新鋭もロートルも、DUELで輝くRORD TO CHAMPION! 堀田春樹

前日計量は2月8日、12時よりVALLELYジムにて、全員一回でパス。
DUELのリングでNJKF 2024年の年間表彰式が行われました。大田拓真が2年連続最優秀選手賞獲得。

◎DUEL.33 / 2月9日(日)GENスポーツパレス 18:00~20:10
主催:VALLELYジム / 認定:ニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)

戦績は興行プログラムを参照し、この日の結果を加えています。

◆第7試合 67.0kg契約3回戦

NJKFスーパーライト級3位.マリモー(=沼耕平/KING/ 66.5kg)39戦15勝23敗1分 
        VS
ソムプラユン・ヒロキ(=緑川広樹/DANGER/ 66.5kg)7戦2勝5敗
勝者:マリモー / 判定3-0
主審:児島真人
副審:宮沢30-27. 中山29-27. 多賀谷30-27

両者パンチとローキックの攻防。ソムプラユン・ヒロキは長身を利した前蹴りやハイキックも使うが、マリモーはガードを固めて回避し我武者羅にパンチで攻める。

第2ラウンドには蹴りから首相撲の展開も見られ、マリモーはソムプラユンをロープ際に追い込んで、パンチ連打でより一層追い詰めて更にパンチからヒザ蹴り、左ボディーブローでノックダウンを奪った。第3ラウンドに入っても仕留められなかったが、優勢を保ったマリモーが判定勝利を飾った。

マリモーのハイキックがソムプラユン・ヒロキの顔面を襲う
マリモーのハイキックがソムプラユン・ヒロキの顔面を襲う
マリモーの前蹴りがソムプラユン・ヒロキの喉元にヒット
マリモーの前蹴りがソムプラユン・ヒロキの喉元にヒット

マリモーは「全然駄目だったんで出直して来ます。前蹴りとか対策して来たんですけど何も出来なかったんで」と反省点を振り返っていた。

ソムプラユン・ヒロキも似た反省点で「全然駄目でしたね。ヒザ蹴り貰ってしまいました。」と言葉少なに反省を語りました。

ラウンドガールとツーショットはなかなか無いぞ、マリモー

◆第6試合 フライ級3回戦

NJKFフライ級6位.愁斗(Bombo Freely/ 50.75kg)11戦6勝(3KO)3敗2分 
        VS
NJKFフライ級9位.明夢(新興ムエタイ/ 50.8kg)14戦4勝(1KO)7敗3分
勝者:愁斗 / 判定2-0
主審:梅下湧暉
副審:宮沢29-29. 中山29-28. 児島30-29

愁斗は前回11月10日にNJKFフライ級9位.永井雷智(VALLELY)にTKO負け。

明夢は前回、12月8日にNJKFフライ級7位.悠(=吉仲悠/VALLELY)と対戦し引分け。

初回早々から蹴りの交錯が始まり、愁斗がスピードで優る。離れた距離から接近してのヒザ蹴りも鋭い愁斗。明夢は出遅れ気味でも我武者羅に前進し、首相撲の展開では明夢も踏ん張り愁斗を崩し転ばす場面もあり。愁斗はテクニックの差は魅せたが、粘った明夢も善戦した。

愁斗の鋭いハイキックが明夢を翻弄
愁斗のヒザ蹴りが明夢のボディーにヒット
フライ級戦線、期待が掛かる愁斗

◆第5試合 スーパーフェザー級3回戦

パヤヤーム浜田(KING/ 58.75kg)16戦2勝(1KO)14敗
          VS
翔吾(DANGER/ 58.6kg)3戦1勝1敗1NC
勝者:翔吾 / 判定0-3
主審:多賀谷敏朗
副審:宮沢29-30. 梅下28-30. 児島28-29

初回早々は翔吾がパンチ連打と蹴りも合わせてパヤヤーム浜田をロープに詰めたが、浜田もミドルキックやローキックで態勢を立て直すも、翔吾がやや攻勢を維持。
しかし、浜田の左ミドルキックが冴えた。翔吾のパンチの攻勢も浜田の返す左ミドルキックが強くヒットした。

両者、主導権を奪うに至らずも終盤は打ち合う流れで終了。僅差で翔吾が判定勝利を掴んだ。

翔吾のハイキックがパヤヤーム浜田にヒット、手数で優った
パヤヤーム浜田も左ミドルキックで翔吾を苦しめた

◆第4試合 女子ミネルヴァ 45.0kg級契約3回戦(2分制)

ミネルヴァ・ペーパー級4位.Uver∞miyU(T-KIX/ 44.95kg)14戦4勝9敗1分
      VS
杉田風夏(谷山ジム小田原道場/ 44.75kg)3戦2勝1敗
勝者:杉田風夏 / 判定0-3
主審:中山宏美      
副審:多賀谷28-30. 梅下29-30. 児島29-30

蹴りとパンチは一進一退も、接近戦で組み合うとヒザ蹴りが優った杉田風夏。ジャッジ三者が揃ったラウンドは無かったが、ヒザ蹴りで優った杉田が僅差判定勝利した。

杉田風夏は組み合ってのヒザ蹴りがUver∞miyUに優る展開に導いた

◆第3試合 フライ級3回戦

西村心(菅原道場/ 50.4kg)2戦1勝(1KO)1敗
VS
手塚瑠唯(VERTEX/ 50.5kg)4戦2勝(1KO)2敗
勝者:手塚瑠唯 / 判定0-3
主審:宮沢誠
副審:多賀谷24-30. 梅下24-30. 中山24-30

初回、アグレッシブに多彩な攻防を魅せた両者。手塚瑠唯はパンチからハイキックでロープに詰めパンチからヒザ蹴りでノックダウンを奪った。

第2ラウンドも攻勢維持した手塚だが、西村心もパンチで攻め心折れないアグレッシブな攻め。手塚は組み付くいてヒザ蹴り連打を続けるとレフェリーはスタンディングダウンを宣した。更にヒザ蹴りで猛攻の後、崩し転ばすとダメージあることからノックダウン扱いとなって2度目となるダウン。

第3ラウンド、手塚も勢い落ちたが攻勢を維持し圧倒した展開で終了。

◆第2試合 フライ級3回戦

高橋大輝(エス/ 50.45kg)6戦3勝3敗1分
     VS
トマト・バーテックスジム(VERTEX/ 50.4kg)5戦4敗1分 
勝者:高橋大輝 / 判定3-0
主審:児島真人
副審:多賀谷30-28. 宮沢30-29. 中山30-29

◆第1試合 55.0kg契約3回戦

上原心汰(MWS/ 54.9kg)3戦1勝2敗
      VS
堤昇之(DANGER/ 54.75kg)2戦1敗1分
勝者:上原心汰 / 判定3-0
主審:梅下湧暉
副審:多賀谷29-28. 児島29-28. 中山29-28

年間表彰選手、前列は左から基山幹太、吉田凛汰朗、大田拓真、真美、小林亜維二

《取材戦記》

負けが込んでいる者同士の戦いでも、いかに目立った試合が出来るか、埋もれた実力を発揮できるかが勝負のDUEL興行。

アグレッシブにノックダウン奪って勝利したマリモーは、マイクアピールで「これだけは言わせてください」と何やら動物愛護のアピールをしていたようですが、応援ファンも「マリモー、聞こえねえぞ!」と野次られるほどマイクに声が響かない。

リングを下りたマリモーに聞いてみると「僕は動物虐待とか殺処分とか大嫌いなんです。動物たちを見守ってあげて欲しいです」と訴えていた。

以前も動物愛護精神を持ったマリモーということを聞いたことがあり、キングジムでも蛙とヘビが飼われていた時の生き物係はマリモーだったと思うが、そんな、顔に似合わない優しさを持つマリモー。もっとリング上で訴えるには今後も勝利して後楽園ホールのリングで語って貰いたいところです。

GENスポーツパレスに於いてDUEL興行でNJKF年間表彰式とは珍しいパターンでした。ちょっと規模縮小の感も拭えずも、先週2月2日興行は終了時間制限の事情もあったでしょう。昨年は後楽園飯店で行なわれましたが、後楽園ホールで興行の際の年間表彰式はリング上で最も注目される場所でしょう。プロボクシングでの年間表彰式は東京ドームホテルで開催が多く、競技組織のスケールの違いを感じます。

以下はニュージャパンキックボクシング連盟の年間表彰選手です。昨年の表彰式で「来年は俺がMVP」と宣言していた嵐は努力賞に留まるも、努力の成果が出るのが今年となるか。大田拓真のMVPは内外で活躍した結果で順当なところでしょう。

年間最優秀選手=大田拓真(新興ムエタイ)

年間最高試合(2024年6月2日開催64.0kg契約)

吉田凛汰朗(VERTEX)vs基山幹太(BELLWOOD FIGHT TEAM)

女子ミネルヴァ優秀選手=真美(team lmmortaL)

殊勲賞=吉田凛汰朗(VERTEX)

敢闘賞=小林亜維二(新興ムエタイ)

技能賞=宮越慶二郎(拳粋会宮越道場)

努力賞=嵐(KING)

新人賞=永井雷智(VALLELY)、藤井昴(KING)

ゴング格闘技賞=小林亜維二(新興ムエタイ)

Fight&Life賞=谷津晴之(新興ムエタイ)

イーファイト賞=大田拓真(新興ムエタイ)

バウトレビュー賞=大田拓真 (新興ムエタイ)

先週の次回興行予定にこの2月9日のDUEL興行が抜けていましたが、次回NJKF関連は3月16日(日)に女子ミネルヴァ興行、「GODDESS OF VICTORY Ⅲ」がGENスポーツパレスで開催されます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

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