5月17日、ディファ有明で行われた「THE OUTSIDER 第35戦」に行って見た。冒頭、前田日明代表は「本日はお忙しい中、たくさんのご来場ありがとうございます。これからもOUTSIDERの選手、いろんなところでプロとの試合、他流試合を続けていって実力を発揮してもらいたいと思います。今OUTSIDERにいる選手は本当に…OUTSIDERはじめて8年目になりますが、ちょっと今までと違った可能性を持った選手が多いように思えます。どうぞ皆さんこれからも変わらぬご支援よろしくお願いします」と挨拶。(http://battle-news.com/?p=9066

伝えられるところでは、会場の「ディファ有明」を使用するのに、地元の自治会が違法駐車やタバコの投げ捨て、車の騒音などを問題し、会場使用が危ぶまれたが、しっかりと警備をして違法駐車は限りなくゼロ、周辺にも気を遣う運営となった。

◆7年目のアウトサイダー──朝倉海を筆頭に世界に打って出て勝負している選手たちが出て来た

まあ、ボクシングやキック、プロレスリング、空手、シュートなどプロの格闘技を山ほど見てきた僕にとっては、もはやアウトサイダーに敵がいなくなった朝倉海は、プロの格闘技ライターとしては、センスがあふれる選手ゆえに凝視の対象だ(ほかの選手がダメと言っているわけではない)。それほどに、朝倉のキックやパンチなどの攻撃のコンビネーションと防御は冴えている。この日は、蹴りで相手が場外に飛び出すほどだったが、「これだけ相手が守りに入っている中でよくぞ、崩した」とプロ格闘技の記者たちをうならせた。

アウトサイダーは7年目だが「不良どうしのケンカで金をとってどうする」と揶揄された。だが、今では、選手たちが世界に打って出て勝負している。これは非常にいいことだ。

朝倉(右)と前田代表

◆格闘技を続けるために警察学校をやめた佐野哲也の安定感

実は、もうひとり注目しているのが、プロの総合格闘技家の佐野哲也だ。佐野は、埼玉大学教養学部卒の秀才で、格闘技を続けるために警察学校をやめたという異色の経歴。実は「格闘技ブログ」のライターでもあり、「書く側」と「書かれる側」でもあるのだ。 佐野は33歳とやや全盛期をすぎたきらいはあるが、やはりバウンド(寝技)でよし、打撃もよし、打ち合いもよしと三拍子そろっていて安定感がある。

次戦は7月19日に、「70-75王者」のランボルギーニ・ヨシノリとタイトルマッチを行う。

はっきりいって年齢ゆえにきついだろうが、がんばっていただきたい。

このほかにも今後は、見所がある選手がたくさん出てくるだろう。だが今の時点で、プロの格闘技ライターたる僕が注目しているのは、この2人だけだ。僕に注目されたかったら、選手よ、いい試合をやってみせよ。

◆「総合格闘技を通じて人生を正しく素晴らしいものに出来る」(前田日明代表)

さて、アウトサイダーのもうひとつの魅力は、「スペシャル・バウンサー」として、格闘家の村上和成と2ショットが撮れたり、握手したりもできるという点だ。村上の魅力をひとことで表現するもの難しいが、「PRIDE.1」時代やや佐竹と死闘を繰り広げた試合、そしてプロレス結社魔界倶楽部を知る人にとっては、「レジェンド」である。さらに、ラウンドガール(アウトサイダーではDIVAと呼ぶらしい)のレベルもかなり高いといえる。

話を試合に戻すと、表彰式が終わった後に、前田代表が「長い間のご観戦、本当にありがとうございます。冒頭にも述べましたようにですね、新選手がいろいろな地方の大会、海外の大会……まぁ勝手に出た選手もいるんですけど(苦笑)、結果良ければすべてヨシってことで。まあ知らない間にですね、どんどんOUTSIDERのリング上も実力伯仲みたいで、これからもどんどん新しい、いろいろな交流をさせていきたいなと思います。ただ世間から見たらOUTSIDERは何か不良の危険な大会って思っているようですけど、そうじゃなくてですね。本当に総合格闘技を通じて人生を正しく素晴らしいものに出来る、そういう大会にしていきたいと思います。これからも選手たちを温かく見守ってくれるよう、よろしくお願いします」と挨拶した。

また、女性選手が声援を集めたことに触れて「盛り上がったね(笑)。試合自体はなんてことない試合なんだけど、女の子のほう募集がいまいち伸びないんですよね、なかなか。一番最初女子を企画した時女の子ですごいレベルが高いジム集団みたいのがあって、そこが事務所同士で試合したくないって組めなくて、その子達が出てきたらそれはそれであるなと。でもその子達ジム生同士試合しないんで、相手になる子達がちょっとね、レベルっていうとちょっとどうなんかなって。女の子の選手の層がどれぐらいあるかってイマイチ掴めない、情報がない」と話した。(http://battle-news.com/?p=9066

今度の大会では、千両役者の吉永啓之輔も帰ってくる予定だ。

さて、夏の大会では誰がヒーローとなるだろうか。

○リングス公式サイトhttp://www.rings.co.jp/
○[youtube]The Outsider Promotion
○[facbook]株式会社リングス

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」(http://genron1.blog.fc2.com)の管理人。

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