編集後記(松岡利康=鹿砦社代表)より
◆『NO NUKES voice』vol.3をお届けします。3・11から4年の直前ということもあり、vol.1、vol.2に比べ大幅なページ増(24ページも!)となりました。それでも次号に回させていただいた原稿もあります。本来なら定価も上げるところ、えいっ、据え置きました。まだまだ知名度もなく、広く多くの方々に手にとっていただくことを最優先に考えたからです。
vol.1、vol.2は、それなりに反響があったものの、発行部数が多かったこともあり大幅な赤字でした。それでも大幅にページを増やしたり定価を据え置いたり、さらに赤字を増やす危険を冒してイカレてしまったのか!?
今のところは会社も少しは余裕もあり、ははは、大丈夫、大丈夫!(苦笑)しかし、まだ余裕があるうちに黒字化に持って行きたいところです。そうしないと続きませんからね。できるだけ早く本誌だけで採算的に独立できるように努めたいものです。
◆vol.1、vol.2に続き今号も力作が揃いました。特に若い時から陰ながら尊敬していた水戸巌さん、高木仁三郎さんお二人のご夫人に同じ号でご登場いただけたことは、おそらくこれまでなかったことではないでしょうか。日本の反原発運動の先駆けでありながら、いろんな妨害などで孤立無援に近い闘いを持続してこられた水戸・高木両氏、今こそ私たちはお二人の想いや意志を甦らせねばなりません。
特に(私個人としても)お二人が70年代初めに関わられた三里塚闘争の意味、これが共通項になっていることに着眼していただきたいと思います。私も当時、第二次強制収用阻止闘争前後に一時期三里塚と大学(京都)を往復したりし、この第二次強制収用阻止闘争を闘いました。この体験が今に生きている思っています。あれだけシンドい闘いをやれたのだから、あれ以上の闘いはないし、どのように苦しくても頑張れる……と自分に言い聞かせてきたつもりです。
話が逸れるかもしれませんが、経済産業省前のテントひろばこそ、“もうひとつの三里塚闘争”といえ、かつて三里塚闘争に関わった方々(“老人行動隊”!? 失礼!)が多く支えていますので、これはちょっとやそっとでは潰れないと思います。
同じ時代に三里塚闘争に関わりながら、お二人の想いや意志を理解できず、結果としてお二人を孤立無援に近い情況にしてきたことが悔やまれます。
◆本誌を3号編集して、まだ3号だけですが、多くの方々にご協力賜っています。人間は統一、画一を求めるようで、同じ意見でなければ排除したり、同じ雑誌に意見の異なる人を登場させることを嫌いがちです。しかし、100人の人間がいれば100人、個性も考え方も異なります。今号に登場されている方々を見ても、脱(反)原発という点では同じでも、微妙に、いや、かなり意見が異なっています。確かに寄稿やインタビューを依頼する際、私自身の好き嫌いも否めませんが、最大限本誌は百家争鳴で行きたいと思っています。
この際、少なくとも重きを置きたいことは、まず福島の方々の生の声をできるだけ盛り込む、若い世代、研究者、(ノンセクトの)活動家、アーティストら多種多彩な方々に登場いただき、まさに百花繚乱の雑誌にできれば、と考えています。ただ、政党や党派関係の方は、みずからの発表の場や媒体があるでしょうから、べつに本誌に登場いただかなくてもいいでしょう。
◆投稿欄で板坂剛さんが小出裕章先生の「私は喜んで非国民になります」との言にいたく感銘を受けていますが、これに倣って「非国民会議」を設立しようと意志一致しました。官製の「国民会議」というのがありますが、これに対抗し「非国民会議」、いいんじゃないでしょうか。しかし今、原発やオリンピックに反対したりすることは果たして国益に適うのか、むしろ逆説的に「非国民」と開き直る小出先生らのほうが、よっぽど愛国者だと思います。この期に及んでまで、美しい日本の国土をさらに荒廃させる原発推進支持者こそ、真の意味で<非国民>だ!
次号vol.4は5月発行予定です。ご期待ください!
松岡利康(鹿砦社代表)