7月24日(金)、三重県津市で安保関連法案(戦争法案)に反対するデモが行われた。
津城趾そばの広場で集会を開き、津駅前まで行進をした。約70名のデモ隊を組織したのは安保法案に三重からも反対の声をあげたいと思った若者たちだ。


[動画]戦争法案に反対する、津・若者デモ – 2015.7.24 三重県津市(3分23秒)

SEALDsに刺激された「若者デモ」は全国に広がり、三重の県庁所在地・津でも行われた。コールは東京で聞く短いシュプレヒコールがメインになっているのだが、ここ独自のシュプレヒコールもあった。

「強行採決忘れないぞ!」「連休過ぎても忘れないぞ!」
これは、安保法案を7月16日に衆院本会議で強行採決して通過させた安倍政権が「三連休を挟めば忘れるだろう」と国民を鼻で笑ったことに対するコールだ。連休中も連休後も各地のデモで怒っている人はたくさんいたが、それをシュプレヒコールにしていたのは津だけだった。
また、三連休(7月18~20日)の期間に行われた山梨県甲府市のデモでは以下のようなスピーチがあった。
「安倍さん達は『この三連休で国民が戦争法案を強行採決したことなんか忘れるんだ』って言ってますけど、国民たちを本当にバカにしてると思います。
この三連休は日本各地で反対のデモや集会が行われたり、国会前にもたくさんの国民が集まっています。
日本中の国民がたくさんこの戦争法案に反対しているんだってことを歩いてアピールしているわけです」
連休が終わっても、各地からあがる反対の声は静かになるどころか激しさを増す一方だ。

「WAR IS OVER!」「IF YOU WANT IT!」
これも津で初めて聞いた、ありそうでなかったシュプレヒコール。正直なところ聞き取りにくかったが、注意して聞いてみると聞き取れないことはないし、意外と耳馴染みも良かった。
「戦争は終わる。あなたがそれを望むなら。」そういう意味の英文だが、今の日本においては「行動すれば戦争は止められる」というような感じの意味を持つ言葉なのではないだろうか。このような反戦の言葉を全国で若者たちが掲げ叫ばなければいけない日が来るなど想像もしていなかった。戦争の不安を抱いている人々が多くいる事実を政府は直視し、安全保障についての方針を見直すべきだろう。

三重で働く男性保育士のスピーチがあった。
「今、安倍政権がやろうとしている戦争法案が成立してしまったら、自分たちが見ている子供たちが戦場に行くかもしれない。そんな社会になるのは絶対に嫌です。」
職業上、彼は子供たちの心配をするのは自然なことだが、安保法案反対デモに参加している若者たちの口からも次の世代を心配する声をよく耳にする。10代20代の学生や若者らがそう叫ぶことに戸惑いを感じなくもない。しかし、まだ親にもなっていない人々にも自分の子や孫の心配をさせるほどの危機感を与えている安倍政権が進めている国づくりが異常過ぎるのだ。

今、日本全国であがっている声は、日本の未来を奪おうとしている安倍政権に対しての反発の声だ。未来のある若者が強く反応するのは当然のことだろう。
「安倍政権から未来を守れ!」このシュプレヒコールを津で聞いて、そんなことを思った。



[2015年7月24日(金)・三重県]

▼秋山理央(あきやま りお)
1984年、神奈川県生まれ。映像ディレクター/フォトジャーナリスト。
ウェブCM制作会社で働く傍ら、年間100回以上全国各地のデモや抗議を撮影している現場の鬼。
人々の様々な抗議の様子を伝える写真ルポ「理央眼」を『紙の爆弾』(鹿砦社)で、
全国の反原発デモを撮影したフォトエッセイ「ALL STOOD STILL」を『NO NUKES voice』(鹿砦社)にて連載中。

《ウィークリー理央眼》
◎《015》戦争法案に反対する若者たち VOL.9 熊本
◎《014》緊急寄稿・朝日新聞と冨永特別編集委員のおわび
◎《013》戦争法案に反対する若者たち VOL.8 福岡
◎《012》戦争法案に反対する若者たち VOL.7 甲府
◎《011》戦争法案に反対する若者たち VOL.6 国会前
◎《010》戦争法案に反対する若者たち VOL.5 鳥取
◎《009》戦争法案に反対する若者たち VOL.4 新潟
◎《008》札幌攻防戦!ヘイトスピーチを撮影せよ!
◎《007》戦争法案に反対する若者たち VOL.3 渋谷
◎《006》戦争法案に反対する若者たち VOL.2 札幌
◎《005》戦争法案に反対する若者たち VOL.1 京都

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