タロット占いを全裸で行うファンタジーヌード写真集「占―うらな《嬢王様の時代》」(板坂剛編著 写真/上田治躬)が鹿砦社からついにリリースされた。
「占」(うらな)は、一部のファンから「嬢王様」と呼ばれた特別な存在で、その不思議な世界感を鬼才、板坂剛氏がテキストで描きこんでいく。
板坂はこうつづる。
「タロット・カードを手にする前に、《占》は全裸になる。頭の中を空っぽにして、神経を過激な状態にして、自らの予感を待つ。私の最奥部から、吹き上げて来る予感が、内臓を貫き、咽喉にまで。熱と快い痛みを伴って到達すると、《占》の手は、何枚のカードから一枚を選び出す。裏返しにされたカードの表には、確かに彼女の予感が描かれている。(中略)カードに身をまかせることで、《占》は孤独に陶酔する時を得るのだが、その時間が長ければ長いほど日常との距離はますます遠くなる。(以下略)」
このあと、さらにテキストはエロチックに展開していくのであるが、もったいないので、あとは買ってのお楽しみとしておこう。
さて、官能的な文章を書くのは実に難しい。
さんざんぱら、エロい原稿を実話雑誌に求められて来たが、私は実にエロい文章が下手だ。実は、板坂先生の領域には一生、辿りつかないだろう。
かつて、フランス書院の官能文庫大賞向けに僕が書き始めた原稿のエロいシーンはこうだ。
あとでさんざん、小説の「師匠」に直されて四苦八苦して「内外タイムス」に掲載されたのだが、恥をしのんで『一稿』を出せば、オフィスでの社内恋愛で、仕事ができる男性社員が美女を社長ととりあう物語で、最初に登場するエロいシーンはこうだった。28歳のときの原稿だ。まあ、もしチャンスがあればじっくりと「エロスの伝道師」、板坂先生の指導を仰ぎたいものだ。
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「悦楽の摩天楼」 2章――1
次の日の午後十時。最上階の二十五階にある社長室では、代表取締役の田尻雄大が、ビリヤードに興じていた。今夜の田尻は、機嫌がよくなかった。社内の〈秘密の宴〉や〈裏ボーナス制度〉などを探っているネズミがいると、名取から報告を受けたからだ。
田尻が興じているのは、ただのビリヤードではなく、六か所あるポケットでは、それぞれ全裸の女が九十度、開脚して球を待っていた。
《(株)システム・ガーディアン》の若き独裁者、田尻はもともとプログラマーでメカ・オタクだった。大学在学中からウイルスの駆除ソフトを研究していくうち、ついに日本でもトップクラスのセキュリティ会社に成長させた。
マスコミの寵児となった田尻の秘密。それは女子社員を性奴隷にするこの「儀式」だ。
田尻はうまくキューを捌いて、ジャンプ・ショットで九番のボールを、白くて引き締まった肌の女、大林彩加に向けて放つ。
球はバックスピンが掛かり、彩加の秘部を十回転以上こすった。スポットは傾斜しており、股間に向かって滑っていく。
重力に加えて球には、ある程度スピンを掛ければ半永久的にスピンが掛かる仕掛けがしてある。なおかつ球には感度が増すクリームが塗ってあった。
田尻はキューを球に押しつけた、グイッと球が彩加の奥へ入っていく。
「ああああ、擦れていますぅ」
ストレッチのごとく両脚を九十度開いた体勢の彩加は、白くて丸い尻をよじらせ、田尻を見つめた。
「いやらしい女だな」
ほかの五人の女は羨ましそうに田尻と彩加を見ている。
田尻は彩加を弄びつつも、秘書課長の蓬莱由紀に肉棒を銜えさせている。
田尻は、社内ではミス・クールと呼ばれる優秀なユーティリティ・スタッフの由紀が、田尻の前ではただの雌犬と化ける過程を楽しんでいた。
「ほらほら、もっと舌を使え」
田尻は由紀の髪を掴み、グイグイと自分に近づけていく。
「あっ、あっ、殿様。そんな……」
肉棒を深く銜えすぎて咽せる由紀を、まだ離さない。
ゴホッゴホッと喉を痙攣させて、白目を剥いて、由紀は倒れた。
「なんだよ、由紀。もう、おしまいか」
「そういえば、お前は、オークションの宴に出ていたな」
「おかげさまで、秘書課に配属されました」
直立不動で彩加が通った声で返事をした。
「秘書課は、他の女子社員に比べて、給与が一桁ちがう。なぜか、わかるか」
「はい。田尻社長専属の奴隷にさせていただけるからです」
田尻は大きく頷いた。やはり秘書課に配属されるまでに、名取を筆頭に子飼いの取締役連中にそれ相応の「調教」を受けてきたと見える。
田尻は全裸の彩加にエプロンをつけてやり、ワイシャツを脱いだ。
田尻は内線電話のボタンを押した。
「総務か。この部屋はアツい。二十四度にしろと注意しただろう」
女子社員たちは一同、例外なく緊張した面持ちだ。
「お前を解雇する。明日から、来なくていい」
田尻は、脱いだワイシャツを空中に投げた。女子社員がすぐに駆け寄り、ワイシャツを床から拾って畳む。丸太のような二の腕で彩加を抱き寄せた。田尻がビリヤード台の上に座る。ビリヤード台の上に座ったまま、正座している彩加を見下ろしている。
「しゃぶれ。中腰でだ」
正座のまま、腰を上げて屹立した肉棒を下から上に遡るようにして舐め上げていく。
彩加の脚が「く」の字に曲がり、白い脹ら脛が見えた。田尻は冷静に彩加のテクニックを確認するため、彩加の舌の動きに集中した。
舌先が肉棒のカリに移った。やわらかい舌の裏で時計回りに田尻の肉棒を包む。田尻はビリヤード上にあるキューを彩加の秘芯にあてがって、こすりつけた。
「あーん」
甘い声で反応した彩加に「感じるのか」と尋ねつつ、田尻はキューを真上から彩加に振り下ろす。
「んぐっ。ありがとうございます」
彩加が涙が頬を伝うのが見える。
由紀が目を覚まして起き上がった。直立不動で田尻と彩加の「儀式」を見つめている。
田尻はドンッと彩加を蹴って窓際に歩いていく。
「由紀、名取に伝えておくんだ。最近の宴は、ゆるいってな」
田尻は女社員からワイシャツを受け取った。
「車を回せ。帰る」
不機嫌に吐き捨てた田尻は、背広を着て出ていった。
「悦楽の摩天楼」準備原稿より
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どうだろうか、僕は板坂氏の才能には嫉妬する。恋い焦がれたエロい写真と文章が、今、鹿砦社からリリースされた写真集としてここにある。
ああ、そして僕はなんと才能に恵まれなかった。もしかしたら20代で「占」で出会えていたら、才能は開花したのだろうか、エロスの神様、教えて欲しい。
僕みたいな淡泊なエロスとちがい、板坂氏と撮影した上田氏、占で作る淫猥な空間は、確かに「エロスの粘り」というものが天地を満たすほどに展開されている。もし占と板坂氏が許せば、この占の世界をこのブログで…などと希望してしまう。
そうした意味で「占」も、安っぽい風俗嬢とは一線を画した不思議少女で魅力満載だが、板坂氏のエロいテキストも続きが見たいというのは、僕の本音である。
巷のくだらないヌード写真集やAVよりも、千倍倍エロい写真と、そのあたりの官能小説家よりも一万倍、エロいテキストをどうかこのフォトエッセイでご堪能あれ。
(小林俊之)
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