RORD TO CHAMPION 今回のDUELは岩橋伸太郎が主役!

堀田春樹

前日計量はVALLELYジムにて12時より行われ、全員一回でパスしています。
岩橋伸太郎が昨年10月に引分けたTAKUYAにノックダウン奪って判定勝利。
悠は地道な努力で以前より積極性増した展開でTOMOに判定勝利。
愁斗は今年2連勝。大久保貴宏にノックダウンを奪って判定勝利。
上位三名はいずれも判定勝利ながら勢い増した展開を見せた。

◎DUEL.34 / 4月20日(日)GENスポーツパレス 18:00~19:47
主催:VALLELYジム / 認定:ニュージャパンキックボクシング連盟

◆第8試合 ライト級3回戦

NJKFライト級2位.TAKUYA(K-CRONY/1993.12.31茨城県出身/ 61.1kg)
17戦7勝8敗2分
VS
同級3位.岩橋伸太郎(エス/1987.6.4神奈川県出身/ 60.9 kg)26戦9勝14敗3分
勝者:岩橋伸太郎 / 判定0-3
主審:多賀谷敏朗
副審:宮沢26-30. 児島27-29. 中山27-29

2022年5月21日のDUEL.23 に於いてNJKFライト級王座決定戦5回戦で、岩橋伸太郎が判定勝利でTAKUYAを下し王座獲得しているが、昨年10月13日のDUEL.31に於いて両者は蹴り合う互角の攻防の末に3回戦引分け。今回は初回からアグレッシブに先手打って出た岩橋伸太郎。首相撲から崩す圧力も効果的に優勢を保った。TAKUYAも離れた距離での蹴りも効果的も岩橋のリズムを崩せず。第3ラウンドには岩橋が右ストレートでノックダウンを奪い、大差判定勝利を飾った。

TAKUYAが前進したところ、岩橋伸太郎の右ストレートヒット
岩橋伸太郎がノックダウン奪った右ストレート、戦略が功を奏した

岩橋伸太郎は試合後「前回ドローだったので白黒つけてやろうと意気込んでいたので、自分から行こうとずっと思っていたことが功を奏したなと思います。今回は自信が付きましたね!」と撮影ブースでファンに囲まれながらの回答で陽気に応えてくれました。

撮影ブースにて、自信を付けた勝利で今後に繋げたい岩橋伸太郎

◆第7試合 フライ級3回戦

NJKFフライ級4位.TOMO(K-CRONY/1982.10.30茨城県出身/ 50.65kg)
24戦7勝(5KO)14敗3分
VS
NJKFフライ級7位.悠(=吉仲悠/VALLELY/ 50.7kg)12戦5勝(2KO)5敗2分
勝者:悠 / 判定0-3
主審:梅下湧暉
副審:宮沢27-30. 多賀谷27-30. 中山27-30

悠は前回、12月8日に、過去一度勝っている明夢(新興ムエタイ)と引分け。
ローキックとパンチの攻防から悠が先手打つ積極性で優位に立つ。ボディーブロー、バックハンドブロー、上下の蹴りと多彩に優る悠。

悠も成長が見られた積極果敢な蹴りで前進

第2ラウンドには接近戦で悠の右ヒジ打ちがヒットしてTOMOの左頬がカットされた。TOMOは蹴りで巻き返したいが、悠のアグレッシブな前進は衰えずフルマークの判定勝利。

悠がヒジ打ちでTOMOの頬を斬る。今後も必殺技となるか

◆第6試合 フライ級3回戦

NJKFフライ級8位.大久保貴宏(京都野口/ 50.65kg)7戦4勝3敗
VS
NJKFフライ級6位.愁斗(Bombo Freely/ 50.8kg)12戦7勝(3KO)3敗2分
勝者:愁斗 / 判定0-3
主審:児島真人
副審:宮沢27-30. 多賀谷26-30. 梅下27-30

愁斗は前回2月9日に明夢(新興ムエタイ)に判定勝利。

パンチと蹴りで徐々に優る愁斗のスピードとしなやかさ、大久保貴宏も勢いよく蹴っていくが愁斗を下がらせるには至らない。愁斗のハイキックが大久保の顔面を掠め、第3ラウンドには愁斗のパンチか、大久保がややスリップ気味ではあったがノックダウン。その差は開いて愁斗が大差判定勝利。

愁斗のミドルキック、キャッチされるが振り解いて更に蹴って出る
愁斗のミドルキックがガードの上からでも蹴りつける、距離感を掴むのも上手かった

◆第5試合 女子ミネルヴァ・ペーパー級3回戦(2分制)

ミネルヴァ・ペーパー級2位.AIKO(AX/ 43.05kg)20戦10勝9敗1分
VS
港町なぎさ(ワイルドシーサー前橋元総社/ 42.65kg)3戦1勝2敗
勝者:AIKO / 判定2-0
主審:中山宏美
副審:児島29-29. 多賀谷29-28. 梅下30-29

AIKOは前回、3月16日に沙緒里(ワイルドシーサー前橋関根)にフルマークの判定勝利。一ヶ月余りでの出場はちょっとキツイかもだが、パンチと蹴りの攻防の中、徐々に勢い増し、飛びヒザ蹴りも見せる果敢な攻めで圧力を掛けた。第3ラウンドにはAIKOの前蹴りが港町なぎさのアゴにヒットさせた勢いが優ったか、僅差ながらAIKOが判定勝利。

ちょっとシャッターチャンスが遅れたが、AIKOの前蹴りで港町なぎさが仰け反る

◆第4試合 55.0kg契約3回戦

NJKFバンタム級3位.山川敏弘(京都野口/ 54.95kg)23戦10勝(6KO)11敗2分
VS
NJKFスーパーバンタム級6位.王清志(新興ムエタイ/ 54.75kg)23戦10勝12敗1分
勝者:山川敏弘 / KO 3ラウンド 1分28秒
主審:宮沢誠      

初回、蹴りとパンチの互角の攻防は差が付かない展開。第2ラウンドに山川敏弘がややパンチから攻勢に転じ、第3ラウンドには山川が王清志をロープ際に詰めてヒザ蹴りでノックダウンを奪った。更にボディーブローヒットさせ、ヒザ蹴りで倒してテンカウントを聞かせた。

山川敏弘のヒザ蹴りで王清志が堪らずノックダウン、後方でテンション上がる野口会長

◆第3試合 ライト級3回戦

金沢ごりちゅう光輝(AX/ 61.1kg)3戦3勝(1KO)
       VS
須貝孔喜(VALLELY/ 61.1kg)8戦3勝5敗
勝者:金沢ごりちゅう光輝 / KO 1ラウンド1分50秒

アグレッシブに攻め合う主導権争いは、金沢ごりちゅう光輝がヒザ蹴りでノックダウンを奪い、須貝孔喜の前蹴りに合わせてバックハンドブローで2度目のノックダウンを奪った。これでダメージ深くなったか、蹴り合いから再び金沢がヒザ蹴り連打でノックダウン奪うと3ノックダウンとなって金沢がノックアウト勝利となった。

須貝孔喜を下した金沢ごりちゅう光輝、金沢久幸氏の御子息である

◆第2試合 59.0kg契約3回戦

長友亮二(KING/ 58.3kg)3戦2勝1敗
       VS
小野寛(Bombo Freely/ 58.35kg)3戦1勝(1KO)2敗
勝者:小野寛 / TKO 2ラウンド 41秒

長友亮二のフットワークいい動きだったが、徐々に小野寛のパンチに圧される中、第2ラウンドには小野の右ミドルキックから右ストレートヒットすると長友亮二はノックダウンし、立ち上がるもレフェリーストップとなった。

◆第1試合 フェザー級3回戦

長谷川柊哉(AX/ 56.75kg)2戦2敗
       VS
神谷章夫(ワイルドシーサー南風原/ 56.6kg)4戦2勝(1KO)2敗
勝者:神谷章夫 / 判定0-2 (28-30. 29-29. 28-30)

パンチとローキックの静かな攻防から神谷章夫の右ストレートが増して行き、ヒット優って判定勝利。

《取材戦記》

さほど注目されるカードは無いが、新鋭からピークを過ぎたベテランまで、毎度活気あるDUEL興行です。

長友亮二が60歳超えでのKO負けはさすがに無理があるかと思いますが、プロとしての明確な規定は必要でしょう。

岩橋伸太郎と悠がこれまでよりアグレッシブに攻める姿が印象的でした。岩橋には王座再挑戦を目指して欲しいところです。

悠は、米田貴志会長が以前指摘していた「躊躇したり、ブチ切れて行く気迫、相手を飲み込むような力強さがあれば!」という部分が成長していた感じでした。

開場前の米田貴志会長は自身のVALLELYジムから出場する二名について、「悠は勝てばランキング上位に上がるでしょうし、須貝孔喜は勝てばランキング入りです。
練習の成果を発揮すれば結果は付いて来ると思います!」と語っていたが、興行終了後は「悠は凄い自信が付いた一戦だったのかなと思います。最近は勝利に繋がらない試合もあって足踏み状態ではありましたが、今回で一蹴された感じですね。今後もどんどん上位へ挑戦させたいし、楽しみですね!」と語られました。

「須貝孔喜については呑まれてしまった感じで勿体無かったです!」という感想でした。

次回のDUEL.35は6月22日(日)に予定されています。NJKF本興行CHALLENGER.8は4月27日に続いて6月8日(日)にCHALLENGER.9が開催されます。

堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」