7月19日(日)、福岡県福岡市中央区で安保関連法案(戦争法案)に反対するデモが行われた。天神駅前の警固公園を出発し、駅周辺を一周するコースで歩道上を行進するデモの為だったからなのか、警備の警察官の姿はなかった。
言われて後から気付いたのだが、赤い物を身に付けて参加して欲しいという呼びかけがあったようで、確かに赤が多い気がする。


[動画]若者憲法デモ@福岡 – 2015.7.19 福岡市(5分2秒)

こんな大雨の中、デモの撮影をしたのはもしかしたら初めてかもしれない。雨が強過ぎて撮影できなかった部分もあり、映像でどこまで雨の激しさが伝わったか分からないが、傘をさしていてもびしょ濡れになるレベルの雨であった。

何を隠そう。私は晴れ男(…と思っているの)で、雨に降られることはそんなに多くない(…と思っている)。
論より証拠だ。それを証明する為、過去1年間のデモ撮影時に雨に降られた確率を出してみると、「14%」という低そうな数値が出てきた。
年間降雨日数の全国平均は大体120日くらいなので、日本の年間降雨確率は大雑把であるが「33%」になる。果たして、この数値と比較して良いのか疑問が残るが、秋山理央の降水確率は平均値とかなりの差をつけて良好であることが分かった。
データを調べるのに時間が掛かったわりに、「自称 晴れ男」というちょっと頭悪そうな称号が得られただけだったのは、反省したほうが良いかもしれない…。
実際にあまり雨に降られないという感覚もあるが、天気が悪そうなら行き先を変更するという選択もしているので、数値が低かったのはそれもあったのかもしれない。


これほど凄い雨の場合は基本的には中止になるのだが、デモが出発した時点で雨は降っておらず開始20分後に降り出した。それから30分ほど土砂降りの雨が降り続いた。デモは1時間くらいだったので、大体半分くらい雨に降られていた事になる。最後尾がゴールする少し前に雨は上がり、中止になることなく行進は完遂された。デモ隊の人々はよく耐えたものだと思う。

社会運動において、「気合い」や「根性」という言葉は必須であるというようなイメージがあるかもしれないが、必須なんてことはない。むしろ、「日常」とか「持続可能」みたいな言葉の方が必須であるし、今の実態を良く言い表しているような気がする。
一部のコアな人々が「気合い」や「根性」で行なうのではなく、「日常」に即した「持続可能」で無理をなるべくしないようにして多くの人で行なった方が楽だし、効果が高いはずだ。
しかしながら、無理をしなくちゃいけない局面はあるし、押さえきれない想いが無理をさせてしまう時もある。ただ、その無理をしてでも行動をするべき時期は後になってみないと分からないので、今を生きる我々にとって非常に難しいところだ。

私はどうしても今回の安保法案に反対する各地のデモと、2012年の大飯原発再稼働に反対するデモが全国に広がった時のことを重ねてしまう。当時感じた勢いや力強さを、今回の雨の中のデモや各地のデモでも感じているからだ。
今のデモは当時に比べ参加者の幅が広く、若者が主催しているデモが全国各地で起きていることが最大の特徴である。ここのところ撮影に「若者デモ」だけを選ぶことができているくらいに全国的にデモの回数も多く、気付けば「戦争法案に反対する若者たち」シリーズも8回目である。

間もなく九州北部も梅雨明けし、安倍政権に反対する暑い夏がくる。



[2015年7月19日(日)・福岡県]

▼秋山理央(あきやま りお)
1984年、神奈川県生まれ。映像ディレクター/フォトジャーナリスト。
ウェブCM制作会社で働く傍ら、年間100回以上全国各地のデモや抗議を撮影している現場の鬼。
人々の様々な抗議の様子を伝える写真ルポ「理央眼」を『紙の爆弾』(鹿砦社)で、
全国の反原発デモを撮影したフォトエッセイ「ALL STOOD STILL」を『NO NUKES voice』(鹿砦社)にて連載中。

《ウィークリー理央眼》
◎《012》戦争法案に反対する若者たち VOL.7 甲府
◎《011》戦争法案に反対する若者たち VOL.6 国会前
◎《010》戦争法案に反対する若者たち VOL.5 鳥取
◎《009》戦争法案に反対する若者たち VOL.4 新潟
◎《008》札幌攻防戦!ヘイトスピーチを撮影せよ!
◎《007》戦争法案に反対する若者たち VOL.3 渋谷
◎《006》戦争法案に反対する若者たち VOL.2 札幌
◎《005》戦争法案に反対する若者たち VOL.1 京都

世代、地域を超えて「新たな脱原発情報ネットワーク」の構築を試みる『NO NUKES voice』