◆最高裁で判決が確定しても、彼らは自分たちの誤り、非を認めない

9月2日朝の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日)でコメンテーターの玉川徹さんが、兵庫県の斎藤元彦知事がなぜ辞めないのかについて、「行政官僚らの無謬性(むびゅうせい)にあるのではないか」と話されていた。無謬性とは、日本の政府や大企業がの官僚組織でほとんど無意識のうちに前提とされている原則。ある政策を成功させる責任を負った当事者の組織は、その政策が失敗したときのことを考えたり議論したりしてはいけないという信念、だそうだ。

玉川さんの発言をXで書き起こしている人がいた。

「国が行政訴訟をおこされて、例えば冤罪とか薬害とか。絶対に最後まで求めない。最高裁で判決が確定するまでは」と。

◎[関連記事]玉川徹氏 斎藤知事を“分析”「最高裁で判決が確定するまでは認めない国と同じ感覚なのでは」(2024年9月2日配信スポニチ)

いや、それはちょっと違う。最高裁で判決が確定しても、彼らは自分たちの誤り、非を認めない。再審で無罪となったあとも、桜井昌司さん、青木恵子さんは警察、検察に「犯人と思っている」と言われたように。

 

青柳雄介『袴田事件 神になるしかなかった男の58年』(文春新書)

◆袴田巖さんに再度「死刑」を求刑した検察官

9月26日には袴田巖さんの再審に判決が下されるが、週末、青柳雄介さんの『袴田事件 神になるしかなかった男の58年』(文春新書)を一気に読んだ。

再審法廷で、弁護団の小川弁護士が検察官に向かって諭すようにこう話されたと書いてある。

「袴田巌さんに今日のこの日に出廷できないほどのダメージを与え続けたのは野蛮な警察、検察です。過去に、先輩たちがおこしたこと、あなたたちの責任ではない。ですからどうかこれ以上の有罪立証はやめてほしい」と。

しかし、検察官は延々と袴田さんが犯人とする立証を続け、残酷にも再度「死刑」を求刑した。

飯塚事件の久間三千年さんも一貫して無実を訴えていたが、死刑判決が下されたのち、2年あまりで死刑執行された。しかし、死刑執行されてもなお、闘い続ける人たちがいる。 遺族、支援者、弁護団……。そしてその後の2回にわたる再審請求で、久間さんが犯人でない多くの証拠が明らかにされた。 

◆9月14日は徳田弁護士のお話をお聞きするために、ぜひお集りください!

ずさんな捜査、嘘の証拠、捏造した証拠で久間さんを死刑にいたらしめた人たちは、何を考えているのだろうか? 斎藤知事のように、2人の職員を自死に追い込んでおきながら、ぬけぬけと「私(たち)の判断は間違っていなかった」といえるのだろうか?

9月14日は、徳田弁護士のお話をお聞きするために、ぜひお集りください!

◎[関連記事]徳田靖之さん 弁護士/辺境の声なき声 酌み続け(川名壮志)(2024年1月配信日本記者クラブHP)

▼尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者ツイッター(はなままさん)https://twitter.com/hanamama58

尾﨑美代子著『日本の冤罪』

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315304/

立憲民主党代表選挙が9月23日、実施されます。

はっきり申し上げます。筆者は立憲民主党を全く好きになれません。とくに立憲民主党広島県連については、特に広島市政・県政においては新自由主義の湯崎英彦知事、媚米主義の松井一實市長に自民党の一部議員以上にすり寄っていることもあり、自民党より酷い面があると認識しています。

筆者は、
〈1〉立憲民主党が現在でも、旧民主党政権の反省をきちんとせず、無自覚に新自由主義的であること。
〈2〉立憲民主党のスターリン主義的体質
が立憲民主党代表選挙の争点としてきちんと議論されなければ、同党の未来は暗いし、政権交代も難しいと考えています。

◆公務員叩きに庶民増税 与党時代の「新自由主義」の総括は何処へ?

〈1〉の新自由主義体質については、「公約破り」の消費税増税とともに、2011年に発生した東日本大震災の復興財源を増税と公務員給料カットに求めてしまったのが決定的な誤りであると考えています。

復興は設備投資に近いものであり、税ではなく、それこそ事実上お金を刷って賄ってもよかったのです。

当時は「復興需要でドルを売って円に買うのでは?」という憶測から円高が進んでいたのです。もし、お金を刷るとすれば、アベノミクス期よりも、民主党政権後期のあのタイミングでした。

お金を刷ることと財政出動を併用し、過剰な円高を押さえれば、連合組合員たる輸出系大手企業労働者の離反もストップできたのではないでしょう。

また、公務員の皆さんも多くが自治労などの連合の組合員でした。大震災の復旧復興でてんてこ舞いなのに、給料をカットされたわけです。民主党や後継政党の立憲への不信感はかなりあるのではないか? このあたりも、実は、立憲が自民党に小選挙区において僅差で競り負けたり、都知事選挙でも、公務労働者が石丸伸二さんに流れたりする要因になったのではないでしょうか?

2012年当時はたしかに公務員叩きの維新(橋下徹さん)がウケていました。しかし、維新に行くような票を民主党が狙いに行っても維新とかち合うだけでした。

また、復興を名目に、さらなる介護労働者の処遇改善も見送られ、失望を招いたのも事実です。旧来の支持者=連合組合員たる大手企業正社員、公務員=を失った上に、新しい支持者=介護労働者などケア労働者=にも失望されたら勝てる選挙も勝てないのは当然です。

◆人を使い捨てにする立憲幹部独裁「スターリン主義」

 

8月31日に筆者の支持者らの前で講演される楾大樹先生

〈2〉については、あまりにもスターリン主義的な立憲幹部の態度が目に余ります。広島県内においては、筆者も立候補した参院選広島再選挙2021で以下のような問題点を感じています。

2020年段階で、権限のある旧立憲幹部が「檻の中のライオン」で有名な弁護士の楾大樹(はんどう・たいき)先生の著書をろくに読まないで公認候補者に内定していました。

2021年になると、合併後の立憲広島は、県内ではほぼ誰も知らない宮口治子さんを担ぎ出した。宮口さんは実は、立憲広島の事実上の最高権力者の森本しんじ参院議員の秘書の妻でした。そして、楾大樹先生のはしごを外した。

他方で、2021年1月末段階で推薦願を同党に打診していた筆者に対して、当時の立憲広島の幹事長(西区選出の県議)は「さとうしゅういち? メッセージもらっているけど無視しているから大丈夫だよ」と楾大樹先生を安心させる発言もしていたそうです。これらの経過については楾先生の『茶番選挙 仁義なき候補者選考』(あけび書房)に詳述されています。

 

楾大樹著『茶番選挙 仁義なき候補者選考』(あけび書房)

また、筆者は実はこの広島再選挙2021の告示直前に、「伊方原発廃止を含む原発ゼロを呑むなら降りていい」と宮口候補側に伝えました。しかし、電話をいただいた陣営の立憲県議から「宮口さんは具体的な政策が分かる人ではないから」というお言葉をいただいただけです。宮口さんが具体的な政策が分かっていないかどうかは本当のところはわかりません。しかし、立憲広島というのは政策がわからないと認識している人を担ぐということ。人を馬鹿にするというか、これこそ女性差別じゃないかと突っ込みたくなります。

また、ある立憲民主党員は「お前が立候補するなら縁を切る。俺の地域に二度と出入りするな」と脅しの電話を筆者に下さいました。その方の地域が選挙後ほどなくして大洪水に見舞われました。筆者は、その方の地域にボランティアに伺いましたがバツの悪そうな顔をされていました。こういう、自分たち以外を見下すスターリン主義は止められた方がいい。立憲幹部もきちんとそういう部分は党員を指導していくべきです。人間、いつお世話になるかわからないのだから。あまり下品なことはしないことです。

また、2021衆院選後、立憲広島は一回敗けただけの候補者、具体的には2区、3区、5区の候補者を各区の総支部長から事実上クビにしてしまいました。特に2区、3区の候補者は「市民連合」が一生懸命に応援したにも関わらず、です。

参院選広島再選挙2021でのあまりにも不透明な候補者選考過程。そして、衆院選後の候補者のあまりにも安易すぎる使い捨て。森本しんじ参院議員ら「エライ人」中心のいわば「スターリン主義」的な体質を改めないとアンチがどんどん増えるだけではないでしょうか?

具体的には、公開討論会や予備選挙を経た候補者選考の導入などです。よりオープンに。そして、納得感のある候補者選考。そして人を大事にする体質の構築が重要です。

◆ネオリベ知事・媚米市長に自民党以上にすり寄り

また、立憲民主党広島は、広島県政、市政での対応が酷すぎます。県政では維新も真っ青な米国民主党的新自由主義者の湯崎英彦知事を自民以上に持ち上げています。広島市政でも原爆を落としたことへの反省も謝罪もない米国政府のエマニュエル駐日大使にぺこぺこし、パールハーバーとの姉妹協定まで結んでしまった媚米主義の松井一實市長を自民党の一部議員以上に持ち上げています。正直、「自民党より、立憲がより少なく悪い」とも言えない状況が特に広島ではあります。もちろん、政党間の競争により、緊張感を持たせないと自民党もどんどん悪くなっていくのは事実です。だがいかんせん、立憲広島があまりも良くないのです。

こういうところを是正するためにはどうすればいいか。そういう議論をする代表選挙にしなければ、立憲民主党による政権交代は難しいでしょう。政権交代へ向けてどこと組むか、などという議論以前に、立憲民主党の体質そのものが問われるのです。

◆金権腐敗・自民 VS 権威主義・立憲という不毛な構図脱却を

筆者がこういうことを申し上げると、「自民党の方が酷いのだから自民党を批判しろ」と言われる方も立憲民主党のみならず、立憲民主党と共闘する日本共産党の支持者からも出てきます。だが「自民党の方が酷いのだから」といっても、立憲民主党が現状の新自由主義的・スターリン主義的権威主義的体質を引きずっていていいことにはなりません。このままだと

金権主義の自民 vs スターリン主義・権威主義・立憲
という不毛な選択を有権者が迫られるだけです。

また、広島県政・市政レベルだと立憲が自民以上に県民・市民に害悪な存在になっています。

日本共産党の皆様にも申し上げたい。立憲民主党が押し付けてきた候補者をほいほいと推薦し、同党を甘やかしてきた結果がいまではないのか?ということです。

日本共産党は日本共産党で、スターリン主義的な体質があり、志位和夫さん、田村智子さんらの気に入らない者はすぐに除名、除籍になる。そんな党だからこそ、強引に、立憲のいい加減な候補を推しても党内的にはまかり通ってしまったのでしょう。しかし、もう限界です。このままだと、空中分解もあり得るでしょう。

市民連合も市民連合です。今後は、立憲民主党への苦言をきちんとしていくべきだ。2021衆院選で政権を取れなかった以上、当然です。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。

◎Twitter @hiroseto https://twitter.com/hiroseto?s=20
◎facebook https://www.facebook.com/satoh.shuichi
◎広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)https://hiroseto.exblog.jp/

今こそ、鹿砦社の雑誌!!

◎『紙の爆弾』 amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0D8PP3BNK/
◎『季節』 amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0DB1GZ5CM/

◆はじめに

2016年、パリで開催されたCOP21(第21回国連気候変動枠組条約締約国会議)で、地球の平均気温の上昇幅を1.5℃にするという努力目標が提示あるいは発効され、2020年に菅前首相がCN(カーボン・ニュートラル)なるものを宣言し、2021年にグラスゴーで開催されたCOP26に出席した岸田首相が、帰国後、GX(グリーン・トランスフォーメーション)なるものを言い出します。

そして2023年12月、『季節』2024年夏・秋号で原田弘三さんが詳しく述べておられますが、ドバイで開催されたCOP28で、「世界の原発の設備容量を2050年までに3倍にする」というアメリカの提案に、日本を含む25カ国が賛同しました。

平たく言えば、地球の平均気温の上昇幅を1.5℃にするために、多量の二酸化炭素を排出する石炭火力発電等を減らして原発を増やすというアメリカの提案に、日本を含む25カ国が賛同し、そして太陽光や風力、地熱等(以下「再エネ」と呼びます)による発電が原発の発電を補填する発電に成り下がりました。

日本では、原発に反対する識者の多くが、再エネによる発電は原発の発電を代替する発電であると考えているように思います。しかし、本年(2024年)から、日本政府は、二酸化炭素排出量の削減を大義名分にして、大規模再エネ発電システムと原発を同列化しています。

『季節』2024年夏・秋号で、大今歩さんが指摘していますが、原子力市民委員会座長の大島堅一さんのような人も含めて、原発に反対する識者の多くが、もはや再エネ発電システムが原発反対の旗印にならないという現実に、目を背けている。識者たちは、勇気を出して、原発反対運動が、場合によっては再エネ発電システムを否定し、石炭火力発電を擁護しなければならない場面がある、そのような難しい運動になってしまった、と認識しなければならないでしょう。

ちなみに、安全性という点では、原発や再エネ発電システムより石炭火力発電のほうが断然優れています。それについては、いくらでも強調できます。本年1月1日に能登半島地震が勃発した場面で、七尾市の石炭火力発電が稼働していて、壊れましたが、僕が知る限り、七尾市の住民に何らかの被害が及んだ場面はありません。

とはいえ、安全性を強調するだけでは、政府や電力資本が推進する原発の建設と再稼働、および大規模再エネ発電システムの建設と闘うことができません。石炭火力発電の弱点を克服するアイディア、そして大規模再エネ発電システムを凌駕するアイディアを出す必要があると考えます。

◆火力発電の二酸化炭素排出量のちがい、および日本の総発電量と発電種別割合

[表1]は、亜臨界圧石炭火力と超々臨界圧石炭火力、LNG火力とガスコンバインドLNG火力、石油火力による発電の1kWhあたりの二酸化炭素排出量をまとめた表です。

[表1]亜臨界圧石炭火力と超々臨界圧石炭火力、LNG火力とガスコンバインドLNG火力、石油火力による発電の1kWhあたりの二酸化炭素排出量

日本政府は、CN(カーボン・ニュートラル)とやらを実現するために、原子力と再エネ等による発電量の割合を増やし、石炭火力による発電量の割合を減らす、あるいはゼロにしようとしています。とはいえ、LNG(天然ガス)火力による発電量の割合を減らそうとしていません。むしろ増やそうとしています。

理由は、[表1]を見ればあきらかです。発電量が同じ場合、LNG火力発電の二酸化炭素排出量が石炭火力発電の半分以下なるからです。ちなみに、LPG(プロパンガス)火力発電の二酸化炭素排出量は、LNG火力発電より少ないです。原発や太陽光発電も二酸化炭素を排出するようですが、排出量は火力発電の10~20分の1以下です。

[表2]は、電気事業連合会が開示した、2016年度と2021年度(COP21があった年度とCOP23があった年度)の、日本の総発電量と発電種別割合をまとめた表です。

[表2]日本の総発電量と発電種別割合(2016年度と2021年度)

総発電量が年間1000TWh(1000兆Wh)以上というのは、多すぎますね。日本の総消費電力量は、総発電量の9割未満であると考えますが、私たちの省エネ、あるいは節電努力はまだまだ足りない、という気もします。他方、原子力の割合は2%と7%で、それくらいの発電量でしたら、他の発電システムで補填できます。原発を稼働する必要はありません。

しかし、日本政府と電力資本は、原発の建設と再稼働に邁進しています(多額の電気代と税金を使って!)。そして大規模再エネ発電システムの建設と稼働も推進しています。経産省や電力資本に巣くう原子力カルト教団の信徒たちは、「石炭火力発電のせいで地球が温暖化している、石炭火力発電を減らし、原発と大規模再エネ発電システムを増やさなければならない」などと言います。彼らは、原発と大規模再エネ発電システム、LNG火力発電を増やせば、日本の総発電量の約3割を占める石炭火力発電の発電量をゼロにできるとさえ考えているように思います。(つづく)

◎平宮康広 石炭火力発電の可能性(全3回連載)
〈1〉「脱炭素」よりも「安全性」を重視する、当たり前のエネルギー政策を取り戻すために

▼平宮康広(ひらみや・やすひろ)
1955年馬生まれ。元技術者。オールドウェーブの一員として原発反対運動に参加している。富山県在住。

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年夏・秋合併号《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか


◎『季節』創刊10周年特別企画『脱(反)原発のための季節セレクション』(仮)
出版のためのクラウドファンディングご支援のお願い

https://readyfor.jp/projects/kisetu_nonukes

『季節』2024年夏・秋合併号(NO NUKES voice 改題)
A5判 148ページ(本文144ページ+巻頭カラー4ページ) 定価880円(税込み)
お陰様で10周年を迎えました!
《グラビア》
「幻の珠洲原発」建設予定地 岩盤隆起4メートルの驚愕(写真=北野 進
「さよなら!志賀原発」金沢集会(写真=Kouji Nakazawa

《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか

《報告》小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
 原子力からこの国が撤退できない理由

《報告》樋口英明(元福井地裁裁判長)
 なぜ日本は原発をやめなければならないのか

《報告》井戸謙一(元裁判官/弁護士)
 事実を知り、それを人々に伝える

《報告》山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
 核武装に執着する者たち

《報告》後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
 課題は放置されたまま

《報告》森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
 原発被害の本質を知る

《インタビュー》北野 進(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団団長)
 珠洲原発・建設阻止の闘いは、民主主義を勝ち取っていく闘いだった

《対談》鎌田 慧(ルポライター)×柳田 真(たんぽぽ舎共同代表)
 東京圏の反原発 ── これまでとこれから

《報告》今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
「核融合発電」蜃気楼に足が生え

※          ※          ※

《回想》松岡利康(鹿砦社代表)
 創刊から10周年を迎えるまでの想い出

《墓碑銘》松岡利康(鹿砦社代表)
 お世話になりながら途上で亡くなった方への追悼記

《季節創刊10周年応援メッセージ》

 菅 直人(衆議院議員・元内閣総理大臣)
 守りに入らず攻めの雑誌を

 中村敦夫(作家・俳優)
 混乱とチャンス  

 中嶌哲演(明通寺住職)
「立地地元」と「消費地元」の連帯で〈犠牲のシステム〉を終わらせる

 水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
『季節』丸の漕ぎ手をふやして、一刻も早く脱原発社会を実現しよう

 山崎隆敏(元越前市議)
「核のゴミ」をこれ以上増やさないために

 今野寿美雄(「子ども脱被ばく裁判」原告代表)
 裁判も出版も「継続は力なり」

 あらかぶ(「福島原発被ばく労災損害賠償裁判」原告)
 隠された「被ばく労働」問題を追及し、報じてほしい

※          ※          ※

《報告》なすび(被ばく労働を考えるネットワーク)
《検証》あらかぶさん裁判 原発被ばく労働の本質的問題 

《報告》北村敏泰(ジャーナリスト)
 棄民の呻きを聞け 福島第一原発事故被害地から

《講演》和田央子(放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会)
「復興利権」のメガ拠点 「福島イノベーション・コースト構想」の内実〈前編〉

《報告》平宮康広(元技術者)
 水冷コンビナートの提案〈1〉

《報告》原田弘三(翻訳者)
 COP28・原発をめぐる二つの動き
「原発三倍化宣言」と「気候変動対策のための原発推進」合意

《報告》三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
 総裁選より、政権交代だ

《報告》板坂 剛(作家/舞踊家)
   タイガー・ジェット・シンに勲章! 問われる悪役の存在意義

《報告》山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
   山田悦子の語る世界〈24〉
   甲山事件50年を迎えるにあたり
   誰にでも起こりうる予期せぬ災禍にどう立ち向かうか(下)

《報告》大今 歩(高校講師・農業)
   洋上風力発電を問う 秋本議員収賄事件を受けて

《報告》再稼働阻止全国ネットワーク
 時代遅れの「原発依存社会」から決別を!
 政府と電力各社が画策する再稼働推進の強行をくい止める

《老朽原発》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
 6・9大阪「とめよう!原発依存社会への暴走大集会」に1400人超が結集

《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
 女川原発の再稼働はあり得ない 福島事故を忘れたのか

《福島》黒田節子(請戸川河口テントひろば共同代表)
 浪江町「請戸川河口テントひろば・学ぶ会」で
 北茨城市大津漁協裁判で闘う永山さんと鈴木さんの話を聞く

《柏崎刈羽原発》小木曽茂子(さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト)
 7号機再稼働で惨劇が起きる前に、すべての原発を止めよう!

《首都圏》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 福島原発事故の責任もとれない東京電力に
 柏崎刈羽原発を動かす資格はない!

《浜岡原発》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
 静岡県知事と御前崎市長が交代して
「一番危険な原発」はどうなるか

《島根原発》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
 政治に忖度し、島根原発2号機運転差止請求を却下
 それでも私たちは諦めない!

《玄海原発》石丸初美(玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会)
 玄海町「高レベル放射性廃棄物・最終処分場に関する文献調査」受入!

《川内原発》向原祥隆(反原発・かごしまネット代表)
 私たちは歩み続ける

《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
 原子力規制委員会を責め続けて11年
 原子力規制委員会は、再稼動推進委員会・被曝強要委員会

《反原発川柳》乱鬼龍

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0DB1GZ5CM/

◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000748

龍一郎揮毫

私たちは唯一の脱原発雑誌『季節』を応援しています!

コロナ禍で2020年から休眠に入ったムエタイオープンがようやくここに来て再開。
全試合通じてノックアウト決着は一つも無く、ノックダウンも一つも無かったが、判定はユナニマスデジションで、それぞれの試合は要所要所でテクニックが見られる飽きない展開の試合が続きました。

壱センチャイジムは攻勢を維持した流れで、より一層の成長が見られる勝利。
蒔センチャイジムは石川直樹の老獪なテクニックに翻弄される敗戦。
石川直樹は若手に立ちはだかる存在となったこの頃である。

リカ・トーングライセーンがワイクルーを披露

 

ファーモンコンはロープ際へ下がってばかりでは壱世の後ろ姿が多くなった。壱世がミドルキックヒットで圧倒していく

◎MuayThaiOpen 48 / 8月24日(土)ひがしんアリーナ(墨田区総合体育館)17:00~20:40
主催:センチャイムエタイジム /

◆第9試合 56.0kg契約3回戦

KNOCK OUT(RED)スーパーバンタム級チャンピオン.壱・センチャイジム(=与那覇壱世/1997.8.15沖縄県出身/センチャイ/ 55.95kg)38戦28勝9敗1分
        VS
ファーモンコン・ソー・ウティトラム(元・ラジャダムナン系バンタム級2位/1994.6.24タイ国出身/ 55.7kg)121戦90勝26敗5分

勝者:壱・センチャイジム / 判定3-0
主審:ヨンサック・ナ・ソンクラー(タイ)
副審:少白竜30-28. 大澤29-28. 和田30-28

壱世は初回から左ミドルキックで圧力を掛け、ファーモンコンをロープ際へ下がらせる展開。ファーモンコンが蹴って来ても冷静に巧みに躱すディフェンスも見せる。

ファーモンコンは前進せず、テクニックは有りながら倒す気の無い、倒されないだけの動きしかしない在日タイ選手に有りがちな省エネパターンだが、テクニックでは壱世が完全に上回った展開で完勝。残り30秒ほどでセンチャイ会長から「勝ってるからもういいよ」と攻めなくていいという指示。それに応じて距離を取って終了を待つ。壱世が圧倒した判定勝利。

壱世が前蹴りでファーモンコンに圧力を掛けて行く

 

まだ0歳のお子さんを抱き上げて勝利のツーショットく

壱世「ファーモンコンは凄いテクニックある選手でしたが、打ち合いに持ち込もうとしても付き合ってくれないし、ミドルキックの蹴り合いで勝つしかなかったです。前に出てくれない凄い難しい選手でした。」

リングサイドで応援団に囲まれ、なかなか控室に戻れない壱世。というより楽しそうに勝利の会話が弾んでいました。

◆第8試合 55.0kg契約3回戦

蒔センチャイジム(=佐藤蒔音/センチャイ/2003.7.8東京都出身/ 54.8kg) 5戦3勝2敗
       VS
石川直樹(元・日本フライ級Champ/Kickful/1986.8.18埼玉県出身/ 54.8kg)
49戦31勝(14KO)10敗8分
勝者:石川直樹 / 判定0-3
主審:谷本弘行
副審:少白竜28-29. 大澤27-30. 和田27-30

蒔音“まくと”は昨年12月10日のデビューで、まだ1年足らずで石川直樹と対戦。ヒザ蹴り地獄に巻き込まれるかと予想される中、ミドルキックからハイキックで果敢に攻める。更に右ストレートも打ち込むが石川直樹は簡単には喰わない。

石川直樹はカーフキックも多様し、蒔音の動きを鈍らせた。終盤にはヒジ打ちで蒔音の頬にヒット。手数とパワフルに出るのは蒔音だが、その技を殺して蹴り返すのはベテランの技が上手かった石川直樹。

首相撲からヒザ蹴り地獄に追い込むには至らなかったが、多様な技で蒔音を翻弄した。

首相撲から蒔音を引っくり返したベテラン技が冴える石川直樹

隙を突いた石川直樹の右ストレートヒット、これも経験値が優った

蒔音=「石川さんメッチャクチャ強くて、上手さはありましたね。全部経験の差で持っていかれたなあという感じで、まあ経験不足ですね。悔しいんで石川さんとはもっとレベルアップしてからもう一回やりたいですね。次もしやる機会があるとしたら、カーフキックは絶対貰わないようにします。最初にかなり効いちゃって。今度は蹴り返しますよ。思いっ切りカーフ以上のものを。左頬にヒジ打ち貰ってしまったのもダメでしたね。」と結構、明るく丁寧に応えてくれました。左頬は少し腫れていましたが、斬られるほどではなかった。

勝利を称えるセンチャイ氏、ラウンドガールは智華さん、レフェリーは谷本弘行氏

◆第7試合 女子55.0kg契約3回戦

ルイKMG(元・S-1女子日本S・FLY級Champ/クラミツ/1997.2.19/神奈川県出身/ 54.9kg)
16戦11勝5敗
    VS
ホントン・コー・プラサートジム(1996.9.6タイ国出身/ 55.0kg) 51戦34勝16敗1分
勝者:ルイKMG / 判定3-0
主審:ヨンサック・ナ・ソンクラー(タイ)
副審:谷本29-28. 大澤29-28. 和田29-28

ホントンはミドルキックの勢いはあるが、ルイがブロックし、凌げると確信すると前進するのみ。ロープ際へホントンを追い込む主導権支配に至る。終盤にはルイがより勢いを増し、ホントンをより下がらせる展開。首相撲もルイが組み負けずヒザ蹴りに繋げ優った。

ルイが積極性で上回り、前蹴りでホントンを突き放す

 

弘太が前進して来ると、コムキョウのヒジ打ちが度々ヒット

◆第6試合 65.0kg契約3回戦

弘センチャイジム(=大森弘太/センチャイ/2001.11.14東京都出身/ 64.95kg) 9戦5勝4敗
        VS
コムキョウ・ノー・ナクシン(2002.6.30タイ国出身/ 64.7kg) 79戦56勝21敗2分
勝者:コムキョウ・ノー・ナクシン / 判定0-3
主審:神谷友和
副審:谷本28-30. 大澤28-30. 和田28-30

コムキョウは“Komkeaw Nor Naksin”という綴り。カタカナで書くとどうもタイ語の響きは感じず、タイ語発音によりますが、“コムケーウ”が正しいでしょう。
初回は蹴りから首相撲。接近戦で時折、コムキョウのヒジ打ちが繰り出される中、弘太の額を斬ることに成功。離れて戦えば弘太の前進で蹴りからパンチで追うが、コムキョウは難なく躱して接近戦に持ち込み、上手さで優っていくが、弘太を下がらせるほどの勢いは無いまま終了。

◆第5試合 58.0kg契約3回戦 

山下明涼真(TSK japan/2003.1.24神奈川県出身/ 57.35kg) 3戦3勝
        VS
森本直哉(無所属/1991.7.23沖縄県出身/ 57.9kg) 24戦10勝14敗
勝者:山下明涼真 / 判定3-0
主審:少白竜
副審:和田30-27. 大澤30-28. 神谷30-29

初回からパンチと蹴りの攻防から山下明涼真のヒザ蹴りを加えた攻撃力が優っていき、流れ的には大差となって判定勝利。

山下明涼真がヒザ蹴りで攻勢を維持した

◆第4試合 女子45.0kg契約3回戦(2分制)

ロウ・イツブン(1995.5.26中国出身/ 44.95kg) 4戦1勝3敗
        VS
友菜(Team ImmortaL/2000.2.16秋田県出身/ 45.0kg) 9戦1勝4敗4分
勝者:ロウ・イツブン / 判定3-0 (30-28. 30-29. 30-29)

首相撲からのヒザ蹴りになる流れが多く、離れるとロウ・イツブンの前蹴りが友菜のアゴや顔面をヒットする攻勢の流れを続けて判定勝利。

◆第3試合 57.5kg契約3回戦

光センチャイジム(センチャイムエタイ錦糸町/2003.10.12東京都出身/ 57.25kg)1戦1敗
        VS
富田エレデネ(クロスポイント吉祥寺/2002.10.15東京都出身/57.4kg) 2戦1勝1敗
勝者:富田エレデネ / 判定0-3 (27-30. 27-30. 27-30)

蹴りとパンチの互角の攻防から富田エレデネが徐々に調子を上げ、第3ラウンドには圧倒する流れで終了。

◆第2試合 女子49.0kg契約3回戦(2分制)

戸田史(バンゲリングベイ/1997.11.4東京都出身/ 48.65kg)1戦1敗
        VS
山崎希恵(クロスポイント吉祥寺/1997.5.17東京都出身/48.75kg)2戦2勝
勝者:山崎希恵 / 判定0-3 (28-30. 28-30. 28-30)

手数とヒット数で優った山崎希恵。先に当て圧倒する気力が勝利を導いた。

◆プロ第1試合 フライ級3回戦(2分制)

はると(岡山/2007.1.15岡山県出身/ 48.25kg)3戦3敗
       VS
真虎(Kick Life/2002.6.28埼玉県出身/ 50.65kg)13戦1勝10敗2分
勝者:真虎 / 判定0-3 (27-30. 27-30. 27-30)

ローキック中心に真虎が攻勢を維持。はるとはパンチで攻め返すが、真虎がローキックで主導権支配した展開で勝利を導いた。

◆オープニングファイト アマチュア43.0kg契約3回戦(2分制)

大久保海成(橋本道場/2010.8.10東京都出身/ 42.7kg)
VS
ハルク・チャロンチャイ(team kuntap/2010.8.12千葉県出身/ 42.55kg)
勝者:大久保海成 / 判定3-0 (30-28. 30-28. 30-28)

スーパーバイザー 元・BBTV審判部代表 ランシットスタジアム審判部長 
ヨンサック・ナ・ソンクラー(Yongsak Na Songkhla)

《取材戦記》

スーパーバイザーとして、タイ国ランシットスタジアム審判部長、ヨンサック・ナ・ソンクラー氏を招聘したことはセンチャイさんらしさある箔が着く興行でした。

プロモーターのセンチャイ氏は、

「今回の興行はまあ上手くいったと思います。壱世はアグレッシブに良い試合してくれて、相手も凄いベテランで注目して観ていました。残り30秒ぐらいで壱世に「勝ってるからもういいよ」と言ったのは、ファーモンコンは負けてるのに攻撃して来ない。ならもういいや、盛り上げないのは勿体無いなあと。すぐ下がろうばっかりでファイトマネーだけ持って行って試合見せてくれない。本当にズルイです。
蒔音は経験値で敵わなかったですけど、負けても内容は悪くないですね。逆に上手くなって行けますし。」とリング周りを片付けている合間に応えてくれました。

11月10日にはNJKF興行にて開催されるKICKBOXING JAPAN CUP 55kg級トーナメント初戦で、嵐(キング)と対戦が予定されている壱世。好調な二人の対戦が期待されています。

ワイクルーショーはKAYOKOさんとAKEMIさんの二人の舞いと、リカ・トーングライセーンさん一人の舞いが披露されました。以前より柔らかい動きになった感じもしますが、男子の舞いとは違う美しい躍動感でした。

ムエタイオープンは年内にも予定されており、来年以降は通常の年4回ほどの開催を予定されている模様です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年夏・秋合併号《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか


◎『季節』創刊10周年特別企画『脱(反)原発のための季節セレクション』(仮)
出版のためのクラウドファンディングご支援のお願い

https://readyfor.jp/projects/kisetu_nonukes
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0DB1GZ5CM/
◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000748

《9月のことば》疲れたら眠る(鹿砦社カレンダー2024より。龍一郎揮毫)

9月に入りました ── 今年の夏は例年にない記録的猛暑でした。
まだしばらく残暑が続くようです。
そろそろ疲れが出てくる時期です。

また、世事の悩みもままあります。
そんな時には、くよくよ考えずに思い切って眠りましょう! 
なにか妙案が出てくるかもしれません。

Tomorrow is another day. 
(明日は明日の風が吹く)

猛暑もあってひいひい言ってる間に今年も3分の2が過ぎてしまいました。
月日の経つのは本当に速いものです。

今年残り3分の1を全力疾走するしかありません!
なかなか厳しい状況が続きますが、なんとしても、幾度目かの“奇跡の復活”を遂げなければなりません。

いつまでも鹿砦社と共に歩んでいただきたく願います。

(松岡利康)

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年夏・秋合併号《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか


◎『季節』創刊10周年特別企画『脱(反)原発のための季節セレクション』(仮)
出版のためのクラウドファンディングご支援のお願い

https://readyfor.jp/projects/kisetu_nonukes
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0DB1GZ5CM/
◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000748

◆私の夏 in ピョンヤン 悲喜怒こもごもの夏

8月の京都は、祇園祭、大文字など京都五山の送り火、鴨川縁の納涼床etc.華やかな夏の季節、学生時代の私はイベント屋のバイトで見物場設置などに汗を流していたが、ゆっくり祭り見物をしたことがない。納涼床も下から見上げるだけ、夜の鴨川散策中の恩人と「あんなとこで一回くらい食べてみたいよねえ」と言いながら。でもそんな「夏の京都の文化」はいまも懐かしい。

夏の夜、三条大橋下で「作家志望の詩人」と企画した乞食のおっちゃん二人組との酒宴、翌朝目覚めて比叡山方向から昇る太陽を皆で眺めたこと、その時「満州の太陽はもっとでっかいぞ!」と叫んだおっちゃんの一言etc.は「夏の京都青春記」のいい思い出だ。鴨川の夜に舞うホタルも見に行ったなあ……。

そして今年の朝鮮の夏のエピソード……

龍崗(リョンガン)温泉の宿舎前で

例年なら東海岸(日本海)の海に行くところだが、寄る年波に「遠出の海へはキツイ」ということで今年は3時間ほどでいける南浦(ナンポ)近くの龍崗(リョンガン)温泉に二泊三日のプチヴァカンスを楽しんだ。ラドン系温泉は皮膚疾患、神経疾患に効能があり、みな肌色が若返ったように思う。私は7、8年前にバレーボール着地時に痛めた左膝靱帯の若干の痛み(階段登り降り)がかなり和らいだ。たった二日でこれだから、この温泉の効能は抜群ということだろう。

炎天下のバレーボールもやった。70代後半、80歳の後期高齢者がやるのを見た温泉場の人たちは「まあ、ようやる爺さんたちや」と驚きあきれていた。夜は私がバーテンダー、マティーニをつくるのをウェートレスの一人が興味深げだったので「ジンとベルモットを3:1で混ぜるだけ」と教えた。朝鮮の若い女の子とのささやかな交流で若林爺の頬は緩む。

とまあ、いいヴァカンスを過ごせた。

日本の今年の夏には「夏休みなんてなくしてほしい」というシングルマザーの声に驚いた。子供の学校給食がなくなると家計が苦しいからだというのには絶句、朝鮮で呑気な夏休みの私は言葉もない。

昨日(16日)の朝鮮のTV報道で平安北道、慈江道、両江道の鴨緑江氾濫で被災した幼児教育(幼稚園)、学童教育(小中学校)の必要な子供たち、幼児持ちの母親、病弱者、弱った老人ら総勢15000余の人たちがピョンヤン到着、4・25旅館は学校になるそうで、宿所の閲兵式参加兵士用の大きな宿泊施設に全員が入ったと報じ、宿所訪問の金正恩総書記と子供たちの交流場面も報道。

中国東北地方、朝鮮北部の前例のない豪雨で鴨緑江が氾濫、広大な地域が水没、人民軍大型ヘリコプター総出動で5000余名が全員救出されたが、これを陣頭指揮する金総書記は現地で緊急列車会議を連日持ち、復旧対策を矢継ぎ早に打ち出した。4400戸の新規住宅建設、また幼稚園、学校建設も最新式のものを2、3ヶ月内に完工することなど実にスピード感のある対応策だった。この時、教育は一瞬間も遅らせられない国事だとして採られた措置が被災地の子供たちに、現地復旧までの期間、首都ピョンヤンでの幼児、学童教育を全面的に保障する措置だった。

こんな朝鮮の災害対策の迅速さ、キメ細かさと見比べて、能登地震から7ヶ月経ったいまも珠洲市では水道も電気も通っていない家があり、被災現場と破壊家屋がまだ放置され、仮設住宅建設と入居もままならず車中泊の人々、ましてや家業や自宅復旧の目途も立たない能登の惨状はひどすぎる。大規模災害時に総動員されるべき自衛隊は、日米韓やNATO各国軍との共同軍事演習に明け暮れるという変な実態。いったい誰の顔を見て政治やっとるんや! と泉房穂さんじゃないが言いたくなる。岸田政権は能登を地方消滅政策の「見本」にするつもりなのだろう、ここまで来た戦後日本は革命すべき対象以外の何ものでもない。

そんな悲喜怒こもごもの「私の夏inピョンヤン」をプロローグに以下は「戦後日本の革命inピョンヤン」7回目に訴えたいこと。

◆「いまトラ」でも「もしリス」でも老衰一途は止まらない

カマラ・ハリス 民主党米大統領候補

「いまトラ」から「確トラ」移行かと思われた米大統領選挙戦だが、どうも風向きが変わりつつある-いまや風は「もしリス」へ? 「もしリス」は私の勝手な造語、「もしハリス」の「ハ」を抜いた短縮形、まあ語感もいいし「トラ」と「リス」の闘いになぞらえたような感覚的な造語、この連載ではお許し頂きたい。

トランプ暗殺未遂事件で勝利は確定的と言われた「確トラ」、またハリスは副大統領としても無能だからトランプに勝てる候補はオバマ夫人ミシェルだとか言われてたのがいまや世論調査では「ハリス優勢」にまで変わった。「外交無能」が急に「有能」に変わるはずもないから「ハリス優勢」には何か裏があると考えるのが当然だ。

トランプはウクライナの負けは確定、だからウクライナ戦争はやめさせ対中対決に集中するとしたが、ガザ中東戦争の方はトランプのイスラエル絶対支持では終息が見込めない。中東と中国との二正面作戦をやる力は米国にはない。だとすればどちらかといえば「パレスティナに同情的」とされるハリスに中東戦争終結を任せる。またNATO諸国を対中対決に引き込むにはNATO諸国と軋轢のあるトランプではまずい、しかも欧州で台頭するいわゆる「極右」、「NATO離脱」主張の自国第一主義勢力が勢いを増すのもまずい等々の判断が米覇権支配層をして「もしリス」に風向きを変えたとしてもおかしくはない。

すでにウクライナはトランプと関係なくいまや「ウクライナ敗北」は確定的で和平交渉に向かって動いており、いまは「どう負けるか」、少しでも有利な「敗戦交渉」に向けて事は動いている。それがウクライナ軍をして必死の「数十kmロシア領内侵攻」に踏み切らせ、敗戦後の「ゼレンスキー亡命を米国が受け容れる」佐藤優発言を呼んでいる。

だから「確トラ」の声は消え「いまトラ」変じて「もしリス」といういまの状況になったのではないかと思う。

でも「もしリス」になったところで老衰一途の米覇権秩序、「米中心の国際秩序」瓦解は止めようがない。誰が大統領になろうと、米国自身がいくらあがこうと世界と時代の様相は変わったのだ。いまや米国の「例外主義」を誰も認めないし、「パックスアメリカーナ」の時代に戻ることはありえない。ボブ・ディランじゃないが「きのうの一番はびりっかすになる」-「時代は変わる」いや時代は変わったのだ。

「対中対決に集中」という長州征伐ならぬ「中国征伐」のためにG7諸国がこぞっていまインド太平洋地域に軍を送りこみ各種の共同軍事演習に熱を上げている。でも徳川幕府の長州征伐同様、老衰一途の米覇権帝国「幕府ご瓦解」はいまや時間の問題だろう。

でもトラになっても、リスになっても米国という狼が羊になることはない。覇権瓦解をなんとか押し止め回復を図る、そのためには手段を選ばない、あがきにあがく。「窮鼠猫を噛む」から始末に負えない。

その一番の被害をこうむるのがわが国、岸田首相の言う「米国の最も近い同盟国」日本だ。

◆日米“核”協議体創設が始動 「2+2」で「拡大抑止協議」を閣僚級に格上げ

日米閣僚級 拡大抑止協議

2年ほど前から本通信で日本の対中・代理“核”戦争国家化への危険を訴えてきたが、これまではまだ具体的な動きはなかった。

昨年4月の米韓首脳会談で米韓の間で米韓“核”協議グループ新設が決まり、「有事の核使用に関する協議」が米韓では可能になった。しかしながら日本との間では米国の慎重姿勢が続いた。米韓首脳会談につづく昨年8月の日米韓キャンプデービッド首脳会談でも、今年4月の岸田国賓訪米、日米首脳会談でもこの問題が公式に表面化することはなかった。

「いずれ日米間で“核”協議体創設が合意されることは必至」と訴えてきた私は「狼少年」と言われるところだったが、やはり狼はやって来た。

7月28日、日米外務、防衛担当閣僚による日米安全保障協議会「2+2」が開かれ、在日米軍司令部を作戦指揮権を持つ「統合軍司令部」に再編、自衛隊の統合作戦司令部との連携強化を決めたが、これとは別途に拡大抑止に関する閣僚協議が持たれ、自衛隊にも「拡大抑止の任務」付与へと一歩、事態を進めた。

拡大抑止とは「核の傘」提供を指すが、今回の協議ではこれまで「核の傘」提供、核抑止力担当は米軍だけの任務だったのが、日本の自衛隊もこれを担うことが暗黙の内に合意された。

もちろんこのことは明文化されてはいない。しかし閣僚協議後、米戦略国際問題研究所(CSIS)クリストファ・ジョンストン日本部長は「日本が導入した長射程ミサイルを組み込むことは有用だ。これまで拡大抑止は米国だけの任務だったが、今は日本にも果たすべき役割がある」と述べたことでも米国の目的は明らかだ。

更に言えば、これまで拡大抑止協議は実務級レベルだったが、今回、閣僚級レベルに引き上げられた。エマニュエル駐日米大使は「閣僚級協議は今回が初めてだが、これが最後とはならないだろう」と述べた。

上記の事態が示すことは、すでに稼働している米韓“核”協議グループにつづいて、「対中(朝)有事の核使用に関する協議体創設」が今後、日本でも本格化するということだ。いや「日米2+2・閣僚級レベルでの拡大抑止に関する協議」定例化ですでに日米“核”協議体は始動を開始したとも言えるだろう。

この協議体の正体は「核持ち込み容認」そして日米「核共有」を日本に迫る協議体だ。その狙いは自衛隊新設の中距離ミサイル部隊への有事の際の米国の核提供、自衛隊“核”武装化による日本列島の中距離“核”ミサイル基地化、つまり日本の対中・代理“核”戦争国家化にあることは何度も述べてきたことだ。

これに先立つあるTV番組で兼原信克・元国家安全保障局次長(現同志社大学特別客員教授・笹川平和財団特別理事)は番組最後の提言ボードにこう書いた。

「持たず 作らず 撃ち込まさせず」!

この意味するところは日本の非核三原則「持たず 作らず 持ち込まさせず」のうち「持ち込まさせず」を削除して「撃ち込まさせず」に変える、要は「核持ち込み容認」の提唱だ。

この「安全保障問題の第一人者」は、昨年、G7広島サミットを前に持たれた広島でのシンポジウムでは「日本の最大の弱点は“核に対する無知”だ」とまで言い切った。そしてあるTV番組では「非核の国是を守ることが大切か、国民の命と安全を守ることが大切か、議論すべき時が来た。答は明らかでしょう」と日本国民に決断を迫った。そしていまは「核持ち込み容認」という具体的対応策まで示すようになった。

これは日米“核”協議体の創設、始動に合わせた世論工作であろう。

次ぎに来るのは日米「核共有論」であることは間違いない。

今年の8月6日、広島市長は「広島平和式典」へのロシア、ベラルーシ大使の出席を拒否、イスラエル大使は招請(パレスチナ代表の出席拒否)の挙に出、9日の長崎の式典には長崎市長のイスラエル大使の出席拒否に抗議したG7各国大使が自ら出席を拒否したりのごたごたした事態になった。これは「新しい戦前」のいまの日本を象徴する出来事だ。

いまや非核放棄を迫るに至ったというのが「新しい戦前」の正体だ。すでに非戦の国是は実質的に放棄された。岸田訪米後に始まった日米同盟新時代が日米同盟の「攻守同盟化」への変容を示すものとなったが、このことが「戦争のできる自衛隊」を要求、言葉を換えれば9条改憲を迫ることは必至の事態になった。

老衰化覇権帝国が迫る9条改憲と非核放棄、これにどう対処すべきかが日本国民に問われている。このように「あの8月」を今年は「新しい戦前」に向かう「危機の8月」として迎えている我々には決断が迫られている。

プライムニュース登場の「保守政治家 石破茂」

◆「保守政治家 石破茂」登場! その意味

いま日本の政局が大きく動いている。

岸田首相が9月の自民党総裁選出馬を断念したことで総裁戦は活況を呈するものとなった。

なかでも脚光を浴びているのが石破茂氏だ。

自民党総裁選の度に国民的人気は常にトップで党員投票でも優勢を保つが、国会議員投票で常に負けるというパターンを繰り返したが、今回はちょっと事情が違う。

石破氏は最近、自分の著書「保守政治家 石破茂」を世に問うた。その著書をひっさげて8月15日にはフジTVのプライム・ニュースに出演して自分の「政治的信念と主張」を語った。

彼は自民党の刷新と共に抑止力強化を訴えた。なかでも抑止力強化のための9条改憲と核の問題についての持論を「国民の理解を得られるように」じっくり展開した。

石破氏の9条改憲論はズバリ「第二項、交戦権否認と戦力不保持の削除」だ。しかしこれを国民投票にかけるには「長い時間がかかる」という認識を示し、「憲法は変えてもいんだよ」ということを国民の皆さんがわかるようにすることが大事だと語った。おそらくいまの自民党改憲案「“自衛隊は合憲”を書き込む」程度の国民の納得できるものからやればいいということを言ったのだろう。

日米同盟新時代は「戦争のできる自衛隊」のための9条第二項改憲を迫っているが、ではこれをどうするのか?

石破氏は、当面する安保危機(対中対決)に対処して抑止力を高めるために、安全保障基本法を国会で審議、採決していくという方法で解決していけばよいと述べた。これは無理に9条第二項改憲をせずとも「交戦権の容認、戦力の保持」は安全保障基本法に盛り込み、国会承認でできるという方策を示したものだと言えるだろう。改憲なしの「実質改憲」策だ。

また核についてはこのように語った。

米韓の間にはすでに“核”協議グループが存在し、有事の際の核使用に関する取り決め体制ができている。このような日米“核”協議体が日本にも必要になる。日本が何もしないで米国が核抑止力を日本に提供するなどありえない、と。

結局のところは石破政権ができれば、9条改憲と非核の放棄という老衰覇権帝国の求めを実現するという意思表示だ。その行き着く先は日本の「対中・代理“核”戦争国化」であることは明白だ。

これを巧みに「国民の理解を得ながら」進めていく、これが「保守政治家」石破総裁、石破首相が石破政権でやることだ。

◆「政権交代論」に対抗の「政権変容論」の正体

懸案の9条改憲と非核の放棄、これを「国民の理解を得ながら」進めていく石破政権は野党もこれに巻き込む挙国一致政権をめざすものになるのではないだろうか。

すでにその兆候は見えている。

橋下徹の唱える「政権変容論」がそれだ。

岸田内閣への支持率が史上最低を更新する中、政権交代要求が政権継続要求を上回った。

2024年3月16日、17日、ANN世論調査、政権継続要求38%、政権交代要求46%。2024年4月6日、JNN世論調査、政権維持要求34%、政権交代要求48%。

そうした中、注目の二論者が相次いで政権交代論を出版した。

泉房穂「政権交代、始まる」(光文社)(5月20日出版)

橋下徹「政権変容論」(講談社)(7月19日出版)

泉房穂氏の場合の「政権交代論」は極めて単純明快だ。国民の生活苦はかつてないものになっている。この苦しみから抜け出るためには、政治を変えるしかない。だから、政権交代であり、それにより打ち立てる「救民内閣」の下に国民生活の救済だ。それが切実な国民の要求になっているということだ。

これに対し、橋下徹氏は「国民は、自公政権から野党による政権への転換を求めている訳ではない。政権の交代というより、野党予備選で候補者の一本化を果たし、本選での与野党逆転を実現した上で、野党側が石破氏など国民的に人気のある自民党有力者を総理に担いで与野党合同とも言える政権への変容を実現するのを求めている」と主張した。

先に述べた石破政権のめざすもの、「国民の理解を得ながら」実質的に9条改憲と非核放棄を実現する安全保障基本法を国会で議論、承認を得る、そのためには石破政権が挙国一致政権的なものにならねばならない。橋下徹氏が「政権変容論」で「野党側が石破氏など国民的に人気のある自民党有力者を総理に担いで与野党合同とも言える政権への変容を実現する」と述べたのは偶然の一致だろうか、そうではないだろう。

前号で私はこう書いた。

あるTV番組で石破氏と野田佳彦・立憲民主党最高顧問は互いに気脈が通じるとしながら岸田政権後の次期政権構想を語り合った。この政権の第一課題として立民の野田氏は「日米基軸」を上げた。石破氏はこれを高く評価した。

また次期立憲民主党代表に立候補意思を表明した枝野幸夫氏は最近、こんなことを言い始めた。

「海兵隊機能、米軍依存でいいのか。自衛隊が持つべき」だと。

枝野氏は沖縄の南西諸島の対中防衛を念頭に置いたものとしているが、海兵隊というのは敵国侵攻の先頭に立って上陸作戦を行う最精鋭部隊、外征戦争の突撃部隊だ。対中・対朝鮮最前線の沖縄に米海兵隊基地が集中しているのはこのためだ。「海兵隊機能を自衛隊が持つ」ということは「戦争のできない」憲法9条を改正するということと一体だ。

うがった見方をすれば次期政権は自民・立民の挙国一致政権、「新政権の課題は9条改憲」、「非核の国是放棄」、これがあながち邪推とは言えない時代が来たと思う。実際、日米基軸という点では与野党に大差はない。

これが「邪推」とは言えないことが、いま大きく動き出した政局の現実が示している。

その現実とは「保守政治家 石破茂」の登場、そしてこれを後押しする橋下徹「政権変容論」、「野党側が石破氏など国民的人気のある自民党有力者を総理に担いで与野党合同とも言える政権への変容を実現する」政権構想の登場だ。

これは私が「戦後日本の革命」実現の希望と見る、投票率を高めた先の東京都知事選に登場した無党派層、特に若者の間で高まる当事者意識、それに応えうる泉房穂氏の唱える「政権交代論」、「救民」で野党や無党派新人を各小選挙区で一本化して選挙で自民党に勝つ「救民内閣」構想、これへの対抗策であろうことは間違いない。

泉房穂「政権交代論」を潰す目的の「保守政治家・石破茂」と橋下徹「政権変容論」の登場、それは自民党内でも盛り上がる総裁選後の解散総選挙展望において泉房穂「救民内閣」のための「政権交代」要求の民意が彼らも無視できないものと見ている証左だと思う。

この二つの政権構想の対決で誰が勝利するか、それは日本の命運、私式に言えば「戦後日本の革命」の勝敗を決するものになるだろう。

情況は厳しさを増し、残された時間は限られている。でも遠くピョンヤンの地から「戦後日本の革命」へと小さな一歩、しかし大きな一歩が踏み出されることを願い、期待してやまない。

若林盛亮さん

▼若林盛亮(わかばやし・もりあき)
1947年2月滋賀県生れ、長髪問題契機に進学校ドロップアウト、同志社大入学後「裸のラリーズ」結成を経て東大安田講堂で逮捕、1970年によど号赤軍として渡朝、現在「かりの会」「アジアの内の日本の会」会員。HP「ようこそ、よど号日本人村」で情報発信中。

◎ロックと革命 in 京都 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=109

◎ピョンヤンから感じる時代の風 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=105

『抵抗と絶望の狭間 一九七一年から連合赤軍へ』(紙の爆弾 2021年12月号増刊)

『一九七〇年 端境期の時代』

〈Ⅲ〉「脱炭素」を名目に原発再稼働

これまでみたように「脱炭素」の切札として主力電源化を目指す太陽光発電など再エネ発電は不安定(水力発電などは除く)であり、火力発電の補完が必要で低効率な電力である。

そのため政府や電力会社は「脱炭素」を名目に原発の活用を急ぐ。太陽光など再エネ発電に比べて安定的に電力を供給できるためである。第6次基本計画でも原発は現在総発電量の6%(2019年)を占めるにすぎないのに、これを20~22%と3倍強増やす現行目標を維持している。

◆原発廃絶こそ最も緊急を要する課題

しかし私たちは2011年、福島原発事故を経験した。事故が起きれば周辺の住民は故郷を追われる。使用済み核燃料の処分方法も決まっていない。そして地震列島・日本では次の原発事故が迫っている。原発の即時廃絶こそが最も緊急を要する課題である。しかし原発廃絶の大きな壁になっているのが「脱炭素」である。

前述の通り、野党を含めて「脱炭素」が「挙国一致」の目標となっている。共産党などは老朽火力発電廃絶とともに「原発ゼロ」を掲げ、再エネ発電推進を訴えるが、「脱炭素」のためには未熟で不安定な再エネ発電を補うために原発再稼働や新増設が必要と唱える政府や電力会社の主張を許してしまう。

◆「脱炭素」を名目に補助金

また、原発の経済性が悪化している点を指摘しても「脱炭素」がその根拠を崩してしまう。例えば、大島堅1龍谷大学教授は「安全対策により原子力発電の経済性は悪化し、競争力を失っている」として「国家による原発延命策は許されない」とする(「原発の本当のコストを評価する」『世界』2019年7月号」)。

4月27日、杉本達治福井県知事は高浜・美浜の老朽原発について再稼働を認めた。その背景は政府が4月6日「脱炭素」を名目に40年超原発1基当たり最大215億円を交付することを決定したことである(2021年4月28日付け毎日新聞)。

原発は経済性が失われたても「脱炭素」を口実にした補助金により再稼働や新増設が続く。「CO2説」やそれによる「気候危機」を否定しない限り、再エネ発電とともに原発が必要という政府の主張や補助金による延命策を止められない。

〈Ⅳ〉原発廃絶・縮小社会の実現を

第6次エネルギー基本計画は「2030年度CO2 46%削減」のため、再エネ発電を現在の約2倍、原発を現在の約3倍に発電量を増大しようというものである。

しかし「CO2説」は科学的根拠が曖昧で、「気候危機」はデータの裏付けに乏しい。そして何よりも問題なのはこのような科学的根拠に乏しい「CO2説」に基づいて原発や再エネ発電(主に太陽光や風力)を著しく増やそうという点である。

特に原発は一旦事故を起こしたら取り返しがつかない。地震列島・日本では次の原発事故が迫っている。即時廃止が差し迫った課題である。にもかかわらず、「脱炭素」を名目に政府は再稼働を進める。また、再エネ発電は「自然エネルギー発電」ともいうが、実際には「自然破壊エネルギー」である。その上、不安定かつ非効率でCO2を減らせるかどうかも疑わしい。「脱炭素」を名目に原発や再エネ発電を増やしてはならない。

政府・経産省が「脱炭素」を名目に再エネ発電や原発再稼働を推進するのはデジタル化やEV(電気自動車)の普及に伴う電力需要をまかない、GDPを増大させるためである。「環境破壊」や「資源枯渇」を止めなければならないことに議論の余地はない。

しかし、そのためには再エネ発電や原発再稼働ではなく、電力に過度に依存する社会を見直し、天然ガス、石炭、石油などの使用を徐々に減らして経済成長をマイナスにするしかないのである。そのことは今後」人口減少の著しい日本では十分可能である。

本稿は『NO NUKES voice』(現・季節)30号(2021年12月11日発売号)掲載の同名記事を本通信用に再編集した全2回の連載記事です。文中での全国の原発に関する記述は、2021年当時の状況であること、あらかじめご了承ください。

◎「脱炭素」その狙いは原発再稼働 ──「第6次エネルギー基本計画」を問う
前編〉原因と結果を取り違えたCO2説
後編〉原発廃絶・縮小社会の実現を http://www.rokusaisha.com/wp/?p=50965

▼大今 歩(おおいま・あゆみ)
高校講師・農業。京都府福知山市在住

◎『季節』創刊10周年特別企画『脱(反)原発のための季節セレクション』(仮)
出版のためのクラウドファンディングご支援のお願い

https://readyfor.jp/projects/kisetu_nonukes

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年夏・秋合併号《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
『季節』2024年夏・秋合併号(NO NUKES voice 改題)
A5判 148ページ(本文144ページ+巻頭カラー4ページ) 定価880円(税込み)
お陰様で10周年を迎えました!
《グラビア》
「幻の珠洲原発」建設予定地 岩盤隆起4メートルの驚愕(写真=北野 進
「さよなら!志賀原発」金沢集会(写真=Kouji Nakazawa

《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか

《報告》小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
 原子力からこの国が撤退できない理由

《報告》樋口英明(元福井地裁裁判長)
 なぜ日本は原発をやめなければならないのか

《報告》井戸謙一(元裁判官/弁護士)
 事実を知り、それを人々に伝える

《報告》山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
 核武装に執着する者たち

《報告》後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
 課題は放置されたまま

《報告》森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
 原発被害の本質を知る

《インタビュー》北野 進(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団団長)
 珠洲原発・建設阻止の闘いは、民主主義を勝ち取っていく闘いだった

《対談》鎌田 慧(ルポライター)×柳田 真(たんぽぽ舎共同代表)
 東京圏の反原発 ── これまでとこれから

《報告》今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
「核融合発電」蜃気楼に足が生え

※          ※          ※

《回想》松岡利康(鹿砦社代表)
 創刊から10周年を迎えるまでの想い出

《墓碑銘》松岡利康(鹿砦社代表)
 お世話になりながら途上で亡くなった方への追悼記

《季節創刊10周年応援メッセージ》

 菅 直人(衆議院議員・元内閣総理大臣)
 守りに入らず攻めの雑誌を

 中村敦夫(作家・俳優)
 混乱とチャンス  

 中嶌哲演(明通寺住職)
「立地地元」と「消費地元」の連帯で〈犠牲のシステム〉を終わらせる

 水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
『季節』丸の漕ぎ手をふやして、一刻も早く脱原発社会を実現しよう

 山崎隆敏(元越前市議)
「核のゴミ」をこれ以上増やさないために

 今野寿美雄(「子ども脱被ばく裁判」原告代表)
 裁判も出版も「継続は力なり」

 あらかぶ(「福島原発被ばく労災損害賠償裁判」原告)
 隠された「被ばく労働」問題を追及し、報じてほしい

※          ※          ※

《報告》なすび(被ばく労働を考えるネットワーク)
《検証》あらかぶさん裁判 原発被ばく労働の本質的問題 

《報告》北村敏泰(ジャーナリスト)
 棄民の呻きを聞け 福島第一原発事故被害地から

《講演》和田央子(放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会)
「復興利権」のメガ拠点 「福島イノベーション・コースト構想」の内実〈前編〉

《報告》平宮康広(元技術者)
 水冷コンビナートの提案〈1〉

《報告》原田弘三(翻訳者)
 COP28・原発をめぐる二つの動き
「原発三倍化宣言」と「気候変動対策のための原発推進」合意

《報告》三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
 総裁選より、政権交代だ

《報告》板坂 剛(作家/舞踊家)
   タイガー・ジェット・シンに勲章! 問われる悪役の存在意義

《報告》山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
   山田悦子の語る世界〈24〉
   甲山事件50年を迎えるにあたり
   誰にでも起こりうる予期せぬ災禍にどう立ち向かうか(下)

《報告》大今 歩(高校講師・農業)
   洋上風力発電を問う 秋本議員収賄事件を受けて

《報告》再稼働阻止全国ネットワーク
 時代遅れの「原発依存社会」から決別を!
 政府と電力各社が画策する再稼働推進の強行をくい止める

《老朽原発》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
 6・9大阪「とめよう!原発依存社会への暴走大集会」に1400人超が結集

《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
 女川原発の再稼働はあり得ない 福島事故を忘れたのか

《福島》黒田節子(請戸川河口テントひろば共同代表)
 浪江町「請戸川河口テントひろば・学ぶ会」で
 北茨城市大津漁協裁判で闘う永山さんと鈴木さんの話を聞く

《柏崎刈羽原発》小木曽茂子(さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト)
 7号機再稼働で惨劇が起きる前に、すべての原発を止めよう!

《首都圏》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 福島原発事故の責任もとれない東京電力に
 柏崎刈羽原発を動かす資格はない!

《浜岡原発》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
 静岡県知事と御前崎市長が交代して
「一番危険な原発」はどうなるか

《島根原発》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
 政治に忖度し、島根原発2号機運転差止請求を却下
 それでも私たちは諦めない!

《玄海原発》石丸初美(玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会)
 玄海町「高レベル放射性廃棄物・最終処分場に関する文献調査」受入!

《川内原発》向原祥隆(反原発・かごしまネット代表)
 私たちは歩み続ける

《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
 原子力規制委員会を責め続けて11年
 原子力規制委員会は、再稼動推進委員会・被曝強要委員会

《反原発川柳》乱鬼龍

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0DB1GZ5CM/
◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000748

龍一郎揮毫

私たちは唯一の脱原発雑誌『季節』を応援しています!

横浜副流煙裁判をドラマ化した映画「窓」が、9月14日にロサンゼルス日本映画祭(Japan Film Festival Los Angeles 2024〈JFFLA〉)で上映される。

この映画は、煙草の副流煙が引き金となった隣人トラブルに材を取った作品で、ロンドンやパリの国際映画祭の最優秀長編映画賞など、国内外で数々の賞を受賞してきた。また、主演の西村まさ彦氏が最優秀主演男優賞を受けるなど高い評価を得てきた。

ロサンゼルスでの上映が決まったことで、「香害」が新しい視点から、禁煙ファシズムの発祥地である米国でもクローズアップされることになった。
 
既報してきたように、横浜副流煙裁判は、たばこの副流煙が原因で健康を害したとして、隣人が隣人に対して約4500万円の損害賠償を求めた事件である。舞台は、横浜市のマンモス団地。都会の砂漠。日常生活の中に潜んでいる事件だが、原告の訴えに根拠はなく、被告として法廷に立たされたミュージシャンの勝訴で終わった。


◎[参考動画]映画 [窓] MADO Trailer

映画『窓』は、「香害」について再考する上で重要な作品である。マスコミ報道が原因で、「香害」=化学物質過敏症の単眼的な概念が社会の隅々まで根を張っている。その結果、「香害」が持つもうひとつの顔は、ほとんど認識されていない。  もうひとつの顔とは、「香害」を訴えている人々の中に、かなりの割合で精神疾患の人々が混じっている実態である。医療に携わる人々に間でも、精神疾患の可能性を考慮せずに、患者の訴えを鵜のみにして、安易に「化学物質過敏症」の病名を付した診断書を交付している。それが予期せぬ隣人トラブルの引き金になっている。

『窓』は、初めてこの点に踏み込んだ作品である。化学物質過敏症をテーマとした映画としては、『いのちの林檎』が有名だが、『いのちの林檎』は化学物質過敏症で苦しんでいる人を単眼的に描いているだけで、精神疾患の問題には踏み込んでいない。と、いうよりも同作品が制作された時代には、化学物質過敏症と精神疾患を区別する科学の視点がまだ定着していなかったのである。

横浜副流煙裁判の中で、煙草の被害を訴えた原告側に、精神疾患の可能性が浮上したことで、「香害」の捉え方が多面性を帯びてくる。麻王監督は、この点に着目して事件をドラマ化したのである。複雑きわまりないテーマを、名演技と美しい映像で構成した。

※               ※               ※

 映画の上映に際して、麻王監督をはじめ、プロジューサーの藤村政樹氏、主演の西村まさ彦氏、それに実際に横浜副流煙事件の当事者となった藤井将登・敦子夫妻の5名が渡米する。

『窓』のエンディングで使われている曲は、ミュージシャンで事件の被告である藤井将登氏の作曲である。歌っているのは、小川美潮。何十年も前に誕生した曲だが、偶然に映画『窓』の世界と一致している。複雑な社会機構の中で、窓を閉じて、街を眺めるしか生きるすべがない弱者の悲しみが伝わってくる。


◎[参考動画]小川美潮「窓 ~ mado 2022 ~」―映画『[窓] MADO』 SIDE[B]

本稿は『メディア黒書』(2024年08月24日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

黒薮哲哉『禁煙ファシズム-横浜副流煙事件の記録』(鹿砦社)

今こそ、鹿砦社の雑誌!!

◎『紙の爆弾』 amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0D8PP3BNK/
◎『季節』 amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0DB1GZ5CM/

8月中旬、米国のエマニュエル駐日大使が今秋の大統領選挙後、離任することが明らかになりました。ハリス候補が大統領選挙で当選した場合は、政権の要職に加わる見通しとのことです。

◆「どぶ板」で日本人の心をつかんできたエマニュエル氏

エマニュエル駐日大使は、2022年3月、岸田総理の招きで広島を訪問し、原爆慰霊碑に献花をしました。

そのことから、広島でもエマニュエル氏に好感を持っている人も少なくありませんでした。また、現在も日本各地を自転車旅行されるなど「どぶ板」で日本人の心をつかんでいる感はあります。

しかし、筆者に言わせれば、エマニュエル駐日大使ほど酷い駐日大使は日本を見下す方はいなかったと思います。そして、国際平和文化都市広島を米国忖度都市「HIROSHIMA」に変えようとしたのはこの男である。そのように断定せざるを得ません。

◆一線超えたエマニュエル氏のLGBT推進デモ参加

エマニュエル駐日大使は、東京・渋谷で行われたLGBT法案を推進するデモにも参加されました。外国政府の代表(天皇の接受を受ける)がこうした行動をとるのはいかがなものか?米軍による諸犯罪を糾弾する左翼の皆様からも、このことに対する懸念や批判は寡聞にして存じません。筆者ももちろん、米軍による諸犯罪は糾弾してきましたし、日米地位協定の改定も進めるべきだと思います。

しかし、そうであるならば、エマニュエル駐日大使の上記行動も批判しなければダブルスタンダードではないでしょうか? そうした左派のダブスタもエマニュエル氏をつけあがらせ、後述する広島や長崎への高圧的態度へ、と暴走させた原因になっているのではないか? 悔やまれます。日本国内のLGBTに関する施策についてはあくまで、日本に住む市民とその代表者たる国会や地方議会で決めるべきです。

同大使のデモへの参加は一線を越えたと言わざるを得ない。こういうことで米国政府の力を借りてしまった左翼の皆様にも猛省を促したい。

◆広島にパールハーバーと平和記念公園の協定締結「強要」

そして、LGBT法案成立で「調子ぶっこいた」のか、エマニュエル駐日大使は、2023年5月のG7サミット中に、広島市の松井一實市長に対して、パールハーバーと平和記念公園の姉妹協定を結ぶよう打診して来たそうです。さすがに、松井市長もすぐに締結することは避けましたが、議会や市民にある時期までこのことを隠したまま、突然、6月末に協定を締結すると発表。東京にいたエマニュエル氏に「謁見」し、協定を締結してしまいました。報道によれば、協定の案文等も広島市の主体性はまったくなく、松井市長は米国側に丸投げしたそうです。

そもそも、パールハーバーは現時点でも軍事施設です。核兵器を含む攻撃拠点です。今も昔も太平洋のど真ん中のこの場所の戦略的重要性は変わりません。

もちろん、大日本帝国海軍が宣戦布告の前にパールハーバーを攻撃してしまったのは国際法違反と責められても仕方がない。しかし、もう日本が降伏寸前の状況で、多数の民間人を虐殺した米国による原爆投下と「おあいこ」になる性質のものではないでしょう。

また、大日本帝国が広島や呉を出撃基地として中華民国を侵略したり、米国との戦闘中に東南アジアで現地の方の命を奪ったりしたのも事実であり、国際法違反です。しかしながら、米国にあれこれ言われる筋合いのものではありません。日本政府は、1995年のいわゆる村山談話で一定の総括はしています。広島市は1991年の平和宣言で当時の平岡敬市長が日本の加害責任にも言及しています。

米国は、現在もヒロシマ・ナガサキへの原爆投下について謝罪もしていませんし、反省もしていません。

その状態で、姉妹協定を、というのは、一体何様のつもりか? それを議会にも諮らずに受けてしまう松井市長も松井市長です。

◆日本政府よりも米国忖度? 平和記念式典における松井市長の姿勢

その広島市の松井市長は2022年以降の平和記念式典ではロシアとベラルーシを招待しませんでした。式典の円滑な実施のためと言うのが理由ですが、それを言い出したら米国だってイラクやシリア、アフガンなど中東諸国を空爆しまくりで相当イスラム過激派の方々には恨みを買っています。米国標的のテロなどいくらでも起きています。ロシアを招待することが米国以上のリスクになるとも思えません。やはり、明らかに米国への忖度が働いた、と言わざるを得ない。

そして、2024年の平和記念式典では、パレスチナ国は招待しないのにイスラエルは招待を続けていました。ロシアも確かに核威嚇はしていますがイスラエルだって閣僚がガザへの核使用を示唆しています。ロシアを呼ばないならイスラエルも呼ばない。それかどちらも呼ぶか。さもなければ筋が通りません。

一方で、長崎市の鈴木市長は、ロシアとともにイスラエルも招待しませんでした。その結果、エマニュエル駐日大使が音頭を取って、日本以外のG7諸国の大使が欠席をしたのです。

少なくとも、この間の松井市長の行動は明らかに何かに忖度している。その忖度の対象は岸田総理なのかな?と思っていたのですが、どうも、そうではなさそうだ。言うほど地元広島で岸田さんは人気がないからです。また、日本政府自体、パレスチナ国の国連加盟に賛成するなど、G7諸国では突出してパレスチナに配慮しています。となると、松井市長のこの2年間の行動は日本政府への忖度ではない。やはり、エマニュエル駐日大使に忖度、というのが正しいのではないか。

以下のエマニュエル駐日大使のSNSにある写真が全てを物語っているのではないか?

原爆を落とされた方が、落とした方に頭を下げる。普通は逆ではないでしょうか?

◆これ以上の米国忖度は国際情勢の危機加速に

そもそも、これ以上、米国による原爆投下を広島が米国政府による反省も謝罪もなく許した、と思われることは他の核保有国との関係でも好ましくありません。「実際に使った米国が許されるなら、威嚇くらいいいじゃないか?」。そのように中露英仏印パ朝、そしてイスラエルが言いだしたらどうするのか?大変なことになりかねない。

そして、パレスチナへのイスラエルによる侵略を是認すると思われるスタンスを広島が取ればどうなるでしょうか?ますます、「お墨付きを得た」とばかりにイスラエルは図に乗ります。

そういう状況では、例えば、ロシアによるウクライナ侵攻への批判はますます難しくなるでしょう。

中華人民共和国による領空侵犯はもちろん非難されるべきです。しかしながら、例えばいわゆる台湾有事についてはどうか?

「他人の土地を侵略しているイスラエルはどうなのか?イスラエルが無罪放免なら、台湾はあくまで国内問題だからお宅らには関係ない」

と中華人民共和国により反論されたらどうするのか?

イスラエルによるパレスチナ侵略・虐殺及び米国によるイスラエル甘やかしを放置しておけば、中国、ロシアに対しても非難がしにくくなることは間違いありません。

◆エマニュエル駐日大使離任機に米国忖度から脱却を!

いくら、エマニュエル駐日大使に頭を下げても米国は核実験を強行しています。そして、たかがイスラエルを呼ばなかったくらいで長崎の式典をG7総団結で集団欠席したエマニュエル駐日大使。明らかに日本をというより、日本人を下に見ています。そもそも、エマニュエル氏はシカゴ市長時代に黒人少年射殺事件で映像を隠したことで批判されています。

筆者はトランプ氏ら共和党が良いとは言いません。しかし、米国民主党も人権、民主主義、ジェンダー平等などご高説を垂れる割には、結局のところ、昔の白人帝国主義から本質は変わっていないのです。黒人虐殺の情報を隠すのも、原爆投下を謝罪・反省しないのも彼らの中では「善」なのです。ある意味ではトランプ以上にたちがわるいかもしれないのです。もちろん、筆者も米国から見れば外国人です。米国大統領選挙は見守るしかない。しかし、どちらが当選しようが、広島がやるべきことは決まっています。過剰な米国忖度から卒業することです。

筆者は、具体的に行動を呼びかけています。

ひとつは、引き続き、パレスチナ虐殺をやめるよう呼びかけ続けること。

ひとつは、平和記念式典の原理原則を立て直すこと。「パレスチナ国代表を招待してください」という請願は紹介議員を確保し、9月議会で審議していただく予定です。

そして、パレスチナ問題について勉強のため、ダニー・ネフセタイさん講演会を広島で開催します。

◆元・イスラエル軍兵士が語る「平和」 
 イスラエルの歴史と今・そして日本~ダニー・ネフセタイさん講演会IN広島

もうすぐ、イスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区への侵攻・虐殺が激化してから1年になろうとしています。ガザ地区では連日のように多くの命が奪われる状況に終わりは見えず、中東全体にも戦火が広がろうとしています。そもそも、なぜ、こんなことになってしまったのか?

 そして平和をつくるために、日本・広島に住むわたしたちはどうすればいいのか?

イスラエル軍の元兵士で現在は日本で木製家具職人の傍ら日本全国を「非戦・平和」等をテーマに講演されているダニー・ネフセタイさんにお聞きします。

日時 2024年9月18日(水) 18時開場 18時半スタート
場所 広島市東区民文化センター工作実習室 
(〒732-0055 広島市東区東蟹屋町10-31 広島駅から徒歩約10分) 
資料代 1000円
主催 広島瀬戸内新聞 
連絡先 佐藤 090-3171-4437 hiroseto2004@yahoo.co.jp

◎ダニー・ネフセタイさん プロフィール
1957年、イスラエル生まれ
1975年 高校卒業後、徴兵制によるイスラエル軍入隊。空軍にて3年間兵役を務める。
1979年 退役後、アジアの旅に出る。日本各地をヒッチハイクなどで旅をし、交流を深める。日本語学校にて更に深く言葉を勉強しその後神奈川の家具会社に勤める。
1988年 東京より埼玉県皆野町金沢へ引っ越す。木工房ナガリ家を開設。
1999年 皆野町金沢・出牛に自宅のログハウスを夫婦で自力建設。

現在は、夫婦で注文家具、遊具、木工小物、社会性オブジェの創作活動。ギャラリー にて個展、グループ展など多数開催。「世の中を良くすることも物づくりをする人間の指名である」という信条を持ち戦乱の絶えない祖国イスラエルを批判、「3.11」後の日本で脱原発の道を進むことを願い、活動をつづけている。
WEBサイト https://nagariya.handcrafted.jp/ 

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。

◎Twitter @hiroseto https://twitter.com/hiroseto?s=20
◎facebook https://www.facebook.com/satoh.shuichi
◎広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)https://hiroseto.exblog.jp/

話題の最新刊 斉藤佳苗『LGBT問題を考える 基礎知識から海外情勢まで』

★現在、amazonなどネット書店では在庫切れが続いていますので、お急ぎの方は鹿砦社販売部(sales@rokusaisha.com) まで直接予約注文をお願いいたします!
◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000750

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315592/

経産省は2021年7月21日、第6次エネルギー基本計画の原案を発表した。2030年度には総発電量のうち、再エネ発電を36~38%に増加させ(現行22~24%)、主力電源化をめざす一方、原子力は20~22%の現行目標を維持するという。(2021年10月22日閣議決定)

この基本計画の根拠は2020年10月、菅義偉首相(当時)が所信表明演説でCO2など温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにすると宣言したことをうけて、4月の気候変動サミットで「30年度に13年度比46%削減」を公約したことである。

国会では2020年11月「気候非常事態宣言」、21年5月「改正地球温暖化対策」をいずれも野党を含めて全会一致で可決。「2050年CO2実質ゼロ」は「挙国一致」の目標となっている。

〈Ⅰ〉「人為的CO2温暖化説」は正しいか

菅前首相の「CO2実質ゼロ宣言」の根拠はIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の「人為的CO2温暖化説」(以下、CO2説)である。21年8月11日IPCCは第6次報告書で「人間の影響が海洋および陸域を温暖化させてきたことは疑う余地がない」とした。

◆原因と結果を取り違えたCO2説

しかし、まずCO2はそれ自体としては人類に有害ではないし、植物にとってはむしろその成長を促す物質であることを押さえておきたい。確かに19世紀後半以降、温暖化傾向はみられ(150年間で1度程度の上昇)、CO2濃度が上昇してきたことは事実である。しかし、地球はこれまで寒冷化と温暖化を繰り返してきた。

日本史でいえば、縄文時代や中世には今日以上に温暖化した時期があった。その結果、縄文時代には海進が進み、内陸から切り離されて日本列島が形成された。縄文時代や中世温暖期に人為的CO2が増大したとは考えられないが、過去80万年の統計(南極アイスコア分析)によると温暖化したときにCO2が増大している。温暖化により海洋から大気中への放出の結果、CO2は増大するのである。「CO2説」は原因と結果を取り違えている。(近藤邦明『温暖化の虚像』電子書籍)

◆「気候変動」は「温暖化」が原因か

前述のIPCCの報告書はCO2による温暖化のため、熱波や台風・大雨など「気候変動」を引き起こしているとする。しかし「CO2説」が成り立たない以上、「気候変動」は(太陽活動の影響など)自然変動によるものである。そして近年、自然災害が増大しているかについても十分な検証が必要である。

台風を例にとると、池田清彦は「気象庁のデータを全部調べてみたが、日本は台風の数は傾向として徐々に減っているし、被害総額も昔の方がうんと大きかった」(『環境問題の嘘』令和版)とする。このように「気候変動」「気候危機」はデータによる裏付けも乏しい。

〈Ⅱ〉太陽光発電増大の問題点

何より問題なのはこのような科学的根拠に乏しい「CO2説」に基づいて経産省が「脱炭素」を名目に再エネ発電拡大や原発再稼働をすすめようとしていることである。

第6次基本計画は総発電量のうち再エネ発電について、太陽光15%(2019年7.6%)、風力6%(同0.8%)、水力10%(同7.7%)と想定する。梶山前経産相はCO246%削減達成には「現実に太陽光をどれだけ敷設できうるかということだ」(2021年6月28日付け毎日新聞)と述べる。

洋上風力発電の導入には環境への影響評価に8年程度かかるため、2030年には間に合わないためである。そこでまず再エネ発電のうち、太陽光発電増大の問題点について考えたい。

◆メガ・ソーラーによる自然破壊

「国土面積当たりの日本の導入量はすでに主要国の中で最大でパネルの置き場所は限られている」(2021年7月22日付け日本経済新聞)。このように太陽光発電の新たな立地は難しい。太陽光発電の主力であるメガ・ソーラーは自然破壊が著しいためである。今年7月に起きた静岡県熱海市の土石流でも山林を切り開いて設置された太陽光パネルが一因とされた。

静岡県は、直接的な因果関係は確認されていないとしたが、パネルの下は陽がささず、草が生えないため、特に傾斜地では土砂災害を誘発しかねない。土砂災害などの危険を恐れて住民が事業の差し止めを求めて起こした訴訟が2件以上も起きている。(2021年6月28日付け毎日新聞)

太陽光発電の自然破壊について安田陽京都大学特任教授は「山を削り、森を裸にしてパネルを設置することに規制がない一方、長年手つかずの荒廃農地は平地でも農地法の規制で原則的にパネルを建てられない。こうした政策の不調和が問題だ」(同前)。

しかし日本では食料自給率が40%を切っている。私は山村に暮らしているが、「中山間地直接支払制度」によって田畑の草を刈っていつでも耕作可能な状態を保っている。安田氏は日本の農業の現状を見ていない。河野太郎前規制改革担当相は再エネ発電拡大のために規制緩和を進めようとしたが、これ以上の農地潰しは許されない。「山を削り、森を裸にしてはならない」のと同様、農地を潰してはならない。

◆太陽光発電の不安定性・非効率性

太陽光発電は夜や雨の日にはほとんど発電しないので火力発電のバックアップが必要である。常にスタンバイしている火力発電所は急に運転したり停止するためエネルギー効率が著しく下がる。どの程度、火力発電に用いる石炭や天然ガスなどを減らせるか疑わしい。

太陽光と同じく「風まかせ」の不安定な風力発電ではアメリカのコロラド州の2009年の例によると、風の弱い、火力だけの日より風力+火力の日の方が排気ガスが激増した(武田恵世『四日市における自然エネルギー問題』四日市大学)。かえってエネルギーを余分に使いCO2削減にも役立たないというのである。

それに太陽光パネルはほとんど中国産(企業別では世界6位までが中国の工場で生産)で安い石炭火力による電力で製造されている。結局、家庭用の太陽光発電などもCO2排出を中国などに付け回しているにすぎないのである(近藤邦明 前掲書)。(つづく)

本稿は『NO NUKES voice』(現・季節)30号(2021年12月11日発売号)掲載の同名記事を本通信用に再編集した全2回の連載記事です。文中での全国の原発に関する記述は、2021年当時の状況であること、あらかじめご了承ください。

▼大今 歩(おおいま・あゆみ)
高校講師・農業。京都府福知山市在住

◎『季節』創刊10周年特別企画『脱(反)原発のための季節セレクション』(仮)
出版のためのクラウドファンディングご支援のお願い

https://readyfor.jp/projects/kisetu_nonukes

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年夏・秋合併号《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
『季節』2024年夏・秋合併号(NO NUKES voice 改題)
A5判 148ページ(本文144ページ+巻頭カラー4ページ) 定価880円(税込み)
お陰様で10周年を迎えました!
《グラビア》
「幻の珠洲原発」建設予定地 岩盤隆起4メートルの驚愕(写真=北野 進
「さよなら!志賀原発」金沢集会(写真=Kouji Nakazawa

《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか

《報告》小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
 原子力からこの国が撤退できない理由

《報告》樋口英明(元福井地裁裁判長)
 なぜ日本は原発をやめなければならないのか

《報告》井戸謙一(元裁判官/弁護士)
 事実を知り、それを人々に伝える

《報告》山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
 核武装に執着する者たち

《報告》後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
 課題は放置されたまま

《報告》森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
 原発被害の本質を知る

《インタビュー》北野 進(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団団長)
 珠洲原発・建設阻止の闘いは、民主主義を勝ち取っていく闘いだった

《対談》鎌田 慧(ルポライター)×柳田 真(たんぽぽ舎共同代表)
 東京圏の反原発 ── これまでとこれから

《報告》今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
「核融合発電」蜃気楼に足が生え

※          ※          ※

《回想》松岡利康(鹿砦社代表)
 創刊から10周年を迎えるまでの想い出

《墓碑銘》松岡利康(鹿砦社代表)
 お世話になりながら途上で亡くなった方への追悼記

《季節創刊10周年応援メッセージ》

 菅 直人(衆議院議員・元内閣総理大臣)
 守りに入らず攻めの雑誌を

 中村敦夫(作家・俳優)
 混乱とチャンス  

 中嶌哲演(明通寺住職)
「立地地元」と「消費地元」の連帯で〈犠牲のシステム〉を終わらせる

 水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
『季節』丸の漕ぎ手をふやして、一刻も早く脱原発社会を実現しよう

 山崎隆敏(元越前市議)
「核のゴミ」をこれ以上増やさないために

 今野寿美雄(「子ども脱被ばく裁判」原告代表)
 裁判も出版も「継続は力なり」

 あらかぶ(「福島原発被ばく労災損害賠償裁判」原告)
 隠された「被ばく労働」問題を追及し、報じてほしい

※          ※          ※

《報告》なすび(被ばく労働を考えるネットワーク)
《検証》あらかぶさん裁判 原発被ばく労働の本質的問題 

《報告》北村敏泰(ジャーナリスト)
 棄民の呻きを聞け 福島第一原発事故被害地から

《講演》和田央子(放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会)
「復興利権」のメガ拠点 「福島イノベーション・コースト構想」の内実〈前編〉

《報告》平宮康広(元技術者)
 水冷コンビナートの提案〈1〉

《報告》原田弘三(翻訳者)
 COP28・原発をめぐる二つの動き
「原発三倍化宣言」と「気候変動対策のための原発推進」合意

《報告》三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
 総裁選より、政権交代だ

《報告》板坂 剛(作家/舞踊家)
   タイガー・ジェット・シンに勲章! 問われる悪役の存在意義

《報告》山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
   山田悦子の語る世界〈24〉
   甲山事件50年を迎えるにあたり
   誰にでも起こりうる予期せぬ災禍にどう立ち向かうか(下)

《報告》大今 歩(高校講師・農業)
   洋上風力発電を問う 秋本議員収賄事件を受けて

《報告》再稼働阻止全国ネットワーク
 時代遅れの「原発依存社会」から決別を!
 政府と電力各社が画策する再稼働推進の強行をくい止める

《老朽原発》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
 6・9大阪「とめよう!原発依存社会への暴走大集会」に1400人超が結集

《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
 女川原発の再稼働はあり得ない 福島事故を忘れたのか

《福島》黒田節子(請戸川河口テントひろば共同代表)
 浪江町「請戸川河口テントひろば・学ぶ会」で
 北茨城市大津漁協裁判で闘う永山さんと鈴木さんの話を聞く

《柏崎刈羽原発》小木曽茂子(さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト)
 7号機再稼働で惨劇が起きる前に、すべての原発を止めよう!

《首都圏》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 福島原発事故の責任もとれない東京電力に
 柏崎刈羽原発を動かす資格はない!

《浜岡原発》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
 静岡県知事と御前崎市長が交代して
「一番危険な原発」はどうなるか

《島根原発》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
 政治に忖度し、島根原発2号機運転差止請求を却下
 それでも私たちは諦めない!

《玄海原発》石丸初美(玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会)
 玄海町「高レベル放射性廃棄物・最終処分場に関する文献調査」受入!

《川内原発》向原祥隆(反原発・かごしまネット代表)
 私たちは歩み続ける

《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
 原子力規制委員会を責め続けて11年
 原子力規制委員会は、再稼動推進委員会・被曝強要委員会

《反原発川柳》乱鬼龍

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0DB1GZ5CM/
◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000748

龍一郎揮毫

私たちは唯一の脱原発雑誌『季節』を応援しています!

« 次の記事を読む前の記事を読む »