家は以前から過激ともいる「差別思想」の持ち主が多数だ(小渕はボケているから幾分ましであったという見方はある)。
安倍すらが参拝を見送くった(実際は「玉ぐし料」という実質「賽銭」を姑息に行っているので卑怯極まりないが)、靖国神社にはしゃいで参拝するような連中である。早晩叩き潰されてしかるべきなのだ。政教分離の建前から「国家神道」の延長線上にある「靖国神社」を大臣が崇拝することは憲法違反が明確だ。
裁判所の判断などいらないし、関係ない。憲法を文字通り読めばそうなのだ。立憲政治において「文言の判断」など子供だましの言い訳である。戦前からの「国家神道」を未だに、いや、この時代であるからこそ参拝によって、衆愚政治を推し進めようとする大臣どもは万死に値する。
安倍は前回総理就任した際にも多数の閣僚不祥事から辞任を経て、自滅していった経験を持つ。中には在任中に自殺した人物さえいた。
弱者をいじめて、周辺アジア諸国を馬鹿にして、原発再稼働賛成の論陣を張っていた『週刊新潮』が今回は小渕のスキャンダルを取り上げた。新潮、久しぶりに仕事したやないかと、一応褒めておこう。
しかし、私が知るだけでも高市、山谷、安倍に対する直接、間接の「在特会」勢力からの献金は少ない額ではない。多数の記者を抱える週刊誌、まだまだ本気になれば取れる玉があるだろうが!
◆言論の逆境──『創』の危機
ところで、月刊『創』の経営が窮地に立たされているという噂を耳にした。巻頭写真ページを持っていた柳美里が原稿料の不払いをを理由に掲載をストップしているのが主因らしい。
『創』はマスコミ批判を柱に、『マスコミ就職読本』などで財政的には安泰と思っていたが、聞くところによると最近は『紙の爆弾』よりも実売数が下回っているという。鹿砦社の松岡社長には失礼ながら『創』には顕名でかなり名の知れた執筆陣が毎号寄稿しており、まさかそんな苦境に陥っているとは想像しなかった。『紙の爆弾』とは無縁な大企業の広告も掲載されているし、「柳美里氏は怖いので原稿料を払っているが他のライターは原稿料なし」というのが業界での常識だった。
私自身も何度か『創』には寄稿したが、原稿料をもらったことはない。社員数が極端に少ない『創』にいったい何が起こっているのであろうか?
ともあれ、路線や戦い方は異なっても多様な言論を確保するうえで、『創』の奮起を期待したい。余計かもしれないが、佐藤優のような「モサドから金をもらっている」という人間に誌面を提供することを止めるところから立て直しを図ってはいかがだろうか。そして安倍反動内閣や「在特会」へ本気で批判を浴びせば、読者は戻るだろう。
大きな書店には「月刊誌」、「総合誌」のコーナーがある。文庫新刊書をブラブラ見ながら好きな作家の新刊を漁って、最後に「総合誌」、「月刊誌」のコーナーへ行くのがかつての彷徨ルートだった。が、『噂の真相』、『月刊現代』が廃刊になり、手に取りたいと思う雑誌が激減し、リベラル・左翼系の月刊誌は探し出すのが一苦労だ。代わりに『WILL』や『新潮+45』、それだけではなく「嫌韓」、「日本の誇り」なる低俗唾棄すべき紙の無駄使いが山積みされている。
もう「月刊誌」、「総合誌」のコーナーは苦痛の場所だ。だから東電の広告を掲載していた『創』。執筆者に原稿料を払わなかった『創』、社員を苛酷に使いすぎるとの噂のある『創』、編集長の性格が難しい『創』であっても奮起を期待したい。
言論の領域がどんどん狭窄になる今日、『創』の存在は貴重である(もち上げ過ぎか?)。
(田所敏夫)