タブーなき月刊誌『紙の爆弾』の最新号記事がnoteで一部公開・購読可能となりました。

記事単位での購入も可能になりましたが、『紙の爆弾』はあくまで紙がメインのメディアです。興味を持っていただけましたら、ぜひ書店でお手にとっていただければ幸いです。定価700円(税込)、年間定期購読7700円(1号分お得です)。ここでは7月号の注目記事の一部を紹介します。

植草一秀が暴くニッポン戦争経済体制
大企業優遇と庶民搾取の先に待つもの

本誌5月号で昨年来の急激な円安、物価高、そして株高が示す日本の実態を解き明かした政治経済学者・植草一秀氏に、岸田文雄自公政権の経済政策が指し示す近未来について、再び話を聞いた。(構成・文責/編集部)

 

 

◆実質賃金が低下し続ける根本的原因

まず、大幅な円安と株高が毎日のように取り沙汰された2024年上半期の日本経済を振り返ってみましょう。5月16日に今年1~3月期(第1四半期)のGDP(国内総生産)統計が発表され、前期比で0.5%、年率で2.0%のマイナス成長となりました。

コロナ・パンデミックで落ち込んだGDPが、ようやくその前の水準を回復したのが昨年4~6月(562.6兆円)。しかし、続く7~9月から再び落ち込み前期比マイナス0.9%(558.0兆円)。10~12月期はゼロ成長で、今年1~3月期は再びマイナス0.5%です。

米国では、四半期で2度連続マイナス成長になると「景気後退」と表現します。ですから日本経済は、「昨年後半から景気後退の局面に移行している」と言って差し支えない状態です。

特に問題なのが国内需要で、昨年第2四半期の4~6月以降、マイナス0.6%、マイナス0.7%、マイナス0.2%、マイナス0.2%と、4四半期連続でマイナス成長が続いています。株価が上がったことで好調なイメージがあっても、実態は非常に悪いのです。

さらに物価の指標(GDPデフレーター)では、昨年度はプラス4.1%と、物価が激しく上昇しています。

こうした中で、実質賃金指数の伸び率は、今年3月がマイナス2.5%。2022年4月から24カ月連続のマイナスです。これは統計比較ができるようになってからの最長記録です。

3年前の2021年5月の実質賃金はプラス3.1%で、同年秋(10月4日)に岸田文雄政権が発足して以降、実質賃金指数はつるべ落としのようにマイナスが続いているわけです。

その大きな要因は、インフレの進行です。

5月号で指摘したことですが、1995年以降の28年間で5回だけ実質賃金が小幅に増えたことがあります。この5回は全て、物価が下がった年でした。日本において実質賃金を左右するのは物価であり、一部企業で賃上げがあっても、インフレにより物価がそれ以上に上がれば、差し引きで計算される実質賃金は減り続けていきます。
ならば、岸田首相が叫ぶべきは「賃上げ」ではなく、「インフレ抑止」であることは明白です。

日銀が「デフレからの脱却」を目指し2%のインフレターゲットを導入したのが2013年1月。そして、特にこの2~3年、インフレ率は日銀の目標値を大きく超えて4%も上昇しました。ある意味で、今の状況は日銀が目論んだ姿です。そもそもインフレ誘導の淵源をたどると、企業の賃金コストを減らすために提案された政策なのです。

現在の状況で賃上げを行なった会社のほとんどが大企業です。中小・零細企業は賃上げができないので、物価上昇分だけまるまる賃金が減少します。より一層、大企業とその他で格差が拡大しているわけです。

一方、株価を見ると、今年は日経平均が史上最高値を更新。4月22日に4万1087円を記録して、次は5万円突破が視野に入ります。

このように株価が大幅上昇した背景として、3つの要因を挙げることができます。

第1は、株価の指標から見て相対的に日本の株が割安だということ。日本企業の株の利回りは6~7%で、国債の利回り(1%)に比べると高い。利回りが高いということは、価格が安いということです。

第2は企業収益が拡大していること。日経平均採用銘柄の225社で、今年3月期の利益が予想ベースで前年比11%増。また、「マザーズ銘柄」「グロース企業」と呼ばれる新興成長企業でも、2024年3月期で56%増益という状況にあります。

第3は円安で、外国の資金が日本企業株式の取得に向かっています。

これらからわかることは、上昇する株価が反映しているのはあくまで企業利益だということです。政治の世界では株価上昇=景気好調の宣伝が盛んになされますが、株価と景気は別物で、企業収益を反映する株価は上昇していますが、冒頭で見たとおり、経済全体は超低迷が続いているのです。

経済が生み出した果実(=利益)は労働と資本に分配されます。資本の取り分が増えるほど、株価は上がります。しかし、実質労働賃金が減少し続けているように、労働者の取り分がどんどん減っています。株価の上昇は経済の好調さを示すものではなく、労働者が踏みつけにされていることの表れだと考えていいでしょう。

◆小泉内閣から始まった売国政策

アベノミクスの3つの柱は、「金融緩和」「財政出動」「成長戦略」でした。この3つのうちの核心は成長戦略です。

しかし、誰のための成長かということが重要で、真相は「大資本の利益の成長戦略」であり、「労働者の不利益の成長戦略」だったのです。結局、「大資本が栄えて民が滅ぶ」という流れが生み出されてきたことがわかります。

またアベノミクスの成長戦略には、後述する法人税減税や、経済特区という新たな利権も含まれます。ほかにも農業や医療の自由化、労働規制の撤廃というように、大資本の利益を拡張させるための様々な規制改革が次々に遂行されてきたのです。
このことは、安倍内閣が国民を騙してTPP(環太平洋パートナーシップ協定)を推進したことにも表れています。安倍晋三氏が率いた自民党は2012年末の総選挙で「TPP断固反対」と大書きしたポスターを貼りめぐらせましたが、政権奪取した選挙から3カ月も経たぬタイミングでTPP交渉参加を決め、発効に向けて突進しました。
その流れの元は、2001年に発足した小泉純一郎内閣にあります。新自由主義経済政策の旗を掲げた小泉内閣の規制改革で最も象徴的なのが、派遣労働の範囲拡大でした。

この小泉政権で政権中枢に加わった竹中平蔵氏(元経財相・金融相・総務相)は、2003年に政府によるりそな銀行乗っ取りを主導した後に郵政民営化担当相に横滑りし、2005年~06年に郵政民営化を強行しました。

彼らの裏にいたのは米国です。竹中氏は法人税減税を主張し始めた張本人の一人ですが、これは米国の巨大資本が日本で払う税金を減らすためにやらせた側面が強いのです。

後述しますが、米国を中心に、いわゆる「ワンワールド」や「ニューワールドオーダー(新世界秩序)」といった、グローバル資本による世界市場統一に向けての大きな運動が進められています。その一環として、市場原理主義を日本に埋め込み、巨大資本の利益を極大化する戦略が2001年以降に始動し、現在に至ってもどんどん拡大されています。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n9b222db7a856

最新刊! タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年7月号

『紙の爆弾』2024年 7月号植草一秀が暴くニッポン戦争経済体制
大企業優遇と庶民搾取の先に待つもの
「食料・農業・農村基本法」改悪「食料自給率」を捨てた農水省の愚 高野孟
感染症対策を口実にした「新型インフル対策行動計画」という新たな言論統制 高橋清隆
ウクライナとガザで実行中の「最新戦術」の正体 イスラエルAIは民間人をいかに殺すのか 青柳貞一郎
国会答弁もアメリカ製AI利用に マイクロソフトに乗っ取られた日本政府のAI構想 浜田和幸
送電線と人脈でつながる「原発とリニア」 リニア新幹線の目的は原発の復活だ! 広瀬隆
静岡県知事選で「リニア問題」は本当に問われたのか 横田一
自衛隊指揮権を米軍に委譲 日米一体化きわまる中で“日本人”を問い直す 木村三浩
公職選挙法に浮上した「別の問題」“裏金沈没”自民党の悪あがき 山田厚俊
“憲法軽視”は政府与党だけではない 憲法違反の法律がつくられる理由 足立昌勝
本格化する国家総動員体制 進む民間施設の日米軍事拠点化 浅野健一
米国覇権の終わりに日米同盟を考える「いまトラ」と岸田自公政権の大罪 小西隆裕
山根明前会長が去っても変わらない日本ボクシング連盟で起きている新たな内紛 片岡亮
続・失言バカ政治家の傾向と対策 佐藤雅彦
シリーズ日本の冤罪50 大川原化工機事件 山村勇気連載
あの人の家
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け:西田健
「格差」を読む:中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座:東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER:Kダブシャイン
SDGsという宗教:西本頑司
まけへんで!! 今月の西宮冷蔵◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0D5R2HKN5/

◆神聖な偶像がなぜ必要なのか?

かって親しくしていた宗教関係者の女性がしきりに「神は実在する」と口走っていた。「実在」という言葉が引っかかって、どうしてもこの女性との関係を持続出来なかった。

「宇宙人は実在する」とか「UFOは実在する」と言われればまだ納得しようという気分になれたかもしれないのだが……

しかし、「神は実在する」と言われても、目撃情報が全くないのだから判断することは出来ない。彼女はこうも言った。

「立派な建築物は優秀な設計者がいるから創られる。人間の体も同様で優れた創造者の設計でこれほど見事に完成されたのよ。その創造者が神なのですよ」

こういう理屈はジャーナリズムの世界では、裏づけが取れていない空論として排除される。が、宗教の世界、とりわけキリスト教の信者の間では、空論も正論として認められているようである。前述した私の交際相手の女性も生粋のクリスチャンだった。

ただ最近のキリスト教系の新団体では「神が実在するというのは間違いで、神は人それぞれの心の中にある神聖な領域への憧れの結晶です」と言い切る指導者もいらっしゃるようだ。これまでその種の映画や小説の中で用いられた「神の声を聞いた」等という表現も、「それは自分の内なる神聖に美化された自分の声を聞いた」ということらしい。

そういう言い方をしてくれれば、何となく理解出来る。また、宗教に救いを求める人々の気持ちも判らないではないと思える。そして、その気持ちは、UFO=宇宙人が実在すると信じたい人々のこだわりに通じるものがあるような気がするのである。

UFOが神と異なるのは、目撃情報がやたらに多いという点だが、人間が生存する次元を超えた「物体」に対して精神的に執着したいという人心を惑わすところは同じ。「執着したい」はやがて「帰依したい」となる。

UFOは当初、宇宙からの脅威という不安材料を与えて大衆を結束させる目的で設定されたが、やがてマニアックな人々の意識に導かれ、多くの人々のロマンの対象となっている。

神もまた権力者が支配の口実にして、神の意向が自分の意向であるかのようなプロパガンダを用いた末に、布教活動と商業と時には武力行使をセットにした事実上の侵略を可能にしたという意味で、統治の強力な要(かなめ)であった。

もちろん現在の形骸化した宗教では、教会は結婚式場として若いカップルを祝福する最適なスペースを提供しているわけで、神は1応幸福を求める人々の心の支えとして機能していることになる。

UFOも神も謎めいた一種の偶像として大衆的には定着していると言えるだろう。それもまた害のない帰依ではないかと思う。

では害のある帰依とは何か? 私はそれが松本人志やジャニー喜多川を独裁者の如く崇拝した支持者たちの異常な心理であると思う。

ファンには罪はない。誰が誰を好きになろうが、それは自由だ。また独裁者タイプの人は多くのファンを獲得する以前に、自分は特別な人間であり、偶像として人並みではない扱いを受けるべき大人物であるという自覚と自信を抱いているのも事実。その人たちが放つ特異なオーラは、庶民の目から見れば「神がかった人物」とも「宇宙人」とも見えるかもしれない。

スピリチュアルな世界にはまった人から見れば、なおさらである。足立区の中華料理店で出会った若者の言葉は彼なりの真実であったと言うべきだろう。

彼にも罪はない。彼を含めて鋭敏な感性の持ち主たちが望んでいたのは、偶像を発見する歓びであっただろう。その結果、彼等彼女たちに有害な事象が生じたとしても、それは自己責任というものと思えるが、まあそれにしても、パーティーで初めて会った若い女性に、アルコールが入った上でだとしても「俺の子供産めや」なんてよく言えるよナァ。やっぱりあの男、もしかしたら宇宙人かって、思いたくなる時もある。

そして、あの男。広末涼子とのW不倫で名を売ったカリスマ・シェフ。あいつも東スポの記者に向かって「うらやましいでしょう」と言ったそうだ。このカリスマの特権意識・優生思考。確かにうらやましい。

神も宇宙人もカリスマも所詮大衆の劣性思考に支えられて存在していると考えれば、いつか「うらやましい」が、「うらめしい」に転換することもあるという話である。

◆地震津波は神の怒りか?

能登半島で地震があった。北陸電力も原子力規制委員会も認めていなかった断層が見つかったって……。これをクリスチャンやスピリチュアル・マニアの方々は、何故「神の怒り」「宇宙人からの警告」と声高に叫ばないのだろうか? 

地球とて宇宙全体の無限の広がりの中では、ちっぽけな天体に過ぎない。そこでくり広げられる人間の様々な愚行から生じる問題(領土問題・環境問題・ワクチン禍・LGBT・差別・利権 etc)に、神がいつまでも沈黙を守るはずはないとは考えられないのか。

人智を超えた力を見出すのが宗教であり、精神世界であると思うのだが……。

かつて神戸に在住していたクリスチャンの知人が、個人的な事情で東京に転居した。その直後に阪神大震災が起こり、知人が住んでいた家は半壊したという。

その際の知人のコメントは、「神が私をお守り下さった」

自分の身を護るだけの信仰だったのかと問いたい。

本稿は『季節』2024年春号(2024年03月11日発売号)掲載の同名記事を本通信用に再編集した記事の後編です。

板坂 剛 松本人志はやっぱり宇宙人だったのか?(全2回)
〈前編〉 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=49986
〈後編〉 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=49990

▼板坂 剛(いたさか・ごう)
作家、舞踊家。1948年福岡県生まれ、山口県育ち。日本大学芸術学部在学中に全共闘運動に参画。鹿砦社より『三島由紀夫と1970年』(2010年、鈴木邦男との共著)、『三島由紀夫と全共闘の時代』(2013年)、『三島由紀夫は、なぜ昭和天皇を殺さなかったのか』(2017年)、『思い出そう! 1968年を!! 山本義隆と秋田明大の今と昔……』(紙の爆弾2018年12月号増刊)等多数。

鹿砦社編集部編『ジャニーズ帝国 60年の興亡』

◆イスラエル人母親がとっさについた嘘「I am from England」

5月末の広島の平和記念公園。筆者の友人は以下のような光景を目撃しました。

「Where are you from?」

 

白人とみられる家族連れに日本人が何気なく質問しました。ここまでは、平和公園ではよくある光景です。

すると、お母さんが、
「England」
と答えました。

ところが、小学生以下の年齢とみられる小さな娘さんは、
「Israe! Israel!」
とはしゃいでいたそうです。

当然、このご家族は、イスラエルから来られたのでしょう。しかし、お母さんは、旅行先の現地人である日本人にどこから来たか問われて、とっさにうそをついてしまったのです。

「イスラエル人である」と名乗ることが恥ずかしい。そのように、お母さんは思ってしまったのでしょう。

◆虐殺続行で旗色が悪くなるばかりのイスラエル

その原因は、何か?言わずもがなです。首相・ベンヤミン・ネタニヤフ被疑者によるガザでの大虐殺以外に考えられません。6月3日現在、停戦交渉が行われる一方で、相変わらずイスラエルは攻撃と言う名の虐殺を続けています。

むろん、5月7日には、原爆ドーム前で「STOP GENOCIDE」の横断幕を持って立っていた若者が、イスラエル支持と見られる外国人の年配女性に横断幕を強奪される、という事件も起きています。その時に比べても、イスラエルの「政治的な旗色」は悪くなっています。

イスラエル首相のネタニヤフ被疑者と国防相のガラント被疑者については、5月20日、ICC(国際刑事司法裁判所)が逮捕状を請求。このまま認められれば、例えばネタニヤフ被疑者が来日した場合はネタニヤフ被疑者を日本の警察は逮捕しなければいけません。実際に逮捕されることはないにせよ、ICC加盟国への外交ができなくなるという時点で、同被疑者は厳しい立場に追い込まれます。

また、国連機関でもある5月24日にはICJ(国際司法裁判所)がイスラエルに対してラファ攻撃を止めるよう命令しています。これについては、日本の上川外相でさえも履行をイスラエルに求めています。

また、スペインやノルウェー、アイルランドと言った西側諸国にもパレスチナ自治政府をパレスチナ国として承認する動きが広がっています。ネタニヤフ被疑者は追い詰められています。

◆ネタニヤフ被疑者への「天祐」?だった戦闘激化もさすがにヤバい状況に

ネタニヤフ被疑者は、2023年10月7日のガザを実効支配するハマス政権による軍事作戦※以降、「ハマスを相手にせず」という対応を取ってきました。これは、日中戦争で当時の大日本帝国の近衛文麿首相が「蒋介石を相手とせず」と、友好国ドイツによるトラウトマン工作などの和平仲介工作をも拒絶。結果として、日本を破滅させたのにも似た状況でした。

また、ネタニヤフ被疑者自身、実は、国内でも被疑者・被告人です。すなわち、同被疑者は、日本で言えば故・安倍晋三さんと似たようなことをしたとして、汚職の罪で起訴されています。妻のサラ・ネタニヤフ元被告人については、安倍昭恵さんと似たようなことをしたとして罰金刑が確定しています。

こうした中で、ネタニヤフ被疑者は、日本のような行政権力に忖度する司法に改悪する「改革」を強行しようとしていましたが、イスラエル民衆の激しい抵抗にあっていました。そうした中で、戦闘の激化はネタニヤフ被疑者にとっては「天祐」だったのかもしれません。しかし、ここへきて、急速に外交面で旗色が悪くなっています。さすがのネタニヤフ被疑者もまずい、と思っているのでしょう。

◆「大日本帝国軍部」化するイスラエル極右が自国民に恥をかかせる

ところが、停戦については、ネタニヤフ被疑者の与党になっている極右政党が反対しています。現時点では、内閣を離脱して政権を崩壊させる、とまで言って脅しています。戦前・戦中の大日本帝国において、軍部が「軍部大臣現役武官制」を盾に「海軍大臣を引き上げる」「陸軍大臣を引き上げる」などと脅して、倒閣運動をしていたことを思い起こさせます。

むろん、ネタニヤフ被疑者自身が、汚職事件で、自らが率いる与党の議席数が足りないので、極右勢力の協力が欠かせない状況になっています。現時点では虐殺が止まるかどうかは、極右勢力にかかっていると言えます。

極右勢力が増長すればするほど、停戦、否、虐殺停止は遅れます。その結果、ヒロシマを、日本を訪れるイスラエル人は肩身が狭くなる一方です。

「愛国心はならず者の最後の逃げ場」というサミュエル・ジョンソンの言葉は言い得て、妙です。

「自国民に肩身の狭い思いをさせて、何が右翼だ?!何が愛国だ?!」

筆者は、イスラエルの極右勢力の方々に対して強い憤りを感じます。

イスラエルの方々が、嘘をつかずに外国へ行けるようになる。そのためには、イスラエル国民がネタニヤフ被疑者を打倒することである。それによって行われる総選挙では、ぜひともネタニヤフ被疑者の政党(リクード)と極右を大敗させ、少なくとも、パレスチナ側との話し合いをする政府をつくることです。

ガザでの虐殺、そしてそれ以外のパレスチナでのイスラエルによる侵略が止まり、パレレスチナの人々に平穏な生活が戻ること。そして、イスラエル国民、世界中のユダヤ人の皆様も肩身の狭い思いをせずに生きていけることを心から希望します。

“Israeli people, You had better overthrow Netanyahu and ultra nationalist to protect your life and future”

イスラエルの皆様!ネタニヤフと極右を打倒し、あなたの命と未来をまもったほうがいいですよ。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
◎Twitter @hiroseto https://twitter.com/hiroseto?s=20
◎facebook https://www.facebook.com/satoh.shuichi
◎広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)https://hiroseto.exblog.jp/

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年6月号

◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0D33BMRD4/

NJKFに初登場のクン・クメール実力発揮。大田拓真は実力上回るも倒し切れない判定勝利。
吉田凛汰朗vs基山幹太は興行MVPとなる激戦を吉田凛汰朗がノックダウン奪って判定勝利。

 

大田拓真のヒジ打ち、切られたら切り返すもインパクトあるが惜しくも切れず

◎NJKF CHALLENGER 2024.3rd

6月2日(日)後楽園ホール17:20~21:30
主催:TAKEDA GYM / 認定:ニュージャパンキックボクシング連盟

◆第9試合 58.0㎏契約 5回戦

NJKFフェザー級チャンピオン.大田拓真(新興ムエタイ/1999.6.21神奈川県出身/ 57.9kg)
37戦28勝(8KO)7敗2分
      VS
オウ・テリット(カンボジア/ 58.05→57.9kg)103戦77勝(20KO)21敗5分
勝者:大田拓真 / 判定3-0
主審:多賀谷敏朗
副審:児島50-47. 少白竜50-48. 中山50-47

初回、オウ・テリットとのパンチと蹴りのオールラウンドな攻防は、大田拓真が手数と的確差でやや優るもオウ・テリットは下がらない。

第2ラウンドには大田拓真がパンチ中心に攻勢を掛けるが、オウ・テリットは攻められても体幹がブレない。アグレッシブな展開は続くが、第3ラウンドにはオウ・テリットが左ヒジ打ちで大田拓真の左瞼をカット。オウ・テリットが勢い増すも大田拓真も応戦。ヒジでも切り返そうとする。

第4ラウンド以降は両者失速した感があるが、ラストラウンド終了まで互角の攻防が続き、試合全般で見れば大田拓真のテクニックが優った流れだが、オウ・テリットを捻じ伏せるには至らない無念さが残った。すでにクンクメールの実力は高いレベルにあることは広く知られているが、NJKFでも荒々しさと迫力が証明された試合だった。

大田拓真が前蹴りで頑丈なオウ・テリットのリズムを崩す

 

激戦を制した大田拓真、次はより倒せる躍進を見せるか

大田拓真は「映像でオウ・テリットはタフなのは分かっていたんですけど、1ラウンドから飛ばして2~3ラウンドで結構詰めたので倒したい気持ちが強くて、効いていた様子で倒しに行こうと何回も攻めても倒せずに自分が疲れちゃって、やっぱり倒し切れるようになりたいですね。タフな選手にも倒し切れるよう頑張ります。」

5回戦については「ちょっとは様子は見ようかとは思ったんですけど、やっぱりメインイベンターなので、そういう訳にもいかないと思って攻めたんですけど、そんな倒しに行く姿勢は良かったかなと思います。」と語った。

やっぱり昨年から続く武田幸三興行でのメインイベンターとしての自覚が強かったのと、3回戦の戦いが身に付いてしまっている感じはありました。

◆第8試合 64.0㎏契約3回戦

NJKFスーパーライト級チャンピオン.吉田凜汰朗(VERTEX/2000.1.31茨城県出身/ 63.75kg)25戦12勝(3KO)9敗4分 
      VS
SB日本ライト級2位.基山幹太(BELLWOOD FIGHT TEAM/2001.12.24兵庫県出身/ 63.85kg)20戦13勝(1KO)7敗 
勝者:吉田凜汰朗 / 判定3-0
主審:椎名利一        
副審:児島29-27. 多賀谷29-28. 中山29-28

蹴りとパンチの攻防から吉田凛汰朗の右ストレートヒットで足が揃ったタイミングの基山幹太があっさりノックダウン。すぐに立ち上がり、ダメージは小さいがやや驚いた表情。その後も蹴りを交えたパンチの打ち合いが繰り広げられ、手数足数減らない両者のアグレッシブな攻防はノックダウンを奪っているポイント差で吉田凛汰朗が判定勝利。

吉田凛汰朗の右ストレートヒットで基山幹太がこの直後ノックダウンする

打ち合いの中、基山幹太の左ストレートヒット、一進一退の攻防が続いた

吉田凜汰朗は「右ストレートはずっと狙っていたんですけど、2ラウンド目は巻き返されましたが、でも集中切らさずに勝つというところでリズムがバッチリ嵌って行きました。基山選手は気持ちが本当に強くて戦っていてもメチャメチャパワーもあって強かったです。また絶対再戦もあると思うので、基山選手がシュートボクシングでチャンピオンに成った時、自分もずっと上に行ってシュートボクシングのリングでも戦いたいと思います。」と語った。

接近戦の中、吉田凛汰朗の一瞬のヒザ蹴りヒット

◆第7試合 ライト級3回戦 

NJKFスーパーフェザー級チャンピオン.龍旺(Bombo Freely)脱水症状により棄権、中止
      
代打出場:テーパプット・シンコウムエタイジム(タイ)
VS
KNOCK OUT-BLACKライト級チャンピオン.久井大夢
(TEAM TAIMU/2005.9.23大阪府出身60.9kg)11戦9勝(3KO)2敗
勝者:久井大夢 / 延長判定1-2
主審:少白竜
副審:椎名29-29(9-10). 多賀谷29-29(9-10). 中山30-29(10-9)

積極的に前に出てパンチと蹴り、後ろ蹴りも見せる久井大夢。テーパプットは組み技とヒザ蹴りで対抗し、まともに貰わない老獪さを見せる。互いのインパクトあるクリーンヒットは無く引分けとなり延長戦。

「テーパプットは同日別興行で2試合こなしての代打出場で、懸かるタイトルも無い試合で延長戦は必要か?」と思わせた。

延長戦は手数増やし、攻めて出た久井大夢と下がるテーパプットはロープを背にするシーンが増えるも組み合った際のヒザ蹴りがあって延長戦は2-1のスプリットデジションで久井大夢が勝利者となった。

テーパプットの内股の腫れは昼興行の傷、久井大夢も果敢に攻める

◆第6試合 61.20㎏契約3回戦(延長1R)

NJKFスーパーフェザー級1位.山浦俊一(新興ムエタイ/ 61.3→61.23→61.19kg)
34戦17勝(3KO)15敗2分
      VS
スックワンキントーン・ライト級チャンピオン.小林司(sports24/ 1997.05.16千葉県出身/ 61.1kg)11戦9勝1敗1分 
勝者:小林司 / 判定0-3
主審:児島真人
副審:椎名27-29. 多賀谷27-29. 少白竜28-29

初回、蹴りとパンチの主導権争いから小林司の長身を活かした強い右ロングフックが山浦俊一の顔面にヒットしグラッと来る山浦俊一。やや攻勢を維持した小林司は第2ラウンドにも右フックで山浦俊一をバランスを崩させるヒットの後、飛びヒザ蹴りやコーナーに詰める流れでパンチ連打でノックダウンを奪った。

しかしここからしぶとくジワジワ前進して来たのは山浦俊一。ラストラウンドはやや巻き返して終了。ノックダウンが勿体無かった。

小林司の右フックが何度かヒットも踏ん張った山浦俊一

◆第5試合 女子(ミネルヴァ)52.0㎏契約3回戦(2分制)

女子S-1世界ライトフライ級チャンピオン.真美(Team ImmortaL/1990.2.19神奈川県出身/ 51.5kg)21戦16勝(4KO)5敗 
      VS
ノヴ・スレイ・ポヴ(カンボジア)怪我の影響で欠場
代打出場:サーオムアンペット・ポー・ムアンペット(タイ/52.85→52.65kg=650グラムオーバー)計量失格、減点1
勝者:真美 / TKO 1ラウンド 3分7秒
主審:中山宏美

代打出場のサーオムアンペットはミドルキックやヒザ蹴りの上手さは見せたが、真美はその勢いを殺してコーナーに詰めてパンチ連打からヒザ蹴り、更にパンチ連打で第1ラウンド終了と同時にスタンディングダウンを宣せられた。そのままカウント中のレフェリーストップ。この興行唯一の完封TKO勝利。真美の圧勝となった。

欠場のノヴ・スレイ・ポヴは、5月上旬に膝を負傷して1試合のキャンセルがあったが、今回の試合までにも回復しなかった模様。

この日の唯一のノックアウト(TKO)決着となった真美のパンチ連打

◆第4試合 スーパーフライ級3回戦

NJKFフライ級9位.悠(吉仲悠/VALLELY/2003.10.25北海道札幌市出身/ 51.9kg)
11戦4勝(1KO)6敗1分
         VS
柚子貴(京都野口/ 2008.2.3京都市出身 51.85kg)3戦2勝1敗 
勝者:柚子貴 / 判定0-3
主審:多賀谷敏朗
副審:児島29-30. 少白竜28-30. 中山29-30

柚子貴のやや上回る攻撃力とヒザ蹴りが目立った攻勢。第2ラウンドにはジャッジ三者とも柚子貴に付ける勢いがあった。悠もアグレッシブに攻めたが巻き返しならず。

◆第3試合 59.0㎏契約3回戦

匠(KING/ 58.65kg) 6戦4勝(2KO)1敗1分 
       VS
脩真(Y’s glow/ 58.9kg)5戦3勝(1KO)2敗
勝者:匠 / 判定3-0 (30-29. 29-28. 30-29)

◆第2試合 56.0㎏契約3回戦

藤井昴(KING/ 55.4kg)3戦2勝(1KO)1分
      VS
井原駿平(ワイルドシーサーゴザ/ 55.65kg)10戦2勝6敗2分 
勝者:藤井昴 / 判定3-0 (30-29. 30-28. 30-28)

◆第1試合 女子(ミネルヴァ)48.0kg契約3回戦(2分制)

杉田風夏(谷山・小田原道場/ 47.65kg)2戦1勝(1KO)1敗
      VS
堀田優月(闘神塾/ 47.3kg)1戦1勝
勝者:堀田優月 / 判定0-3 (27-30. 28-30. 27-30)

《取材戦記》

予定されていたNJKFウェルター級タイトルマッチはチャンピオンの青木洋輔(大和)が体調不良による欠場で中止。

挑戦者だった1位.小林亜維二は城戸康裕(元・MA日本ミドル級Champ/谷山)とエキシビジョンマッチ2回戦(2分制)を行なった。計量をパスし、NJKF規定でチャンピオンに認定された亜維二は「タイトルマッチという形で試合していないので、チャンピオンとは思っていないし、資格も無いと思っています。なので、次の防衛戦でチャンピオンに相応しい選手になるよう頑張って行きます。」とコメントした。

エキシビジョンマッチについては、「これまでずっと対戦相手ばかりを意識した試合で、今回は周りの観てくれる人を意識して本当に凄く楽しんで出来ました。」
更に「次は防衛戦でチャンピオンの実力証明したいと思います。」と語った。

やはり勝って王座戴冠したい気持ちは強かった。それが防衛戦を強く意識している様子が窺えました。

エキシビジョンマッチを戦った亜維二と城戸康弘

坂上顕二代表は、「今回は土壇場でマッチメイクが幾つか変更になり、サーオムアンペット選手も2日前のオファーで無理に来てくれたのに減量失敗で減点というのも可哀想で、反省しています。大田拓真が無難に勝ってくれて、彼はその時その瞬間やるべきことをやれるから結果が良かったのかなと。吉田凛汰朗選手が良い試合してくれて、セコンドの指示どおり2ラウンドに右ミドルキックを蹴っていれば3ラウンド目で倒せたかもしれないですね。やっぱりパンチを当てる為に蹴りを出していればね。でもメインクラスが充実して皆勝ったので興行として良かったですね。」と語った。

久井大夢と対戦したテーパプット・シンコウムエタイは、同日新宿フェースでのスックワンキントーン興行昼の部(12:00~)で、在日タイ人選手4人制ワンデートーナメント、初戦3回戦判定勝利、決勝戦3回戦を判定負けした後、後楽園ホールへ移動。久井大夢と延長第4ラウンドまで戦い、1日で10ラウンドを戦った。5回戦にしても2試合分。新宿フェースで足に蹴られた傷を負っての出場だった。

真美と対戦したサーオムアンペットも代打出場で、以上の亜維二へのチャンピオン認定、テーパプットの2試合後の代打出場などは、興行的に苦しい裏事情があったとは推測できますが、正規に機能するプロボクシングのコミッション管轄下では認められない事象だったでしょう。ここは公正な競技として、クン・クメールやONEに負けない体制が欲しいところです。

小林亜維二選手は2019年のWBCムエタイジュニアリーグ当時からセンスある戦いで成長してきた選手です。今後、更なる上位王座も勝って獲得してくれることを期待したいものです。

◇     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇

4月19日、ルンピニースタジアムで行われたONE Championship「ONE Friday Fights 59」に於いて、NJKFフェザー級チャンピオン、大田拓真はコプター・ソー・ソンマイ(タイ)に右ヒジ打ちで第2ラウンドKO勝利。昨年9月に続きONE Championshipでは2連勝となっています。

ONE Championshipはムエタイルール、キックボクシングルール、総合格闘技(MMA)ルール等の試合も行なわれているアジア発祥の総合格闘技の団体です。

カンボジアのクン・クメールは、現地で毎週6~7回の興行数とテレビやSNS配信を行なって人気上昇中。興行の多さから選手の試合間隔も短いという。オウ・テリットは5月5日にカンボジアのKrud Kun Khmer 57㎏級王座戦で判定負けを喫しているという情報。

オウ・テリットが大田拓真と激戦をこなせるほどのレベルの高さが感じられるクン・クメールでした。

クン・クメールは“カンボジアのムエタイ” と訳すのが分かり易いでしょう。ルールはそれぞれ違いはありますが、ラオスでは“ムエラーオ” 、ミャンマーでは“ラウェイ”と言われる競技名となっています。

NJKF次回興行は6月16日(日)に大阪府堺市産業振興センター・イベントホール(開場12:30)でNJKF 2024 west 3rdが開催。
8月4日(日)にはGENスポーツパレスに於いてDUEL.31が開催。
9月14日(日)には後楽園ホールに於いて本興行NJKF CHALLENGER 4thが開催予定です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

カウンター運動の市民運動体が、2014年12月の深夜に大阪市の北新地で起こした暴力事件は、メディア黒書で報じてきたこともあって、読者の記憶に残っているのではないか。内輪のもめごとが高じて、暴力沙汰に発展した事件である。

暴力の標的になったのは、大学院生M君である。全治3カ月の重傷を負い、トラウマにも悩まされて、生活に支障を来たすようになる。M君を精神鑑定した精神科医で作家の野田正彰氏も、鑑定書の中で事件がM君に及ぼした負の影響に言及している。

[左]有田芳生議員による2013年7月12日付ツイッター書き込み [右]暴力の標的になった大学院生M君。全治3カ月の重傷を負った(高島章弁護士によるツイッター書き込み)

市民運動体は、広義にしばき隊と呼ばれている。しばき隊のメンバーとM君、あるいは事件後にM君を支援するようになった鹿砦社との間で、これまで数々の裁判が争われてきた。

2024年になってからも、新しい裁判が提起された。しばき隊のE氏が作家の森奈津子氏と鹿砦社に対して、110万円の損害賠償を求める名誉毀損裁判を起こしたのだ。E氏は、M君に対して40分に渡り殴る蹴るの暴行を加えた人物である。

裁判の争点になっている請求の内容については、鹿砦社の松岡利康社長の筆による次の記事を参考にしてほしい。

本稿では、暴力事件そのものに関する評論に言及したい。事実とは異なる主張が独り歩きしているきらいがあるからだ。最新の裁判の中で、E氏側(代理人は、自由法曹団常任幹事の神原元弁護士)が、そもそも「リンチ事件」は発生していないと主張しているのだ。鹿砦社や森氏が指摘している「リンチ事件」は、単なる喧嘩だったというである。

「リンチ事件」はなかったという主張は、神原弁護士がしばき隊関連の他の裁判の中でも展開してきた主張なので驚きはなかったが、最近、わたしは個人的に「南京事件は無かった」と主張する人と話す機会があったこともあり、重大な事実を堂々と否定する風潮について考えるようになっていた。

日本軍による戦争犯罪を歪曲するメンタリティーと、神原弁護士らのメンタリティーが重なって、わたしは考え込んでしまった。ちなみに神原弁護士は、みずからもしばき隊のメンバーであることをツイッターで公表している。【下写真】

神原元弁護士による2015年2月26日付ツイッター書き込み

自由法曹団といえば、日本を代表する人権擁護団体である。そのメンバーには、わたしが尊敬する弁護士らが多数含まれている。その自由法曹団の常任幹事を神原弁護士で務めている事実と、神原氏がしばき隊を擁護している事実が、整合しない。自由法曹団に敬意を表している多くの人々が、わたしと同じ違和感を持っているのではないか。

もっとも「リンチ事件」をどう定義するかにより、「リンチ事件」はなかったという主張が成立する可能性もあるが、少なくともM君が40分に渡って暴行を受け、現場に居合わせた李信恵ら数人の隊員が、Mを救済しなかったことは紛れもない事実である。また、李信恵がM君の襟を掴んだことも紛争当事者の間で争いのない事実として認定されている。

E氏がM君を暴行する際の録音も残っている。この録音は、身の危険を感じたM君が録音したものである。暴行する際の音や、E氏による罵倒も記録されている。暴行を受けた直後のM君の顔写真も、暴力の凄まじさを物語っている。

◆事件の隠蔽工作

この事件が単なる小さな喧嘩であれば、事件後、組織的に事件の隠蔽工作がおこなわれることもなかったはずだ。事件の隠蔽工作については、複数の裏付けがあるが、代表的なものとしては、神原弁護士と同様にしばき隊の支援者である師岡康子弁護士が知人に充てたメールがある。

事件が起きた2014年12月は、折しもヘイトスピーチ規制法の成立が秒読みに入っていた時期である。当然、しばき隊による事件が報道されていれば、国会での動きにも変化が生じた可能性があった。

とりわけM君がE氏らに対して刑事告訴に踏み切った場合、ジャーナリズムの話題として浮上する可能性もあった。そこで事件の隠蔽に走ったのが師岡弁護士だった。みずからの知人でもあり、M君とも面識のあるCさんに次のようなメールを発信したのである。

「今日はひさしぶりにゆっくり話せてうれしかったです。ヘイト・スピーチ規制法制化の具体的な内容について、Cさんほど真剣に取り組んでいる人はなかなかいません。これからもいろいろ協力してぜひ国で、地方で実現させていきましょう。

しかし、その取り組みが日本ではじめて具体化するチャンスを、今日の話の告訴が行われれば、その人(M君)は自らの手でつぶすことになりかねません。」

「その人は、今は怒りで自分のやろうとしていることの客観的な意味が見えないかもしれませんが、これからずっと一生、反レイシズム運動の破壊者、運動の中心を担ってきた人たちを権力に売った人、法制化のチャンスをつぶした人という重い批判を背負いつづけることになります。」

「Cさんは、運動内部での解決が想定できないと言っていましたが、私は全部の事情を詳しくは知りませんが、聞いている限りでは双方の謝罪や治療費支払いなどによる和解が妥当な解決だと思います。Cさんは前、運動内部での争いを解決する機関が必要だと言っていましたが、まさに今回はそのようなケースだと思います。コリアンNGOセンターの人たちが調整してくれるとよいのですが、無理なら他の適任者がいないでしょうか。今日も言いましたが、私でよければ、その人を説得しに行きますが、まったく見知らぬ私より、双方の友人であるCさんが心から説得するのが、一番の解決策のように思えます。どうそ考えてみてください。私ができることは何でもやります」

師岡弁護士は、Eによる暴行を、日本の反差別運動にも影響を及ぼしかねない重大な事件として捉えているのである。引用した書簡を検証するだけでも、北新地での事件が単なる街角の喧嘩ではなかったことが十分に推測できる。

実際、この事件は数多くの著名人の耳にも入っているようだ。(つづく)

本稿は黒薮哲哉氏のHP『MEDIA KOKUSHO』(2024年6月1日号)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

《関連過去記事カテゴリー》
 M君リンチ事件 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=62

Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B07CXC368T/
鹿砦社 http://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000541

5月号に続いての登場となった政治経済学者の植草一秀氏は、本誌や著書『資本主義の断末魔』(ビジネス社)で「WPS」に警鐘を鳴らしています。すでに巨大企業や権力者への資本の集中は行きすぎるまでに進み、資本主義そのものが破綻に向かっている現在、展開されている「断末魔のビジネスモデル」を指し、その筆頭が「W=War(戦争)」。今月号は目次に目を通していただければわかる通り、またタイトルに銘打っていないものでも、「戦争」につながる話題が多くを占めました。残りの「P」「S」については、本誌や著書をお読みください。

その中でも特に、民間施設(港湾・空港)の軍事拠点化には、最大限に注目する必要を感じています。生活の中に戦闘機や軍艦が現れてもそれが日常であり、人々が“映える”とばかりSNSにアップする時代がそこまで来ています。「今からでも止めなければならない」ということは、あらゆる問題において強調すべきことです。

国会での審議を経ずに、様々なことが決定されています。また国会で審議されても、憲法違反の法律が成立しています。法律や政策に限らず、JR東海が乗客の利便性どころか自社の経営すらかなぐり捨てて進めるリニア新幹線や、カジノのための大阪・関西万博がそうであるように、その計画が経済的・科学的・論理的に破綻しているとしても、止まる理由にはなりません。

なおリニアについては、その首謀者だったJR東海の葛西敬之元名誉会長や、昵懇だった安倍晋三元首相が2年前に相次いで亡くなっても、なぜ計画見直しとならないのか。その背景に、今月号で迫っています。

6月号では半導体工場によるPFAS汚染をはじめ「健康被害」を特集。そこで採り上げた小林製薬の「紅麹」問題は、コロナワクチンによる健康被害が注目されるようになった中、免疫づくりに有効な発酵食品の危機として捉える見方が少なからずあります。

続いて、猶予期間が五月末で終了した改正食品衛生法も、食と健康の危機につながる問題です。漬物を販売するのに専用の調理場など基準が厳格化、農家や飲食店の“手作り”が食べられなくなるものです。工場でロボットにより製造された食品しか口にできなくなる、そんな時代の到来も想起してしまいます。

「食料危機」という言葉は、すでに一般化。今国会で可決・成立が目指されている「食料・農業・農村基本法」改正案では「食料安全保障」なる怪しげな言葉まで使用されています。本誌記事で執筆者の高野孟氏が、「食料をめぐる本源的な問題」について、重要な指摘をしています。

7月号ではスポーツ界の話題も採り上げました。この事例に限らず、目立って問題のある人物が放逐された後にどうなるかというのは、注視する必要があると思っています。また米国マイクロソフト頼みの日本政府「デジタル・ニッポン」構想の危険性、ワクチン強制接種と政府宣伝以外の情報を統制する「新型インフルエンザ等政府行動計画」、大川原加工機冤罪事件と経済安保法の密接関係など、必読のレポートを満載してお届けします。

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感染症対策を口実にした「新型インフル対策行動計画」という新たな言論統制 高橋清隆
ウクライナとガザで実行中の「最新戦術」の正体 イスラエルAIは民間人をいかに殺すのか 青柳貞一郎
国会答弁もアメリカ製AI利用に マイクロソフトに乗っ取られた日本政府のAI構想 浜田和幸
送電線と人脈でつながる「原発とリニア」 リニア新幹線の目的は原発の復活だ! 広瀬隆
静岡県知事選で「リニア問題」は本当に問われたのか 横田一
自衛隊指揮権を米軍に委譲 日米一体化きわまる中で“日本人”を問い直す 木村三浩
公職選挙法に浮上した「別の問題」“裏金沈没”自民党の悪あがき 山田厚俊
“憲法軽視”は政府与党だけではない 憲法違反の法律がつくられる理由 足立昌勝
本格化する国家総動員体制 進む民間施設の日米軍事拠点化 浅野健一
米国覇権の終わりに日米同盟を考える「いまトラ」と岸田自公政権の大罪 小西隆裕
山根明前会長が去っても変わらない日本ボクシング連盟で起きている新たな内紛 片岡亮
続・失言バカ政治家の傾向と対策 佐藤雅彦
シリーズ日本の冤罪50 大川原化工機事件 山村勇気

連載
あの人の家
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け:西田健
「格差」を読む:中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座:東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER:Kダブシャイン
SDGsという宗教:西本頑司
まけへんで!! 今月の西宮冷蔵

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飯塚事件の再審開始は認められなかった。女児2人が何故殺害されたかはわからぬまま。

1992年、福岡県飯塚市で女児2人が通学途中何者かに連れ去られ遺体で発見された。この「飯塚事件」で久間三千年さんが逮捕・起訴され裁判で死刑が確定。わずか2年で死刑が執行された(執行時久間さんは70歳)。遺族が裁判のやり直しを求めていた第二次再審請求で、5日午前10時福岡地裁は再審開始を認めないという不当決定を下した。

久間三千年さんの遺族が裁判やり直しを求めた第二次再審請求を、福岡地裁は5日認めなかった(撮影=青木恵子さん)

今回新たな証拠となっているのは2点。1つは、久間さんではない若い男性が、車に女児2人を乗せているのを目撃したという木村泰治さんの証言だ。木村さんは、第二次再審請求を提訴した3年前の7月の記者会見に顔出し・実名で出席し、事件当日、飯塚市の八木山バイパスを走行中に白い軽自動車とすれ違った。その際、車の後部座席に幼い女児が2人乗っていたのを見たと証言した。

一瞬誘拐ではないかと疑ったが、2人で乗っているので違うだろうと考えたという。「うら悲しそうな顔をしていた」女児の顔が印象に残ったと語っていた。白い車を運転していたのは丸刈りで色白、30歳代の若い男で、眼鏡をかけ恰幅の良い久間さんとはまったくの別人。夜のニュースで女児2人が行方不明になっていることを知り警察に通報。

しかし、警察が木村さんを訪ねてきたのは数日後、それもたった一人の警察官がやってきて、木村さんの話をメモ帳に書き込んでいたという。しかし、その後、警察からの連絡は全くなかった。

報告集会で。左端でマイクを持つ男性が、事件当日女児2人を乗せた白い車を見たと証言した木村さん(撮影=青木恵子さん)

もう一つの新証拠は、事件当日、女児2人を三叉路で見たという女性の証言だった。女性は実は、女児を見たのは別の日だったが、警官に「その日(事件当日)に違いない」としつこく言われ、そのような間違った調書を作られてしまったと証言した。当時20代の女性はその後関東に引っ越したらしい。過去に警察でそのような調書を取られていたことを忘れていたかもしれない。

しかし、何かの拍子で久間さんに死刑判決が下され、しかもあっという間に死刑が執行されたことを知り、自分の曖昧な供述が久間さんを死刑にしてしまったのではないかと自分を責めていた。そして遺族が久間さんは無罪であると訴え、弁護士と共に再審を闘っていることを知り、2018年弁護士事務所に連絡をしてきたという。
三叉路で女児を見たのは事件当日でなかったという女性の証言は、これまで検察の書いてきたストーリーを覆すとともに、弁護団が気になっていた問題が解決したという。判決では、女児2人が失踪した現場を三叉路近くと特定していた。同じ頃、久間さんが乗っていた紺色のワゴン車と似た車を見たという証人もいた(5月21日掲載の「正義の行方」の記事で、西日本新聞が探し出した男性)。

女児らの遺留品が見つかった現場でも似た車が目撃されていた。そこからこれと似た車を持つ久間さんが疑われたのだった。しかし、もとの「事件当日三叉路で女児らを見た」との証言が間違っており、別の日であるならば、当日、女児らは三叉路近くで失踪したというストーリーは全く違ってくるのだ。

しかもこの証言で、弁護団はそれまで抱えていた矛盾を解決することができたという。それは、事件当日、三叉路近くにはほかにも数人の人がいたが、女性以外に女児らを見た人は誰もいなかったことだ。その問題・矛盾が解決できたということだ。

判決で女児2人が何者かに連れ去られたとされた三叉路。しかし、今回新たな証言で、ここではない可能性が強まったのに……(撮影=青木恵子さん)

第二次再審請求で新証拠として出されたのは以上の2つだが、この事件、調べれば調べるほど、1から10までいい加減、ずさんな捜査だったことがわかる。なぜこんなことになったのか?

飯塚市ではこの事件の3年前にも女児が失踪した事件が発生し未解決のままだった。そこに飯塚事件が発生し、福岡県警は一層世間の非難に晒される。今回はどうしても犯人逮捕にこぎつけたい。その思いは理解できる。そこで福岡県警は、3年前の事件でも犯人視された久間さんに目をつけたのではないか。

警察が出してくる証拠のどれもが、久間さんを犯人と決めつけたものだ。例えば、女児らの遺留品がみつかった近くの峠で久間さんの車と似た車(紺色のワゴン車)を見たと証言した男性の話。すれ違いざまの一瞬の出来事なのに、その車について、①やや古い型、紺色、②トヨタ、ニッサンではない、③ホイルキャップの中に黒いライン、④車体にラインが入っていない、⑤窓ガラスにフィルムを貼っていた、⑥後部タイヤがダブルタイヤ、⑦ラインは入っていない、などの情報のほかに、目撃した人物についてもめちゃくちゃ詳しい。そんなことってある?

特に車に「ラインが入ってない」については、先日、甲南大学で講演をお聞きした厳島行男教授は「普通ないものをなかなかないと報告することはない」という。なぜ男性はそんな供述をしたのか? 

じつは久間さんの乗っていた車の標準の仕様だとラインが入っているのだが、久間さんはそれを剥いでいた。男性の供述をとる前に、警察が久間さんの車を確認しラインがないことを確認していた。そして男性の供述を取る際「目撃した車にラインは入っていたか?」とわざわざ聞いたのだろう。本当にずさん過ぎる。

 

午後から支援者に案内され、事件に関係する様々な場所を訪れた青木恵子さん。女児らの遺留品が見つかった場所近くに作られたお地蔵さんに手を合わせてきた(撮影=青木恵子さん)

これも桜井昌司さんが良く言っていた「歪んだ正義」によるものだろう。警察、検察はこの事件を解決したいと考えている。できれば3年前の事件も……。そのため、久間さんをターゲットにして、久間さんだけを決めつけ、捜査を続けてきた。

だから、木村さんが不審車を見たと通報したが、木村さんの話を聞いて白い車、丸刈りの若い男を捜査することはなかった。捜査して白い車に乗る、丸刈りの若い男を探せて、その結果「ええ、あの日は僕の子どもと友達の2人が学校に遅れそうなので送ったのですが」と間違いであるとわかったら、それはそれで良いではないか。

冤罪の陰には必ず真犯人がわからないまま放置された遺族がいる。「うら悲しそうな目をしていた」女児らの遺族は、今、どう思っているだろうか?

そんなとき、今日午前中から、地裁前の写真などを送ってくれた青木さんから午後に支援者に案内してもらった現地の写真が届く。そのなかに、女児の遺体が置かれていた場所の近くに置かれたお地蔵さんの写真があった。

「うら悲しそうな目をしていた」女児らはどんなに怖くてつらかっただろうか。 そう考えて、初めて涙がこぼれてきた。

▼尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者ツイッター(はなままさん)https://twitter.com/hanamama58

尾﨑美代子著『日本の冤罪』

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315304/

◆「あいつは宇宙人だ」と若者が叫んだ!

もう遠い昔の話だが、たまたま独りで立ち寄った足立区の中華料理店で、店内に設置されたテレビの画面に突然松本人志の姿が現れた時、私より先に食事をすませてビールを飲んでいた若い男が叫んだ。

「あいつは宇宙人だ」

驚いて彼の方を見ると、目が合った私に向かって、また同じトーンの声が発せられた。

「あいつは宇宙人なんだよ。判るんだ、俺には」

そう言われてテレビの画面に見入ると、大写しになった松本人志の顔は、バルタン星人とまでは言わないが、確かに地球上の生態系から生まれた人間のものとは思えない奇怪な形相を呈していた。

十数分後、私の隣の席に移動してきたその若い男は、自分はあるスピリチュアルな団体に属して「人類の中には、実は他の星のシステムから地球に来た訪問者が潜んでいる」と教えられ、ネイティブな地球人と宇宙人のまま人間に化身した生物と識別する能力を身につけることが出来たという。

「そんな馬鹿な」と反論しなかったのは、論より証拠、松本人志の顔が宇宙人にしか見えなかったからである。

若い男はこうも言った。

「あいつ(松本人志)はきっと大物になるよ。お笑い芸人として第一人者になるだろうな」

当時の松本人志はまだ第一人者にはほど遠い存在だったのではないかと(お笑いの世界には無知な私だが)思っていた。そんな人材をいきなり「きっと大物になる」と評されても納得は出来なかったが、今はあの時の彼の見立ては正しかったと思うしかない。

あの時以降、地球上に宇宙人が既に棲みついているという説もちらほらと耳にすることがある。人間の皮をかぶった彼等は大変優秀で、どの分野でもトップに立つ実力者になるとも聞いた。

肯定も否定も出来なかったが、いつか松本人志が自作自演したにもかかわらず、全く不評で興業的にも大失敗だったというワケの判らないSM映画(『R100』)を観た時、なるほど宇宙人ならこういうモノを創るだろうと思った。

監督として彼自身が試写室で完成された作品を鑑賞し、同席していたスタッフや映画評論家らしき人物が「もうダメ」と棄てゼリフを残して退席した後も、一人で興奮状態に陥っている場面が、彼の正体を表現していると思える作品だったのだ。好意的に解釈しても「天才の自爆」悪く言えば「単なる独りよがり」でしかなく、はっきり言って駄作である。

『R100』(監督=松本人志/製作=吉本興業/2013年10月5日公開)より

 

『R100』(監督=松本人志/製作=吉本興業/2013年10月5日公開)より

特にSM映画という前宣伝に煽られたその種のマニア諸氏には、さぞ期待外れであっただろう。主役のパッとしない男性がスタイル抜群の半裸の美女に暴力的に虐げられる場面もあることはあったが、恐らく松本人志にはマゾヒストとしての素質は皆無に等しいと思わせるほど、どの場面もつまらな過ぎた。

更に後半SM映画ならぬSF映画的な展開になると殆どの観客は試写室の場面での映画評論家らしい人物のように「もうダメ」と言い棄てて退席したくなったことと思われる。(ちなみにこの人物の最後のセリフは「(こんな映画)公開すんなよ」であったと記憶する)

しかし、私はむしろ後半のSFもどきのあり得ないシュール・レアリズムに、宇宙人的なセンスを感じて少しばかり感動した。たかがお笑い芸人が、もしかしたら宇宙人かという荒唐無稽な妄想を抱かせる……。スピリチュアルの世界は奥深いと言わなければならない。

◆宇宙人が心配する地球の惨禍
 
ここで話を持ち出すのは却って信憑性を欠くことになると思うが、敢えて書く。あの福島原発の事故の前後、原発附近の上空にUFOが頻繁に出没したというニュースを覚えてる人はいらっしゃるだろうか。

当然フェイク・ニュースとして扱われてしまったようだが、UFOキャッチャー(ゲームの達人ではない)を自認する知人が、確かに原発事故の際、異常な数のUFOが出現したのは事実だと自信を持って語っていた。

また彼はUFOに乗って地球にやって来る宇宙人の多くは、将来地球の住人になるつもりでその時のために下見に来ていると断言していた。従って宇宙人が地球人を攻撃することはなく、むしろ平和に共存する方法を模索しているのだという。

そういうわけで地球上で地震や戦争等の惨禍が起きた際には、心配した宇宙人がUFOに乗って現場を視察することになっているらしい。珍説と笑って黙殺すべきかもしれない。

しかしここ数年、海外で戦争が続発している状態の中でUFOに関する話題がまたチラホラとメディアの片隅に登場しているが、その出所が大半アメリカであるところが気になる。なにしろ謀略が大好物の国である。周期的に大衆の不安をかきたて抑止力(軍事力)を強化する伝統的な国策は建国以来のもので、決して自分たちに危害を与える存在ではなかった北米大陸の原住民を凶暴な「土人」と決めつけて虐げ、社会から排除した。

1960年代、テレビで放映されていたアメリカの西部劇で、白人のガンマンたちが「土人」という言葉を口にするのを何度も聞いた。もちろん邦訳の吹き替えで、実際に俳優が何と言っていたかは判らない。ただストーリーの展開と彼等がそのセリフを口にした時の表情から、相当に差別的な発言があったのだろうと想像出来る。

当時、名画と称された西部劇の劇場用映画の中で、白人が乗った駅馬車が「インディアン」の集団に襲撃され、駆けつけた騎兵隊に救出されるという場面が、そのままテレビにも流用され、何度となく放映されたのを記憶している。

元々先住民であったにもかかわらず「インディアン」は盗賊、白人の開拓者はロマンチスト、騎兵隊は正義の味方と公的に定められているような構成だった。こういう常識が大衆に浸透している国だから、UFOも地球人類に対する潜在的驚異と位置づけて世界中の人々に緊張感を与えようとするのだろう。

数々のUFO目撃談、どうもアメリカの自作自演のような気がしてならない。そう考えると原発事故の際に出現した多数のUFOは、当時福島沖に展開していた米空母ドナルド・レーガンから発進した偵察用のドローンではないかと疑いたくもなる。東日本大震災当時は、一般の市民にとって「ドローンって何?」という程度の認識しかなかったと思うが、米軍ではとっくに兵器として活用することを前提にした開発研究が行われていたはずである。

ただ原発の上空に現れたUFOが、地球上の惨禍を心配して飛来した宇宙人の運航する物体であるという説も私は棄てきれない。そっちの方が気持ちが安らぐのだ。

地球人が醜い争いに没頭したり、自然災害に苦しんでる様子を観察していると思うと、いつか地球人になって生きて行こうという彼等の意欲を損なうには忍びないという自制心が働くではないか。

そして思う。宇宙人だのUFOだのという観念的事実が、たとえ完全な夢想だとしても、そこにはアメリカ軍とその背後にいる産軍共同体の思惑とは真逆に、不安がいっぱいの現実からの救済を求める民衆の願望を感じるのである。(つづく)

本稿は『季節』2024年春号(2024年03月11日発売号)掲載の同名記事を本通信用に再編集した記事の前編です。

▼板坂 剛(いたさか・ごう)
作家、舞踊家。1948年福岡県生まれ、山口県育ち。日本大学芸術学部在学中に全共闘運動に参画。鹿砦社より『三島由紀夫と1970年』(2010年、鈴木邦男との共著)、『三島由紀夫と全共闘の時代』(2013年)、『三島由紀夫は、なぜ昭和天皇を殺さなかったのか』(2017年)、『思い出そう! 1968年を!! 山本義隆と秋田明大の今と昔……』(紙の爆弾2018年12月号増刊)等多数。

鹿砦社編集部編『ジャニーズ帝国 60年の興亡』

今、国会で、地方自治法を改正し、地方自治体に対する「国の指示権」を新設する審議が行われている。それは何のためか。それを考えてみたい。

◆「国民の生命等保護のため」の「想定外の事態」とは?

この改正案は、大規模の感染症や大災害などで想定外の事態が起きたとき、国が自治体に対応を指示できるように、地方自治法に「国の指示権」を新設するというもの。

改正の趣旨説明では「国民の生命等の保護のために特に必要な場合に限る」とし、「非常時の危機対策の法制は個別法で大半がカバーされている。それがカバーしきれない『法の穴』を埋めるためのもの」としながら「想定外の事態を具体的に示すのは困難」(田中聖也・行政課長)と言っている。

今、この論議は、国と地方の関係をどう見るかの論議になっている。反対論も2000年の地方分権改革で、「地方公共団体の自主性及び自立性に配慮しなければならない」と規定されたものを「国が地方の上に立つ」「上下関係」の時代に逆戻させようとしているのではないかというものになっている。

しかし、ここで先ず議論すべきは、そもそも政府が言う「国民の生命等の保護のために特に必要な場合」とは何か、「具体的に示すのは困難」とボカす「想定外の事態」とは何なのかを考えることではないだろうか。

「国民の生命等の保護」が問題になるような「想定外の事態」となれば、その最大のものは戦争を置いて他にない。

戦争をやる場合、戦前の「国家総動員体制」のような戦争体制を作らなければならない。地方末端までの全国民、全国土、全資産を戦争に動員する体制作りのために地方自治体に対して「国の指示権」を発動する。

自治法を改正し「国の指示権」を新設する最大の狙いは、そこにあるのではないか。又、そのように見てこそ自治法改正の問題点や悪辣さも浮き彫りになるのではないだろうか。

◆「地域が対中戦争の最前線に立たされる」状況の中で

4月13日、大分県の湯布院で自衛隊のミサイル部隊である「第二特科団」新設の式典があった。第二特科団の本部は湯布院駐屯地に置かれ、沖縄九州に展開するミサイル部隊を統括する司令部になる。そして大分市には、大型の地下弾薬庫2棟が建設中であり、ここには「スタンド・オフ・ミサイル」を保管することができるという。

米国は今、有事には自衛隊を指揮できるように策動している。ハワイにあるインド太平洋軍司令部が持つ指揮統制権限の一部を在日米軍司令部に付与することで、24年度中に作られる自衛隊の「統合作戦司令部」を有事には米軍が指揮できるようにする「緊密な連携」を日本と合意した。

4月には、フリン・インド太平洋軍司令官が「中距離能力を持つ発射装置が間もなく、アジア太平洋地域に配備される」と発言。それは、巡航ミサイル「トマホーク」、新型迎撃ミサイル「SM6」などを搭載するミサイルシステム「タイフォン」を指すものと見られ、有事の際、自衛隊のミサイル部隊は、このミサイル体系の指揮下に組み込まれる。

すでに、昨年10月には、湯布院に隣接する日出生台演習場で国内最大規模の日米共同演習「レジュート・ドラゴン」が離島防衛訓練という名目で行われている。

こうした中、大分では「大分が安全保障の最前線に立たされる」の声が上がっている。

大分ばかりではない。それは全九州的な、更には全国的な声になっている。

今、政府は防衛力強化のために「公共インフラ」を整備するとして、全国38の空港・港湾を「特定利用空港・港湾」に指定しており、3月には、その第一弾として7道県の16の空港・港湾の整備が始まった。

この38施設の内、7割に上る28施設が九州沖縄に集中している。そして、第二特科団の本部が置かれる大分県、その部隊が展開する熊本県、オスプレイ基地を建設中の佐賀県など、「対中戦争の最前線に立たされる」という懸念は深刻さを増して全九州に広がっている。

こうした中、九州では全九州の自治体議員が超党派で「戦争だけは絶対ダメ」という有志の会を作る動きが出ている。

九州以外の地域でも「特定利用空港・港湾」が「有事には攻撃対象になるのでは」との懸念が広がっており、「戦争だけは絶対ダメ」という動きは全国的な動きになっていくだろう。

この5月、米国のエマニュエル駐日大使が与那国島、石垣島を訪れ自衛隊基地を視察した。この時、米軍機を使って与那国空港に降り立ったことに対し、玉城知事が「大変遺憾である」とコメントした。沖縄県は県内の民間空港に米軍機使用を「自粛」するよう要請しており、それを無視し、対中対決の最前線を視察するかのような行為への抗議である。

沖縄県は、空港・港湾の整備でも「運用に不明な点が残されている」と断っている。

今後、対中戦争準備が進められ、戦争が現実化していく中で、地方の「戦争反対」の声は、首長、議会を含む地域ぐるみの声となり、地域を戦争に使わせない条例が各自治体で作られる可能性もある。

まさに「国の指示権」新設は、こうした声を押さえて戦争を遂行するための戦争体制作りのためだと見ることができるだろう。

更には、全国末端までの人員、国土、資産、食料などの動員という戦時体制作りも考えられているのではないか。まさに戦前の「国家総動員体制」であり、「国の指示権」新設の自治体法改正は、その重要な一環と見なければならないと思う。

◆すべては米国との約束から始まった

一昨年の年末に閣議決定した「安保3文書」をもって、翌年早々(1月19日)訪米した岸田首相は、軍事費倍増、敵基地攻撃能力の保持を米国に約束した。そして、今年4月の訪米では、「日米同盟新時代」を謳い、「グローバル・パートナー」として、米国覇権とその覇権秩序を積極的に支えることを約束した。

それは米中対決の最前線に日本を立たせようとする米国に、それをやり遂げますという約束であり、「国の指示権」新設のための自治法改正、「第二特化団」の創設、「特定利用空港・港湾」の整備など地域を「対中戦争の最前線に立たせる」動きも、そこから始まっている。

岸田首相は、訪米で「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と語ったが、ウクライナは米国の代理戦争をやらされているのであり、東アジアでは、日本が中国を相手に代理戦争をやらされるということである。

 

魚本公博さん

代理戦争は、米国覇権回復の重要な手段になっている。しかし、それは中東においても、ウクライナにおいても破産しつつある。ウクライナは防戦一方であり、中東ではイスラエルの「ガザ虐殺」に抗議する米国の大学生から始まった抗議運動が世界的に波及し、米国覇権を揺るがしている。

こうした中で、日本が米国覇権を支えるとして、対中対決、対中戦争準備に熱を上げて一体どうするというのか。何としても、米国ばかりを向いて、地域に、国民に戦争の災禍を強いるような政治を止め、国民に向き合う国民のための政治を実現しなければならないと思う。

そういう意味でも岸田首相の訪米時の態度を痛烈に批判し、「明石から日本を変える」として地域の力を重視し、そうした「国民の味方」チームで選挙に勝って「救民内閣」を作り「令和維新」を断行するという泉房穂さんへの期待は大きい。

◎ピョンヤンから感じる時代の風 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=105

▼魚本公博(うおもと・きみひろ)さん
1948年、大分県別府市生まれ。1966年、関西大学入学。1968年にブントに属し学生運動に参加。ブント分裂後、赤軍派に属し、1970年よど号ハイジャック闘争で朝鮮に渡る。現在「アジアの内の日本の会」会員。HP「ようこそ、よど号日本人村」で情報発信中。

『抵抗と絶望の狭間 一九七一年から連合赤軍へ』(紙の爆弾 2021年12月号増刊)

『一九七〇年 端境期の時代』

 

シャッターの閉められたセンター西側には野宿する人たちがいる。行政はわざとゴミを放置し、「野宿者がいるからこんなに汚いのだ」とアピールする

釜ヶ崎の野宿者追い出し裁判、最高裁が5月27日付で上告を棄却しました。

長い裁判のこれまでの経緯を説明します(不足している部分もありますが)。

JR新今宮駅前にドンと建つ「あいりん総合センター」(以下、センター)は長年西成の日雇い労働者の労働・生活の中核となり、野宿者にとっては最後のセーフティネットの場になっていました。

ところがセンターを管理する国と大阪府は、センターの耐震性に問題があるから解体し建て替えるとして、2019年4月に強制的に閉鎖しました。しかし、その後も周辺には多くの人たちが野宿していました。

すると、国と府はそれも認めないと、2020年4月22日、野宿者と、センターに誰でも泊めれるようバスを置いている釜ヶ崎地域合同労組の稲垣浩氏ら22人に対して立ち退きを求める裁判をおこしました。しかも、そのわずか数か月後の7月、本訴が終わるまで時間がかかるから緊急に立ち退かせる必要があるとして断行の仮処分命令を訴えてきました。

これに対して稲垣氏は、仮処分命令が決まって野宿者らがセンターからばらばらに追い出されては、その後本訴を闘うにも団結することが困難だと考え、断行の仮処分命令にも毅然と闘うべきだと訴え闘ってきました。これと闘わなければ、次の闘いも闘えない、当然の判断だと思います。

センターに停めてある釜ヶ崎地域合同労組の車両。24時間誰でも休めるようになっている

 

明らかにヨソから持ち込まれた粗大ゴミ。行政、西成警察はこうした「不法投棄」を取り締まる気もない

この裁判で大阪地裁は12月1日、国と府の断行の仮処分命令を却下しました。野宿者ら被告側の勝利です。却下した理由ですが、国と府は早く立ち退けとの理由に、2008年から「センターの耐震性に問題がある」と主張していましたが、そのセンター問題を考える「まちづくり会議」などで、肝心の耐震性問題が「喫緊の課題」として論議された形跡がないからだというのです。至極真っ当な理由です。しかもこの時点では、センター解体後の跡地をどうするかも具体的な計画案も決まっていないのでした。

その後、本訴である土地明渡訴訟が始まりました。2021年12月2日、大阪地裁は国と府の主張を認め立ち退きを認める判決を下しました。但し、原告(府)が求めていた、全ての裁判が終わるのを待たずに「すぐに立ち退け!」とできる仮執行宣言は認めませんでした。被告側は敗訴しましたが、実質強制排除されることはなかったのです。これもある意味「勝利」でした。

その間、大阪市や西成区は野宿者に対して、生活保護を受けさせ立ち退かそうと説得などを行ってきました。普段は生活保護を受けさせない、あるいは受けたのちにもあれこれ難癖つけて保護をうち切ろうと必死の行政側も「今なら簡単に保護が受けれますよ」と甘い言葉をかけまくってました。

もちろん生活保護を受けるか否かは本人の自由で、受けたい人は既に受けています。それでもなお、様々な理由で野宿にとどまる人がいることも事実です。しかもこの間には、コロナ禍で職を失い困窮し新たにセンターに来た人を何人も見てきました。釜ヶ崎のセンターは社会的に困窮する人たちの最後の砦になっていることは明らかなのです。

人の背丈の3倍ほどに積み上げられたゴミ。行政は「釜ヶ崎をきれいな町に」とほかでは熱心に清掃してるのに

一審で敗訴した稲垣氏と野宿者らは、大阪高裁に控訴しました。大阪高裁は2022年12月14日、地裁判決を支持し、野宿者側の控訴を棄却しました。一方で地裁判決と同じく、最終的な判決が確定する前に強制退去が可能である「仮執行」(強制排除)は認めませんでした。

弁護団によれば、このような事態は極めて異例であるとのことです。野宿者の強制排除を許さないという主張を訴えてきた被告側の闘いの大きな成果でした。その後、被告らは最高裁に上告していましたが、最高裁は5月27日付で上告を認めないという判決を下した、という経緯です。  

現在、野宿者らはいつ強制排除されるかもしれない事態に晒されています。この問題に関心を持たれるみなさんには、ぜひ、今後の動向に注目して頂きたいと思います。

前述したように、大阪府はセンターを解体して出来た更地に何を作るかの具体案も決めていません。私が一番許せないのが、国と府は、耐震性に問題があるとしてセンターの入っていた第一市営住宅を解体しようとしていますが、同時に耐震性に問題のない第二市営住宅まで公費で解体しようとしていることです。

それは駅前により大きなきれいな形の台形を確保することで、一層儲けることが出来るからです。万博、カジノ同様、大阪維新とその仲間たちだけが儲けようという魂胆です。この間の物価高などで困窮者はますます増えていくでしょう。そんななか、生活保護者、野宿者含め生活困窮者が誰に遠慮なく、堂々と生活していける町、それが釜ヶ崎、こういう地域は本当に必要ではないでしょうか。

みなさん、ぜひご支援とご注目を!

▼尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者ツイッター(はなままさん)https://twitter.com/hanamama58

尾﨑美代子著『日本の冤罪』

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315304/

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