◆海洋環境破壊

洋上風力発電は沖合に風車を建てて海底に送電線を敷く。建設には地元の漁業者らとの調整が欠かせない。ところが秋本氏は、国会で「過度な規制は国益を損ねる」などとして建設のアセスメントについて漁業関係者との相談などの期間短縮を求める質問を繰り返してきた。

これについても「日本風力開発」の塚脇前社長とメールで質問内容を確認しあった疑いがある(2023年9月22日付け毎日新聞)。秋本氏の質問により、環境省は昨年8月、アセス短縮に向かって動き出した(2023年9月10日付け朝日新聞)。

日本の漁協漁業の現状について、生物学者の池田清彦・早稲田大学名誉教授は次のように述べる。

「1986年、日本の漁獲量は約1280万トンで世界一だった。でも、それから33年が経過した2019年の漁獲量は417万トンまで減少して世界10位となっている。(中略)なぜこのようになったかというと(中略)何よりも大きいのは日本周辺の水産資源が激減していることだ」(池田清彦『SDGsの大嘘』宝島新書2020年)

日本の水産資源が激減しているのは、魚介類の乱獲の他に海の卵開発が原因であると考えられる。

窪川かおる・帝京大学客員教授(海洋生物学)は次のように述べる。

「(前略)再生可能エネルギーとして期待される洋上風力発電の送電海底ケーブルの設置も始まっている。海底ケーブルや洋上風力発電のような人工物の敷設は、ごく僅かであっても周辺の海洋環境、時に生物相に影響を及ぼす。そのため、環境への影響評価が事前から事後まで必要となる」(「深刻化する海の環境破壊」2023年7月11日付け京都新聞)

このように日本の漁業の衰退は著しいが、洋上風力発電はそれに拍車をかける。秋本氏が国会で進めてきた洋上風力発電の環境アセス短縮は論外である。そして漁業の振興を考えれば洋上風力発電の立地場所はない。

ところが、この事件により、いわゆる「第2ラウンド」の事業者選定は難航すると思われていたが、昨年12月13日経産省と国交省は秋田県、新潟県、長崎県の3海域で公募していた洋上風力発電の事業者を選定した。いずれも独占企業(伊藤忠商事、三井物産、住友商事など)を中心とする3事業体が選定され、2028年6月から29年8月の運転開始を予定しているという(2023年12月14日付け京都新聞)。

これだけ新公募基準の決定過程に問題点が指摘されながら、早くも事業者を選定したのである。

◆「再エネ発電100%」は可能か

「脱原発」運動の多くはIPCCなどの「人為的CO2温暖化説」やそれによる「気候変動(危機)」(異常気象。自然災害の激化)を認める。そのうえで政府が「脱炭素」のため進める「原発再稼働・新設」には反対して「再エネ発電100%」の実現を目指すとする。

しかし、「人為的CO2温暖化説」や「気候変動説」に対して疑問を呈する科学者は決して少数ではない。科学者が「世界気候宣言」を発表した背景には「人為的CO2温暖化説」や「気候変動説」が政治的に利用されて、非現実的な「脱炭素」政策が推進されていることに対する危機感があると思われる。

「宣言」は「2050年に向けて提案されている有害かつ非現実的なCO2ネットゼロ政策に強く反対します」(前掲近藤HP)と締めくくる。

例えばソーラーパネルや巨大な風車を再エネ発電による電力のみで製造できるのか(現在はソーラーパネルの多くは中国製で石炭火力による電力に頼っている)。また、出力が不安定な太陽光や風力発電は、火力発電によるバックアップなしで運転できるのか。

そして太陽光発電はエネルギー効率が低く、メガ・ソーラーは広大な面積の森林を破壊する。また、陸上風力発電も騒音や低周波音による住民被害を避けるためには、工事用道路建設のためふもとの山林を潰し、山頂を削って、風車を設置することになり、自然破壊が著しい。前述の通り、洋上風力発電は海洋の環境を破壊し、魚の生息を脅かす。

このように「再エネ発電100%」は非現実的かつ有害なのである。本年1月1日に起きた能登半島地震により運転休止中の志賀原発の変圧器などが損傷した。「本地震は地震列島全域の原発の地震安全性に対して、根本的な警告を発した」(石橋克彦『週刊金曜日』2024年1月26日号)のである。停止中の原発は再稼働してはならないし、運転中の原発もただちに停止すべきである。

その後は「再エネ100%」ではなく、火力発電を中心に電力需要を満たすしかない。しかし、化石燃料の使用を極力減らさなければならないことに議論の余地はない。日本では今後急速に人口減少が進むのに、AI(人口知能)やEV(電気自動車)などによる電力需要の急増が見込まれている。AIやEV拡大など電力大量消費社会が問われねばならない。(おわり)

本稿は『季節』2024年夏・秋号(2024年8月5日発売号)掲載の同名記事を本通信用に再編集した全2回の連載記事です。

◎大今 歩 洋上風力発電を問う 秋本議員収賄事件を受けて
〈前編〉洋上風力発電そのものへの疑問
〈後編〉AIやEV拡大による電力大量消費社会こそ問われねばならない

▼大今 歩(おおいま・あゆみ)
高校講師・農業。京都府福知山市在住

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年夏・秋合併号《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか


◎『季節』創刊10周年特別企画『脱(反)原発のための季節セレクション』(仮)
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『季節』2024年夏・秋合併号(NO NUKES voice 改題)
A5判 148ページ(本文144ページ+巻頭カラー4ページ) 定価880円(税込み)
お陰様で10周年を迎えました!
《グラビア》
「幻の珠洲原発」建設予定地 岩盤隆起4メートルの驚愕(写真=北野 進
「さよなら!志賀原発」金沢集会(写真=Kouji Nakazawa

《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか

《報告》小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
 原子力からこの国が撤退できない理由

《報告》樋口英明(元福井地裁裁判長)
 なぜ日本は原発をやめなければならないのか

《報告》井戸謙一(元裁判官/弁護士)
 事実を知り、それを人々に伝える

《報告》山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
 核武装に執着する者たち

《報告》後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
 課題は放置されたまま

《報告》森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
 原発被害の本質を知る

《インタビュー》北野 進(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団団長)
 珠洲原発・建設阻止の闘いは、民主主義を勝ち取っていく闘いだった

《対談》鎌田 慧(ルポライター)×柳田 真(たんぽぽ舎共同代表)
 東京圏の反原発 ── これまでとこれから

《報告》今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
「核融合発電」蜃気楼に足が生え

※          ※          ※

《回想》松岡利康(鹿砦社代表)
 創刊から10周年を迎えるまでの想い出

《墓碑銘》松岡利康(鹿砦社代表)
 お世話になりながら途上で亡くなった方への追悼記

《季節創刊10周年応援メッセージ》

 菅 直人(衆議院議員・元内閣総理大臣)
 守りに入らず攻めの雑誌を

 中村敦夫(作家・俳優)
 混乱とチャンス  

 中嶌哲演(明通寺住職)
「立地地元」と「消費地元」の連帯で〈犠牲のシステム〉を終わらせる

 水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
『季節』丸の漕ぎ手をふやして、一刻も早く脱原発社会を実現しよう

 山崎隆敏(元越前市議)
「核のゴミ」をこれ以上増やさないために

 今野寿美雄(「子ども脱被ばく裁判」原告代表)
 裁判も出版も「継続は力なり」

 あらかぶ(「福島原発被ばく労災損害賠償裁判」原告)
 隠された「被ばく労働」問題を追及し、報じてほしい

※          ※          ※

《報告》なすび(被ばく労働を考えるネットワーク)
《検証》あらかぶさん裁判 原発被ばく労働の本質的問題 

《報告》北村敏泰(ジャーナリスト)
 棄民の呻きを聞け 福島第一原発事故被害地から

《講演》和田央子(放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会)
「復興利権」のメガ拠点 「福島イノベーション・コースト構想」の内実〈前編〉

《報告》平宮康広(元技術者)
 水冷コンビナートの提案〈1〉

《報告》原田弘三(翻訳者)
 COP28・原発をめぐる二つの動き
「原発三倍化宣言」と「気候変動対策のための原発推進」合意

《報告》三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
 総裁選より、政権交代だ

《報告》板坂 剛(作家/舞踊家)
   タイガー・ジェット・シンに勲章! 問われる悪役の存在意義

《報告》山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
   山田悦子の語る世界〈24〉
   甲山事件50年を迎えるにあたり
   誰にでも起こりうる予期せぬ災禍にどう立ち向かうか(下)

《報告》大今 歩(高校講師・農業)
   洋上風力発電を問う 秋本議員収賄事件を受けて

《報告》再稼働阻止全国ネットワーク
 時代遅れの「原発依存社会」から決別を!
 政府と電力各社が画策する再稼働推進の強行をくい止める

《老朽原発》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
 6・9大阪「とめよう!原発依存社会への暴走大集会」に1400人超が結集

《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
 女川原発の再稼働はあり得ない 福島事故を忘れたのか

《福島》黒田節子(請戸川河口テントひろば共同代表)
 浪江町「請戸川河口テントひろば・学ぶ会」で
 北茨城市大津漁協裁判で闘う永山さんと鈴木さんの話を聞く

《柏崎刈羽原発》小木曽茂子(さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト)
 7号機再稼働で惨劇が起きる前に、すべての原発を止めよう!

《首都圏》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 福島原発事故の責任もとれない東京電力に
 柏崎刈羽原発を動かす資格はない!

《浜岡原発》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
 静岡県知事と御前崎市長が交代して
「一番危険な原発」はどうなるか

《島根原発》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
 政治に忖度し、島根原発2号機運転差止請求を却下
 それでも私たちは諦めない!

《玄海原発》石丸初美(玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会)
 玄海町「高レベル放射性廃棄物・最終処分場に関する文献調査」受入!

《川内原発》向原祥隆(反原発・かごしまネット代表)
 私たちは歩み続ける

《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
 原子力規制委員会を責め続けて11年
 原子力規制委員会は、再稼動推進委員会・被曝強要委員会

《反原発川柳》乱鬼龍

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龍一郎揮毫

私たちは唯一の脱原発雑誌『季節』を応援しています!

イスラエル軍元兵士が語る『平和』 ダニーネフセタイさん講演会が9月18日(水)、広島市東区民文化センターで広島瀬戸内新聞が主催して行われました。


◎[参考動画]「武力で平和は生まれない」 元イスラエル軍兵士が広島で語る「平和」(広テレ!NEWS 2024年9月18日)

◆「武力で平和は生まれない」 元イスラエル軍兵士が広島で語る「平和」

 

ダニーネフセタイさん

ダニーネフセタイさんは1957年生まれの今年67歳。ダニーさんは、2008年にイスラエル軍が子どもを多く殺したことで、イスラエルがやっていることがおかしいと気付いたそうです。

ダニーさんの祖父母はそれぞれポーランド、ドイツから1920年代にイスラエルに移住。しかし、自分以外の親戚はホロコーストにあったそうです。しかし、イスラエルに移住したことでバランスが崩れてしまった。

「パレスチナでは英国が独立させる際に当初はユダヤ人・パレスチナ人が半々に土地を分割するはずだったのが実際にはユダヤ人が75%、パレスチナ人が25%になってしまった。パレスチナ人が面白くないのは当然。」

「ユダヤ人がパレスチナ人の土地を奪う。家に火をつける。車を壊す。そういうことが毎日のようにガザではなく表向きは安定しているように伝えられているヨルダン川西岸でも起きている」

と、紹介しました。

そして、なぜ、こういうことになるかといえば、

「イスラエルの文科省が認めている地図ではガザ地区との境界は書いてあるがヨルダン川西岸もゴラン高原も自国だ。子どもたちは毎日そういう地図を見る。歪んだ教育が戦争を肯定する人間を生み出している」

とダニーさんは指摘しました。

高校卒業後、イスラエルでは18歳になると男女問わず徴兵されます。ダニーさんは高校卒業後、空軍に所属しました。

しかし、今となっては「パイロットにならないで良かった」と振り返ります。

「パイロットになった友人もいるが、そういう友人は『ここに爆弾を落としてきなさい』と命令されたらその通り落としてくる。それによって多くの人を殺していても」

からです。

「ナイフを使って街中で人を殺せばかっこいいということにはならない。戦闘機で何百人も人を殺せばかっこいいとなってしまう。」

「軍隊は、以下のことで成り立っている。①自分たちを善、相手側を悪と差別すること。②殺人を正当化するほどまでに上官の命令に従うことが徹底している(普通の会社ではそういうことはない。) ③物事を解決することは話し合いではなく、武力で解決する。イスラエルはパレスチナのことをイスラエル軍にすべてを任せているから解決しない。」

と指摘します。

「イスラエル軍は1000万円の爆弾でガザを攻撃し、安全だとするが、ガザは5000円で出来るロケット弾で対抗する。結局、軍事費はうなぎ上りになってしまう。」

「イスラエルはフェンスをつくってガザを封鎖してしまった。」

「10.7以降、イスラエルの若者がガザに行く支援物資を止めてしまう。戦争は普通の人を鬼にしてしまう。」

「イスラエル軍は、力で抑えることで安全神話をつくってきた。しかし、そのたびにそれは崩れてきた。」

「イスラエルは、西岸地区でもパレスチナ人を勝手に逮捕してきた。」

◆「テロリスト」と決めつけず、対話を!

ダニーさんは、

「ハマスはテロ組織ではない。一応選挙で選ばれていた。テロという職業はない。自分の目的を達成するためにテロをやっている。」

と指摘。

「1946年当時、ユダヤ人のリーダーの後のベギン首相がイギリス軍司令部を爆破するというテロを行った。のちにベギン首相はエジプトとの和平で1979年にノーベル平和賞をもらった。1948年にイスラエルは独立したためにイギリスに逮捕されず、その後首相になった。」

という事実を紹介しました。

そして、

「テロリストと決めつけたら話ができなくなる。しかし、長年戦争をしていたイスラエルは実際にエジプトと和平し、その後はエジプトに平気で観光に行くようになった。」

「ガザとイスラエルの対立は数千年もあるから対話は無理だという人もいるかもしれない。しかし、50年前は検問所などもなかった。1998年にはガザ市とテルアビブ市は姉妹協定も結んでいる。和平をしようとすればできないことはない。」

と強調しました。

◆イスラエルはこのままではPTSDで持たない

イスラエルはガザを2008年に大規模に攻撃し子どもがたくさん殺した。その時に生き残った子どもが2023年、イスラエルを攻撃した。また、ハマスの指導者を暗殺したが、イランは報復すると宣言。イスラエル国民はおびえている。殺された人だけでなく、殺した人もPTSDなどと言う形で被害を受ける。

ダニーさんは

「戦争の時代に生まれた犠牲者でもあるが、政治家の間違った判断の犠牲者であり、間違ったプロパガンダの犠牲者でもある」

と指摘しました。

◆(核)抑止力ってあるのか?

ダニーさんは、「(核)抑止力」に疑問を呈しました。

「中学生がナイフを「抑止力のため」と持ち込んだら先生が認めるか?」
「岡山が攻めてくることに備えて「広島軍」をつくりますか?」

と問いかけました。

また、

「ロシアもイスラエルも核兵器を持っているが、ウクライナはモスクワまで攻撃しているしハマスもイスラエルを攻撃した。」

と核抑止力に疑問を呈しました。

◆戦争をベースにする歴史教科書

ダニーさんは歴史教科書が戦争をベースに記述していることも問題視しました。

「今、ロシアとウクライナは戦争していますが、欧州の51か国中2か国だともいえる。イタリアではいつもどおりピザを食べている。ただ、そんなことは教科書には載らない。」

「大昔でも、戦争をしていない国の方が多かった。戦争を止められないなら、戦争をしている国の方が多くなる。」

と指摘しました。

◆戦争・軍事こそ最大の環境破壊

「戦争はいつかおわる。ヘビースモーカーは余命2週間と知らされたらすぐにやめる。戦争も、気候変動で東京も上海もNYもガザもテルアビブも大変なことになる。そうなれば戦争どころではなくなる。」

「ただ、それを待っていたら、太平洋の島から沈むし、ガザでも人が死んでしまう。今から、平和のため、環境のために私ならがんばる。」

「戦車も戦闘機も燃費が悪い。F35戦闘機は1時間飛ぶと5600リットル燃料、すなわちクルマ1800台分の燃料を消費する。戦争をしなくても練習しているだけでも、どんどん環境を破壊する。戦争は最大の環境破壊だ。」

と指摘しました。

ダニーさんの講演を受けて活発な議論が行われました。

参加者からは

「イスラエルの状況や市民の方々の当たり前を知る機会を与えていただき、ありがとうございました。なぜあの様な状況が起きるのか疑問に思っておりましたが、日本に於ける二次大戦時の市民の方々の思いの推定も含め、認識を新たにさせて貰いました。良く見て、良く聞いて、良く話すことの重要性、夫婦や家庭でも同じだなぁ、と痛感しました。
 今後とも、このような上質な知識を得る機会を提供いただくようお願い致します。」

「戦争がもたらすこと戦争で何が起こっているかを伝えようという熱意、わかりやすく伝えたいという思いを強く感じました。おそらく、悲しみ怒りなど、持ちながら希望を伝えたいという思いを感じました。」

などの感想を戴きました。


◎[参考動画]イスラエル軍元兵士が語る『平和』IN広島 ダニーネフセタイさん講演会 広島瀬戸内新聞ニュース(2024年9月18日)

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
◎Twitter @hiroseto https://twitter.com/hiroseto?s=20
◎facebook https://www.facebook.com/satoh.shuichi
◎広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)https://hiroseto.exblog.jp/

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◆高速炉と軽水炉との違い

高速炉の燃料が1般の原発の燃料とどう違うのか。軽水炉の燃料から取り出すことができるプルトニウムは、核分裂性すなわち核兵器として使えるプルトニウムは239、241だが、核分裂性ではないプルトニウム238、240、242が3割以上含まれる。言い換えるならば、プルトニウムの純度が悪い。核爆発装置を作ることは出来るし、ナガサキ型原爆を作ることも可能だが、現代ではプルトニウムの核分裂を起爆剤に核融合により威力を発揮する核融合爆弾すなわち水爆が主流だ。

この水爆の起爆剤を作る場合、不純物の多いプルトニウムは不純物の発する中性子により早期爆発を引き起こしたり、中性子を吸収して逆に核爆発威力(収量という)を減衰させたり、発散する放射線が強すぎて周囲の回路や材料を劣化させたり、取扱者を被曝させるなど問題が多い。

しかし高速炉ブランケット燃料から取り出せるプルトニウムは不純物がほとんどない98%程度の純度である。これは原爆開発初期から存在する黒鉛炉と高速炉でしか製造できないので、フランスのラプソディ高速実験炉から取り出したプルトニウムがムルロワ環礁の地下核実験(1996年)に使用されたとき、世界中の核兵器関係者が注目したのである。

この核実験には米国エネルギー省も立ち会ったといわれている。米国が所有しない高純度プルトニウムによる核実験であった。フランスは高速炉から得た兵器級プルトニウムで400発の核兵器を製造したという。

日本が最初に導入した英国製の原発は、東海村で現在廃炉・解体中の東海原発だが、これは黒鉛炉だった。そのため英国と日本との取り決めで、使用済燃料は全量英国に返還し、日本には残されなかった。これは黒鉛炉の燃料から高純度のプルトニウムが生産できるからである。英国は黒鉛炉を使って核兵器開発を進めていたが、日本からのプルトニウムも使っていたといわれている。

核兵器生産に使える原子炉はもう1つ、重水炉がある。これは中性子を減速する材料に重水を使い、水で冷却する構造だが、プルトニウム239の純度を高く保つ運転が可能だ。実際にインドが核兵器用プルトニウムを生産したのはカナダから導入した重水炉からだ。

日本には重水炉も存在した。現在廃炉・解体中の「ふげん」がそうである。「ふげん」の使用済燃料は東海再処理工場で再処理されたが、1般の軽水炉のプルトニウムと混ぜて取り出すことになったため、核兵器級の純度を持つことはなかった。重水炉は「ふげん」しか存在しなかったし、黒鉛炉は東海原発しか存在しなかった。いずれも日米原子力協力協定による原子力開発が進められる過程で、以後は全部米国製軽水炉が採用されることになった。これは日本の核武装を阻止するためである。

これらの共通項は「プルトニウム239の高い純度」である。軽水炉でもまったくできないことはないが、そのためには断続的に運転を停止し頻繁に燃料を交換する必要がある。この燃料交換サイクルがわかれば、燃料から取り出されるプルトニウムの純度が推測できる。北朝鮮の原子炉の運転間隔が米国などの重要な衛星情報になっているのはこれが理由だ。

IAEAが日本の原発を常時監視しているが、その目的も核兵器開発を阻止するためである。そのため原子炉内には常に監視カメラが取り付けられており、運転時も停止時も止められることなく監視し続けている。主に使用済燃料プールの燃料体が計画外で取り出されていないか、あるいは運転間隔が不自然ではないかなどを監視しているとされる(「保障措置上の監視」という)。

◆核兵器開発を止めさせよう

日本の現状は、米国による東アジアの覇権を維持するために、日本にも「応分の負担を求める」として、防衛費を倍増させ、米国の兵器を爆買いさせてきた。これがアジアの緊張を高めていることは紛れもない事実である。

これに加え、日本の核武装の隠れもない姿勢は、核拡散も加速する恐れが出てきている。

北朝鮮が核兵器体系を高度化するためのミサイル実験を繰り返す中で、韓国にも危機感が高まり、プルトニウムを抽出する再処理を志向し始めている。韓国には重水炉もあるので、高純度プルトニウムを生産することも十分可能だ。

日本を筆頭に核なき世界に逆行する現状を転換しなければ、いずれ核軍拡競争がアジアで始まる。

日本が核武装を放棄するには、原子力政策、とりわけ再処理政策を放棄するほかはない。電力需要にまったく寄与しないばかりか、巨額の費用が投じられ、その分、電気代に跳ね返る再処理事業には、巨額の税金も投入されている。

環境を汚染し、核のごみを拡散させるだけの再処理工場を廃止させることから始めよう。

本稿は『季節』2024年夏・秋合併号(2014年8月5日発売号)掲載の「核武装に執着する者たち」を本通信用に再編集した全3回の連載記事です。

◎山崎久隆 核武装に執着する者たち(全3回)
〈1〉核武装のために不可欠な「核燃料サイクル政策
〈2〉開き直ったかのような日本政府の「核武装オプション論
〈3〉「核兵器開発」放棄のための「再処理政策」放棄

▼山崎久隆(やまざき・ひさたか)
たんぽぽ舎共同代表。1959年富山県生まれ。脱原発東電株主運動、東電株主代表訴訟に参加。反原発運動のひろば「たんぽぽ舎」設立時からのメンバー。湾岸戦争時、米英軍が使った劣化ウラン弾による健康被害や劣化ウラン廃絶の運動に参加。福島第一原発事故に対し、全原発の停止と廃炉、原子力からの撤退を求める活動に参加。著書に『隠して核武装する日本』(影書房 2007年/増補新版 2013年)、『福島原発多重人災 東電の責任を問う』(日本評論社 2012年)、『原発を再稼働させてはいけない4つの理由』(合同出版 2012年)、『核時代の神話と虚像 ―― 原子力の平和利用と軍事利用をめぐる戦後史』(共著/木村朗、高橋博子編/明石書店 2015年)等多数。

◎たんぽぽ舎 https://www.tanpoposya.com/
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 課題は放置されたまま

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 創刊から10周年を迎えるまでの想い出

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《報告》北村敏泰(ジャーナリスト)
 棄民の呻きを聞け 福島第一原発事故被害地から

《講演》和田央子(放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会)
「復興利権」のメガ拠点 「福島イノベーション・コースト構想」の内実〈前編〉

《報告》平宮康広(元技術者)
 水冷コンビナートの提案〈1〉

《報告》原田弘三(翻訳者)
 COP28・原発をめぐる二つの動き
「原発三倍化宣言」と「気候変動対策のための原発推進」合意

《報告》三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
 総裁選より、政権交代だ

《報告》板坂 剛(作家/舞踊家)
   タイガー・ジェット・シンに勲章! 問われる悪役の存在意義

《報告》山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
   山田悦子の語る世界〈24〉
   甲山事件50年を迎えるにあたり
   誰にでも起こりうる予期せぬ災禍にどう立ち向かうか(下)

《報告》大今 歩(高校講師・農業)
   洋上風力発電を問う 秋本議員収賄事件を受けて

《報告》再稼働阻止全国ネットワーク
 時代遅れの「原発依存社会」から決別を!
 政府と電力各社が画策する再稼働推進の強行をくい止める

《老朽原発》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
 6・9大阪「とめよう!原発依存社会への暴走大集会」に1400人超が結集

《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
 女川原発の再稼働はあり得ない 福島事故を忘れたのか

《福島》黒田節子(請戸川河口テントひろば共同代表)
 浪江町「請戸川河口テントひろば・学ぶ会」で
 北茨城市大津漁協裁判で闘う永山さんと鈴木さんの話を聞く

《柏崎刈羽原発》小木曽茂子(さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト)
 7号機再稼働で惨劇が起きる前に、すべての原発を止めよう!

《首都圏》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 福島原発事故の責任もとれない東京電力に
 柏崎刈羽原発を動かす資格はない!

《浜岡原発》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
 静岡県知事と御前崎市長が交代して
「一番危険な原発」はどうなるか

《島根原発》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
 政治に忖度し、島根原発2号機運転差止請求を却下
 それでも私たちは諦めない!

《玄海原発》石丸初美(玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会)
 玄海町「高レベル放射性廃棄物・最終処分場に関する文献調査」受入!

《川内原発》向原祥隆(反原発・かごしまネット代表)
 私たちは歩み続ける

《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
 原子力規制委員会を責め続けて11年
 原子力規制委員会は、再稼動推進委員会・被曝強要委員会

《反原発川柳》乱鬼龍

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0DB1GZ5CM/

◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000748

龍一郎揮毫

私たちは唯一の脱原発雑誌『季節』を応援しています!

年齢差あるカードが多かった今回のマッチメイクは若さの勢いとベテランの意地が見られました。

初メインイベンター吉田凛汰朗はベテラン宮越慶二郎の老獪なテクニックに苦戦の敗戦。

小林亜維二は認定チャンピオン初戦を辛勝。

◎NJKF CHALLENGER 2024 / 9月15日(日)後楽園ホール17:20~21:18
主催:TAKEDAジム / 認定:NJKF

◆第10試合 64.0㎏契約3回戦

NJKFスーパーライト級チャンピオン.吉田凜汰朗(VERTEX/2000.1.31茨城県出身/63.9kg) 
26戦12勝(3KO)10敗4分
       VS
宮越慶二郎(拳粋会宮越道場/1990.1.28埼玉県出身/63.55kg)
46戦29勝(8KO)14敗2分1NC

勝者:宮越慶二郎 / 判定0-3
主審:中山宏美
副審:少白竜29-30. 宮沢29-30. 多賀谷28-30
宮越慶二郎は興行MVP

初回、パンチと上下の蹴りで様子見の両者。第2ラウンドにはパンチの距離となり、吉田凛汰朗が狙った前進の中、宮越慶二郎は3年ぶりの試合ながら動きは良く、先にクリーンヒット。

吉田は打ち返そうと狙って出るが、宮越は躱す上手さもあってクリーンヒットしない展開、多少パンチを貰っても逆に打ち返す中、ヒジ打ちもヒットさせ、ディフェンスと凌ぎ切るベテラン宮越の上手さがあった。

焦りもあったか、吉田凛汰朗の右ストレートはヒットせず、宮越慶二郎が読み切った

宮越慶二郎のカウンターパンチヒット、もどかしい吉田凛汰朗

吉田凛汰朗コメント

「宮越選手の技術で呑まれてペース完全に掴まれてしまって打ち合いに応じて行っちゃったというのが本当に一番の反省点です」。

毎度の振り、5回戦制だったらという問いには、「5回戦だったらという作戦もあると思いますが、3回戦が今回の試合なので、3ラウンドでしっかり勝負を付けなければならず、今回は本当に完敗という感じです」

話を振れば、いつも笑顔で応え、落ち込むという表情ではないが、試合からこのインタビューまでキツイ時間だっただろう。また上を目指して頑張る意気込みはしっかり持っていた吉田凛汰朗である。

宮越慶二郎のリング上でのマイクアピールでは、「最高過ぎて言葉に出ません!リング上でのこの景色見れて感無量です」と率直なコメントを残していた。

巧みなテクニックで感無量の勝利。この日のMVP獲得の宮越慶二郎とスポンサーさん

◆第9試合 ウェルター級3回戦

NJKFウェルター級チャンピオン.亜維二(=小林亜維二/新興ムエタイ/2006.2.16神奈川県出身/66.55kg)11戦7勝(3KO)3敗1分 
        VS
シュートボクシング日本ウェルター級チャンピオン.奥山貴大(SPORTS/GSB/1994.3.14愛知県出身/66.5kg)24戦17勝(6KO)7敗 

勝者:亜維二 / 判定3-0
主審:児島真人
副審:少白竜28-27. 宮沢28-27. 中山28-27

初回、蹴りからパンチの様子見ながら次第に距離が近くなる打ち合いに移り、第2ラウンド終盤には打ち合いから奥山貴大の左右フックで亜維二はノックダウン喫してしまう。

第3ラウンド開始早々には奥山の左フックと亜維二の右ヒジ打ちでダブルノックダウンになりかけるも奥山貴大のみのノックダウンとなり、亜維二が巻き返した流れから蹴りを加えた打ち合いの激しい攻防で終了。

亜維二の長身を活かした左ミドルキックヒット

ダブルノックダウン気味も亜維二はすぐ立ち上がり、奥山貴大はダメージあるノックダウンとなった

亜維二コメント

「率直な感想としては、本当にまずは勝てて良かったというのがあって、ダウン取られた時は、やっぱり相手もタフな選手なので、“うわー、取り返すのキツ~!”と思いながら立ち上がったんですけど、最後は取り返せて良かったです。反省点はもっと攻撃纏めたり、ガードもしっかりしないとこれが自分の短所なので、もっと自分の短所削って長所を伸ばして、皆に安心して楽しく観せられるようにしていきたいです。“いい試合だったけど・・・”と後に欠点が付くので“だったけど”が無くなるようにしたいですね。」と反省の言葉だった。

◆第8試合 64.0㎏契約3回戦

WBCムエタイ日本スーパーライト級2位.健太(E.S.G/1987.6.26群馬県出身/ 63.65kg)
121戦68勝(21KO)45敗8分
 
         VS
シュートボクシング日本ライト級2位.基山幹太(BELLWOOD FIGHT TEAM/ 2001.12.24/兵庫県出身/64.0kg)22戦13勝(1KO)8敗1分 
引分け 0-1
主審:多賀谷敏朗
副審:児島29-29. 宮沢29-30. 中山29-29

パンチと蹴りの攻防。スピードはやや基山寛太にあり、ベテラン健太の返し技の上手さが光った。最終第3ラウンド終盤には、健太がアグレッシブに打ち合いに出るインパクトを残すが、第1ラウンドが互角以外、ジャッジ三者の採点が分かれるラウンドが続いて、振り分け難い展開でもあった。

基山寛太の右ストレートが健太の顔面を捉える

引分けとなった基山寛太と健太

◆第7試合 第14代NJKFフライ級王座決定戦 5回戦

1位.谷津晴之(新興ムエタイ/ 2003.5.7神奈川県出身/50.65kg)20戦10勝(4KO)5敗5分
        VS
2位.西田光汰(西田/ 2001.2.13愛知県出身/50.65kg)10戦7勝2敗1分
引分け
三者三様
主審:少白竜
副審:児島49-48. 多賀谷48-49. 中山49-49 (延長戦は三者とも9-10)
西田光汰を王座認定、公式記録は引分け

初回からパンチと蹴りの攻防。首相撲の展開もありスピーディーな互角の攻防が続くが、決定打は無く主導権支配するには至らない両者。

第4ラウンドには西田光汰のヒジ打ちで谷津晴之の左頬がカットされる。第3ラウンド以降はジャッジ三者が揃う採点は無く、三者三様の引分けによりチャンピオンを決める為の延長非公式戦が行われ、微妙ながら西田の勢いが優った。

多彩に打ち合った両者。西田光汰の右ストレートヒット

谷津晴之の右ミドルキックヒット、互角の攻防が続いた

西田ジム会長の父親にチャンピオンベルト巻いて応援団に挨拶する西田光汰

◆第6試合 59.0㎏契約3回戦

NJKFフェザー級4位.新人(E.S.G/35歳/58.7kg)43戦23勝(5KO)18敗2分
        VS
NJKFスーパーフェザー級5位.麻太郎(健心塾/22歳/59.0kg)18戦9勝(1KO)8敗1分
勝者:麻太郎 / 判定0-3
主審:宮沢誠
副審:少白竜28-30. 多賀谷28-30. 中山27-30

打撃の攻防は若い麻太郎のパンチとハイキックの攻勢力が優った。

◆第5試合 フライ級3回戦

永井雷智(VALLELY/17歳/50.8kg)5戦4勝(3KO)1分
      VS
藤原将裕(マイウェイスピリッツ/30歳/50.45kg)6戦3勝3敗 
勝者:永井雷智 / KO 1ラウンド2分17秒 / 3ノックダウン
主審:児島真人

永井雷智はアグレッシブにストレートパンチでノックダウンを奪い、藤原将裕も少々蹴り返して頑張ったが永井雷智が3ノックダウンを奪って完勝となった。

◆第4試合 58.0㎏契約3回戦

和斗(大和/26歳/57.95kg)7戦4勝(2KO)3敗
       VS
蹴橙(クローバー/25歳/57.85kg)3戦2勝(2KO)1敗 
勝者:和斗 / 判定3-0 (30-27. 30-27. 30-27)

◆第3試合 スーパーウェルター級3回戦

風成(エス/27歳/69.4kg)4戦2勝(1KO)1敗1NC
      VS
須藤雅人(OGUNI/26歳/69.55kg)1戦1敗
勝者:風成
/ KO 2ラウンド2分3秒 / 3ノックダウン

初回、蹴りからパンチでリズムを掴んだ風成が連打でノックダウンを奪い、第2ラウンドにも右フックで3度ノックダウンを奪って圧勝。

◆第2試合 フライ級3回戦

手塚瑠唯(VERTEX/17歳/50.55kg)3戦1勝(1KO)2敗
      VS
植田琥斗(E.S.G/18歳/48.95kg)1戦1勝 
勝者:植田琥斗 / 判定0-3 (28-30. 28-30. 28-30)

◆プロ第1試合 女子(ミネルヴァ)フライ級3回戦(2分制)

ミネルヴァ・スーパーフライ級9位.芳美(OGUNI/ 50.4kg)41戦11勝(2KO)27敗3分
       VS
堀田優月(闘神塾/15歳/50.3kg)2戦2勝
勝者:堀田優月 / 判定0-3 (28-30. 27-30. 27-30)

◆アマチュア2. OVER40 60kg級2回戦(2分制)

幸島秀之(サンライズ)vsアニマルタケ王(D-BLAZE)
勝者:アニマルタケ王 / RSC 1ラウンド1分53秒

◆アマチュア1. (ジュニア部門)EXPLOSION 2回戦(90秒制)

佐藤陽平(TAKEDA)vs太田善(エス)
勝者:佐藤陽平 / KO 1ラウンド54秒 / 2ノックダウン制

《取材戦記》

今回はCHALLENGER 5という表記でした。5回目でしたっけ?

武田幸三氏はセレモニーで「2月、4月、6月と来て今回が4回目!」と意識してか知らずか、御挨拶の中でそんな言い回しがありました。関西は「NJKF west 1」から予定の「west 5」まで発表されているので混合はしていないでしょう。今回は4回目でした。

盛り上がりはしたが、厳しい立場を残したメインイベントとセミファイナル。
プロモーター武田幸三氏は、
「自分も一切忖度しないでマッチメイクするので、まあそれが上に行く為の手段と思うので、毎回冒険で、今回はいい薬になりましたね。まだまだ本当に努力しなきゃいけないし、やらなきゃいけないことが沢山ありますが、現在地がようやく分かりましたね。」と語った。

プロモーターとしての現在地、選手らの現在地。停滞する場合もありながら、日本のトップ団体にする為の努力がこれからも続きます。

亜維二vs奥山貴大戦は第3ラウンドにダブルノックダウンが起こった。厳密には亜維二は軽いヒットのフラッシュダウン。奥山貴大は効いて倒れたノックダウン。レフェリーによってはダブルノックダウンとした判断もあっただろう。フラッシュダウンはすぐ立てばノックダウン扱いはしない現在の風潮で、これは勝敗の運命決める裁定。試合後に「あれダブルノックダウンじゃなかった?」と聞いてくるジム関係者も居て、物議を醸す問題ではないが、想定しておくべき事案でしょう。

プロボクシングJBCは起こり得る想定は毎度ミーティングしているということです。

「5回戦だったら」という振りを使う場合がありますが、それは3回戦制での試合後の「あと2ラウンド延長されていたら」という意味ではなく、契約時から5回戦という意味で、その想定での練習、スタミナ配分があります。吉田凛汰朗や亜維二の試合も5回戦だったらもっと戦略が幾つも複雑になっていたかもしれません。それがプロ選手の総合力が見られる長丁場の戦いです。

NJKF CHAKKENGER 5回目は11月10日(日)に後楽園ホールに於いて「55kg級JAPAN CUP 1st」8人トーナメント初戦、嵐vs壱世センチャイジム決定済を含む主要4試合を中心に行われます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

今こそ、鹿砦社の雑誌!!

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◆老朽原発依存経営の泥沼にのめりこむ関西電力

能登半島地震は、原発は地震に脆く、地震に伴って過酷事故が起これば、避難も屋内退避も困難を極めることを再認識させました。

地震は「いつ、どこで、どの規模で発生するか」予知できません。8月8日の日向灘地震以降、南海トラフ巨大地震発生の可能性が高まったとされています。南海トラフ巨大地震が起これば、連動して、各地の断層が動くとも考えられます。地震多発国に、原発はあってはなりません。

それでも、「原発依存社会」へ暴走する自公政権は、原発推進法(「GX束ね法」)の実態化のために、「原発・再エネの最大限活用」を進めるとする第7次エネルギー基本計画の策定を進めています。既存原発の再稼働、40年超え運転をさらに進め、60年超え運転も拡大し、原発建て替え、新設も俎上に上らせようとしています。

一方、老朽原発依存経営の泥沼にのめりこむ関電は、本年5月、原子力規制委員会から高浜3、4号機の20年間運転延長の認可を得ました。ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使用する原発の40年超え運転は初めてです。これで、来年には、関電の稼働可能な原発7基の内の5基が40年超え運転となります。老朽原発では、交換不可能な圧力容器の脆化が進み、点検や交換が難しい配管、送電ケーブルの損傷も進んでいます。

◆使用済み核燃料の乾式貯蔵が孕む2つの問題

ところで、原発を動かすと使用済み核燃料が発生しますが、発生直後の使用済み核燃料は、膨大な放射線と熱を発しますから、燃料プールで水冷保管しなければなりません。そのプールが今、満杯になろうとしています。満杯になれば原発を運転できなくなるため、電力会社や政府は、放射線量と発熱量が減少した使用済み核燃料を乾式貯蔵に移して、プールに空きを作ることに躍起です。

ところが、乾式貯蔵には2つの問題があります。一つは、乾式貯蔵に移すことによって出来たプールの空間に、高放射線、高発熱の新しい使用済み核燃料を入れた場合、そのプールが崩壊すれば、大惨事に至ることです。

もう一つは、乾式貯蔵に移した使用済み核燃料の行き場がないことです。関電や政府は、行き場として青森県の核燃料再処理工場の稼働を願望していましたが、8月23日、日本原燃は27回目の目の再処理工場完成延期を発表しました。再処理工場が完成する見通しはありませんから、使用済み核燃料は行き場を失ったことになります。危険極まりなく、行き場もない使用済み核燃料の発生源・原発は全廃しなければなりません。

自公政権が、数を頼んで成立させた「原発推進法(GX束ね法)」は、関連法の整備が必要であるため、60年運転に関わる部分などは未だ施行されていません。完全施行は来年6月といわれています。脱原発を求める市民の行動が拡大すれば、骨抜きに出来、実行不能に追い込むことも出来ます。今が私たちの正念場です。目に見え、耳に聞こえる行動に起ちましょう!

※第118回「老朽原発うごかすな!実行委員会」実務担当者会議案内より抜粋転載

▼木原壯林(きはら・そうりん)
老朽原発うごかすな! 実行委員会。1967年京都大学理学部化学科卒。理学博士。専門は分析化学、電気化学、溶液化学。熊本大学、京都工芸繊維大学名誉教授等を歴任。京都悠悠化学研究所主宰。

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年夏・秋合併号《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか


◎『季節』創刊10周年特別企画『脱(反)原発のための季節セレクション』(仮)
出版のためのクラウドファンディングご支援のお願い

https://readyfor.jp/projects/kisetu_nonukes

『季節』2024年夏・秋合併号(NO NUKES voice 改題)
A5判 148ページ(本文144ページ+巻頭カラー4ページ) 定価880円(税込み)
お陰様で10周年を迎えました!
《グラビア》
「幻の珠洲原発」建設予定地 岩盤隆起4メートルの驚愕(写真=北野 進
「さよなら!志賀原発」金沢集会(写真=Kouji Nakazawa

《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか

《報告》小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
 原子力からこの国が撤退できない理由

《報告》樋口英明(元福井地裁裁判長)
 なぜ日本は原発をやめなければならないのか

《報告》井戸謙一(元裁判官/弁護士)
 事実を知り、それを人々に伝える

《報告》山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
 核武装に執着する者たち

《報告》後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
 課題は放置されたまま

《報告》森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
 原発被害の本質を知る

《インタビュー》北野 進(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団団長)
 珠洲原発・建設阻止の闘いは、民主主義を勝ち取っていく闘いだった

《対談》鎌田 慧(ルポライター)×柳田 真(たんぽぽ舎共同代表)
 東京圏の反原発 ── これまでとこれから

《報告》今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
「核融合発電」蜃気楼に足が生え

※          ※          ※

《回想》松岡利康(鹿砦社代表)
 創刊から10周年を迎えるまでの想い出

《墓碑銘》松岡利康(鹿砦社代表)
 お世話になりながら途上で亡くなった方への追悼記

《季節創刊10周年応援メッセージ》

 菅 直人(衆議院議員・元内閣総理大臣)
 守りに入らず攻めの雑誌を

 中村敦夫(作家・俳優)
 混乱とチャンス  

 中嶌哲演(明通寺住職)
「立地地元」と「消費地元」の連帯で〈犠牲のシステム〉を終わらせる

 水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
『季節』丸の漕ぎ手をふやして、一刻も早く脱原発社会を実現しよう

 山崎隆敏(元越前市議)
「核のゴミ」をこれ以上増やさないために

 今野寿美雄(「子ども脱被ばく裁判」原告代表)
 裁判も出版も「継続は力なり」

 あらかぶ(「福島原発被ばく労災損害賠償裁判」原告)
 隠された「被ばく労働」問題を追及し、報じてほしい

※          ※          ※

《報告》なすび(被ばく労働を考えるネットワーク)
《検証》あらかぶさん裁判 原発被ばく労働の本質的問題 

《報告》北村敏泰(ジャーナリスト)
 棄民の呻きを聞け 福島第一原発事故被害地から

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龍一郎揮毫

私たちは唯一の脱原発雑誌『季節』を応援しています!

オウムに殺されかけながらもカルトとの闘いを続ける滝本太郎弁護士、我が国を代表する現代フランス文学研究家・堀茂樹慶應義塾大学名誉教授、フェミニズム研究の第一線で闘う千田有紀武蔵大学教授、ご存知作家森奈津子らを中心として多様な言論・主張をまとめた『LJBT異論』が9月28日に発売の運びとなりました。ぜひご予約を!

※               ※               ※

『LGBT異論 キャンセル・カルチャー、ジェンダー論争、巨大利権の行方』
女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会=編著
 

A5判 164ページ(本文160ページ+カラーグラビア4ページ) 
   定価990円(税込み)  
   紙の爆弾10月号増刊 9月28日発売

 

【内容】
1: [対談] 堀茂樹×滝本太郎 世界を席捲する新たなカルト=「性自認」思想の現在
2: 千田有紀 フェミニズムの再生を求めて
3: 井上恵子 東京大学三浦俊彦教授の記事に対する東京大学関係教員有志声明の批判──その問題点
4: 杉島幸生 『トランスジェンダーになりたい少女たち』から考える
5: キャロライン・ノーマ オーストラリアにおけるジェンダーイデオロギーから子供たちを救おうとする私の妹の闘い
6: 滝本太郎 LGBT理解増進法について
7: 滝本太郎 前提として知っておきたいこと
8: 滝本太郎 2つの考え方の図
9: 三浦俊彦 LGBT支援のための前提条件
10: 森奈津子 男性器つき女性を誕生させたい政治家たち
11: 滝本太郎 性自認主義の進展──特例法について司法の状況
12: 玉置祐道 女性スペースの管理と法律の現状と問題点
13: 益田早苗 LGBTQ当事者の子育て:子どもの安定した生活と最善の利益を守る
14: 郡司真子 学校で危ない性教育?
15: 滝本太郎 性自認至上主義は、カルト的な思想運動である
16: 斉藤佳苗 『LGBT問題を考える』を出版して

 

◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000752

◆洋上風力発電をめぐる収賄事件

昨年9月27日、自民党の再生エネルギー普及拡大議員連盟(以下、再エネ議連)の事務局長である秋本真利衆議院議員が、洋上風力発電をめぐる収賄容疑で起訴された(自民党を離党)。

すでに贈賄により起訴された「日本風力開発」の塚脇正幸前社長の便宜を図る国会質問の見返りに、前社長から計7,286万円の賄賂を受け取った。

例えば2022年2月17日、秋本議員は国会で公募基準の見直し(運転開始の時期を評価するなど)を求めた。同年10月27日、秋本議員の質問に沿った「新公募基準」が公開されると、その翌日、前社長から1,000万円を受領したという。

このような収賄をめぐる秋本氏の疑惑には、再エネ議連の顧問で秋本氏が「おやじ」と呼んでいた菅義偉前首相、「兄貴」と呼んでいた河野太郎衆議院議員(現デジタル相)、さらに当時、経産相だった萩生田光1氏の関与も疑われる(「赤旗」日曜版2023年8月27日号)。

まず2021年12月24日、秋田県や千葉県の洋上風力発電の公募(いわゆる第1ラウンド)で、三菱商事を中心とする企業連合がすべて落札して「日本風力開発」などは失注した。

これについて菅前首相は入札の報告に来た経産省のエネルギー庁長官・保坂伸氏を長時間にわたり詰問した(前掲「赤旗」)。

また、萩生田元経産相は2022年1月7日、「他のプロジェクトの人たちにも今後参加しやすいような仕組みを検討しようと思っている」と記者会見で発言した。秋本氏の質問(2月17日)以前に入札の「仕組み」見直しを言及しているのである。そして萩生田氏は3月18日、入札の評価基準を見直すため、第2ラウンドの入札の締め切りを延長すると表明した(前掲「赤旗」)。

さらに河野氏は、「新公募基準」の公表について、同日(10月27日)ツイッター(現X)で「秋本真利代議士や柴山昌彦代議士(再エネ議連会長)のファイン・プレー」と賞賛した(前掲「赤旗」)。

秋本氏が事務局長を務める自民党再エネ議連には100名を超える議員が名を連ねているが、これらの議員の動きにも疑いの目を向けなければならない。GX基本方針に群がる企業・政治家2020年9月、菅前首相は所信表明演説で「2050年までに国内の温室効果ガス排出などを実質ゼロにする」と宣言した。そして、政府は昨年2月、 「GX(脱炭素)に関する基本方針」として、今後10年間に150兆円、そのうち再エネ拡大に20兆円を支出する、とした。このような巨額の資金に企業が群がり、その企業から政治家が甘い汁を吸う。

秋本氏は自民党内で原発の再稼働には反対して、「脱炭素」を推進するため、再エネ発電(特に洋上風力発電)普及を目指すべきだと唱えてきた(秋本真利『自民党発!「原発のない国へ」宣言2050年カーボンニュートラル実現に向けて』東京新聞2020年)。「脱原発派」(共産党なども含む)にも根強い「再エネ100%」という主張が秋本氏に活躍の場を与え、収賄につながった。

◆洋上風力発電そのものへの疑問

しかし、洋上風力発電そのものへの疑問をマスコミは取り上げない。また、「脱原発」を唱える人々の反応にも鈍い。例えば大島堅一・龍谷大学教授は次のように述べる。

「洋上風力発電は脱炭素社会を目指す上で主力電源となる可能性を秘めている。(中略)この事件だけをもって普及がストップするのも問題だ。事件と洋上風力発電推進は別物と考えるべきだろう」(2023年9月8日付け京都新聞)

しかし、本当に「事件と洋上風力発電推進は別物」なのか。脱炭素政策の根拠とされるIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の評価報告書については、これまで世界各国の科学者から様々な批判や異論が提起されてきたが、特に注目されるのが2019年に発表された「世界気候宣言──気候危機は存在しない」(以下「宣言」 )である。

シンクタンクのクリンテル(CLINTEL= Climate Intelligence)が集約し、今年1月現在60以上の国・地域の1800名以上の科学者が署名している。

日本でも田中博・元筑波大教授(気象学・大気科学専攻)ら6名が加わっている。

「自然は人為的要因と同様に温暖化を引き起こす」 「地球温暖化は自然災害を増大させてはいない」などというものである(近藤邦明HP「World Climate Declaration『世界気候宣言』をどう読むか」)。

昨年8月にはノーベル物理学賞(2022年)を受賞したジョン・F・クラウザー博士もこの宣言に署名したことがインターネット上では話題になった。

しかし「気候危機」を煽る日本のマスメディアはこの「宣言」を全く取り上げない。

「人為的CO2温暖化説」 「気候変動」が疑わしいとすれば、 「脱炭素」政策自体が無意味である。また仮に「脱炭素」が必要だとしても、洋上風力発電については巨大な風車製作、設置工事、バックアップの火力発電の建設(出力変動が激しいため)などを含めれば、CO2(化石燃料)削減になるかも疑わしい。

しかも、洋上という常に潮風に吹かれ、台風という短期的に極めて厳しい負荷のかかる環境下では、劣化が激しく発電コストは著しく上昇することになる(近藤邦明HP「エネルギー問題・脱炭素社会について考える③」)。事実、「福島復興事業」として東京大学や新日鉄などが参加して鳴り物入りで建設した福島県の浮体式洋上風力発電のうち、世界最大級の直径167㍍の風車は2018年十月に撤去が決まった。設備利用率が3%止まりで不具合が頻発したためだという(2019年3月15日付け日本経済新聞)。(つづく)

本稿は『季節』2024年夏・秋号(2024年8月5日発売号)掲載の同名記事を本通信用に再編集した全2回の連載記事です。

▼大今 歩(おおいま・あゆみ)
高校講師・農業。京都府福知山市在住

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年夏・秋合併号《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか


◎『季節』創刊10周年特別企画『脱(反)原発のための季節セレクション』(仮)
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『季節』2024年夏・秋合併号(NO NUKES voice 改題)
A5判 148ページ(本文144ページ+巻頭カラー4ページ) 定価880円(税込み)
お陰様で10周年を迎えました!
《グラビア》
「幻の珠洲原発」建設予定地 岩盤隆起4メートルの驚愕(写真=北野 進
「さよなら!志賀原発」金沢集会(写真=Kouji Nakazawa

《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか

《報告》小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
 原子力からこの国が撤退できない理由

《報告》樋口英明(元福井地裁裁判長)
 なぜ日本は原発をやめなければならないのか

《報告》井戸謙一(元裁判官/弁護士)
 事実を知り、それを人々に伝える

《報告》山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
 核武装に執着する者たち

《報告》後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
 課題は放置されたまま

《報告》森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
 原発被害の本質を知る

《インタビュー》北野 進(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団団長)
 珠洲原発・建設阻止の闘いは、民主主義を勝ち取っていく闘いだった

《対談》鎌田 慧(ルポライター)×柳田 真(たんぽぽ舎共同代表)
 東京圏の反原発 ── これまでとこれから

《報告》今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
「核融合発電」蜃気楼に足が生え

※          ※          ※

《回想》松岡利康(鹿砦社代表)
 創刊から10周年を迎えるまでの想い出

《墓碑銘》松岡利康(鹿砦社代表)
 お世話になりながら途上で亡くなった方への追悼記

《季節創刊10周年応援メッセージ》

 菅 直人(衆議院議員・元内閣総理大臣)
 守りに入らず攻めの雑誌を

 中村敦夫(作家・俳優)
 混乱とチャンス  

 中嶌哲演(明通寺住職)
「立地地元」と「消費地元」の連帯で〈犠牲のシステム〉を終わらせる

 水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
『季節』丸の漕ぎ手をふやして、一刻も早く脱原発社会を実現しよう

 山崎隆敏(元越前市議)
「核のゴミ」をこれ以上増やさないために

 今野寿美雄(「子ども脱被ばく裁判」原告代表)
 裁判も出版も「継続は力なり」

 あらかぶ(「福島原発被ばく労災損害賠償裁判」原告)
 隠された「被ばく労働」問題を追及し、報じてほしい

※          ※          ※

《報告》なすび(被ばく労働を考えるネットワーク)
《検証》あらかぶさん裁判 原発被ばく労働の本質的問題 

《報告》北村敏泰(ジャーナリスト)
 棄民の呻きを聞け 福島第一原発事故被害地から

《講演》和田央子(放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会)
「復興利権」のメガ拠点 「福島イノベーション・コースト構想」の内実〈前編〉

《報告》平宮康広(元技術者)
 水冷コンビナートの提案〈1〉

《報告》原田弘三(翻訳者)
 COP28・原発をめぐる二つの動き
「原発三倍化宣言」と「気候変動対策のための原発推進」合意

《報告》三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
 総裁選より、政権交代だ

《報告》板坂 剛(作家/舞踊家)
   タイガー・ジェット・シンに勲章! 問われる悪役の存在意義

《報告》山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
   山田悦子の語る世界〈24〉
   甲山事件50年を迎えるにあたり
   誰にでも起こりうる予期せぬ災禍にどう立ち向かうか(下)

《報告》大今 歩(高校講師・農業)
   洋上風力発電を問う 秋本議員収賄事件を受けて

《報告》再稼働阻止全国ネットワーク
 時代遅れの「原発依存社会」から決別を!
 政府と電力各社が画策する再稼働推進の強行をくい止める

《老朽原発》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
 6・9大阪「とめよう!原発依存社会への暴走大集会」に1400人超が結集

《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
 女川原発の再稼働はあり得ない 福島事故を忘れたのか

《福島》黒田節子(請戸川河口テントひろば共同代表)
 浪江町「請戸川河口テントひろば・学ぶ会」で
 北茨城市大津漁協裁判で闘う永山さんと鈴木さんの話を聞く

《柏崎刈羽原発》小木曽茂子(さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト)
 7号機再稼働で惨劇が起きる前に、すべての原発を止めよう!

《首都圏》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 福島原発事故の責任もとれない東京電力に
 柏崎刈羽原発を動かす資格はない!

《浜岡原発》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
 静岡県知事と御前崎市長が交代して
「一番危険な原発」はどうなるか

《島根原発》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
 政治に忖度し、島根原発2号機運転差止請求を却下
 それでも私たちは諦めない!

《玄海原発》石丸初美(玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会)
 玄海町「高レベル放射性廃棄物・最終処分場に関する文献調査」受入!

《川内原発》向原祥隆(反原発・かごしまネット代表)
 私たちは歩み続ける

《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
 原子力規制委員会を責め続けて11年
 原子力規制委員会は、再稼動推進委員会・被曝強要委員会

《反原発川柳》乱鬼龍

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◆何の利点もない「核燃料サイクル政策」

使用済燃料再処理・廃炉推進機構によると、日本原燃が建設中の再処理工場の建設費について、約4,000億円増額の約15.1兆円に達した。変動した要因は、新規制基準対応に係る検討、円安やインフレなどの経済指標などの反映、規制への対応や安定操業について追加対策を行ったこと、核燃料税などの税負担の反映などとしている。

また、敷地内に建設中のMOX燃料加工工場についても約200億円増の約2・43兆円となった。6月21日に発表した。

再処理事業は、膨大な放射性廃棄物を生み出す。これがどれほどのものかを知る方法がある。福島第一原発の現状を直視することだ。

現在、福島第一原発では、デブリと呼ばれる放射性廃棄物の取り扱いをめぐり極めて困難な状況が生じている。これをわずか1グラム取り出す計画すら、何年も停滞し続けている。デブリとは溶けた核燃料が制御棒や構造物やコンクリート材と混じり合って生じた高放射性物質の塊で、使用済燃料を再処理して生成される高レベル放射性廃棄物とプルトニウムとウランを混ぜたような存在だ。

デブリの取り扱いができないのだから、再処理工場で事故が起きた際に流出する可能性がある高レベル放射性廃棄物も手に負えないことは自明である。

東海再処理工場では、こうした高レベル放射性廃棄物が液体で372立方メートルも存在し、そのほかガラス固化体も354本貯蔵している。地震や津波などの災害、航空機落下などの事故や軍事攻撃を受けた場合のリスクは巨大だ。毎年数百億円もの規模で維持管理、廃止措置費用がかかっている。

これらは税金でまかなわれている。このような再処理事業を、一体何のために行ってきたのか、そしてさらに巨大な六ヶ所村再処理工場も建設中で、いずれ稼働することになっている。そのために「再処理拠出金(以前は引当金)」が徴収されている。事実上の税金であり、もちろん電気料金に付加されて徴収されている。概ね核燃料1グラム当たり700円程度である。100万キロワット級原発で1基あたり30トンほどの燃料が装荷されているから、単純計算で210億円である。

しかしこの程度の費用で済むとは考えられない。実際には遙かに大きな費用がかかる。再処理工場の稼働率が極めて低いことも考慮するならば、足りない分は税金を使って補填するしかない。

現状では残される廃棄物、高レベル放射性廃棄物ガラス固化体やそれ以外の高レベル放射性廃棄物である燃料パーツ類などの金属残渣、そのほかにも除染により生じた廃棄物など、高い放射線を出す廃棄物類は、どのように処理・処分するのかも決まっていない。

◆今や隠さなくなった「核武装」のための原子力

原子力開発を巡っては、震災以前までは「平和利用」の名の下で「日本は核武装するとの謂れなき中傷」や「謂れのない国際的な疑惑」といった反論が席巻していた。震災後、原子力開発に急ブレーキがかかったところから、まるで開き直ったかのように政治家などから次々に「原子力をやめてしまったら国防上大きな問題を引き起こす」「潜在的核兵器開発能力が失われる」などと主張するものが現れる。つまり 「疑惑」でも「中傷」でもなく、明確に核武装を志向して実施されてきた核開発が厳然と存在したことを意味する。

開き直ったかのような「核武装オプション論」は、アジア諸国を強烈に刺激する。2013年、韓国では以前からくすぶっていた米国のダブルスタンダードへの反発が顕著になる。日米原子力協定において核武装国以外で唯1認めた「核燃料サイクル政策」についての懸念である。

再処理工場はプルトニウムを取り出すためには欠かせない施設だ。世界中で核兵器国以外で保有している国はない。日本が東海村に東海再処理工場を建設し始めた頃に、ジミー・カーター大統領(当時)が待ったをかけた。日米原子力協定においては核燃料はもとより、軽水炉についても米国から導入し、米国の技術で造られたものである。米国はこれに制限をつけており、平和利用以外の目的で利用しようとしたら差し止める権利を留保している。

事実上、米国の許可がなければ原発の建設も運転も、再処理工場の建設もできない。カーターは東海再処理工場の運転を差し止めようとした。これに猛烈に抵抗したのが日本政府である。様々な条件を受け入れながらも、再処理事業を実現することだけに固執し続けた。結果、1977年から1999年まで運転を続け、合計1140トンの使用済燃料の再処理を行い、その後の六ヶ所再処理工場計画も米国に認めさせている。

韓国は2014年に改訂された米韓原子力協力協定でオバマ大統領に対してウラン濃縮と再処理を認めさせようとした。結果は失敗に終わるが、これは日本の原子力政策に強く影響を受けたものであることは確かだろう。

中核施設は高速炉の再処理工場ここまでは軽水炉、日本で1般的な原発である沸騰水型軽水炉と加圧水型軽水炉(合わせて軽水炉という)の燃料再処理について触れてきたが、過去に、そして今も日本が重要視しているのは高速炉の燃料再処理技術である。

現在、廃炉作業中の高速「増殖」原型炉「もんじゅ」は、1995年に発生したナトリウム火災事故に起因し、計画が頓挫したまま震災後の2016年に廃炉が決定した。運転した期間はわずか4ヶ月たらずだった。掛かった費用は本体建設だけで1兆2000億円、今後も約4000億円かけて廃炉にする計画だ。

この高速炉、原子力基本計画上の位置づけは「次世代炉」であり、言い換えるならばプルトニウムを消費しながら生産することが目的の原子炉だ。軽水炉の燃料を再処理して取り出したプルトニウムを高速炉の炉心燃料として装荷し、 周囲に「ブランケット燃料」(毛布のように炉心を覆うことからついた名称)に中性子を照射してプルトニウムを生産する。このプルトニウムをまた高速炉の燃料として使用すれば、1種の「循環」ができることから、核燃料のリサイクルが出来るとしていた。

実際には高速炉燃料のうち、炉心燃料の再処理は極めて困難であり、現実にはブランケット燃料の再処理だけが実用化される見通しだった。そのためにリサイクル燃料試験施設(RETF)という再処理施設を東海村に建設中だ。

RETFは高速炉のブランケット燃料からプルトニウムを取り出す再処理の技術開発を目的に計画され、約817億円を投じて2000年に地上6階、地下2階の建物を造った。しかし「もんじゅ」が廃炉になった今、建物だけが存在し中身である再処理設備は取り付けられていない。

三菱重工業が米国から提供された技術で製造することになっているが、使うあてのないものをさらに巨額の費用を投じて造る理由がないため、がらんどうのまま建物だけが建っている異常な状況である。

もちろん、国は諦めていないから、こうした中途半端な中断状態でも設備建設を続行する計画だ。というのは、ブランケット燃料体は「もんじゅ」だけでなく、茨城県大洗町にある高速増殖実験炉「常陽」にも残されている。これらを再処理することが当面の目的とされている。

「核開発に反対する物理研究者の会」が旧動燃、現在の原子力研究開発機構から1994年に得た情報によると、「大洗にある常陽において同位体純度99.4%の兵器級プルトニウムを22㎏生産し『もんじゅ』において同位体純度97.5%の兵器級プルトニウムを62㎏生産し、合計84㎏の兵器級プルトニウムを動燃は所有している」。

これを再処理してプルトニウムを抽出すれば、ただちに30発以上の核兵器を作ることができる。そしてこれを抽出する施設がRETFである。(つづく)

本稿は『季節』2024年夏・秋合併号(2014年8月5日発売号)掲載の「核武装に執着する者たち」を本通信用に再編集した全3回の連載記事です。

◎山崎久隆 核武装に執着する者たち(全3回)
〈1〉核武装のために不可欠な「核燃料サイクル政策
〈2〉開き直ったかのような日本政府の「核武装オプション論

▼山崎久隆(やまざき・ひさたか)
たんぽぽ舎共同代表。1959年富山県生まれ。脱原発東電株主運動、東電株主代表訴訟に参加。反原発運動のひろば「たんぽぽ舎」設立時からのメンバー。湾岸戦争時、米英軍が使った劣化ウラン弾による健康被害や劣化ウラン廃絶の運動に参加。福島第一原発事故に対し、全原発の停止と廃炉、原子力からの撤退を求める活動に参加。著書に『隠して核武装する日本』(影書房 2007年/増補新版 2013年)、『福島原発多重人災 東電の責任を問う』(日本評論社 2012年)、『原発を再稼働させてはいけない4つの理由』(合同出版 2012年)、『核時代の神話と虚像 ―― 原子力の平和利用と軍事利用をめぐる戦後史』(共著/木村朗、高橋博子編/明石書店 2015年)等多数。

◎たんぽぽ舎 https://www.tanpoposya.com/
◎たんぽぽ舎メルマガ:「地震と原発情報」 メルマガ申込み(無料)

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 東京圏の反原発 ── これまでとこれから

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《報告》北村敏泰(ジャーナリスト)
 棄民の呻きを聞け 福島第一原発事故被害地から

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 6・9大阪「とめよう!原発依存社会への暴走大集会」に1400人超が結集

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 女川原発の再稼働はあり得ない 福島事故を忘れたのか

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 浪江町「請戸川河口テントひろば・学ぶ会」で
 北茨城市大津漁協裁判で闘う永山さんと鈴木さんの話を聞く

《柏崎刈羽原発》小木曽茂子(さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト)
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《川内原発》向原祥隆(反原発・かごしまネット代表)
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《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
 原子力規制委員会を責め続けて11年
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◆1時間お話するのに、5時間かけて来て下さるつもりだった徳田靖之弁護士に感謝感激

9月14日の徳田弁護士講演会に参加された皆様、お疲れ様です。東京、広島、和歌山からの方々や差様々な活動をされている方々など多くの参加者に集まっていただきました。

徳田弁護士のお話の前に私が少し話させていただきました。講演会前にあるアクシデントが起きましたが、結果、それは徳田弁護士ら飯塚事件弁護団が飯塚事件をいかに多くの方々に伝えたいかがわかるエピソードとなったということについてです。

講演会開催のきっかけは、映画「正義の行方」を見て、飯塚事件をもっと知りたいと考えたからでした。


◎[参考動画]映画『正義の行方』本予告

6月5日、飯塚事件の第二次再審の結果が福岡地裁で下されました。青木恵子さんが現地に駆けつけるというので、徳田弁護士に講演依頼を頼んでおきました。徳田弁護士はすぐに快諾してくださり、日程は9月14日と決まりました。

その後、私が徳田弁護士にチラシを送るなど連絡をしておりました。チラシには夜6時半開演と記していたので、当然、徳田弁護士はその日大阪で泊まるだろうと考え、ホテルも予約しました。が、そのことを私は徳田弁護士には伝えていませんでした。青木さんから徳田弁護士には「交通費など経費はちゃんとお支払いします」と伝えて貰っていたので、そこには謝礼、ホテル代も含んでいますよと勝手に考えていました。いや、私たちはこれまでどんな集会、講演会をやるときも必ず交通費、謝礼、ホテル代を払ってきました。それは当然と考えてきました。

先週になって徳田弁護士に「講演のお時間はどのくらいとりましょうか」とメールをしますと、徳田弁護士から「8時41分の新幹線が最終となりますので、約1時間ですね」と返事がきました。「えっ?帰られるの?」。

嫌な予感がないことはなかった……。青木さんが徳田弁護士に「交通費など実行委で出します」と伝えた際、「交通費なんかいりません」といわれたそうです。そう、徳田弁護士は手弁当で来られるつもりだったのです。その場合、帰れるなら帰ろうと思われたのでしょうか? あとでお聞きすると翌日15日も地元で用事があるということで、14日中に帰っておきたかったのかもしれません。結果として「ではお言葉に甘えさせていただきます」と連絡があり、宿泊することになりほっとしたのですが。それにしても、約1時間お話するためだけに、4~5時間かけて九州から来ようとされていたとは……。(実際は5時間かかってました)。

私からは、そんないきさつがあったことと、お話にも質疑応答にもたっぷり時間をとれるため、参加者の皆さんもしっかりお話をお聞きし、飯塚事件をさらに広めていきましょうと訴えました。

当日の講演内容は、書き起こししてまたご紹介いたします。

◆冤罪「みどり荘事件」

徳田弁護士をお呼びするにあたって、徳田弁護士のこれまでのご活動などを調べました。そこに「正義の行方」に一緒に出ている岩田務弁護士とともに闘った冤罪「みどり荘事件」というのがありました。どんな事件かと読み進めていくと、「あっ、この事件だったのか?」とハタと気づくことがありました。

20年以上前ですが、冤罪事件の専門書みたいな本に、ある事件で、検察が提出した証拠の中に犯人のものとされる毛髪があり、それは「15・6センチのロン毛の金髪」だったが、逮捕された男性の毛髪はパンチパーマの短髪だったという事件がありました。私はそれを読み「おいおい、ロン毛の金髪とパンチパーマってどれだけ違うねん。」と突っ込んでいましたが、その後、それがどんな事件だったかは忘れていたのです。

改めてこの事件を調べると、男性には一審で無期懲役が下されましたが、控訴審では無罪となりました。たしか、パンチパーマの件では男性が通っていた理髪店の大将が証人で出廷し、「こんなバリカンでこう刈っている」と事細かに証言し、いかに絶対15・6センチになることはない」と証言し、いかに出鱈目な証拠であるかを明らかにしていました。

一審で無期懲役だった原因としてほかにも多々あるのですが、徳田弁護士ら弁護団は、接見を通じて男性ときちんと信頼関係を築くことができなかったこともあると猛省し、二審に必死で取り組むのです。

そして、最終弁論の日を迎えます。

「最終弁論で、弁論の結びとなる『結語』は徳田弁護士が行った。徳田弁護士は、第一審から弁護についた者として自ら担当を願い出て、誰にも相談することなくひとりで『結語』を書き上げていた。その内容は、自らの第一審での弁護活動を痛烈に自己批判するものであった」。

「徳田弁護士が弁論を終えると、2時間にわたる弁護側の最終弁論を静かに聞いていた傍聴席から大きな拍手が沸き起こった。永松裁判長は、『静かにしなさい』と拍手を制止した。そして、『こんな立派な弁論に対して失礼でしょう』と付け加えた」とあります。

その後、裁判長は男性に無罪を言い渡したのです。詳細は「みどり荘事件」で検索を!

◆12月1日には神戸で徳田弁護士による「菊池事件」の講演会が開催!

徳田弁護士は別の記事で「誰にでも間違いはある」と話されています。昨日もそんなお話をしました。重要なのは、間違いについて、なぜそうなってしまったかをきっちり反省し、次につなげていくことではないでしょうか。

徳田弁護士は青木さんに「主催される方々は、冤罪事件に詳しく、いろんな活動を支援している」と聞いていたそうで、「ちょっと緊張して来ました」とおっしゃってました。それでも「本当に来てよかった」と、なんども言っておられました。

6月5日の不当決定以降、即時抗告の準備などもあり、こうした講演会は14日が初めてだったそうです。親睦会では美味しそうに芋焼酎をロックで飲まれ、周囲の方と楽しくおしゃべりをしておりました。

なお、12月1日、神戸市教育会館で徳田弁護士による「菊池事件」の講演会が開催されるそうです。私も駆けつける予定です。皆さん、会場でお会いしましょう!!

◎[関連記事]徳田靖之さん 弁護士/辺境の声なき声 酌み続け(川名壮志)(2024年1月配信日本記者クラブHP)

▼尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者ツイッター(はなままさん)https://twitter.com/hanamama58

尾﨑美代子著『日本の冤罪』

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315304/

月刊『紙の爆弾』の最新号記事がnoteで一部公開・購読可能となりました。記事単位での購入も可能になりましたが、『紙の爆弾』はあくまで紙がメインのメディアです。興味を持っていただけましたら、ぜひ書店でお手にとっていただければ幸いです。定価700円(税込)、年間定期購読7700円(1号分お得です)。ここでは10月号(9月7日刊行)の注目記事を紹介します。

◆日本にも進出する情報統制機関 政府・企業・組織「検閲産業複合体」の脅威
 取材・文◎青柳貞一郎

 

 

 米国で明かされた「検閲産業複合体」の存在

国境なき記者団が毎年発表する国別「報道の自由度ランキング2024」で日本は70位。戦争中のウクライナ(61位)にも劣ります。

一方、米国は55位。米国は憲法修正第1条に「言論の自由」が保証されているはずですが、2017年にオバマ大統領は、国家授権法(NDAA)に従って、米国にとって都合の悪い情報を選択・排除する連邦機関を作り、「Global engagement center(GEC。Engagement=関与)」と無難な名称を付けて、主に自国民を対象にしたプロパガンダ戦争に利用するため稼働させました。

それ以降、CNNやワシントンポスト、NYタイムズといった米国大手メディアはGECの検閲通りの情報発信をするようになり、これらのニュースを「権威」として受け売りする日本のメディアも(情報の真偽と関係なく)そのまま垂れ流すことになります。

米国でX(旧ツイッター)の検閲状況について詳細に報告したジャーナリストのマット・タイビ氏は、このGECやFBI、国土安全保障省などと政府が援助するシンクタンク、スタンフォード・インターネット・オブザバトリーなどの中立に見える非政府組織、大学、民間ファクトチェッカー会社などが統合的にフェイスブック、X、グーグル、ユーチューブなどのソーシャルメディア・プラットフォームを提供する民間企業に対する検閲を行なっており、検閲される企業側も一般の投稿を削除する役割を持つため、それら全てを民衆(社会)の意見や見解をコントロールする機能を持っているとして、「検閲産業複合体」(Censorship industrial complex)という名称で紹介しました。

この複合体は、豊富な資金を元に政府や権力者側にとって都合が悪いとされる情報を検閲・削除するとともに、民衆が信ずるべき“情報”を作成・拡散させる機能も持つとされます。

2023年3月9日、米国下院「連邦政府の武器化に関する特別小委員会」で証言した環境活動家でジャーナリストのマイケル・シェレンバーガー氏は、政府機関、学術機関、非政府組織などの拡大ネットワークがCOVIDの起源、ワクチン、バイデン親子のビジネス取引に関するメール問題、気候変動、再生可能エネルギーなどに関する問題について2016年から2022年の間に米国市民を積極的に検閲していた実態を、56ページに及ぶレポートで報告しました。

その中で彼は、世界対テロ戦争中に米軍が開発した、確立された心理操作の方法と、人工知能を含むコンピュータサイエンスのツールを組み合わせて、政府が「ファクトチェック」を装い検閲を行なっていると指摘しています。

そして検閲産業複合体はジャーナリストやソーシャルメディアに対して「正確な情報は偽情報」であり、「有効な仮説は陰謀論」であり、「検閲を強化することで報道が正確になる」と信じ込ませてきました。

 日本にも導入される検閲産業複合体

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n9c22237c5644

▼青柳貞一郎(あおやぎ・ていいちろう)
医師。医療・軍事ジャーナリスト。東京医科大学名誉教授。温暖化とコロナに流されない市民の会代表。ブログ https://blog.goo.ne.jp/rakitarou

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旭川女子中学生凍死事件 再調査委員会が隠した社会の病巣 山田寿彦
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