「ABCホームの元会長と暴力団のつながりは、かなり前からあった。それに韓国のチェジウ島ほかでのカジノでの詐欺の件もある。もう少し早く逮捕状が出てもよかった」(警視庁詰め記者)

差し押さえを受けたビル一部の登記を偽って競売を妨害した疑いが強まったとして、 警視庁組織犯罪対策4課は3月6日、競売入札妨害容疑などで不動産会社「ABCホーム.」の塩田大介元会長(44)ら2人の逮捕状を取り、共犯の元会長の兄で同社社長、 雄司容疑者(45)=東京都港区=と不動産会社社長、小野塚清容疑者(63)ら4人を逮捕した。

問題のビルは東京・西麻布にある「ABCドメイン西麻布」。関係者によると、「西麻布迎賓館」の 通称で呼ばれているという。会員制の飲食店などが入居し、芸能人も出入りする「大人の隠れ家」として テレビの情報番組などで紹介されている。
「逮捕したのは、表向きは不動産の競売容疑ですが、迎賓館では違法なバカラなどのカジノをしていたとして顧客名簿が警察に押収していたとされています。この中にたくさんのタレント名があるとされており、これこそ警察のマル対(探していたもの)でした」(ジャーナリスト)

この事件が拡大しそうなのは、塩田容疑者が「芸能界に大量の知人」がいる、という点だ。そもそも塩田氏は、海外のカジノで遊んだ金について知人の元暴力団、K氏とも暴力事件を起こしており、警察筋ではかなり強くマークされていた。
「酒井法子が塩田の結婚式に出ており、『大ちゃんおめでとう。マンション買うならABCホーム!』とスピーチするほど仲がいい。そのほかダルビッシュ有やゴルフの古閑美保、千原ジュニア、AKB48のメンバーらも迎賓館には出入りしており、これから島田紳助のごとき『芋づる式』逮捕が始まると噂されています」(スポーツ紙記者)

暴力団との交際で、紳助がダメというなら、もっと「つきあいが深い」というタレントは吐いて捨てるほどいる。もし、このままそうした「密接交際者」タレントが見逃される続けるとしたら、あまりにもアンフェアだという声が多くなってきた。
「私も、タレントを警察に引っ張るなら、この事件関連しかないと思う。これでもしタレントたちをスルーしたら、事務所サイドとなんらかの取引きがあったと見たほうがいいだろう」(司法記者)

そもそも、暴力団排除条例はなんのためにあるのか。「暴力団に利益供与しない」という目的で立ちあがった法律ではなかったのか。
この事件こそ、暴力団の利益供与の典型である。条例の存在意義が、この事件で問われている。

(渋谷三七十)