暴走は止まらない。かつての政府見解も、閣議決定もこの男の前では意味がないようだ。ついに安倍は、自衛隊を「わが軍」と呼び本音を吐露した。
いつの間に「お前の軍隊になったのか」といった揶揄ではすますわけにはいかない。
◆防衛省に電話をかけて公式見解を聞いてみた
だから、当の「防衛省」に電話取材した(03-5366-3111)。
「自衛隊の法的位置づけについて教えていただきたいのですが」と代表番号に出た方に告げると、広報課に電話が回された。
「先日、国会で安倍首相が『わが軍』という表現で自衛隊を表現しましたが、防衛省のご見解はいかがでしょうか」
そう尋ねると至極全うな答えが返ってきた。
「憲法上最小限を超える実力を保持してはならない、という制約を政府から受けていますので自衛隊は『軍隊』ではありません」
と、電話応対してくださった方は語った。
私は、「国会で首相(自衛隊の最高指揮官)が『軍』という表現と意味を語ったことについてはどうお考えになりますか」と問うたが、「ここで個人的な意見を述べるのは差し控えさえていただきたい」との回答だった。担当者の氏名を聞いたが「申し訳ございません。お答えできません」との回答だった。
◆防衛省の回答と安倍「わが軍」発言の激しい齟齬
「わが軍」発言で私が確認したかったのは、防衛省の認識だけだ。安倍? あのドアホはどうでもいい(不幸にもこの国の最高権力者だから、本当はどうでもよくはないのだけれども)。
防衛省は明確に自衛隊が「軍隊」であることを否定した。安倍の暴言後、菅官房長官が「問題はない」といつも通りの「ボケ」をかましているけれども、防衛省の公式回答と安倍の発言の齟齬をどう説明するつもりだ。
急ぎ読者にご報告したく短文となったが、再度繰り返す。防衛省は自衛隊を「軍隊」と看做していないのに、安倍は自衛隊が「軍隊」であるかのように発言をした。
これは重大な行政知識不足と本人の思想が先行した暴言以外の何物でもない。
安倍は明日にでも防衛省に出向いて謝罪すべきである。
▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ
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