西日本新聞「押し紙」裁判、証人尋問で残紙部数を把握した機密資料の存在を認める 担当員「私が作りました」 黒薮哲哉

長崎県の元販売店主が2021年に起こした西日本新聞社を被告とする「押し紙」裁判の尋問が、7月2日の午後、福岡地裁で行われた。この中で証人として出廷した西日本新聞社の担当員は、原告弁護士の質問に答えるかたちで、同社が管轄する長崎県全域の販売店の残紙の実態を示す機密資料が存在することを認めた。

すでに佐賀県下の販売店については2016年に、この種の資料が存在することが、メディア黒書への内部告発で明らかになっていた。今回の尋問により、長崎県についても、同種の資料を西日本新聞社が内部で作成していた事実が分かったのだ。

既に暴露されている「佐賀県の資料」によると、西日本新聞社は、8月3日に販売店からの新聞の注文部数を確認し、その後、6日に販売店に新聞を搬入していた。しかし、搬入部数が注文部数を超えていた。

たとえば3日の注文部数が2000部で、6日の搬入部数が2200部であれば、差異の200部が残紙ということになる。たとえば次のように。

新聞社にとって実配部数と公称部数の両方を正確に把握することは、経営戦略の基本である。実際、毎日新聞社にも、「発証数の推移」と題する同じ性質の機密資料が存在することが、2005年に暴露された。朝日新聞でも、この種の資料の存在が内部告発で明らかになっている。

今回の尋問の中で、西日本新聞社の担当員は、佐賀県を対象とした機密資料だけではなく、原告店主が販売店を経営していた長崎県についても、同種の資料が存在することを認めたのである。そのうえで、

「わたしが作りました」

と、証言した。

◎参考記事;「押し紙」の決定的証拠、西日本新聞の内部資料を公開、佐賀県下の販売店ごとの「押し紙」部数が判明

◆      ◆      ◆

この裁判では4・10増減(よんじゅう・そうげん)」がひとつの争点となっている。これは4月と10月に搬入部数を増やす新聞社の販売政策で、新聞業界では昔から周知の手口となっている。新聞社が販売店に対して注文部数を指定していることを示す典型例に外ならない。

今回の裁判を起こした元店主の販売店では、4月と10月におおむね200部がかさ上げされていた。

次に示すのは、2017年3月・4月・5月の搬入部数である。中央が突出する部数の増減に着目してほしい。

2017年3月 :1115部
2017年4月 :1315部
2017年5月 :1116部

西日本新聞社は4月に搬入部数を増やし、5月に減部数している。さらに次に示すように、同年9月から11月にかけても、搬入部数が増減する。同じパターンである。

2017年9月:946部
2017年10月:1316部
2017年11月:1116部

10月に搬入部数を増やし、11月に減部数している。

4月と10月をピークに設定したのは、元店主の販売店があった長崎県下の郡部では、4月と10月のABC部数が広告(紙面広告・下り込み広告)の媒体価値を評価する指標となっていたからだ。

実際、尋問の中で、西日本新聞社の販売局員は、これらの月の新聞発行部数を日本ABC協会へ報告したと証言した。実配部数とABC部数の乖離がひろがることを認識しながら、ABC協会へ部数を計上していたことになる。

◆      ◆      ◆

参考までに、4大中央紙の4月部数・10月部数の変動は次のようになっている。このデータだけでは、「4・10増減」とは、断言できないが、全国規模の部数を見ても、「4・10増減」の傾向があることは間違いない。

本稿は『メディア黒書』掲載の記事を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

黒薮哲哉『新聞と公権力の暗部 「押し紙」問題とメディアコントロール』(鹿砦社)
黒薮哲哉『禁煙ファシズム-横浜副流煙事件の記録』(鹿砦社)

政府「エネルギー基本計画」における「原子力の位置付け」の嘘八百〈前編〉   原発を「準国産エネルギー」と呼ぶ欺瞞 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

原子力は「安全性、経済性、安定供給、環境への適合」(いわゆるS+3E)に勝れているだろうか。第6次エネルギー基本計画(以下、エネ基)は、パブリックコメントが終わり、2021年10月22日には19日に公示された選挙期間中にもかかわらず閣議決定された。

法令上は国会での議決を要しないが、十分な議論もしないままに決定された。エネ基には2030年時点の電源別構成比など、問題点が多くあり、個別に指摘するべきだが、それらはすでに他の人々から指摘する文書が発表されているので、ここではエネ基での原発の位置付けを批判する。

◆「S+3Eの観点」とは何か

エネ基には「S+3Eを大前提に」という表現が随所に出てくる。「S+3E」については「3.エネルギー政策の基本的視点(S+3E)の確認」として定義が書いてある。また、経団連や電気事業連合会(電事連)も「S+3Eに優れた電源」との表現を使う。それは「経済性(Economical efficiency)」「安定供給(Energy security)」「環境(Environment)」に加えて「安全(Safety)」だという。

電事連は、

「エネルギー源の中でも、原子力は3Eのすべての点において優れた特性を持っており、エネルギーミックスの一翼として欠かすことができない重要な電源」

と位置付ける。しかし、これは間違っている。

◆経済性の欠如はもはや明白

「経済性」の欠如は、朝日新聞(2021年8月3日付)の記事が端的に証明している。

「経済産業省は3日、電源別の発電コストの試算について詳しい数値を公表した。原発は2030年時点で1キロワット時あたり『11.7円以上』となり、前回15年の試算より1.4円上がった。最も安かったのは事業用太陽光で、『8.2円~11.8円』だった。太陽光のコストが原発を将来下回る見通しが固まった。」

経産省の原発の原価計算では、大きなボリュームを占めるはずの「10万年にもわたる将来」の核のごみ処分費用はほとんど含まれていない。これは試算そのものが2030年時点としているため、その先の処分費用については現時点での試算値を当てはめているからだ。

高レベル放射性廃棄物の処分については、ガラス固化体の地中処分費用として3.1兆円を計上しているが、福島第一原発の廃炉ですら8兆円で見通しが立たない現状では、これで済むはずがない。

さらに、福島第一原発の事故による費用の積み上げについても15.7兆円を計上するが、 これについても 「下限」であることを認めている。すでに22兆円を超える費用がかかることは確定的なうえ、100年かかるか200年かかるかという現状だ。

「ありえない」前提を置いた試算でもキロワットあたりの単価が11.7円と他の電源を上回ることが明らかになっているので、経済性に劣ることは経産省が自ら認めている。

◆原発は安定供給性に資するか

「安定供給」とは、電事連によると「エネルギー資源を安定して輸入できるようにする必要」とされている。すなわち中東依存度を下げることを言う。

しかし安定供給といえば一般的には停電しないこと、夏冬のピーク時に電力不足にならないことや、特に災害時においての系統の強靭さ(停電しない、または停電してもすぐに復旧する)を思い浮かべるが、電事連は中東依存度こそ問題だという。明らかに感覚がずれている。

しかも、中東依存度を下げることが課題となったのは第一次オイルショックの1972年以降。その当時中東原油輸入依存度が77.5%だったからだが、なんと近年では90%近くまで上昇している。

自分で課題としておきながらこの間、無策だったといっているに等しい。原発が安定供給に資するかどうか以前の問題だ。

その原発だが、燃料に使うウランはすべて輸入品で海外依存度は100%だ。電事連は同時に「日本の1次エネルギーの海外依存度は88.2%」とも言っているから、理由の1つは原発だ。

ところがここでトリックを使う。原発を「準国産エネルギー」としている。だが、これはまったく意味不明である。核燃料は運転中にプルトニウムを生成し、ウラン燃料を寿命まで燃やした場合、その4割程度の熱量が燃料の中で生成されたプルトニウムの核分裂から生じる。それを「原子炉の中で生成されたプルトニウムが作り出した熱」=「原子炉は日本にあるから準国産」なのだという。これを普通は屁理屈という。

さらに「原発の燃料はいったん装荷したら1年間は交換しなくてもよいので、その間は輸入が止まっても発電が可能」という。しかしこれも1年以上燃料が供給されなければ止まるので単なる時間差にすぎない。これに対して、核燃料サイクル施設を国内に建設し、原料ウランを輸入して濃縮プラントに入れるので、サイクル内に備蓄する効果が期待できるという。しかしそれも時間差にすぎず屁理屈だ。国内の核燃料サイクルで「上流側」とされるウラン濃縮から加工に至る施設は、現在ほとんど稼働していない。

国内の原発の多くが止まっている影響もあるが、新燃料の場合は、輸入したほうが国内で作るよりも遥かに安く済むから、電力会社が国内加工燃料を使いたがらないという事情もある。コスト高が響いて、原発の非経済性が浮き彫りになっている。

安定供給の追求は、電事連が掲げる「原発の有利さである経済性」に、ことごとく矛盾している。(つづく

◎山崎久隆 政府「エネルギー基本計画」における「原子力の位置付け」の嘘八百
〈前編〉原発を「準国産エネルギー」と呼ぶ欺瞞
〈後編〉立地妥当性や経済性を「対象外」とした新規制基準

本稿は『NO NUKES voice』(現『季節』)30号(2021年12月11日発売号)掲載の「『エネルギー基本計画』での『原子力の位置付け』とは」を本通信用に再編集した全2回の連載記事です。

▼山崎久隆(やまざき・ひさたか)
たんぽぽ舎共同代表。脱原発東電株主運動、東電株主代表訴訟に参加。共著に『核時代の神話と虚像』(2015年、明石書店)ほか多数。

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辿り着いた釜ヶ崎で……  尾﨑美代子

約ひと月前の早朝、店の近くで火災が発生。店が休みで私はいなかったが、いろんな人から「大丈夫」と連絡があった。翌月曜日、現場を見たが、ものの見事に焼け落ちていた。報道ではこの火災で2階に住んでいた40代女性が焼死したという。

「えっ、あそこ、人が住んでたの?」と私は驚いた。釜ヶ崎周辺、飛田当たりには、いわゆる昔「連れ込み宿」と呼ばれていたような建物がある。火災があった建物もてっきりそういう建物で、人は住んでないと思っていた。が、人は住んでいた、しかも40代の女性だという。

その火災の翌日、すぐ近くで更に大規模な火災がおこり、店舗10件ほどが被害にあった。そこは近年、この界隈で中国人の女の子をおくスナックで、火災現場もその一角だった。スナック街の経営者はここ20年で成功を収めた兄さんで、一軒目を始めるまでは建設作業員として働き、店の常連客と一緒にうちの店に来たこともあった。

彼が仕切る火災現場は、火災翌日にはもうチャチャチャと片付けが進んでた。現場には、スナック街を仕切る彼の不動産会社の名前が書かれたトラックが横付けされていた。

一方で、その前日の連れ込み宿みたいな建物の火災現場は、ひと月経った今でもそのままだ。つまり片付ける人がいないのだろう。ひと月経った今でも、煙の臭いが漂う。

そして、こちらの現場では、周辺の監視カメラなどから犯人が判明したとのニュースが。

それにしても、この建物に人が住んでいたことに驚かされる。誰がどのように管理し、しかも40代の焼死した女性を住まわせていたのだろうか? 釜ヶ崎にたどり着いた40代女性は、どのような経緯で、この建物に住んでいたのだろうか?

女性は名前も判ったために、家族などに連絡が行くだろう。

2016年9月、店の近くの安いドヤで若い男性の遺体がみつかる。腐敗が進んでいたが、自殺と考えられた。男性の部屋には2000万円の現金が残されていたが、男性の身元は判明していない。2000万円残して亡くなった男性が住んでいたのは、週4250円で住める界隈でも格安のドヤだった。

▼尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者ツイッター(はなままさん)https://twitter.com/hanamama58

3月11日発売 〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年春号 能登大震災と13年後の福島 地震列島に原発は不適切
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新日本キックボクシング協会の今後を見据える新たな挑戦!── 国際戦の開催! 堀田春樹

無名外国人のメインイベンター起用の意味は?
そのエマニューエル・スキアフィノーはヒザ蹴りでルベン・ブサのアバラ折る衝撃的勝利。
NJKFから出場の嵐はノックアウト完勝で日本人メインイベンターの存在感を示す。
ジョニー・オリベイラは2度ノックダウン奪われ、
反則減点も課せられる苦しい大差判定負け。
アマチュア経験豊富な女子選手の飛躍も目立った。

 
エマニューエルのこのヒザ蹴りでルベン・ブサは肋骨骨折に至った

◎MAGNUM.60 / 7月7日(日)後楽園ホール17:15~20:36
主催:伊原プロモーション / 認定:新日本キックボクシング協会

(戦績は協会資料を参照し、この日の結果を加えています。ここでは嵐の不戦敗を省きます。)

◆第13試合 65.0kg契約3回戦

エマニューエル・スキアフィノー(アルゼンチン/32歳/ 63.9kg)5戦4勝(3KO)1敗
      VS
ルベン・ブサ(イタリア/19歳/ 63.5kg)13戦10勝3敗
勝者:エマニューエル・スキアフィノー / TKO 1ラウンド 1分54秒
主審:少白竜

パンチと上下の蹴り分けで積極的な両者。エマニューエルの前蹴りからのヒザ蹴りでルベン・ブサが後退。打ち返せず下がったところにエマニューエルは飛びヒザ蹴りを加え、更にヒザ蹴りで一方的になってルベン・ブサはスタンディングダウンを取られた。

続行後、エマニューエルの右ミドルキックの連打で、ルベン・ブサが怯むとレフェリーがストップをかけた。最初のヒザ蹴りでブサは左脇腹を痛めていた様子。試合後は肋骨骨折の疑いが診断されていた。

◆第12試合 78.0kg契約3回戦

マルコ(イタリア/伊原/34歳/ 77.4kg)11戦5勝(1KO)3敗3分
        VS
ヘスス・クアドゥラード(ISKAスペインChamp/23歳/ 76.9kg)12戦11勝1敗
勝者:マルコ / 判定2-0
主審:宮沢誠
副審:少白竜29-29. 勝本30-29. 中山30-28

両者のパンチと蹴りの多彩な攻防は、ヘススの我武者羅な攻めをマルコが凌ぎ、圧力と的確差で優ったマルコが僅差判定勝利。

マルコは試合後、「もっとしっかりパンチの後はキックとコンビネーションをやった方が良かった。そんなキレイなアクションやりたかった。今後もっと強くなりたいです。9月に結婚するので10月の試合は無いですけど、その次の興行ではしっかり試合頑張ります。」と語った。

マルコの右ストレートがヘススにヒット、手数で優っていった

◆第11試合 54.0kg契約3回戦

NJKFバンタム級チャンピオン.嵐(=坂本嵐/キング/19歳/ 53.85kg)
14戦12勝(6KO)2分
      VS
TENKAICHIバンタム級チャンピオン.川端駿太(SHINE沖縄/26歳/ 53.55kg)
10戦4勝5敗1分
勝者:嵐 / KO 1ラウンド 2分23秒 /
主審:椎名利一

嵐の牽制のパンチとローキック。距離感掴んで上下打ち分け、飛びヒザ蹴りも加え、川端駿太の空いたボディーに左フック3発目、完全に効かせてテンカウント。余裕のノックアウト勝利。

嵐のフィニッシュブロー、左フックが川端駿太のボディーに炸裂

◆第10試合 60.0kg契約3回戦

日本スーパーフェザー級チャンピオン.ジョニー・オリベイラ(トーエル/46歳/ 59.8kg)
63戦16勝(1KO)29敗18分
        VS
IOCインターコンチネンタル・フェザー級チャンピオン.辰樹(Y’ZD豊見城/29歳/ 59.8kg)
15戦6勝(2KO)6敗3分
勝者:辰樹 / 判定0-3
主審:勝本剛司
副審:少白竜24-30. 宮沢24-30. 中山宏美24-30(第3Rオリベイラに減点1含む)

ジョニー・オリベイラはいつものアグレッシブに攻めるも、第2ラウンド早々に辰樹の左フックでノックダウンを奪われ、リズムが狂った様子。最終第3ラウンドにはホールディングで減点も課せられ、終盤には辰樹の左ストレートでノックダウンを奪われ、距離感を掴めないままの終了。

「離れて相手の距離を潰さないとね。辰樹のパンチ見えなかったというから一発喰らって調子狂ってしまい、距離の掴み間違いでしたね。」とは側近の語り。

辰樹が攻勢を保つ、ジョニー・オリベイラはリズムが狂って作戦失敗

◆第9試合 スーパーフェザー級3回戦

赤平大治(VERTEX/21歳/ 58.7kg)7戦5勝(3KO)1敗1分
      VS
山川敏弘(京都野口/34歳/ 58.5kg)21戦8勝(4KO)11敗2分
勝者:赤平大治 / KO 2ラウンド 1分54秒 /
主審:椎名利一

蹴りからパンチに移った攻防の中、赤平大治の左ロングフックで山川敏弘がノックダウンし、セコンドからタオルが投げられ、ドクターもリングに入ろうとするが、レフェリーはテンカウントまで数えて赤平大治のノックアウト勝利。KO賞も獲得した。

赤平大治の右ストレートヒット、次第に左フックのタイミングに繋げていく
赤平大治の左フックに沈んだ山川敏弘、タオルは入っているがまだカウント中でテンカウントに繋げた

◆第8試合 63.0kg契約3回戦

須貝孔喜(VALLEY/23歳/ 62.8kg)6戦2勝4敗
      VS
平田大輔(平田道場/25歳/ 61.6kg)2戦2勝(1KO)
勝者:平田大輔 / 判定0-3
主審:少白竜
副審:椎名27-29. 宮沢29-30. 勝本26-29

第1ラウンド、平田大輔の右ストレートでグラついた須貝孔喜。逆に打ち合いに出て平田をグラつかせ、どちらかが倒されるスリルの中、圧していく須貝に対し、的確差で平田が優り、僅差判定勝利となった。激闘を展開した両者に伊原信一代表から敢闘賞が贈られた。

敢闘賞に繋がった打ち合う両者、平田大輔と須貝孔喜

◆第7試合 女子(ミネルヴァ)スーパーフライ級3回戦(2分制)

永島梢(K’Bスポーツ/37歳/ 51.7kg)37戦22勝(7KO)13敗2分
      VS
鈴木咲耶(チーム鈴桜/16歳/ 50.45kg)2戦2勝(1KO)
勝者:鈴木咲耶 / TKO 1ラウンド 1分59秒 /
主審:中山宏美

11年ぶりの試合という永島梢だったが、アマチュア90戦、プロ2戦目の高校2年生の鈴木咲耶の首相撲の上手さと蹴りのバランスの良さが優っていた。首相撲からの崩しの際か、倒れた永島梢が左足首辺りを負傷。更に組み合ってからの鈴木咲耶のヒザ蹴りでノックダウンした永島梢は足の負傷で立ち上がれずカウント中のレフェリーストップとなった。

アクシデント勝ちだが、首相撲から勝利を導いた鈴木咲耶の勝者コールと応急処置を受ける永島梢

◆第6試合 女子(ミネルヴァ)51.0kg契約3回戦(2分制)

NADIA(アルゼンチン/ 50.15kg)8戦4勝1敗3分
       VS
ミネルヴァ・スーパーフライ級4位.紗耶香(BLOOM/ 51.7→51.0kg)
15戦5勝(1KO)9敗1分
勝者:NADIA / 判定2-1
主審:宮沢誠
副審:椎名30-28. 中山29-30. 少白竜29-28

◆第5試合 女子(ミネルヴァ)アトム級(102LBS)3回戦(2分制)

ミネルヴァ・アトム級5位.Marina(健心塾/17歳/ 45.7kg)9戦4勝(1KO)5敗
     VS
aimi-(DANGER/46歳/ 45.6kg)9戦1勝5敗3分
勝者:Marina / 判定3-0
主審:中山宏美
副審:椎名30-28. 宮沢30-27. 少白竜30-27

◆第4試合 女子(ミネルヴァ)ライトフライ級3回戦(2分制)

DJナックルハンマーyokko(team AImerrick/ 48.3kg)4戦4敗
        VS
山崎希恵(クロスポイント吉祥寺/ 48.45kg)1戦1勝(1KO)
勝者:山崎希恵 / KO 2ラウンド 1分16秒 /
主審:宮沢誠

第2ラウンド、山崎希恵の右ハイキック一発がキレイにyokkoのアゴにヒットし、ノックダウンを喫する。マットに膝を着けたままファイティングポーズをとるyokko。立っているつもりだったろうが、そのままカウント9でレフェリーストップされた。厳密に言えばテクニカルノックアウトだが、ほぼテンカウント同様で山崎希恵ノックアウト勝利。

◆第3試合 アマチュア女子 38.0kg契約2回戦(2分制)

西田永愛(伊原越谷/13歳/ 37.2kg)vs瀬川柚子心(小野道場/14歳/ 37.35kg)
勝者:瀬川柚子心 / 判定0-3 (19-20. 19-20. 19-20)

◆第2試合 アマチュア 46.0kg契約2回戦(2分制)

西田蓮斗(伊原越谷/14歳/ 45.35kg)vs庄司翔依斗(拳之会/16歳/ 44.49kg)
勝者:庄司翔依斗 / 判定0-3 (19-20. 19-20. 19-20)

◆本戦第1試合 アマチュア 34.0kg契約2回戦(2分制)

武田竜之介(伊原越谷/10歳/ 33.3kg)vs銀牙(TAKEDA/11歳/ 33.8kg)
勝者:銀牙 /判定0-3 (18-20. 19-20. 18-20)

◆オープニングファイト第2. アマチュア49.0kg契約2回戦(2分制)

原龍之介(伊原越谷/13歳/ 48.2kg)vs竹田奏音(TAKEDA/15歳/ 47.7kg)
勝者:竹田奏音 / 判定0-3 (18-20. 18-20. 18-20)

◆オープニングファイト第1. アマチュア33.0kg契約2回戦(2分制)

渋谷剛(伊原越谷/10歳/ 32.0kg)vs平山晴翔(TAKEDA/11歳/ 27.6kg)
勝者:渋谷剛 / 判定3-0 (20-18. 20-18. 20-18)

 
勢い付いた嵐のヒザ蹴りヒット、多彩に攻めた

《取材戦記》

この日、両国国技館では井岡一翔のWBA・IBF世界スーパーフライ級王座統一戦、フェルナンド・マルティネス戦が行われていました。こちらも気になる興行でした。この日、新日本キックボクシング協会興行と重なっていなかったら行きたかった両国国技館です。

日本のメインイベンター嵐は危なげないノックアウト勝利。対戦相手、TENKAICHIバンタム級チャンピオンの川端駿太を“沖縄のチャンピオン”と表現したとおり、地方発祥のタイトルも増えている現在である。4月のスックワンキントーン・バンタム級チャンピオン桂英慈と引分けた試合から、また必殺ノックアウトが復活した感の嵐は9月15日(日)にホームリングのNJKF興行に出場予定です。宣言している世界制覇までライバルを蹴散らし、どこまで倒し続けられるか。

今回の興行は常連チャンピオン瀬戸口勝也の出場は無く、ジョニー・オリベイラがエース格的存在。しかしメインイベンターは無名の外国勢。日本のメインイベンターは他団体のNJKFから参加の嵐。選手層の薄さが表れる新日本キックボクシング協会。

この数年の流れを見て、やむを得ないという現状ではあるが、前日計量に現れたのは、スペインからやって来たプロモーターのチント・モルディージョ氏。なかなか恰幅良くトークを広げていた。

伊原道場アルゼンチン支部は数年前からディエゴ・ゴンザレス・ラヴォルペ氏が担っているが、今後、両者が新日本キックボクシング協会で伊原代表と、ヨーロッパ、南米、アフリカ等との交流、国際戦を計画しているという話であった。

リング上ではスペイン語によるトーク。通訳で協会スタッフの川久保悠さんが解説していたが、チント氏は更にオープンフィンガーグローブ使用のキックボクシング試合も日本に持ち込みたい意向があるという。そこまではどう進むか分からないが、とにかく話題は尽きない伊原プロモーション。次回興行の10月6日(日)のTITANS NEOS.35からこの戦いは始まる予定です。

挨拶に立ったチント・モルディージョ氏、活発な発言だった。右はディエゴ氏

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

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米国債を売れば50兆円利益と円安是正 「米官業日本政府支配」(植草一秀)/まともな科学者は誰も信じていない CO2温暖化説の嘘ともたらされる被害(広瀬隆)『紙の爆弾』8・9月合併号の注目記事

月刊『紙の爆弾』の最新号記事がnoteで一部公開・購読可能となりました。記事単位での購入も可能になりましたが、『紙の爆弾』はあくまで紙がメインのメディアです。興味を持っていただけましたら、ぜひ書店でお手にとっていただければ幸いです。定価700円(税込)、年間定期購読7700円(1号分お得です)。ここでは8・9月合併号(7月5日刊行)の注目記事2本の一部を紹介します。

◆米国債を売れば50兆円利益と円安是正 植草一秀解説「米官業日本政府支配」
 構成・文責◎編集部

 
 

 つくられた中国漁船衝突事件

最初に振り返るのは、2010年9月7日に尖閣諸島近海で起きた中国漁船衝突事件です。海上保安庁が中国漁船の船長らを違法操業として取り締まり逮捕。これをきっかけに日本で中国脅威論が一気に高まっていきます。

この事件はなぜ起きたのか? 日本と中国の間にはもともと「棚上げ合意」がありました。たとえば、読売新聞1979年5月31日付の社説には、「尖閣諸島の領有権問題は1972年の国交正常化の時も、昨年夏の日中平和友好条約の調印の際にも問題になったが、いわゆる『触れないでおこう』方式で処理されてきた。つまり、日中双方とも領土主権を主張し、現実に論争が存在することを認めながら、この問題を留保し、将来の解決に待つことで日中政府間の了解がついた。(中略)約束した以上は、これを遵守するのが筋道である」とあります。

これに基づいて日中漁業協定(2000年6月1日発効)が結ばれ、尖閣諸島がある北緯27度以南の水域には新たな規制措置を導入しないことになりました。現実的には、両国は自国漁船のみを取り締まり、相手国漁船の問題は外交ルートで注意喚起を行なうとしていました。

ところが2010年6月8日、菅直人内閣が発足初日に「尖閣諸島に関する我が国の立場は、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在しないというものである」と閣議決定して、「棚上げ合意」を一方的に破棄したのです。

これに基づき、国土交通省は尖閣海域の漁船取り締まり基準を、日中漁業協定から国内法に転換。そして、冒頭の事件が起きます。すなわち、従来であれば漁船を追い払うだけだったのが、この日の海上保安庁巡視船は一隻の中国漁船を接触するほど追い上げ、あげく漁船と他の巡視船がぶつかり、さらに3時間も追い回した末に漁船と乗組員を確保し船長を逮捕した。要するに日本が作り出した事件だったのです。

では、この事件の主演・企画者は誰か? それを示す事実経過がウィキリークスで暴露されており、当時の国交大臣・前原誠司氏だったことが明らかになりました。鳩山由紀夫内閣の2010年2月2日、カート・キャンベル国務次官補(当時)が来日しました。彼は小沢一郎氏と面会し、ソウルを訪問した後、米国政府に「日本での重視を、鳩山・小沢ラインではなく菅・岡田ラインに変える」旨を報告しました。

この報告をする前に、キャンベル氏は前原氏と面会していました。前原氏は「小沢さんは相手によって話の内容を変えるから注意した方がいい」とキャンベル氏に進言。さらに彼は、「このまま行くと沖縄県知事選で伊波洋一候補が勝ってしまうかもしれない」とも米国側に警告しています。

その後、キャンベル氏の報告通りに、鳩山氏と小沢氏は政権の中枢から外されて、菅直人氏と岡田克也氏を中心とする菅内閣が同年6月に組閣されました。また11月の沖縄知事選では伊波氏ではなく現職の仲井眞弘多氏が再選されています。

 ウクライナ戦争と台湾有事

この中国漁船衝突事件の経緯は、実はウクライナとロシアが戦争に至る経緯と、非常によく似ています。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/nfc528fb7024e

◆まともな科学者は誰も信じていない CO2温暖化説の嘘ともたらされる被害
 語り◎広瀬 隆(作家)

 
 

「脱炭素」を掲げながら原発を推進する自公政権は明らかな「悪」だ。しかし、原発廃絶を訴えながら、二酸化炭素(CO2)の削減も強調する環境活動家らの主張にも、心から納得できない読者は少なくないのではないか。現に、メガソーラーや風力発電施設がもたらす環境破壊が大きな問題となっている。

7月号で、リニア新幹線の目的が原発復活であることを明快に暴いた作家・広瀬隆氏が「CO2地球温暖化説」の嘘を解説する。広瀬氏のユーチューブ動画「気候変動の宇宙物理学」シリーズ(https://youtu.be/JSD2PyaOEmw)には、本稿で掲載しきれなかった多くの「証拠」図版が掲載されている。あわせてご覧いただきたい。(構成・文責/編集部)

 「CO2地球温暖化説」はこうして始まった

私は早稲田大学で学んだ後、企業で半導体材料などの研究開発に従事しました。日本で高度経済成長が始まった1970年代は、公害の時代でもあり、水俣病、イタイイタイ病などに加え薬害問題が発生しました。そこで私は退職し、公害問題と医学に取り組む道を選びました。特に力を入れたのが放射線被曝の危険性です。

原子力を止めるために重要なのは、被曝の危険性を知るとともに、原子力を廃絶後、どんな方法で電力供給を行なうか、つまりエネルギー問題です。

私はそこで、2つのテーマに突き当たりました。ひとつは地震と原発の危険な関係で、私は地質学者の生越忠(おごせすなお)先生に師事して本格的に地震学を学びました。

もうひとつが気候変動問題でした。原発に反対する人の中にも「CO2気候変動論」を真に受けている人が大勢いたからです。重要なエネルギー問題に通じるので、社会に正しく伝えなければいけません。30年以上の研究の過程で、『二酸化炭素温暖化説の崩壊』(集英社新書)『地球温暖化説はSF小説だった』(八月書館)などを出版しましたが、今回、ここでも話を始めます。

まず、皆さんにお尋ねします。地球の気温を変動させている要因とは何でしょうか? 人間が排出する二酸化炭素(CO2)だと多くの人が信じているようですが、本当でしょうか? 実は、自然界の変化が地球誕生以来の気温変化を支配してきたのであり、CO2とは無関係だと考える科学者の方が、圧倒的に多数派なのです。

私たち人類は太古の昔から、気候を司るのは太陽と月だと考え、それらの動きを観察しながら暦を作ってきました。自然界への敬意をもとに、様々な自然現象や天変地異が起きても、それは太陽が支配する出来事だと考えて、生きてきたわけです。
ところが今から100年ほど前、スウェーデンのアレニウスという物理学者が、そうではなく、大気中の温室効果(グリーンハウス・エフェクト)ガスが地球の気温を上昇させる。つまり、CO2によって気温が上昇するという「仮説」を報告しました。

これにより大混乱が始まりました。1988年、国連に「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が設立され、その「仮説」をあたかも真実であるかのように大々的に宣伝し始めたからです。結果として現在、人々の多くが、主に工業界が排出するCO2によって気温上昇が起きているという「仮説」を妄信しています。

この「温室効果」とは何か。地球には毎日、太陽光と紫外線が降り注ぎます。それを地球が反射して赤外線が放たれます。この赤外線で熱が宇宙に放出されるメカニズムがあります。ところが、上空のCO2やメタン(CH4)などの温室効果ガスが放出を遮って、熱を大気中に閉じ込めてしまい、地球全体がビニールハウスのように温まってしまうというのが、アレニウスの言い分です。

こうして温室効果ガスが気温を支配するとの説は、本当なのでしょうか?

それを考えるにあたり、まず私たちは、CO2と気温が本当に関係しているのかを確認しなければいけません。

 地球の気温の変化を追ってみる

では本論に入ります。もしCO2が気温上昇を推進するならば、それが自然界から出ようと、工場や自動車から排出されようと、大気中のCO2の変動と気温の変動が、あらゆる期間において一致していなければいけません。これが科学的な出発点です。

ところが、結論をいえば、長期的にも中期的にも短期的にも、CO2と気温の変化は一致していません。

まず長期的とは、6億年~1億年前。古生代~中生代を指します。古生代は地球上に原始的な魚類や昆虫が出現した時期です。次の中生代は恐竜が全盛したジュラ紀の時代です。

アメリカの科学雑誌『ジャーナルサイエンス』に掲載された「ジオカーブ3」というグラフをもとに作ったのが下の[図1]です。気温の線とCO2濃度の線に、どういう関係があるでしょうか。CO2が増えたら気温が上がっていますか? 上がっていません。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n907ca9003b68

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年8・9月合併号

『紙の爆弾』2024年 8・9月合併号

科学者は誰も信じていない CO2温暖化説の嘘ともたらされる被害 広瀬隆
植草一秀解説 米国債を売れば50兆円利益と円安是正 米官業「日本政府支配」
災害や感染症を利用し地方自治を破壊 地方自治法“戦前回帰”の大改悪 足立昌勝
WHOの公衆衛生全体主義を許すな!「パンデミック条約反対」日比谷公園2万人集会 高橋清隆
本当にワクチンを打つべきなのか? ウィルス「不存在」をめぐる科学的議論 神山徹
学歴詐称・事前運動疑惑、裏金自民援護 東京都知事選で露呈した小池都政の正体 横田一
フィリピン元大統領報道次官が訴える日比米安全保障の罠と日本との連帯 木村三浩
モディ政治の光と影 グローバル・サウスの盟主・インドの実相 浜田和幸
日本もパレスチナ国家承認を拒否 ガザ停戦を阻む米欧大国と日本の「論理」 広岡裕児
重信房子さんに聞く世界と日本の学生運動が証明するパレスチナ抵抗の正当性 浅野健一
政権交代に向け見極めるべきもの いま日本政治の転換を迫る負と正の力 小西隆裕
「岸田続投だけはありえない」「裏金国会」がもたらした自民党内の暗闘 山田厚俊
「社会貢献活動」法人設立の目的 ジュリー前社長が離さないジャニーズ最大利権
被害額は昨年から倍増 オンライン詐欺の実態と“野放し”の理由 片岡亮
世界史の終わりとハードボールド・ワンダラランド 佐藤雅彦
シリーズ日本の冤罪 特別編 西成女医変死事件 尾﨑美代子

連載
あの人の家
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け:西田健
「格差」を読む:中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座:東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER:Kダブシャイン
SDGsという宗教:西本頑司
まけへんで!! 今月の西宮冷蔵◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0D8PP3BNK/

今こそ、鹿砦社の雑誌!!

「名誉毀損」に名を借りた出版弾圧から19年 ─── 怒りを込めて振り返れ!  鹿砦社代表 松岡利康

われわれにとって〈7・12〉という日は、決して忘れることができない屈辱のメモリアル・デーだ。

◆2005年の〈7・12〉に何が起きたのか? 

2005年7月12日、野球開催時以外は閑静な兵庫県西宮市甲子園の住宅街が突然、早朝から大騒ぎとなった。配達されたばかりの朝日新聞を持って母親が血相を変えて階段を上ってきて私を起こし、「あんたが逮捕されるよ」と叫んだ。朝日新聞(大阪本社版)の一面トップ、会社名と私の名は出されてはいないが、「出版社」が鹿砦社で「社長」が私だとすぐ判る。自分の逮捕を新聞報道で知るという奇妙な体験をした。

この日は朝から東京出張の日だった。このことは前週事情聴取の際に検事には言っていたので、これを見越して早朝から検察は動いた。やがて神戸地検の一団がピンポンと呼び鈴を鳴らす。「シャワーぐらい浴びさせろ」と言うほど少しは落ち着いていた。

朝日新聞(大阪本社版)2005年7月12日朝刊。松岡はこれを見てみずからの逮捕を知った。しばらくして神戸地検の一団が家宅捜索─松岡連行にやって来た。
同 夕刊。神戸地検と朝日大阪社会部が連携し周到に準備されたスクープだった。
警察癒着企業アルゼを告発し弾圧の元になった4冊の本
松岡逮捕後急遽発行された『紙の爆弾』2005年9月号

自宅の家宅捜索が始まった。すでに多くのマスコミ記者とカメラマンらが自宅、会社を取り囲むように集まってきた。次いで近くの事務所に同行、事務所の家宅捜索が始まった。検察が持ってきた箱が足りなくて事務所にあった宅急便用の袋まで使うほど多くの資料等を押収していった。

1972年の会社設立関係の貴重な資料も押収され、今に至るまで出てこない。家宅捜索の途中で神戸地検に連行され、そこで逮捕を宣告され手錠を掛けられた。手錠を掛けたのは主任検事、宮本健志。地元・西宮東高校から早稲田に進み検事になった男だ。事務所の家宅捜索の最中に会社関係者も駆けつけ、終了のサインをしたのは近くに住む経理の女性だった(今も勤めている)。同じ頃、東京支社にも家宅捜索が入った。

家宅捜索は他の関係先にも及び、さらに事情聴取は大株主(当時)、製本所、倉庫会社にも、そしてトーハン、日販、大阪屋(現楽天)など大手取次3社にも及び、これら3社社は簡単に応じ取引資料を提出している。日頃「言論・出版の自由」を守れと嘯くのなら断固拒絶して欲しかった。

そうして、昼前には神戸拘置所に移送、全裸にされケツの穴まで見られる“身体検査”後に独房に入れられた。今度は、くだんの逮捕劇をラジオ放送で聴いた ── 。この時点では、すぐに釈放されると安易に考え、まさか以後192日間も勾留されるとは思ってもいなかった。

『週刊朝日』2005年7月29日号。スキャンダリズムの大先輩、『噂の眞相』岡留安則編集長が怒りを込めて検察の横暴を弾劾!

山口組の本拠・神戸だが、当時の神戸拘置所にはヤクザの有名人はおらず、私逮捕のニュースは拘置所内に広まったようで、風呂などで私の房を通るクリカラモンモンの入った人に「頑張ってや」と激励されたこともあった。

松岡が勾留された神戸拘置所の在る神戸市北区ひよどりの紹介した朝日新聞2005年10月31日付け記事。偶然にも勾留中に掲載された。
保釈され、神戸拘置所の前に立つ(2006年1月20日夜)
神戸地検と連携して”官製スクープ”を仕組んだ朝日新聞大阪社会部・平賀拓哉記者。逃げ回らずに出てこい!

◆朝日・平賀拓哉記者は逃げずに私と会え!

朝日新聞大阪社会部・平賀拓哉記者は、この前に数度取材に訪れ、資料や本などを持ち帰った。オモテはわれわれの出版活動を「理解」しているかのように振る舞い、ウラでは神戸地検特別刑事部・宮本検事と連携し、いや“結託”と言ってもいいだろう、密に連絡を取り合い官製「スクープ」をものにした。

こういうことを、大阪高検公安部長の要職にあり検察の裏金を告発し逮捕された三井環氏によれば「風を吹かせる」ということだ。その後、平賀記者は中国瀋陽支局勤務となり連絡が取れなくなったが、ある冤罪事件の記事を署名入りで寄稿していたことを見つけ、数年前に大阪に戻ってきたことがわかり、恩讐を越えて何度も面談を申し入れたが、本人からではなく広報部からそっけない拒絶のメールがあった。こちらは人生一変したんだぜ、わかっとんのか!? メディア人として以前に一人の血の通った人間として対応すべきではないのか? 逃げ回らず出てきて話そうぜ!

この事件では、刑事裁判)神戸地裁‐大阪高裁)では懲役1年2月、執行猶予4年が確定、また民事訴訟では約600万円の賠償金が確定した。いずれも最高裁まで争ったが遺憾な結果になった。特に民事訴訟では、一審(東京地裁)300万円が控訴審(東京高裁)では倍額600万円になり最高裁で確定した。

一審判決を報じるテレビ画像
一審判決を傍聴した山口正紀さんのレポート(『週刊金曜日』2006年7月14日号)
言論弾圧は、日本で活動する外国人記者にも衝撃を与え記者会見に招かれた(2007年2月14日。東京有楽町・外国人記者クラブにて)

◆私を嵌めた者らに起きた“不幸”

この事件に蠢いた輩には、のちに「鹿砦社の祟りか、松岡の呪いか」と揶揄されるように相次いで“不幸”が訪れている。

まずは当時のアルゼの雇われ社長の警察キャリア・阿南一成は耐震偽装企業との不適切な関係により辞任に追い込まれている。

私に手錠を掛けた主任検事・宮本健志は、徳島地検次席検事として栄転していたが、深夜泥酔して暴れ降格、懲戒処分されている。

弾圧当時のアルゼ社長・阿南一成が耐震不正企業との不適切関係により辞任(朝日新聞2006年1月19日朝刊)。阿南は元中国管区警察局長→参議院議員を経てアルゼ社長に天下り、公判でも出廷し告発本による「被害」について述べた。
松岡に手錠を掛けた、地元出身の主任検事・宮本健志検事が、昇任にして赴任した徳島で泥酔して暴れ降格懲戒処分になった事件を報じる徳島新聞(2008年3月26日付け)

事件を指揮した、神戸地検特別刑事部長・大坪弘道は、厚労省郵便不正証拠隠滅事件で逮捕・失職している。しばらく浮浪人だったが、今は弁護士として活動している。加入を認めた大阪弁護士会の見識を疑う。

弾圧を指揮した大坪弘道検事逮捕を報じる朝日新聞(2012年10月2日付け朝刊)
カジノ建設を狙うユニバーサル(旧アルゼ)による比高官接待を報じる朝日新聞(2012年12月30日付け)
岡田逮捕を報じるロイター通信電子版(2018年8月6日付け)

そうして、アルゼ(現ユニバーサル)の創業者オーナーだった岡田和生、海外で逮捕され、みずからが作り育てた会社から放逐されている。

一時は高額納税者総合1位だったこともあるパチスロ長者だったが、今は実子らに裏切られ風前の灯だ。

事件の関係者に次々と不幸が訪れながら、事件10周年にはまだ岡田は逮捕も追放もされていなかったが、やはり悪いことはできないな。

フィリピンで政府高官に賄賂を贈ったりしてカジノホテル開業に向け精力的に活動している間に、東京の本社では息子や子飼いの雇われ社長、そして、あろうことか後妻らによってクーデターが画策され岡田は放逐される。

こうしたことから思うに、人を嵌めた者はみずからも嵌められるということだろう。

お天道様は見ている。「因果応報」とはよく言ったものだ。

クーデターによって、みずから育てた会社から放逐され愚痴る岡田(『週刊ポスト』2019年3月22日号)

一方われわれは、このかんは新型コロナで苦闘しているが、彼らが不幸に遭っている間にみなさん方と共に奇跡の復活を遂げた。誰もがもう復活はないとささやいていたそうだが(ひどいぞ! 苦笑)、愚直に本業に取り組んでいれば、必ず浮かぶ瀬がある ── 19年前の弾圧以上の事件は滅多にないだろうから、これを乗り越えたわれわれは、どのような困難をも乗り越えることができると信じている。勾留中は電話一本、メール一本、ファックス一枚もできなかったが、今はそれらは勿論できるし、自由に動き回ることができる。

[左上]弾圧10周年記念集会(2015年7月12日。地元・兵庫県西宮市)。[左下]弾圧10周年集会二次会。西宮冷蔵・水谷洋一社長が手配してくれた。[右]弾圧10周年記念集会に大学の後輩にして書家・龍一郎が贈ってくれた書

◆寄り添っていただいた、ジャーナリスト・山口正紀さん、主任弁護人・中道武美弁護士の死を悼む ──

この事件に対しては多くの方々に支えていただいた。特に、公判のたびに毎回東京から自費で傍聴に来られ秀逸な記事を最高裁決定が出るまで連続して『週刊金曜日』に書かれた山口正紀さん(一審判決後のレポートを先に掲載)、主任弁護人を務めていただいた中道武美弁護士(訃報記事掲載)が、20周年を待たずして相次いで亡くなられた。慎んでご冥福を祈り生前のご厚誼に感謝を申し上げたい。合掌

私も山口さんや中道弁護士が亡くなられた歳を過ぎたり過ぎようとしている。思うところも多い。来年20周年までにバカはバカなりに日々思慮しそれらを書き留めていきたい。(松岡利康)

主任弁護人・中道武美弁護士の訃報記事(『救援』2023年10月10日号)

【お知らせ】関係書籍として、一部品切れの本がありますが、『紙の爆弾2005年9月号』『パチンコ業界のアブナい実態』『パチンコ業界 タブーと闇の彼方』『アルゼ王国はスキャンダルの総合商社』は僅かながら在庫あります。当時の雰囲気や弾圧の実態を知っていただきたく、ぜひご購読お願いいたします。

出版弾圧事件を記録した本、『パチンコ業界のアブナい実態』と、この続編『パチンコ業界 タブーと闇の彼方』
今こそ、鹿砦社の雑誌!!

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拝啓 斎藤元彦 様  今すぐ兵庫県知事をお辞めなさい さとうしゅういち

兵庫県では、2024年3月、当時の県民局長が兵庫県知事の斎藤元彦さんのパワハラやおねだりなどの「ご乱行」疑惑を文書で県議やマスコミに告発。これに対して、知事は「噓八百」と決めつけた上、元局長の退職を取り消し、さらには、停職処分を課すという、江戸時代で言えば〈座敷牢〉のような状態に置きました。

これに対して、県民の怒りが爆発。無所属市民派の丸尾牧議員や、自民党の一部の議員も先頭に、百条委員会の設置の動きが強まり、6月定例会で51年ぶりの百条委員会設置が決まりました。

しかし、この間にも、疑惑に関与したとされる課長が自死とみられる死亡。そしてついに、7月8日、元県民局長が百条委員会での証人喚問を前に亡くなられました(自死と報道されていますが、断定は現時点で避けます)。斎藤知事がいなければ、死なずに済んだ職員が二人もいる。都道府県は違いますが元県庁職員として許せず、そして、斎藤知事の同じ大学・同じ学部の先輩として恥ずかしい思いです。

そこで、以下のお手紙を、兵庫県知事の斎藤元彦後輩のXアカウントにお送りしました。

わたしは、昨年末(到着は2024年1月)には獄中の同じ大学の法学部出身で麻布学園の5年先輩でもある柿沢未途先輩に辞職勧告のお手紙を送っています。

柿沢先輩は衆院議員を潔くお辞めになりました。兵庫県知事の斎藤後輩はいかが対応されるでしょうか?

※         ※         ※

拝啓 斎藤元彦 様

突然、お手紙を差し上げるご無礼をお許しください。私は、1999年、貴方と同じ大学の同じ学部を卒業した佐藤周一と申します。貴方は、私から見れば後輩にあたります。卒業後は広島県庁に入庁。労働や介護・医療・福祉などの行政に携わらせていただき、今は介護福祉士として民間で働きながら広島を県民の手に取りもどす「ヒロシマ庶民革命」に取り組んでおります。

本日は、先輩として、また、元県庁職員として斎藤君、あなたに兵庫県知事を引退されることをお勧めするために筆を執りました。

斎藤君。あなたは、本年3月、県民局長だった渡瀬さんが、あなたの様々な疑惑についての文書を、県議やマスコミに送ったことについて記者会見で「嘘八百」「公務員失格」と罵倒されましたね。

斎藤君。あなたは、その後、渡瀬さんの退職を取り消し、いわば、江戸時代で言えば座敷牢のような状態に彼を置くという、とんでもない手段に出られた。そして、阪神とオリックスの優勝パレードの資金調達における県補助金キックバック疑惑の関連先として名前が挙がっていた金融機関の利害関係人の弁護士に「内部調査」を依頼した。そんな客観性のない調査をベースにあなたは「核心的な部分が事実ではない」として渡瀬さんに停職処分を下しました。

斎藤君。そんなあなたの対応に兵庫県民の怒りは爆発し、結局あなたを最初の選挙の時に本部が推薦した自民党の県議も含めて百条委員会設置を決めたのです。

そうこうする間にも、阪神タイガースとオリックスバッファローズの優勝パレードに関する疑惑に関与したとされる課長が自死されたそうではありませんか?

そして、このたび、渡瀬さんも19日の百条委員会を前に自死されたというではありませんか?

斎藤君。あなたは、職員に対して百条委員会に協力するよう命じています。だが、あなたが知事と言う上司である限り、職員はあなたと県民の板挟みになってしまいます。

「証言そのもので、知事に処分されることはなくても、別件にかこつけて嫌がらせをされるのではないか?」
と職員たちを追い詰めるだけのことをあなたはしてきたのではありませんか?

20m歩かされただけで職員を怒鳴りつける?!あなたはわたしよりも若いスポーツマンですよ。何をおっしゃっているのですか?

そして、母親たちが使うべき授乳室を使っていたという話には失笑を禁じえません。

スーパーの幟にあなたの顔を使わせるとか?! 恥ずかしいと思わないのですか?

斎藤君。君は、渡瀬さんに対して「今は感謝の気持ちが強い」などとおっしゃっています。どの口が言うのですか?それならまずは、処分を撤回してから言うべきです。

斎藤君。君があまりにも独裁的だから、渡瀬さんも、内部通報ではなく、外部に文書を送らざるを得なかったのではないですか? 斉藤君。君はそのことを恥じるべきです。

斎藤君。私は、これ以上、同じ大学の同じ学部の後輩が恥をさらすのを見ていられません。また、都道府県は違いますが、元県庁職員として、君が職員を苦しめ続けるのを許せません。

斎藤君。君は今すぐ知事を辞めるべきです。君が辞めないなら、他県ではありますが、兵庫県民や議会、職員労働組合の皆様の君を打倒する動きを全力で応援します。

斎藤元彦君。悪いことは申し上げません。今すぐ、知事をお辞めなさい。

それでは、盛夏の候、お体に気を付けてお過ごしください。

2024年7月 佐藤周一
敬具

※         ※         ※


◎[参考動画]【元幹部が自殺か】知事の“パワハラ”疑惑 内部告発した元県民局長が死亡 「心理的負担あったと推察」と斎藤知事 知事を批判する「告発文」配布し懲戒(カンテレNEWS 552024/07/08)

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
◎Twitter @hiroseto https://twitter.com/hiroseto?s=20
◎facebook https://www.facebook.com/satoh.shuichi
◎広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)https://hiroseto.exblog.jp/

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《横浜・副流煙裁判》煙草をめぐるトラブル、青葉警察署が作田学医師を名誉毀損の疑いで書類送検、「当然、会計にも行っていないと思います」、横浜地裁で患者に暴言 黒薮哲哉

神奈川県青葉警察署が、6月19日付けで日本禁煙学会の作田学理事長を名誉毀損の疑いで横浜地検へ書類送検したことが、告訴人本人への取材で分かった。

横浜副流煙裁判「反訴」(原告・藤井敦子他)の証人尋問の席で、作田理事長が特定の人物を指して、「うさんくさい患者さんでした」「当然、会計にも行っていないと思います」と証言したことが告訴の根拠である。横浜地裁の傍聴席はほぼ満席で、その中に「うさんくさい患者」と名指しにされた酒井久男氏もいた。

発端は、2017年11月に提訴された横浜副流煙裁判にさかのぼる。メディア黒書で報じてきたように、この裁判は煙草の副流煙で「受動喫煙症」を発症したとして、ミュージシャンの藤井将登氏(藤井敦子氏の夫)が、隣人から約4500万円の金銭を請求された事件である。

第一審も第二審も、将登氏の勝訴だった。煙草が化学物質過敏症に起因したとする根拠がないというのが棄却理由である。ちなみに「受動喫煙症」という病名は、作田理事長が命名したもので、公式には存在しない。類似した病気としては、化学物質過敏症がある。

藤井夫妻は、横浜副流煙裁判の勝訴が確定した後、この裁判を起こした隣人3人に対して、約1000万円の支払を求める「反訴」を提起した。前訴の提起そのものが訴権の濫用(広義のスラップ)に該当するというのがその理由である。

作田理事長の酒井氏に対する暴言めいた証言は、この「反訴」の証人尋問の中で発せられた。作田医師と酒井氏の関係は、横浜副流煙裁判が進行していた2019年7月17日までさかのぼる。

この日、酒井氏は、藤井敦子氏を伴って日本赤十字医療センター(東京都渋谷区)の作田医師の外来を受診した。作田医師が、横浜副流煙裁判の原告3人に対して、受動喫煙症の病名を付した診断書を交付した経緯があったことに加えて、過去にもこの病名を付した診断書を頻繁に交付してきた事実があったので、どのようなプロセスを経て診断を下しているのかを実地に調査することが目的だった。この計画は、敦子氏の発案だった。

たまたま酒井氏には、衣類の繊維に対するアレルギーがあったので、作田外来を受診する根拠もあった。「はたして自分は、受動喫煙症と診断されるか」という事に好奇心を刺激された。予測したように作田医師は、酒井氏を受動喫煙症と診断した。

この外来診察の際の酒井氏のふるまいについて、作田医師は「反訴」の証人尋問の中で、「うさんくさい患者さんでした」「当然、会計にも行っていないと思います」などと証言のである。敦子氏への怒りを酒井氏へ向けたのかも知れない。

しかし、酒井氏は会計を済ませてから、日本赤十字医療センターを立ち去っていた。会計課を通ったことを示す領収書も残っていた。そこで酒井氏は、作田医師に対して内容証明を送付し、法廷での暴言に至った事情を問うた。しかし、作田医師は回答しなかった。そこで酒井氏は、民事訴訟を起こすと同時に、刑事告訴にも踏み切ったのである。

青葉警察署は、酒井氏の告訴を受理して事件を捜査し、書類送検するに至ったのである。

◎告訴状全文 http://www.kokusyo.jp/wp-content/uploads/2024/06/240621.pdf

本稿は『メディア黒書』(2024年06月21日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。


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▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
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黒薮哲哉『禁煙ファシズム-横浜副流煙事件の記録』(鹿砦社)
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都知事選で「大善戦」したものの、地元広島では「惨敗」を喫した石丸伸二・前安芸高田市長の歪な選挙結果 さとうしゅういち

東京都知事選挙は7月7日執行され、現職で都民ファースト、自民党、公明党、国民民主党が支援する小池百合子さんが三選されました。ただし、得票数は291万8,015票にとどまり、300万票を切りました。得票率も42.8%と5割を大きく下回りました。

現職が圧倒的に強いのは過去の都知事選挙の結果からもわかりきっていたことでした。特に、東京は新自由主義政治による一極集中を原資に小池知事が、子育て世帯に特に全国でも異常なレベルで支援を行い、とくに勝ち組共働き世帯女性の間では小池さんの支持は圧倒的なものがありました。

ただ、その陰で、大手不動産会社と癒着しての開発や、スクールカウンセラー雇止めなど、現場労働者の使い捨てなどの問題が噴出していました。都庁の下の食料配布には、幅広い層が並んでいます。

小池知事は、得票率が5割を大きく切ったことを真摯に受け止めるべきです。小池知事は小池都政そのものの是非を問う都民投票には「判定負け」した、という見方もできます。とくに、小池さんが「公平」を盾に開き直っていたスクールカウンセラー雇止めはNOを突き付けられたのです。これをただちに撤回すべきです。

◆石丸さんはなぜ、蓮舫さんを「差し切った」のか?

こうした中で小池都政への不満の受け皿となったトップ、すなわち新人で二番目に得票したのは石丸伸二さんで165万8,363票(24.3%)でした。石丸さんは立憲、共産などが応援する前参院議員の蓮舫さんの128万3,262票(18.8%)を上回りました。

東京に全く地盤がなかった石丸さん。しかし、大手コーヒーショップのドトールの支援を受けるなど、資金力も充実。そして、10~20代の若者では小池さんを上回る投票を得ました。

正直、この結果は、筆者は一定程度予測していました。

○蓮舫さんの政策の方が具体的に若者労働者支援は充実している。しかし、SNS等で圧倒的に若者に知られているのは石丸さん。

○蓮舫さんを推していた立憲、共産両党が若者には敷居が高い政党になっていること。(楾大樹先生のはしごを外したり、支持者や地方議員が筆者に無礼を働いたりした立憲。ちょっと田村智子委員長や志位和夫議長に逆らったらすぐ除名や除籍になる体質の共産。)

○石丸さんが有力視された3候補で唯一の男性であったこと。近年の選挙では女性が有利な傾向はあったが、女性二人が有力候補とされたことで、逆に男性の石丸さんが有利な面があった。

などが根拠です。また、

○東京の若者は広島など地方から進学や就職で来た人も多い。そういう人たちは、「地方の古臭さ」にげんなりしている面もある。それで、「老害議員をぶっ叩いている」イメージを醸し出している石丸さんを見てスカッとするのではないか?

ということも要素として考慮しました。

蓮舫さんの敗因を上げるとすれば、結果論ですが、以下です。

現場労働者の待遇改善を打ち出したのは良かったものの、「若者」に限定したイメージが伝わってしまった。それこそスクールカウンセラー雇止めの被害者には就職氷河期世代も多くいる。保育や介護の現場にも、最近では、低年金で働かざるを得ない高齢者労働者も多い。特に単身女性はその傾向が強い。

小池さんも石丸さんも弱いとみられる氷河期世代以上の庶民男性や子育て支援の恩恵がない単身女性などにも幅を広げてアプローチをしていれば例えば、もうちょっと違った展開もあったのではないか? 若者を狙って、若者は石丸さんに取られ、取るべき票を取っていなかったのですから三位と言う結果もやむなしです。

また、蓮舫さん自体がもともとは小池さん、石丸さんと変わらない新自由主義グローバリストでした。そのことの記憶がある世代には、急に庶民に優しいことを蓮舫さんが言いだした、という受け止めもあったでしょう。

筆者も都民なら蓮舫さんに一票は入れていたでしょうけれども、積極的に選挙運動にはかかわりたくなかったかもしれません。

◆地元・広島では評判は散々

しかし、そんな石丸さんも、地元・広島では評判は散々です。

石丸さんの出身高校近くでも、

「安芸高田市もまとめられないで東京に行くなんてどうなのだ?」(60代男性)

「もうちょっと、年配者にゴマをすってでも、やりたい政策をやってから東京へ行けばよかったのに。」(40代女性)

「石丸さんは頭が良すぎるのではないか? もう少し市民の目線に合わせるべきだった」(60代女性)

など辛口の評価が多くなっています。石丸さんを支持しているという70代の男性も「とんがりすぎているところがあるからもう少し丸くなってほしい」と注文を付けます。

◆安芸高田市長選挙で「石丸後継」候補が大敗

都知事選と同日で、石丸伸二さんの辞職に伴う安芸高田市長選挙が執行されました。

そして、石丸さんの市政を修正していくスタンスの51歳の元郵便局長の藤本えつしさんが当選しました。

安芸高田市長選挙に立候補された皆様と市議補選に立候補された皆様(安芸高田市八千代町で筆者撮影)

有権者数  21,995人(前回より -1,701人)
藤本えつし  6746 非石丸元郵便局長
くまたか昌三 4541 親石丸市議
あかつ誠一郎 1216 親石丸
森谷まさあき  106

元郵便局長、51歳の藤本さんが、石丸前市長に近い市議だった熊高さんらを破り、初当選。事実上の政権交代となりました。

今回は熊高 vs 藤本=2:3
前回は石丸 vs 元副市長=3:2

安芸高田市長選挙 – 2020年08月09日投票
有権者   23,696人
石丸伸二   8076
竹本みねあき 5344

4年前に石丸さんに期待しながら、4年間の「石丸市政にはNO」という有権者が大量におられたのです。石丸さんは、やはりご自身の再選が危うい自覚があって東京に行かれたのではないでしょうか?

たしかに、今回、藤本さんを自民、公明、立憲が推したのは確かです。しかし、それは前回もほぼ構図は一緒です。石丸さんが評判を落とし、支持を失った自滅。それだけのことです。ネット上で石丸支持者の方がおっしゃる「組織票にやられた」というのは失当です。前回は組織票なしで石丸さんが圧勝していたのですから。


◎[参考動画]都知事選2位で躍進も…“地元”安芸高田市では“反石丸”市長が当選 地元「東京の人には魅力的に見えたかも」

安芸高田市に限らず、いわゆる地方の自治体では、年配の有力者が過去の成功体験から、なかなか変化を嫌う一方で、石丸さんや、広島県の平川教育長のような意識高い系の新自由主義グローバリストの若手や女性が好き勝手をする傾向もあります。

両者の狭間で割を食ってきたのは「地道に地元で頑張っている若手、中堅の特に女性」というあたりだと、筆者は痛感しています。藤本さんが、そうした層の力をうまく引き出すことができれば、安芸高田市の将来は捨てたものではないと思っていますし、一つのモデルにもなるでしょう。

◆ポスター代を踏み倒し、最高裁でも敗訴

そして、それに追い打ちをかけるように、7月8日、石丸伸二さんが、2020年の市長選挙でのポスター代72万円余りを踏み倒したとして、石丸さんの妹さんが勤務されていた会社から訴えられ、広島地裁、高裁に続き、最高裁でも敗訴したことが決定したと報道されました(決定は5日付)。

この裁判は、公費との差額を請求した会社側に対して、石丸さんが支払いを拒否したことから会社側がおこしたものです。普通、親族の会社に頼んでおいて、こういうことをする人は、常識的には存在しません。72万円と言っても、市長の給料で何とか払える金額でしょう。分割にしてもらうとか、貸し付けをしてもらった形にするとか、いろいろ話し合えば裁判になるはずもありません。


◎[参考動画]安芸高田市・石丸市長の控訴棄却 市長未払いの選挙ポスター製作費 支払いを命じる 広島高裁(2023/12/13 広島ニュースTSS)

◆名誉棄損裁判で市議に高裁でも敗訴

石丸さんはまた、就任直後に、市議らに恫喝されたとしてSNSに拡散。しかし、山根温子市議が「恫喝はしておらず、石丸市長に名誉を棄損された」として、石丸さんを訴えました。そして途中から、被告として安芸高田市も原告側は加えました。これは、職務としてSNSに投稿したので市にも責任があるという趣旨です。

広島高裁は3日、安芸高田市長の公務として石丸さんが山根市議の名誉を傷つけたとして、安芸高田市に損害賠償を命じました。山根市議は上告せず、あとは、安芸高田市の新市長が石丸さんに対して求償することを求めています。

この山根市議も、石丸さんが新市長になられた時はどちらかといえば期待をされていた方です。https://yamaneatsuko.net/kouenkaitougisiryou/

2020年の山根議員の後援会討議資料

そういう方を裁判になるまで怒らせてしまう石丸さんって東京都知事として大丈夫なのか? 広島県民、安芸高田市民の多くはそう思ったのですが、東京の有権者にはその事実はほとんど伝わっていなかったようです。


◎[参考動画]石丸市長の「市議から恫喝」発言訴訟で市長側敗訴 安芸高田市に名誉棄損で33万円の賠償命令 広島地裁(2023/12/28 広島ニュースTSS)

◆筆者はうわべだけの「意識高い系」ではなく、地域で地道に頑張る「若手・中堅」重視

石丸市長には実は悪いお手本が広島県内にあります。広島県知事の湯崎英彦さんです。湯崎知事は、平川理恵・前教育長が引き起こした諸問題について「法令違反は改革の副作用」と開き直っておられました。そんな知事を見ていたら、「俺だってこれくらいしても良いだろう」と石丸さんが思ったとしても不思議ではありません。

筆者は今後とも、旧来の成功体験からの卒業を県民の皆様に呼びかける一方で、湯崎英彦知事や石丸伸二さんや平川前教育長のような、アメリカンな意識高い系よりも、地元で地道に頑張っておられる中堅・若手の力で【MAKE HIROSHIMA GREAT AGAIN】を訴えていきます。また、権力への監視をきちんとしていくこと、湯崎知事ら権力が暴走する今は、湯崎知事から県民の手に広島を取り戻す「ヒロシマ庶民革命」を県民の皆様とともに進めていきます。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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◎広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)https://hiroseto.exblog.jp/

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学歴詐称・事前運動疑惑・裏金自民援護 東京都知事選で露呈した小池都政の正体(横田一)/WHOの公衆衛生全体主義を許すな!「パンデミック条約反対」日比谷公園2万人集会(高橋清隆)『紙の爆弾』8・9月合併号の注目記事

月刊『紙の爆弾』の最新号記事がnoteで一部公開・購読可能となりました。記事単位での購入も可能になりましたが、『紙の爆弾』はあくまで紙がメインのメディアです。興味を持っていただけましたら、ぜひ書店でお手にとっていただければ幸いです。定価700円(税込)、年間定期購読7700円(1号分お得です)。ここでは8・9月合併号(7月5日刊行)の注目記事2本の一部を紹介します。

◆学歴詐称・事前運動疑惑・裏金自民援護 東京都知事選で露呈した小池都政の正体
 取材・文◎横田一(ゲリラジャーナリスト)

 
 

東京都知事選(7月7日投開票)が6月20日に告示され、三選を目指す小池百合子知事と蓮舫前参院議員の実質的な一騎打ちとなったが、戦う姿勢は対照的。「反自民党・非小池都政」を掲げて神宮外苑再開発を争点とする“攻め”の蓮舫氏に対して、小池氏は出馬会見も開かずに第一声の街頭演説さえ行なわない“逃げ”に徹した。

19日、翌日(告示日)の小池氏の予定が明らかになると、報道関係者に驚きが広がった。10時半に新宿区の選挙事務所で出発式をするだけで、街頭演説はなし。「現職知事として公務に取り組みながらの活動になります」とも強調していた。現職の第一声を有権者が聞くことができないという前代未聞のスタートとなったのだ。

一方、挑戦者の蓮舫氏は11時過ぎから中野駅前で第一声。応援弁士には立憲民主党の枝野幸男前代表、辻元清美代表代行、長妻昭政調会長がそろい踏みする通常のスタイルで臨んだ。初日から有力2候補の違いが際立った。

小池氏の出馬表明も前代未聞だった。蓮舫氏の電撃的出馬表明(5月27日)で後れを取った小池氏が6月12日、都議会本会議で三選出馬表明をした後、囲み取材に応じたが、学歴詐称関連質問がテレビ朝日の島田直樹記者に遮られて質疑応答が打ち切られるという異例の事態となった。

誰もが蓮舫氏と同様、「小池氏も出馬会見を開いて質疑応答をするに違いない」と思っていたのに、代表質問だけの短時間の囲み取材で終わらせてしまったのだ。

歴史に残る珍問答が行なわれたのは12日14時半すぎ。本会議終了後に都議会各派への挨拶を終えた小池知事が本庁舎との連絡通路に現れると、囲み取材に入る前に小池氏は立ち並ぶテレビカメラを指差して「いまリアル(生中継)でやっているのはどこ?」と聞いてカメラ目線をまず確認。

続いて幹事社(代表質問役)の島田記者が政策発表の時期などについて連続質問した後、フリーの佐藤章氏が「昨日、お世話になられた朝堂院大覚(ちょうどういんだいかく)さんが……」と学歴詐称問題について質問し始めたとたん、再び島田記者が「すいません、代表(質問)で。知事、まずお願いします」と割り込んで佐藤氏の質問権を奪取。そして「いつも勝負服のカラーで緑色の服を着られるが、本日はそういった服を着られていませんが、何か服に対する思いは?」と聞いたのだ。

すると、小池知事は笑顔を浮かべながら「今は公務をしっかりしておりますので、それはそれでメリハリをつけた対応をしていきたいと思っています」と答えて突然、囲み取材を打ち切り、立ち去り始めたのである。すぐに記者団から抗議の声が上がる中、追いかけながら私は「カイロ大卒と書くのか。自民党の支援を受けるのか。確認団体(方式での支援)、萩生田(光一都連会長)さんと相談したのですか」などと声を張り上げたが、小池氏は一瞬視線を向けただけで、無言のまま立ち去った。

この後、現場では質問を遮った島田記者に抗議が殺到。「口裏を合わせて代表(質問をする記者)だけ質問させようとしていたのではないか」「もう一回、囲み取材をやり直して下さい。テレ朝で質問を独占したのだから」などと問い質し、再度の囲み取材開催を迫った。これに対して島田記者は「私ももっと質問できるものだと思っていた。幹事社と相談する」と回答。

そこで「今すぐ知事と交渉して、ここに連れて来てください。滅茶苦茶な会見をした責任をとってください」と囲み取材の再設定を要望したが、実現することはなかった。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/nc52321500d83

◆WHOの公衆衛生全体主義を許すな!「パンデミック条約反対」日比谷公園2万人集会
 取材・文◎高橋清隆(反ジャーナリスト)

 
 

世界保健機関(WHO)総会で「パンデミック条約」と国際保健規則(IHR)改定案の採決を目前に控えた5月31日、両案などに反対する「WHOから命をまもる国民運動大決起集会」が東京の日比谷公園で開かれ、2万人が気勢を上げた。野外音楽堂では近代史研究家の林千勝氏ら8人が基調講演した後、池田利恵日野市議の音頭で出陣。「WHOの公衆衛生全体主義を許すな」などとシュプレヒコールを上げながら、銀座までデモ行進した。

しかし、IHR改定案は詐欺的手法で採択され、パンデミック条約は交渉期限が延長された。これが目指すのは〝世界統一政府〞である。覚醒した国民がどれだけ増えるかが問われている。

 林・柳澤両氏ら識者が不服従を誓う

集会の主催は「WHOから命をまもる国民運動」と「一般社団法人ワールドカウンシルフォーヘルスジャパン」(WCHJ)。デモ行進の起点は厚生労働省前、終点近くにはレプリコンワクチン(mRNAワクチン)の製造元となるMeiji Seikaファルマがある。

はじめに「WHOから命をまもる国民運動」共同代表でもある林氏が開会宣言。「われわれは全体主義を排除する。自由と勇気を胸に、世界の人々と手をつなぎ、日本を取り戻す。5月31日を新たな日本の独立記念日としようではありませんか」と呼び掛けた。
 
WCHJ代表で医師の柳澤厚生氏は、「WHOが何をしたかといえば、日本政府を操ってワクチンを打ち、多くの被害者を作ってきた。皆がだまされた。国の言うことに間違いはないと思った」と指摘。新型コロナワクチンの副反応による死亡者が、従来のインフルエンザワクチン死亡者の100倍以上であることを挙げ、「今、僕はこのワクチンを医者として打つことはできない」と訴えた。

「国民運動」共同代表でノンフィクション作家の河添恵子氏は開口一番、「政府、WHO、厚労省全て悪魔だと考えてください」と問い掛けた。「私たちは不服従を貫きます」と宣言すると、大きな拍手を浴びた。「今、生きるか死ぬかの闘い。ユースレスイーター(無駄飯食い)はワクチンで死んでもらうというのが、彼らの考え。その手足となっているのが日本政府。絶対許してはなりません」と続けた。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/nbfb6eaa264cd

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年8・9月合併号

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科学者は誰も信じていない CO2温暖化説の嘘ともたらされる被害 広瀬隆
植草一秀解説 米国債を売れば50兆円利益と円安是正 米官業「日本政府支配」
災害や感染症を利用し地方自治を破壊 地方自治法“戦前回帰”の大改悪 足立昌勝
WHOの公衆衛生全体主義を許すな!「パンデミック条約反対」日比谷公園2万人集会 高橋清隆
本当にワクチンを打つべきなのか? ウィルス「不存在」をめぐる科学的議論 神山徹
学歴詐称・事前運動疑惑、裏金自民援護 東京都知事選で露呈した小池都政の正体 横田一
フィリピン元大統領報道次官が訴える日比米安全保障の罠と日本との連帯 木村三浩
モディ政治の光と影 グローバル・サウスの盟主・インドの実相 浜田和幸
日本もパレスチナ国家承認を拒否 ガザ停戦を阻む米欧大国と日本の「論理」 広岡裕児
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政権交代に向け見極めるべきもの いま日本政治の転換を迫る負と正の力 小西隆裕
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被害額は昨年から倍増 オンライン詐欺の実態と“野放し”の理由 片岡亮
世界史の終わりとハードボールド・ワンダラランド 佐藤雅彦
シリーズ日本の冤罪 特別編 西成女医変死事件 尾﨑美代子

連載
あの人の家
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コイツらのゼニ儲け:西田健
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シアワセのイイ気持ち道講座:東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER:Kダブシャイン
SDGsという宗教:西本頑司
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