仕事でいまだに年間300本近くのAVを見るが、まったくしがらみもお仕着せもなく、もしおすすめできる人妻女優がいるとすれば、3人にしぼられるだろう。

◆雪菜のお勧めは「美人妻が嵌った誘惑エステマッサージ」

雪菜「美人妻が嵌った誘惑エステマッサージ」MAXING

まずは雪菜。雪菜は、「女雀士」という肩書きで、衝撃デビューを果たした。コケテッシュで、スレンダーながらも巨乳。腹筋も締まっている。麻雀プロなのにもかかわらず、麻雀をしているAVは1作のみで、その姿こそプロならではのツモりかたをしていたが、「リーチ」のときに誰も点棒を出さない点を、雪菜は指摘しなかったのだろうか。まあ重箱の隅をつついていてもしかたがない。

AV女優は「普通に撮る」「無理めな尺八を受ける」「精子をかぶりまくる」「乱交する」「SMする」「何十発も入れられる」「黒人とする」「野外でする」という、だんだんエスカレートするコースを歩むものだが、雪菜とて例外ではない。

ただ、特筆すべきは、通常であれば、月に何作もリリースして飽きられるという売り方ではなく、それ相応に作品をリリースする間隔をあけていることだ。つまり、メーカーは、雪菜が今度、どんなセックスをするのか、首を長くして待っている「枯渇状態」を作っているのだ。

作品はすべて「マキシング」というメーカーから出ているが、「美人妻が嵌った誘惑エステマッサージ」(マキシング)がおすすめだ。エステに訪れた人妻が、エステの秘密をする。それは、イケメンの店長が、ひそかに秘部をマッサージしてくれる上に、極太の肉棒をぶちこんでくれる。もはやエステに通い、欲望を解放させるのが日課となった雪菜は、日中からエステで愛撫を受けて、愛液をしとどに垂らす。やがて欲望は究極までふくらみ、ついに雪菜はこう店長に懇願する。「主人が休みの日に、家に来てくださいませんか」と。その哀願の刹那に、男たちのリビドーは爆発するのだ。

◆『ごめんなさい、あなた…。』の林ゆな

林ゆな「ごめんなさい、あなた…。」プレステージ

さて2人目を紹介しよう。「38歳ながらも、重力に逆らう乳房と美尻」のキャッチコピーで人妻AV女優としては、スマッシュヒットを連発しているのが林ゆな。2013年12月にプレステージからデビューして、早くも37タイトル。確かデビューした作品は『パーフェクト過ぎるFカップ人妻 林ゆな38歳 AVデビュー』(プレステージ)で、「浮気している旦那への腹いせ」としてAVに出たとのことだが、セックスを繰り返すごとに、乳房も尻も張りが出てきて、どんどん艶っぽくなってくるのがすばらしい。

あえてひとつ選ぶとすれば、チョイスが難しいが『ごめんなさい、あなた…。 林ゆな』(プレステージ)だろう。なにかのまちがいで、旦那が犯罪を犯してしまう。刑務所に面会に行った帰り、旦那の同僚に励まされるが、あまりにもつらすぎて同僚の体を求めてしまう。雨の中で「同僚」の目線の温もりに耐えられず、男の温もりを求めて、旦那以外の男を初めて家にあげるゆな。そして背徳の時間が始まるのだ。

林ゆなは、挿入されると、あるいは愛撫されると、腰がびくん、とエビ反るのが特徴だ。とりわけ、後ろからインサートされている場面では、男根がちぎれてしまうのではないか、と心配するほど腰を上下にピクつかせている。まあ、林は顔がイタリアのセレブ妻のような雰囲気を漂わせているので、ダイナミックな官能と、肢体のリアクションも込みで人気の秘密なのだろう。いずれにせよ、林の年齢にあらがうかのような「若さ」には着目すべきだ。

◆『罪深き秘蜜の関係』の竹内紗里奈

竹内紗里奈「罪深き秘蜜の関係」アタッカーズ

最後に推薦したい人妻女優は、おそらくあまり知られていないだろうが(失礼)、竹内紗里奈(※現在は引退し、『竹内ゆきの』名義で女優として活躍中)とする。竹内が急浮上する理由は、ここのところ、AV市場は、人妻ものが定番で、なおかつ「ドラマ性があるもの」が売れているからだ。つまり竹内の武器は「演技」である。雪菜も、林ゆなも人気を博しているのは、それなりにドラマ性がある作品に耐えうる演技をしているからだ。

もちろん、台詞使いや、表情などはプロの女優には足元にも及ばないが、そのプロの女優に迫る勢いなのが竹内。白い肌も、貞淑そうなふるまいも、和風な物腰も魅力だ。しかしながらインパクトに欠けるそのたたずまいは、本来であれば、もしかしたら企画系AV女優で終わってしまうかもしれなかった。だが竹内を起用したメーカーたちは、この時代ならではの「人妻の背徳」を背景にした作品でさえを見せる竹内に太鼓判を押すだろう。監督たちは、さすがに先見の明があったのだ。

あえてあげれば、作品としては、『罪深き秘蜜の関係 竹内紗里奈』(アタッカーズ)が秀逸だと思う。ドラマ性を重要とするアタッカーズは、「いけないながらも、体が男を求めてしまう」という背徳性と、その倫理に逆らう肉欲との葛藤がテーマだ。

作品のストーリーはこうだ。竹内は、旦那の弟から衝撃の告白を受ける。旦那の遺伝子鑑定をしてみると、実は旦那と父親は実の親子でないというのだ。旦那の弟は「兄が管理しているオヤジの貯金通帳を寄越せ」と竹内に迫り、ついでに「兄貴と縁を切るのはいいが、あんたと切れるのはもったいない」としてレイプされてしまうのだ。そして、何度も犯されるうちに「女性としての悦楽」に目覚めてしまい、すべてを捨てて弟のもとにバッグひとつで駆けつけるのだ。

弟がひそかに家に遊びにきたときに驚く表情、そして弟に抱いてほしいと懇願する、そのエロチックさと大胆さ。監督の計算を超えて、竹内の白い体は男を求めてうねりだす。かくして、3人の女優は、見せ所を知っている。この時代に、輝くにはあまりにも純粋で、希有な人妻女優たち。ひとつ、このゴールデンウィークは、彼女たちの肢体を堪能するのもいいかもしれない。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)

テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。

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