屁世滑稽新聞(屁世〔へいせい〕26年11月3日)

火山の近所の原発再稼動で「地方早世」……の巻

情報ライブ「ミエネ屋」オープニング
https://www.youtube.com/watch?v=pxCRKPP8FCg

ミエネ 「こんにちワ。情報ライブ“ミエネ屋”です。きょうは冒頭からトンデモない事件がとびこんできました。さっそく藤邑(ふじむら)レポーターから伝えてもらいましょう。藤邑さん、藤邑さん!」
藤邑レポーター 「はい!藤邑です。わたしは今、じつは福岡県庁に設置された“桜島大噴火臨時対策本部”の前におります。けさ午前3時まえに突然おきた桜島の大噴火は、観測史上かつてない規模のものでして、我々は鹿児島の現地に近づくことができません。対策本部もこのように九州北端の福岡県庁に置くしかないという、とてもきびしい状況です」
ミエネ 「……で藤邑さん、鹿児島の現地どうなってるかわかります? いちばん気がかりなのは川内(せんだい)原発でっせ。このあいだ地元の議会やら役場が原発の再稼動を認めて、九州電力も政府も大喜びしたばかりだったやないの。その原発、今朝からの噴火でドナイなってんの?」
藤邑レポーター 「ミエネさん、まず川内原発の様子ですけど、この写真みてください。原発がずっと運転を止めていたんで、その間はこんなふうに、風光明媚でのんびりした景色が広がっていたんですよ」

九州電力が運転休止していた当時の川内原発。
地平線のかなたに桜島がみえる。(薩摩川内市
の川内川河口をのぞむ海上から航空撮影)

ミエネ 「ホンマに絶景やんか! デッカイお便所みたいなもんが、手前の海辺に立っていなければ、美しい海と山にめぐまれた自然の楽園なんやけど、今となっては残念なことしたナア……」
藤邑レポーター 「次にこの写真ですが、これは先日の地元の再稼動容認をとりつけて、浮かれていたときの川内原発の様子です」 

 

再稼動決定を祝う川内原発。右から1号機と2号機。
九州電力では原発に紅白水引幕をたらし、くす玉で
飾り立てて、再稼動の決定を歓迎した。

ミエネ 「なんやの? これ? 河内の盆踊りのやぐらみたいやんか。電力会社や政府にしても、原発を受け入れた地元の自治体にしても、ひょっとして原発を“大仏さん”とか“七福神”みたいに思うてヘンか? なんや科学技術というよりも、ご利益をくださる舶来の神さまみたいに思うてんとチャウ?」
藤邑レポーター 「ミエネさん、私もじつは同じことを感じておりました。大都市から離れた辺鄙(へんぴ)な場所で、地元の政治家とか有力者のホッペタを札束で叩いて飼い慣らして、それでこういう大きな迷惑施設を建てさえすれば、地元も潤(うる)おうからケッコウなことであると……なんだかそういう欲ったかりのスケベ心が、この川内原発にはあからさまに見えるのですよ。在来仏教の権勢だけでなく、その時代時代のパトロンの権勢をも世間に見せせつけるウラ心があって、古来から日本のあちこちに建てられきた大寺院などを、この原発の間の抜けた風体から連想してしまいます……」
ミエネ 「ナア藤邑はん、あんたテレビ本番でそんなこというて大丈夫なんか?」
藤邑レポーター 「ミエネさん。この番組はなんていう題名でしたっけ? ミエネ屋ですよ、みえねヤ! スポンサーとか東京のナベツネに因縁つけられたら『そらスンマヘン、なんも見えね~や(笑)』ってシャレてゴマカしゃいいんですよ」
ミエネ 「藤邑はん、アンタ日本でいちばん勇敢なレポーターやワ。僕が保証したる。……ところで今、川内原発はどないなってんの?」
藤邑レポーター 「我々は現地に近づくことができないので、この目で川内原発の現状をみるのは不可能です。しかしここに、川内原発の被災後の姿を米軍が無人偵察機グローバルホークで高々度から撮影した写真があります。先ほど政府の福岡対策本部で発表されたばかりのものです」

桜島の大噴火で、川内原発も大量の火山灰や火山弾に襲われ、
長年の不安が現実のものとなった。川内原発はたちまち制御
不能におちいり、1号機・2号機ともに爆発炎上を起こした。

ミエネ 「……これはひどい。九州の南部一帯に噴火の被害が及んでいることが、一目みてわかります。……そして藤邑さん、我々が恐れていたことが、ついに起きてしまいましたね」
藤邑レポーター 「……ええ。そのうち大噴火が起きてトンデモないことになるって、みんながあれほど反対したのに。一部のバカ野郎のせいで、国って簡単に亡びていくものなのかもしれませんね」
ミエネ 「フクシマの二の舞になった感があります。今回は原発から噴き出した“死の灰”が、どんなふうに飛散していくかを予測する“緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム”のSPEEDI(スピーディ)が動いていませんから、もうこんな写真みちゃうと絶望的な気分ですね」
藤邑レポーター 「ごらんのように、すでに川内原発は1号機も2号機も爆発炎上を起こしているので、被曝の危険性が高いから人間が操縦する偵察機で接近することはできません。そしてそもそも、桜島から噴出した非常に粒のこまかい火山灰が、大気中に高濃度で漂っているので、航空機が近づくこと自体、非常に危険です。……ですから無人偵察機で、非常にたかい高度から、望遠写真で眺めるしか手がありません」
ミエネ 「そういえば2011年の東日本大震災で福島原発が爆発炎上したときも、米軍のグローバルホークは事故翌日から原発の上空を飛んで監視していました(https://www.youtube.com/watch?v=AC8ORgWDelw )。ところで藤邑さん、対策本部はなんでアメリカ軍の航空写真をあっさり公開したんやろか? 日本政府ってふつうそういうの隠すでしょ?」
藤邑レポーター 「今回は隠しきれないと観念したんじゃないですか?(笑)」
ミエネ 「さよか(笑)。災いが大きすぎて、小手先のウソは通じないと踏んだかな……。で、藤邑さん、福岡の対策本部でほかに発表されてることありますか?」
藤邑レポーター 「鹿児島現地や原発との通信も途絶していますし、避難の状況もまだつかめていません。今回の大噴火は、自然災害が我々の“想定”をやすやすと超えてしまうことを、こんなかたちで教えてくれました。」
ミエネ 「わかりました藤邑さん、また何か動きがあったら教えてください。藤邑さん、くれぐれもからだに気いつけてぇヤ! そして被災者の皆さまのご無事を祈りましょう。……コマーシャルのあとは次のコーナーです」 

★CM(あいさつの魔法、ACジャパンhttps://www.youtube.com/watch?v=zBqekh3glxA
★CM(瀬戸内寂聴 ACジャパンhttps://www.youtube.com/watch?v=0jjlf2KXa1E

 

ミエネ 「では次のコーナーに行きます。ホントは今日なにもなければ、これが冒頭やったんやけど。予期せぬ災害が起きてしまったんで……。スタンバイしてはった餅ヶ瀬(もちがせ)さん、エライ待たせてすまんナァ。どうぞ思う存分レポートたのんますワ!」
餅ヶ瀬レポーター 「ハイ! ミエネさんに過大な期待をかけられてしまいましたが、芸能畑ひとすじのワタクシ餅ヶ瀬が、きょうお伝えするのは永田町のエライ人たちの“知能検査”……ということになってしまいました(笑)」
ミエネ 「餅ヶ瀬チャン、IQテストを持って議員会館へ行ったんか?」
餅ヶ瀬レポーター 「いえいえ、ミエネさん、ちがうんですよ。『ちほうそうせい』が何を意味するのか、安倍政権の大臣たちに単純に聞いてまわっただけなんですが、わたくしの想定外の答えがつぎつぎと返ってきたので、急きょ“お笑い企画”に変更したんです」
ミエネ 「ホンマでっか? それではイントロ映像から行ってミヨっ!」 

 安倍晋三首相は「ちほうそうせい」を行政の柱にすえ、
石破茂を「ちほうそうせい」大臣に据えたが、この2人は
いったいどこまで言葉の意味をわかっているのだろう?

 

餅ヶ瀬レポーター 「え~、わたくしは安倍政権が売りものしている『ちほ~そうせい』というスローガンが、いったい何を意味しているのか知りたくて、安倍政権の幹部のかたがたに、その意味をたずねて回りました。その結果は、わが目を疑うものでした。まず副総理の麻生太郎さんに聞きました。『麻生副総理!“ちほ~そうせい”ってどういう意味ですか、この色紙に書いていただきたいのですが?』……」
ミエネ 「……で、麻生さん、書いてくれたの?」
餅ヶ瀬レポーター 「ハイ。評判の高い、あの立派な筆づかいで書いてくれたのですが……ガッカリでした……(笑)」

麻生太郎副総理に「ちほうそうせい」と書いて下さいと
頼んだのだが……


ミエネ 「これは重症やナァ。麻生さん、すでにボケてるんとチャウか?」
餅ヶ瀬レポーター 「サア? わたしは医者じゃないので、そこまでの判断はつきません。麻生さん一流のボケかもしれませんし……」
ミエネ 「やっぱりボケやないか(笑)。こんなボケが出せるの、昨今はお笑い芸人でもなかなかオラへんで(笑)」
餅ヶ瀬レポーター 「ミエネさん、つぎは辞任するまえの、経済産業大臣になったばかりの小渕優子さんをたずねました。これがまた大変な結果になったんです。この写真をみて下さい……」


政治資金不正流用スキャンダルが出てくるまえ、経産大臣
(辞任前)の小渕優子氏に「ちほうそうせい」と書いて
下さいと頼んだら、全然関係ないことを書いたから
ビックリした。それを撮ったら心霊写真になってたから
2度ビックリした。

 

ミエネ 「うわぁっ! お父さんの幽霊が写ってるやんか! そうか……小渕恵三さんも、娘さんを案じて成仏できへんのか。優子ちゃんはもっとシッカリせんとアカンな。おトウちゃんが死んでも心配かけてることを、この写真をみて自覚せにゃアカンわ」
餅ヶ瀬レポーター 「しかも誤字ですし……」
ミエネ 「優子ちゃんも、新米の経産大臣で張り切っていたんだとしても『稼動』を『嫁動』なんて書いちゃイカンよなぁ……。だいたい優子ちゃんのところは、前の職場の同僚だったTBSプロデューサーの瀬戸口くんが、小渕家にムコ入りして、夫のほうから苗字を変えたんだから『嫁動』すらしてへんで。早稲田はレベル低いなぁ……」
餅ヶ瀬レポーター 「つぎは政界とは違いますが、たまたま局内で上方漫才の大木こだま・ひびき師匠と出会ったので、『ちほ~そうせい』について聞いてみました」
ミエネ 「餅ヶ瀬さんもムチャしますなぁ(笑)」
餅ヶ瀬レポーター 「でもさすがベテラン芸人さんでした」


ついでに、上方漫才の大木こだま・ひびき両師匠に
「ちほうそうせい」についてコメントをうかがった
ところ、「チッチキチー!」とツッコミを入れられて、
「チー放送せえ!」と迫られた。 

 

ミエネ 「こだま師匠は“チッチキチーシール”をまだ売ってたんかいな?」
餅ヶ瀬レポーター 「大阪なんばグランド花月の地下にある“吉本笑店街”で、売られているという話を聞いたことはありますが、いまも売っているのかどうかは、ごめんなさい、わかりません。……そして最後は“ちほ~そうせい大臣”の石破さんに、『“ちほ~そうせい”ってどういう意味ですか?』って聞いてみたんですが……。散々でした(笑)」

さてどんじりに控えしは、「ちほうそうせい」担当大臣の
石破茂氏であるが、その意味を書いてもらったところ
彼はトンデモない思いちがいをしていることがわかった。 

 

ミエネ 「石破さん、なんかトンデモない誤解をしてへんか? 『早世』って“早死”するという意味なんだけど、石破さんはひょっとして“若くして出世する”ことだと勘違いしてへんか?」
餅ヶ瀬レポーター 「……それなんですけど、石破さん、かなり危ないかもしれません」 

 

藤邑レポーター 「ミエネさん、ミエネさん! 藤邑ですが、いましがた福岡県庁の桜島大噴火臨時対策本部で石破大臣が記者会見をしましたので、その様子をお送りします」


石破「地方早世」大臣、桜島の大噴火に、指を立てて
風向きを見ながら曰く…… 。・゚・(ノД`)・゚・。

 

ミエネ 「藤邑さん、ごくろうさまです。石破大臣は人差し指をたてて、風向きをみて、“人間スピーディ”を演じたわけですね? 器用やナァ、この人(笑)」
藤邑レポーター 「ミエネさん、石破大臣の“人間スピーディ”は親の七光りで東京電力に就職した娘さんから教わったそうです。指一本で“死の灰”が流れていく先を予測できるなら、たしかにスーパーコンピューターなんて必要ないですよね」
ミエネ 「人差し指一本で放射性物質の拡散を予測できる石破さんは、髪の毛をピンとたてて“妖気”を計るゲゲゲの鬼太郎みたいですね」
藤邑レポーター 「水木しげる先生の劇画ですか。石破さんが鬼太郎なら、安倍総理はヒットラーってことになりますね」

水木しげる著『劇画ヒットラー』

ミエネ 「それ言うたら、小泉政権で経済方面の大臣として重用されて、いまも安倍政権のアベノミクスの知恵袋として暗躍している竹中平蔵さんなんか、『墓場の鬼太郎』に出てくる“吸血鬼エリート”やんか」

 

水木しげる著『墓場の鬼太郎』の吸血鬼エリート

藤邑レポーター 「つまり安倍政権は百鬼夜行の化け物集団だってことですか……」
ミエネ 「藤邑くん、この企画は真夏にやっておきたかったよナァ。“安倍政権は人の生き血を吸う妖怪集団”だってことでゴッツおもろい企画になっただろうに。タイミングはずしたワ(笑)」
藤邑レポーター 「ミエネさん、諦(あき)めるのはまだ早いですよ。これからまた消費税の増税が行なわれて、やつら国民の生き血をチューチュー吸いよるからね」
ミエネ 「それ行こっ! 納涼企画で行くでぇ!……って、増税がきまるの真冬やんか! どこまでも人でなしの政権やなぁ……」
藤邑レポーター 「吸血鬼ですから、そりゃ“人でなし”ですよ(笑)」
ミエネ 「スタジオの外じゃ火山が大噴火して原発も爆発してるのに、エエんかいな、こんなことしていて?……」

(ここでCMが入る。以下略のまま終了)

 

 

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