『紙の爆弾』『季節』をはじめとする鹿砦社の出版活動を支持されるすべての皆様!
まずは、去る1月6日、1996年以来30年近くに渡り鹿砦社の裁判闘争を支えてくださった内藤隆弁護士が急逝されました。内藤先生は、大学院生リンチ事件関連訴訟をご担当いただいており係争中でした。さらに、一昨年(2023年)7月31日には、こちらも1995年以来30年近く、主に関西での裁判闘争を支えてくださった中道武美弁護士が亡くなられました。中道先生は、『紙の爆弾』創刊直後になされた、「名誉毀損」に名を借りた言論・出版弾圧刑事事件の主任弁護人を務めていただきました。内藤先生には、この民事訴訟の代理人をも務めていただきました。鹿砦社の出版活動を背後から支えていただいたお二人の弁護士を亡くし、私たちは深い悲しみにあります。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。しかし、私たちは両先生のご遺志にお応えするためにも、いつまでも悲しみにふけってばかりもおれません。
さて、2005年に創刊された月刊『紙の爆弾』は、来る4月7日発売号にて創刊20周年を迎えんとしています。また、『紙の爆弾』の姉妹誌ともいうべき反原発情報誌『季節』(季刊)は、逸早く昨年8月5日発売号にて創刊10周年を迎えました。
かの『噂の眞相』休刊後しばらく、いわば“噂眞ロス”が続き、多方面からの強い要請で月刊『紙の爆弾』は創刊されました。創刊に至るまでに、取得が超困難といわれる雑誌コードを取得しなければなりませんでしたが、中川が足繁く取次会社に通い交渉を重ね、奇跡的にも取得できました。この面では『噂の眞相』休刊も吉に働いたようです。
『噂の眞相』は創刊直後、「皇室ポルノ事件」によって廃刊の危機に瀕しましたが、これを乗り越え、さらには「名誉毀損」刑事事件(在宅起訴。のちに岡留氏に懲役8月、執行猶予2年。デスクに懲役6月、執行猶予2年の有罪判決)など幾多の傷を負いながらも持続し、休刊時には発行部数が10万部を超えるまでになったと聞きました。松岡が、編集長兼発行人だった岡留安則氏(故人)から生前直接聞いたりしたところによれば10年間は赤字だったとのことで、そうした幾多の修羅場を乗り越え発展・継続したそうです。(このあたりのことは松岡と岡留氏との対談集『闘論 スキャンダリズムの眞相』〔鹿砦社刊〕をご参照ください。残り僅か)
『紙の爆弾』も、創刊直後(2005年7月12日)、「名誉毀損」に名を借りた言論・出版弾圧により松岡逮捕→192日間の長期勾留→有罪判決(懲役1年2月、執行猶予4年)、巨額賠償金(一審300万円→控訴審600万円に倍増し最高裁で確定)を食らい鹿砦社は、松岡勾留中に事務所も撤去、壊滅的打撃を受けました。同じ「名誉毀損」事件ですが、岡留氏が在宅起訴、松岡が逮捕―長期勾留(身柄拘束)と、量刑も含め鹿砦社事件がいかに重大だったかが判るでしょう。
メディア・出版界、あるいは周囲のほとんどは、鹿砦社がそのまま沈んでいくことを信じてやまない中、信用不安にもかかわらず、決して多くはない取引先やライターの皆様方がサポートされ、あるいは取次会社も取引を維持して、なんとか会社は継続し、事件から4年余り後、一気にヒット、そのままヒットが続き復活、本社の甲子園返り咲きが実現したのでした。この時の感激は忘れることができません。その後、勢いに乗じ反原発雑誌『NO NUKES voice』(現『季節』)も創刊(2014年8月)しました。
その後、弾圧10周年(2015年)、また鹿砦社創業50周年(2019年)と、東京と西宮(本社所在地)にてお集まりいただき、会社復活・継続を祝っていただきました。そうして『紙の爆弾』創刊20周年を左団扇(うちわ)で迎えることを、私たちも含め誰しもが信じてやみませんでした。
しかし、人の世は何が起きるかわかりません。2020年からの新型コロナ襲来にて、世の中がそうだったように鹿砦社を取り巻く情況が一変いたしました。これを甘く見ていました。当初は売上微減、借入も必要なく、しばらくは“備蓄米”もたっぷりあり余裕さえありました。
ところが、書店の休業が続き、想定外の返品も続き、売上が激減し、途端に“備蓄米”が毎月1千万円前後なくなり、あっというまに青色吐息状態になりました。当社の規模で数千万円の“備蓄米”は何が起きても大丈夫の証だったはずですが認識と見通しが甘かったです。
こうした中、読者、寄稿者の皆様はじめ、これまで『紙の爆弾』『季節』、鹿砦社の出版活動を支えてくださった方々がご支援してくださり、新型コロナ襲撃以来5年間をサポートいただきました。あらためてお礼申し上げます。
あっというまの20年でした。そうして迎える『紙の爆弾』創刊20周年──いろいろなことが去来し胸が熱くなります。あらためて想起すると、20年という年月の重さを感じます。
そういうことで私たちは、創刊20周年記念号が発売になる直前の、来る4月5日に皆様方にお集まりいただき、20年間生き抜いてきたことを祝い、閉塞状況からの反転攻勢の橋頭堡にしたいと考えました。松岡が生きている間には最後になるやもしれません(次の30周年に松岡はおそらく生きていないでしょう。現実問題、生きていてもボケたりして尋常な状態ではないと思います)。こうした意味で松岡にとっては最後の檜舞台のつもりです。20周年の集まりまでに、もうひと山を越え、立派に集いを成し遂げ、次の10年に向けた財政の一助にするために、ぜひご賛同いただき、できれば駆け付け叱咤激励していただければ、とお願いいたします。
私たち鹿砦社は必ず閉塞状況を突破し反転攻勢を勝ち取り、腐朽化し権力のポチと堕したメディアの中で存在感のあるリトルマガジンとして『紙の爆弾』、そして姉妹誌であり唯一の反原発雑誌『季節』(紙の爆弾増刊)の旗を守り抜き、鹿砦社の名の通り、タブーなき言論の砦として皆様方と共に在り続ける決意です。圧倒的なご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
冒頭に挙げた内藤、中道両先生にも良いご報告をさせてください。
*集いの具体的内容が決まりましたら、あらためてお知らせいたします。
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