『週刊金曜日』発行人にして株式会社金曜日社長の植村隆氏がまたしても鹿砦社に対し執拗に“決別宣言”し、鹿砦社の出版活動を非難されています。

植村社長は、同誌最新号1435号(8月4日/11日合併号)に「さようなら、鹿砦社! 長い付き合いに感謝」なる、人を食ったようなコラムを掲載され、言葉は表向き丁寧で、まさに“真綿で首を絞め”ようとするかのような表現で、あらためて森奈津子編『人権と利権 「多様性」と排他性』を「差別本」として規定して詰り、この本を製作・発行した鹿砦社の広告を、今後掲載しないことを内外に公言し、まさに鹿砦社を「ヘイト出版社」扱いし排除、出版メディアの世界において村八分に努めています。まるで『週刊金曜日』は良い雑誌、これを発行する株式会社金曜日は良い出版社で、一方鹿砦社の本『人権と利権』は「差別本」であり鹿砦社は悪い出版社であるかのような口ぶりで、それを判断するのは『金曜日』でありボスの植村社長と言わんばかりです。実際にこう触れ回っている徒輩もいます。

植村社長のコラムが掲載された『週刊金曜日』1435号(2023年8/4、8/11合併号)

問題となった広告 『金曜日』1450号(6月16日号)

この際、植村社長が基にするのが同社の2019年6月20日制定の「『週刊金曜日』広告掲載基準(内規)」なるもので、ここに記載された「差別、プライバシーの侵害など基本的人権を侵害するおそれがあるもの」は「掲載できません」としています。さらには「本誌の編集方針に合致しない企業は掲載しない」とも記載されています。

制定の日付からして、これは植村氏が社長就任してから制定されたものと推察できます。これに基づき、何をもって「差別」とするかの規定、基準を明らかにもせず(『金曜日』と植村社長が「差別」と言えば「差別」?)、『人権や利権』を「差別本」、鹿砦社を「ヘイト出版社」とするのでしょうか? その「内規」で教条主義的に「差別本」「ヘイト出版社」と判断されてはたまったものではありません。そういう「内規」というものは〈死んだ教条〉ではなく、〈生きた現実〉の中で、その時々で検討され改善されていくものではないでしょうか。『金曜日』の体質としてよくいわれるのは教条主義的ということですが、まさに〈左翼教条主義〉といえるでしょう。

人の世には、人それぞれ多様な意見や生き方があります。私たちは多様な言論を尊重し最大限それらを汲んで雑誌や書籍を編集・発行しているつもりです。『金曜日』や植村社長はこのことを自ら否定し、異論を排除せんとしています。異論や多様な言論を主張する私たち鹿砦社を、いわゆる「リベラル」「左派」界隈において村八分にしようとしています。排除はやめろ! 村八分はやめろ! 

植村隆社長(2019年12月7日の鹿砦社50周年の集いにて)

◆鹿砦社の広告をめぐる問題

長いこと(創業54年)出版社をやっていれば広告が問題となることは何度かありました。いい機会ですので、2件ほど挙げてみます。

一つは、古い話ですが、鹿砦社第二次黄金時代(第一次は1969年の創業から70年代前半、第三次は2010年代前半)の1995年、毎日新聞との訴訟です。別掲の記事の上部の広告ですが、毎日新聞に念願の全面広告を出すことになり、代金(内金)300万円も代理店を通じ支払い、版下も送り、東京本社版、大阪本社版ともに日程も決まっていたのに、その数日前にドタキャンになりました。これも毎日新聞の内規に触れ「品位を汚す」ということでした。やむなく東京地裁に提訴、高裁まで争いましたが、結果は敗訴。勝ち負けの問題ではなく、異議申し立てが目的の提訴でした。

『週刊現代』2018年5月15/12日合併号 この左上の広告が毎日新聞社により掲載拒否された

もうひとつは、『金曜日』です。これは鹿砦社の広告の掲載日が、偶然に映画監督・原一男とSEALDs奥田愛基との対談の号とバッティングし、これに原一男監督が激怒、当時の北村肇社長を何度も呼び出し理不尽な抗議を行い、すでに病に冒されていた北村社長の死期を早める結果となりました。われわれの世代にとってカリスマだった原監督が実は器の小さい人間だったことがわかり私(たち)を落胆させました。

この件では、鹿砦社になんの非もありません。また、『金曜日』についても、広告掲載の号を前週か次週にするなどの工夫はしたほうがよかったかもしれませんが、それは結果論で『金曜日』にも非はありません。原監督の子どもじみた“抗議”こそ批判されるべきでしょう。

『週刊金曜日』1100号(2016年8月19日号)

そして、今回の問題、これは『金曜日』が鹿砦社の広告をしっかりチェックせず掲載したことが問題ではなく、広告主の鹿砦社や、くだんの本の編者・森奈津子になんの打診もなく、Colabo仁藤代表や取り巻きらの抗議にあわてふためき、安易にColabo仁藤代表に謝罪し、さらには、あろうことかイエローカードを飛び越して一気にレッドカードへ、今後の鹿砦社の広告を掲載しないことを決定したことが問題ではないでしょうか。

今よく使われる言葉に「多様性」という言葉がありますが、これはどこの世界でも尊重されねばなりません。「釈迦に説法」かもしれませんが、多様な言論は、創刊30年、本多勝一という著名な記者になよって設立された『週刊金曜日』こそが大事にすべきではないんじゃないですか? 『金曜日』に比べ歴史が浅い創刊18年の『紙の爆弾』は、松岡利康と中川志大という無名の二流編集者によって創刊されましたが、そんな私たちに“説教”されるようではダメですよね。

◆私たちの危惧

『週刊金曜日』やブックレット/書籍などの出版物と、『紙の爆弾』をはじめとする鹿砦社の出版物の読者は重なっている部分があります。かつて北村肇さんに聞いた話ですが、『金曜日』の読者は、①共産党支持者、②社民党支持者、③無党派の3つに分けられるとのことです。このうち①共産党支持者が「極左」とする鹿砦社の出版物を支持するわけはありませんから、②の社民党支持の一部と③の無党派の方々が『紙の爆弾』や鹿砦社出版物の読者と重なると思われます。

この意味で、植村社長による、このかんの再三にわたる鹿砦社非難は、とりわけ無党派の方々へ鹿砦社があたかも「ヘイト出版社」であるかのような強い印象を与え、打撃が大きいです。

さらには、寄稿者や著者も『金曜日』と重なっている方々もおられます。『金曜日』の編集者や関係者が、『紙の爆弾』、反原発情報誌『季節』の寄稿者らに、本件のことをたずねられたら、どう答えるのか? 多様な言論を自ら棄てた人たちの物言いがみものです。

鹿砦社は創業50数年、独立独歩、自律した小出版社として、芸能から社会問題までの中で大手メディアが報じない領域の出版物を数多く世に送り出してきました。今20年遅れで大手メディアが取り組んでいるジャニー喜多川未成年性虐待問題も、文春報道・訴訟の以前の95年から取り組んでいます(なので英BBC放送は逸早く鹿砦社に連絡してきたわけで私たちは多くの書籍や資料を提供したわけです)。また、「名誉毀損」に名を借りた逮捕・勾留によって壊滅的打撃を被ったこともありました。しかし、それでも挫けず這い上がってきました。

『週刊金曜日』というカリスマ雑誌のトップに詰られると、『金曜日』と重なる無党派の読者や寄稿者の方々にマイナスイメージを与え、これこそ名誉毀損で被害も決して小さくありません。

昨今よくいわれる、マジョリティ、マイノリティの物差しで言えば、『金曜日』は圧倒的にマジョリティであり、鹿砦社は遙かにマイノリティです。しかし、真理が常にマジョリティに在るのではなく、時にマイノリティに在ることもあります。この点、心ある読者や寄稿者、著者の皆様方のご判断に委ねたいと思います。

◆『金曜日』は他人を詰る前に自らを律せよ! 脚下照顧、内部矛盾を解消してこそ他人を批判できる!

 

中島岳志編集員辞退の言 『週刊金曜日』1453号(2023年7月7日号)

長年『金曜日』の編集委員を務めてこられた中島岳志氏が、時を同じくして編集委員を辞退されました。鹿砦社の問題とは直接関係はないとは思いますが、まずは『金曜日』は自らの足元や内部を反省し改善することが先決ではないでしょうか。

中島氏は「保守派」を自認されていますが、多数いる編集委員の中で『金曜日』でこの立場を堅持することは大変です。「リベラル」、あるいは「左派」を自称する人たちが多い『金曜日』の編集委員の中では調整役として中島氏の存在は貴重だったと思われます。

そうした中島氏がいなくなり、一時は親密だった鹿砦社を排除した『金曜日』がますます「しばき隊」化し、偏狭化していくことが懸念されます。他人の家の中のことにあれこれ口出すわけではありませんが……。

偶然かもしれませんが、鹿砦社広告掲載拒否、中島岳志編集委員辞退は、『金曜日』の今後の行方にとってターニング・ポイントになるかもしれません。

◆「カウンター大学院生リンチ事件」(別称「しばき隊リンチ事件」)について植村社長の見解を問う!

2016年以来、私たち鹿砦社が、会社の業績に影響があることを承知で関わってきた事件が、「しばき隊リンチ事件」ともいわれる「カウンター大学院生リンチ事件」です。事件から来年で10年が経とうとしています。激しいリンチを受けたM君はいまだにPTSDに苦しんでいます。

私と植村社長に共通するのは、「慰安婦訴訟」の植村社長の代理人と、「大学院生リンチ事件」関係訴訟の加害者側代理人に神原元弁護士が中心的に関わっていることでしょうか。神原元弁護士は大学院生M君リンチ事件を「でっちあげ」と強弁していますが、2014年師走に大阪北新地で、李信恵ら5人によって集団リンチが行われたことは厳とした事実であり、これは一連の訴訟の最後になって大阪高裁がリンチがあったこと、李信恵らが連座し、被害者の大学院生が瀕死の重傷を負っているのに放置して立ち去ったこと等を認定し、訴訟の骨格ともいえるこの部分が鹿砦社の逆転勝訴となりました。

被害者の大学院生(その後博士課程修了)の訴訟も併せ、被害の程度からすると遙かに低額の賠償金を加害者5人のうち2人に課しながらも「勝訴」とはいえ決して納得のいくものではありませんでしたし、裁判所は、決して被害者や市民の側に立って判断しないことを、あらためて思い知りましたが、このことは「慰安婦訴訟」で敗訴が確定した植村社長なら同じ想いを持たれることでしょう。

私見ながら、植村社長の「慰安婦訴訟」も、この大学院生リンチ事件に関する一連の訴訟も、黒薮哲哉氏が指摘されるように「報告事件」(詳しくは生田暉雄元大阪高裁判事著『最高裁に「安保法」意見判決を出させる方法』を参照してください)だと思っています。

『金曜日』や植村社長が「人権」を口にするのであれば、神原弁護士はじめリンチ事件(と、この隠蔽)に直接、間接に関わった人たちが『金曜日』の誌面に何人も登場していること、一時は毎回鹿砦社の『金曜日』広告には、一連のリンチ事件関係書(6点)の広告を出広していたことなどから、この事件について植村社長の見解をぜひお聞かせいただきたいと要請し拙稿を閉じたいと思います。

株式会社 鹿砦社 代表
松岡利康

森奈津子編『人権と利権 「多様性」と排他性』 定価990円(税込)

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株式会社金曜日の植村隆社長が鹿砦社の『人権と利権』に「差別本」のレッテルを張った事件からひと月が過ぎた。7月の初旬、両者は決別した。事件は早くも忘却の途に就いている。重大な言論抑圧事件が曖昧になり始めている。

事件の背景に、市民運動に依存した『週刊金曜日』の体質がある。ジャーナリズムの視点から市民運動の在り方を客観的に検証する姿勢の欠落がある。

この点について自論を展開する前に事件を概略しておこう。

◆Colaboの仁藤氏らによるSNS攻撃

Colaboは、仁藤夢乃氏が代表を務める市民運動体である。「中高生世代の10代女性を支える活動」を展開してきた。日本最大の歓楽街・東京の歌舞伎町などで、売春などに走る少女を保護・啓蒙する活動を続けてきた。そのための公的資金の援助も受けていた。

事件の発端は、鹿砦社が『人権と利権』の書籍広告を『週刊金曜日』に掲載したことである。この中にColaboの不正経理疑惑に関する記述も含まれていた。

これに反発した仁藤氏らが、SNSなどで、『人権と利権』の書籍広告を掲載した『週刊金曜日』を激しく非難した。仁藤氏も、『週刊金曜日』を指して「最悪」と投稿したという。

謝罪に訪れた植村社長(左)、右はColaboの仁藤氏

こうした動きに動揺した『週刊金曜日』の植村社長は、文聖姫編集長と共に仁藤氏のもとを訪れ、『人権と利権』の広告掲載を掲載した事に対して謝罪したあげく、『週刊金曜日』誌上で謝罪告知を行った。植村社長らは、『人権と利権』の編著者である森奈津子氏と鹿砦社に対する聞き取り調査は行っていない。『人権と利権』を一方的に差別本と決めつけ、その旨を公表したのである。

さらに植村社長が鹿砦社を訪れ、今後は鹿砦社の広告を『週刊金曜日』に掲載しない旨を申し入れた。

事件を総括すると、植村社長がSNSの激しい攻撃に屈して、鹿砦社との決別を宣言したということになる。反戦映画を上映する映画館に対して、右翼が街宣車などで妨害し、それに屈して映画館が上映を中止するのと同じ構図が、「ネット民」と『週刊金曜日』の間で起きたのだ。ある意味ではSNSの社会病理が露呈したのである。

わたしは、自著『新聞と公権力の暗部』(鹿砦社)の書籍広告が問題となった『人権と利権』の書籍広告と同じ枠に掲載されていたこともあって、植村社長に質問状を送った。そして植村社長からの回答を待って、「週刊金曜日による『差別本』認定事件、謝罪告知の背景にツイッターの社会病理」と題する記事を、みずからのウェブサイトに掲載した。

この記事は、フェイスブックの「FB『週刊金曜日』読者会」にも投稿したが、公表の承認を得ることはできなった。

◆公的資金の検証は納税者に許される当然の権利

さて、この事件を通じてわたしは、市民運動とジャーナリズムのあり方を再考した。市民運動を無条件に「正義」と決めつけていいのかという問題である。やはりちゃんと取材して、市民運動のやり方に問題があれば、それを指摘すべきだというのが、わたしの考えだ。

鹿砦社が『人権と利権』の企画を通じてColaboを検証対象にした背景には、この市民運動体が東京都から多額の公金を得ていた事情がある。しかも、その公金に対する住民監査請求が通った。最終的に東京都は、不正経理は無かったと結論づけたが、都の発表が真実とは限らない。住民の視点から公的資金の使途を再点検するのは納税者に許される当然の権利である。

ところが植村社長は、当事者を取材せずに、一方的に謝罪告知を行ったのである。市民運動体=正義という偏見と、『週刊金曜日』が多くの市民運動体に支えられている事情が背景にあるようだ。

◆過去のしばき隊の問題でもトラブル

実は、今回の事件と類似した出来事が過去にも起きている。これについて植村社長は、鹿砦社の松岡社長に送付した書面の中で次のように述べている。

2016年8月19日号の弊誌でも、今回と似たようなトラブルがありました。同号はSEALDs の解散特集でした。代表の奥田愛基さんと映画監督の原一男さんとの対談がメインで、表紙は両氏が並んでいる写真でした。その裏表紙には『ヘイトと暴力の連鎖 反原連─SEALDs─しばき隊─カウンター』と題する貴社の書籍の広告が掲載されていました。

「SEALDs を特集しておいて、SEALDs を叩く本の広告を載せている」などと、弊社は様々な批判を受けました。北村肇前社長時代のトラブルですが、その記憶は、弊誌の読者に強く残っており、私が社長になった後も、「鹿砦社の広告を出すべきではない」という批判の手紙などが私の手元や編集部に送られてくることもありました。

『週刊金曜日』に、鹿砦社の『ヘイトと暴力の連鎖 反原連─SEALDs─しばき隊─カウンター』の書籍広告を掲載した際に、同社に市民運動の関係者から批判が殺到し、それが今回の植村社長の方針にも影響しているというのだ。ただし、北村前社長は植村社長と異なり、外圧には屈しなかったが。

◆市民運動に対するタブー

『週刊金曜日』が創刊されたのは1993年だった。本多勝一氏らが中心になり、最初は日刊紙を創刊する方向で可能性を探っていたのだが、その壁は高く、前段として週刊誌を立ち上げたのである。当時は、広告に頼らないタブーなきメディアを目指す方針を打ち出していた。実際、既存のメディアが取り上げない事件を扱うようになった。ジャーナリズムとして一定の役割を果たすようになっていたのである。

(左)しばき隊、(右)反核運動の闘士。いずれも健全な社会運動の足を引っ張っている

記事の内容について抗議があった場合、反論を掲載する方針もあったように記憶している。「FB『週刊金曜日』読者会」が、わたしの投稿を受け付けなかったことからも明白なように、現在は、反論権の尊重という考えも捨てたようだ。

しかし、市民運動はそれほど崇高なものなのだろうか。もちろん模範となる市民運動が存在することも紛れない事実である。だが、問題を孕んでいる運動体があることも否定できない。たとえばしばき隊である。

周知のようにこの市民運動体は、2014年12月に大阪市の北新地で暴力事件を起こした。ニセ左翼という評価もある。被害者の大学院生は、鼻骨を砕かれるなど瀕死の重傷を負った。事件現場の酒場にいたリーダー格の女は、自分は暴行には加わっていないと逃げとおしたが、大阪高裁の判決で次のような事実認定を受けた。

被控訴人(リーダー格の女)は、Mが本件店舗に到着した際、最初にその胸倉を掴み、AとMが本件店舗の外に出た後、聞こえてきた物音から喧嘩になっている可能性を認識しながら、飲酒を続け、本件店舗に戻ってきたMがAからの暴行を受けて相当程度負傷していることを確認した後、「殺されるなら入ったらいいんちゃう。」と述べただけで、警察への通報や医者への連絡等をしないまま、最後は負傷しているMを放置して立ち去ったことが認められる。

被控訴人(リーダー格の女)は、本件傷害事件の当日、本件店舗において、最初にMに対し胸倉を掴む暴行を加えた上、その後、仲間であるAがMに暴行を加えている事実を認識していながら、これを制止することもなく飲酒を続け、最後は、負傷したMの側を通り過ぎながら、その状態を気遣うこともなく放置して立ち去ったことが認められる。

ところが『週刊金曜日』はこの事件をタブー視していて、事件の概要すらも報じていない。同誌の支援者にしばき隊の関係者が多いこともその原因かも知れない。

この事件を扱った『ヘイトと暴力の連鎖 反原連─SEALDs─しばき隊─カウンター』の書籍広告を『週刊金曜日』に掲載したところ、抗議が殺到したことは、先に植村社長の書面を引用して説明した通りである。

しばき隊の他にも、過激な市民運動は存在する。たとえば「喫煙撲滅運動」を推進している人々である。彼らは喫煙者に対して憎悪に近い感情を持っていて、自宅で窓を閉めて煙草を吸った住民に対して、4500万円の損害賠償を求める裁判を支援した。支援の具体的な方法として、たとえば市民運動のリーダーである医師が裁判の原告のために偽診断書を作成した。この診断書交付は、「裁判の中で医師法20条違反の認定を受けている。この事件については、拙著『禁煙ファシズム』に詳しい。

電磁波問題に取り組んでいる市民運動体の中にも、首をかしげたくなる運動体がある。たとえばAという団体は、体の不調の原因を全て電磁波のせいにする。本当の「電磁波過敏症」と精神疾患の区別もしない。誰でも自分たちの運動に巻き込んで、会員を増やして、会費(機関紙代)収入を増やす意図があるからだ。科学的根拠に基づいた情報発信とは無縁と言っても過言ではない。情報の信憑性という点でも鵜呑みにするのは危険なのだ。

わたしが観察する範囲では、有益な市民運動体がある反面、反社会的な性質をした市民運動体もかなり多い。となれば市民運動も当然ジャーナリズムの監視対象にしなければならない。

『週刊金曜日』は、創刊の原点に立ち返って、あらゆるものに対するタブーを排除すべきではないか。

【付記】

上記に触れられている、過去の広告問題について、当時の「デジタル鹿砦社通信」(2016年9月10日号)の記事を以下再録しておきます。この通信のコピーは植村社長来社の際に手渡ししています。(松岡利康 鹿砦社代表)

原一男監督のブログ記事について──松岡利康(鹿砦社代表)

2016年9月10日 付け「デジタル鹿砦社通信」再録

伝説的な映画『ゆきゆきて、神軍』の原一男監督がそのブログ(2016年9月8日付)で「週刊金曜日『鹿砦社広告問題』に触れて」と題して執筆しておられます。私たちにとって原監督は雲の上の存在です。こういう形ではありますが採り上げていただいて、ある意味、感慨深いものがあります。

同時に、いってしまえば、たかが広告如きで、原一男ともあろう名監督が不快感を覚えられ、『金曜日』と激しくやり合われている様に驚くと共に忸怩たる想いです。

原監督は今後、『金曜日』に連載されるということですが、その連載と当社の広告が再びがち合うこともあるやと思われます。その際も、いちいち『金曜日』とやり合われるのでしょうか?

くだんの広告は、もう数年前から毎月1度(2度の時期もあったり、毎週文中に出広していた時期もありましたが)定期出広していて、SEALDs解散特集とがち合ったのは偶然で、掲載誌が送られてきて私たちも初めて知り驚いた次第です。

もし、SEALDs解散特集とがち合うことが予め判っていたならば、右上の広告は『SEALDsの真実』にしたでしょうし、また掲載をずらして欲しい旨打診があれば、これは契約違反で、私どもが『金曜日』に抗議したことでしょう。

これまで新聞などでは内容を検閲されて広告掲載を拒否されたことは何度かありますが、『金曜日』は比較的自由で拒否されたことはありません。だからといって、内容については私たちなりに考慮し、“金曜日向け”に版下を作成しているつもりです。

当社が7月に刊行した『ヘイトと暴力の連鎖』は、一読されたら判りますが(原監督は当然すでにお読みになっているものと察しますが)、タイトルに「ヘイト」の文字を付けているとはいえ、決して、俗に言う「ヘイト本」ではありません。

私たちは、知人を介して当社に相談があった集団リンチ事件に対して、被害者の大学院生は、弁護士やマスコミなどにも相談しても相手にされず、「反差別」の名の下にこんなことをやったらいかんという素朴な感情から取り組んでいるものです。
ネット上では本も読まずに非難の言説が横行しておりますが、全く遺憾です。

SEALDsにつきましては、当初は「新しい学生運動」という印象で好意的に見ていましたが、徐々に疑問を感じるようになりました。実際に奥田愛基君にも話を聞き(『NO NUKES voice』6号掲載)、次第に否定的になっていきました。これも同誌に書き連ねている通りです。

SEALDsにしろ、リンチ事件を起こした「カウンター」にしろ、バックに「しばき隊」とか「あざらし防衛隊」なる黒百人組的暴力装置を控えて、やっていることには疑問を覚えます。作家の辺見庸が喝破した通りです(が、しばき隊や、SEALDs支持者らからの激しいバッシングに遭い、そのブログ記事は削除に追い込まれました)。「しばき隊」の暴力を象徴しているのが集団リンチ事件です。これでいいのでしょうか? 原監督は、しばき隊やあざらし防衛隊の暴力の実態を知った上で発言されておられるのでしょうか?

原監督には本日(9月9日)、上記の内容で手紙と『ヘイトと暴力の連鎖』等関連出版物を送りました。これらをしっかり読まれ、認識を新たにされることを心より願っています。

問題になった『週刊金曜日』(2016年8月19日号)表紙と、裏面の鹿砦社広告

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

黒薮哲哉のタブーなき最新刊!『新聞と公権力の暗部 「押し紙」問題とメディアコントロール』

黒薮哲哉『禁煙ファシズム-横浜副流煙事件の記録』(鹿砦社)

上記『人権と利権』は5月23日発売以来話題を呼び圧倒的な勢いで売れています。ちょうど、いわゆる「LGBT理解増進法案」が国会に上程され審議に入るということもあったかと思いますが永田町界隈でもよく読まれていたようです(このこともあってか編者の森奈津子さんは参議院に参考人として呼ばれています。この件では賛否ありますが、ここでは触れません)。発売直後にAmazonから700冊余りの注文が来、これが捌けると在庫がなくなりAmazonでは古書業者が高値で出品し定価の倍近くになっているほどです。

こうした情況に不快感を覚えたのか、発売から1カ月近くにもなって突然Colabo仁藤夢乃代表が、同書(特に表紙、グラビア)を非難し、そしていつものように彼女の周辺から、対談者の一人で、「女性に対する暴力を想起させる表紙」について「謝罪」した加賀奈々恵さんに誹謗中傷が集中しています。甚だ遺憾であり怒りを禁じえません。私たちは断固加賀さんを守り共に在り続けます。全国でも特にLGBT化が進む埼玉県で、覚悟を決め、女性・女児の人権、安心・安全のために、たった一人でLGBT化(具体的には公衆トイレから女性トイレをなくし「ジェンダーレストイレ」化)に異を唱えた加賀さんの志に連帯します! 加賀さんのツイッター(およびyoutube)にアップされた意を決した加賀さんの凛々しさを見よ!


◎[参考動画]加賀ななえ【政策の変遷について/埼玉県LGBT条例基本計画パブリックコメントについて】(2023年2月26日)

当然私たちとしては理不尽な攻撃に対して最後まで加賀さんを見放さず守ることは言うまでもありません。当社への抗議は今のところファックスが1枚来ているだけです。

ここで、表紙について少し説明させていただきます。

【1】仁藤代表が仰るような、Colaboのバスの画像を「切り刻まれ」たというのは全くの誤認です。バスは、取材班メンバーが4月末に駐車場を突き止めそこに赴いて撮影したものでネットから採ったものでもありません。その写真をグラビアと共に、表紙のバックに使っています。本文で記事に採り上げているからです。そのどこがいけないのでしょうか? バスに「肖像権」があるのでしょうか? 私たちが昨年そのバスに傷つけたというツイートもありましたが、昨年私たちの取材班は動いておらず悪質なデマです。

現地に赴くということは、基本的に当社がよくやっている手法で今に始まったことではありませんし、当社に限らず他社の週刊誌などでもよくやっている初歩的な取材方法です。鹿砦社として最近では東電の幹部、原発事故の関係者や「大学院生リンチ事件」(いわゆる「しばき隊リンチ事件」)関係者を直撃したりしています。

【2】バスの前のガラスが割れているのは、LGBTの象徴であるレインボーのガラスが割れている様子で、特段意味はないです。見る人によって受け取り方はいろいろあるとは思います。決して「女性に対する暴力を想起させる表紙」を目論んだわけではありませんが、加賀さんがそう感じられたのであれば残念です。男目線と女目線では感じ方が異なるのかもしれません。「派手目に」やればやったでアレコレ言われ、また綺麗に大人しくやれば目立ちませんし、むずかしいところではあります。

【3】本書は月刊『紙の爆弾』という雑誌の増刊号ですが、雑誌は決められた発売日を1日も遅らせることはできず、今回は特に「緊急出版」ということでかなりタイトなスケジュールでした。『紙の爆弾』など他の雑誌も同様にタイトですが、多人数が寄稿したりするので、表紙のチェックについて『紙の爆弾』は編集長1人の独断で、他の雑誌も2~3人がチェックするだけです。寄稿者全員に回していれば取次搬入日に間に合わなくなります。例えば『世界』という雑誌がありますが、寄稿者全員がチェックするわけでないことは当然です。その表紙にも好き嫌いはあるでしょうが。加賀さんバッシングに加担している太田啓子弁護士は、実は鹿砦社発行の反原発雑誌旧『NO NUKES voice』(誌名変更し現在『季節』)に座談会で登場されたことがありますが、太田弁護士に事前に表紙を見せたことはありません。

【4】今回は5月18日に取次搬入で、23日に発売でした。加賀さんら寄稿者・対談者らには18日発送、19日か20日に届きご覧になったと思います。逆に言えば、それまで加賀さんに表紙をご覧いただくことはありませんでした。また、他の方々の原稿の内容も、いたずらに別の方々に見せることはできませんから見本が届くまでは知る由もありません。

【5】表紙、グラビア、他の方々の対談や寄稿の内容については、5月19日 or 20日に見本をご覧になるまで加賀さんは一切ご存知なかったし、一切の責任は鹿砦社にありますので、誹謗中傷や文句があれば鹿砦社の私松岡にお願いいたします。お名前、ご連絡先などを明記の上、メールmatsuoka@rokusaisha.comかファックス0798-49-5309にてお送りください。

◇    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇

もう少し言わせてください。加賀さんを誹謗中傷する人たちは仁藤代表はじめ果たして『人権と利権』の内容をよく読んだ上で批判しているのでしょうか? 「言論には言論で」というではありませんか。仁藤代表は著書も多く反論本を出版できる環境も能力もあるのですから、きちんと反論されたらいかがでしょうか。Colaboに繋がる人たちに「大学院生リンチ事件」(しばき隊リンチ事件)に直接・間接的に関わった人たちもいます。ここでも私たちは地を這うような取材/調査を元に6冊の本にまとめ出版しましたが、1冊も反論本はありませんでした。

最近鹿砦社に対し「ヘイト出版社」、本書編者・森奈津子さんに対し「差別者」と詰っている者がいます(杉並から差別をなくす会・谷口岳)。本書において私は、
「こうした風潮に異を唱える者に対しては『差別者』『レイシスト』『ヘイター』などと口汚い悪罵を浴びせ、謝罪と沈黙を強いる。本書出版後、当社や森奈津子、あるいは対談者らに対して、そうした悪罵が投げつけられるかもしれない」
と“予言”していますが、現実化しつつあるのは極めて遺憾です。

尚、本書についての私の問題意識、なぜ本書を出版するに至ったのかなどについては本書巻末の「解題」において申し述べていますのでぜひご一読いただきたく望みます。

株式会社 鹿砦社 代表
松岡利康

森奈津子編『人権と利権 「多様性」と排他性』 定価990円(税込)。最寄りの書店でお買い求めください

本日5月23日、森奈津子編『人権と利権』(定価990円[税込])が書店に並ぶ。LGBT、Colabo、しばき隊といった人権運動の影の部分を浮き彫りにする一冊だ。いやがらせ、特に出版差し止めを警戒しつつ、関係者一同、3月から秘密裏に進めてきた企画でもある。

ここではまえがきを公開し、皆様にその概要を把握していただきたいと思う。

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まえがき  フェミニスト、しばき隊、LGBTの裏にあるもの

 

森 奈津子編『人権と利権 「多様性」と排他性』

2022年秋、いわゆる「Colabo問題」が浮上した。元ゲームクリエイターの暇空茜氏が、フェミニスト仁藤夢乃代表の若年被害女性支援団体・Colaboの会計に不明な点があると指摘、住民監査請求を東京都に提出するに至る。それに対し、Colabo側はすぐさま会計関連書類を公開するわけでもなく、暇空氏を名誉毀損で提訴したのだった。しかも、弁護団として七人もの弁護士(角田由紀子、神原元、太田啓子、端野真、堀新、中川卓、永田亮)をそろえ、提訴記者会見にのぞんだ。

ところが、その場で、神原元弁護士が大失言をしてしまう。暇空氏による住民監査請求を「リーガルハラスメント(法的いやがらせ)」と批判してしまったのだった。これは、大いに炎上した。住民監査請求をハラスメントとは何事ぞ、と。弁護士たちからも批判が続出した。

暴力的極左集団などとかっこよく表現されることもあるが、まともな左翼と差別化するための「パヨク」なる呼称のほうがポピュラーなC.R.A.C.(旧レイシストをしばき隊)を中心とする運動体のダークサイド、特に「しばき隊リンチ事件」を追ってきた本書版元・鹿砦社は、もちろん、Colabo問題にも注目していた。ミスター・リーガルハラスメントこと神原弁護士は、初期のしばき隊メンバーでもあり、これまで鹿砦社とは、しばき隊系活動家の代理人弁護士として法廷闘争を繰り広げてきた御仁だ。

しばき隊系の弁護士が、なぜ、Colaboの弁護を?──と、しばき隊ウォッチャーにたずねれば「そういうことだ」とこたえるだろう。すなわち「しばき隊とColaboには、なんらかのつながりがある」と。

バイセクシュアルである私は、以前から、しばき隊とLGBT活動家が共闘している事実を批判してきた。LGBTの運動に「寄生」したしばき隊系活動家は、なにかというと「差別だ! 差別だ!」の大合唱で、集団ネットリンチに及ぶ。その多くは異性愛者であり、知識も乏しく、まともに議論もできない。なのに、それを恥じることもなく、暴言、恫喝を繰り返す。

LGBTのイメージを悪化させている「無能な味方」である彼らを、なぜかLGBT活動家は諌めない。なので、一作家にすぎない私が、そのズブズブの関係を指摘し、大いに批判させていただいている。

ここに、ひとつの山がある。ふもとから続く道は、三本。それぞれ「フェミニスト」「しばき隊」「LGBT活動家」と名づけられた道だ。その三つの異なる「人権の道」をたどると、やがて共通の「利権の頂上」に行き着く。本書を手にとってくださった皆様には、そんな読書体験をお約束したいと思う。

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なお、あとがきのタイトルは「本書を嚆矢とする類書の刊行を望む」だ。マスコミが人権運動に対しては萎縮し、負の部分を批判できないという不健全な状況を、なんとか打破したいという思いを、そのタイトルに込めた。

このテーマが読者に受け、本の売れ行きも好調となったら、今後、他社からも類書が刊行されることだろう。個人的には、パクリ本と言われるような本でも大歓迎だ。そうして、議論が活発になり、人権運動が浄化されることを、心から望む。

▼森 奈津子(もり・なつこ)
作家。1966年東京生。立教大学法学部卒。1990年代よりバイセクシュアルであることを公言し、同性愛をテーマにSFや官能小説、ファンタジー、ホラー等を執筆。
ツイッターアカウント:@MORI_Natsuko

【お断り】本書は本日発売ですが、発売以前から好評で予約が殺到し、すでにAmazonなどのネット書店では品切れ状態(数日内に補充予定)ですので、
①書店店頭でお探しのうえお求めになるか、
②Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0C5GCZM7G/などネット書店に予約入れておいていただくか、
③直接鹿砦社販売部sales@rokusaisha.comにご注文ください。

一部にご不自由をおかけしますが、何卒ご容赦の上、ご購読のほどよろしくお願い申し上げます。

森奈津子編『人権と利権 「多様性」と排他性』
amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0C5GCZM7G/

いわゆる「LGBT理解増進法案」が今国会に上程され審議に入ろうとしています。立場、党派によって求めるものが異なり3種類の法案が提出されました。これに合わせたわけではありませんが、森奈津子=編『人権と利権 「多様性」と排他性』が完成し23日に発売となります。

 

5月23日発売開始 森 奈津子編『人権と利権 「多様性」と排他性』

「LGBT理解増進法案」、これに賛成し推進するのが「左派」「リベラル」で、反対するのが「保守」という構図として、立憲、共産、社民、れいわなど「左派」「リベラル」といわれる政党はなべて賛成・推進派です。どちらかというと「左派」「リベラル」的な考えを持ち、社会運動に関わったりされている、この通信をご覧になっている方々の多くが賛成・推進派かもしれません。しかし、ちょっと待ってください!「性自認至上主義」(トランスジェンダリズム)の危険性など、本当に判った上で賛成し推進しようとしているのか? このかん私なりに調べていく中で疑問が湧いてきました。

◆「LGBT理解増進法案」に疑問

LGBT、これの「理解増進」を促すという法律とは何か? 「性の多様性」「性的マイノリティの人権」「ジェンダー平等」などと、耳触りの良い言葉で語られるものの実態とは何か? 私(たち)は全く理解していませんでした。おそらく国民全体がそうだろうと思います。

なのに、一部の行政(埼玉県、東京都渋谷区、新宿区など)では条例を策定したり先走り、女性専用トイレを廃止し、いわゆる「ジェンダーレストイレ」が導入され、世の女性・子どもの人権、安心・安全が蔑ろにされつつあります。実際に、ちらほらトラブルが報じられています。一例を挙げれば、東京新宿歌舞伎町に4月に鳴り物入りでオープンした「東急歌舞伎町タワー」2Fのトイレ、オープン初日から混乱し、これを避けるため急遽男女2つに分け、遂に改築になるとのことです。やれやれ、大金を使って何をやってんですか。

どの法案が通るかどうかわかりませんが、どれが通っても今後そのようなトラブルは必至です。

トイレについて付言すれば、世の中に女性トイレは元々なく、ずっと共同便所(ジェンダーレストイレとどう違うのか?)で、戦後、ある小学校で女児が強姦・殺人されたことを契機として生まれたという悲しい経緯がありますが、またまた元の共同便所に戻れということでしょうか。さらに女湯も廃止、男女混浴に。更衣室もジェンダーレスに、今後、介護施設、病院、部活などでトラブルが起きることが懸念されます。

「性の多様性」結構、「性的マイノリティの人権」結構、同性婚もいいでしょう。しかし、国民的な議論、周知、合意もなく、一気に共同便所、男女混浴はいかがなものでしょうか。

「それは誤解だ」と仰る方もおられますが、私たちが「誤解」するほど、まだまだまともに議論されていませんし、国民的な合意がなされているとも言えません。いずれにしろ拙速に事を進めるのだけはやめにしていただきたい。

◆Colabo問題に対し“酷税”に苦しむ中小企業経営者として怒り心頭

また、昨年末あたりから「一般社団法人Colabo(コラボ)」という団体の公金の使い道と利権に不正があるということで、これを暇空茜(ひまそらあかね)という元ゲームクリエーターが問題にし、住民監査請求をしました。住民監査請求とは、市民に与えられた権利で、行政に問題や疑問を覚えたらこれを行使することは当然のことで、公金(この原資は税金!)を特定の団体に「補助金」の名でぽんぽん1千万円単位で出す利権構造に問題はないのでしょうか?

これに対し、私たちと長年裁判闘争を繰り広げた神原元弁護士は、暇空氏の請求を不当とし記者会見まで開き「リーガル・ハラスメント」なる言葉で詰り提訴しましたが、なにをかいわんやです。

ところが、おそらくこれで怯むと思っていたのか、暇空氏はネットで支援を訴え7千万円とも8千万円ともいう予想外に巨額のカンパを集め対決姿勢を強め、いまだ一歩も引かず対峙しています。

◆「大学院生リンチ事件」加害者側人脈の者らが絡むことに胡散臭さを感じる

私たちがなぜ、そうしたことに注視していたかというと、これは他の人たちとはいささか異なるところですが、LGBT問題にしろColabo問題にしろ、私たちが2016年以来7年間も血のにじむ想いで被害者支援と真相究明に関わってきた「カウンター大学院性リンチ事件」(別称「しばき隊リンチ事件」)の加害者側人脈(しばき隊、日本共産党含む)が中心になっていることも大きな要因としてあります。リンチ事件で加害者側の弁護を中心になって担った神原元弁護士は、そうした問題でも中心になって動いていますし、リンチに連座し高裁判決で「道義的責任」を判示された李信恵や、彼女の後見人的存在の辛淑玉らも名を連ねています。リンチ事件の加害者側人脈の人たちの動きには、裁判がすべて終わったとはいえ、それなりに注視してきましたが、彼らの言動にはなにか魂胆があり胡散臭いと思っています。

詳しくは文中の「解題」で記述していますが、そうした由々しき問題が罷り通るなら、戦後この国が培ってきた社会規範や常識、倫理、価値観などが崩れかねないという危機感もあり、私たちなりに多少なりとも発言すべくと思い、『人権と利権』の出版企画を立案し、以前にリンチ事件追及第6弾『暴力・暴言型社会運動の終焉』に寄稿いただいた森奈津子さんに編纂していただきました。

ちなみに、森さんは、作家業の傍ら、結婚後すぐにお連れ合いが難病に罹り、この介護、またご本人も乳がんで片方の乳房を切除し再発の懸念の中、口にする人の人格、人間性を疑うような罵詈雑言にも屈せず頑張っておられます。

不思議なことに、「LGBT」「ジェンダー平等」「性の多様性」「性的マイノリティの人権」等々、目新しく耳触りの良い言葉に惑わされ、これを持ち上げる本は少なからずあれど、真っ向から異議を唱えた本はほとんどありませんでした。わずかに芥川賞作家で5年前からLGBT問題に異議を唱え文壇から追放された笙野頼子さんの著作『発禁小説集』(2022年、鳥影社)、『女肉男食――ジェンダーの怖い話』(2023年、同)があるぐらいです。笙野さんは、元々共産党の熱心な支持者でしたが、このことによって離れています。

本書『人権と利権』は、こうした情況に堂々と議論の材料を提供すべき一冊です。

私たちは自分の眼と頭で学び、疑問に感じたことを森さんはじめ5人の方に語っていただきました。反論があれば、まず読んでからにしていただきたい。読みもしないで「差別者」呼ばわりはやめていただきたい。大学院生リンチ事件についての本でも、ケチをつけたり口汚く罵るばかりで、6冊も出してもまともな反論はありませんでした。罵り合いはご法度です。賛否両論、異論反論、甲論乙駁、どんどん出し合い、将来的に益になる前向きな議論を望みたい。私の言っていることは間違っていますか?

『人権と利権』は、いよいよ5月23日発売です。自信を持ってお薦めする一冊です。どうか、今すぐご予約お願いいたします!

(松岡利康)

5月23日発売開始 森奈津子編『人権と利権 「多様性」と排他性』
amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0C5GCZM7G/

昨年LGBT法成立直後に発行された『人権と利権』、本年8月に刊行された、博覧強記、語学堪能、そして医学の知識を駆使し斉藤佳苗医師が一気に書き綴った大部の書『LGBT思想を考える』に続く『LGBT異論』が9月28日発行の運びとなりました。

 

かつてオウムによって殺されようとしつつもカルトと果敢に闘ってきた滝本太郎弁護士、現代フランス文学のレジェンド堀茂樹慶応大学名誉教授、フェミニズム界で孤立しつつも、その腐敗と復活のために闘う千田有紀武蔵大学教授らを中心として多くの方々に執筆、寄稿をいただきました。

内容は多様でぎっしりながら、定価990円(税込み)とお買い求めやすい価格でもあり、ぜひご購読ください。

以下のように緊急事態発生のため、ここでは、本書『LGBT異論』の詳しい内容は省きますが、寄稿者の一人、森奈津子さんは、昨年『人権と利権』を編纂し当社より発行、大きな話題となりました。またここ数年、いわゆる「しばき隊大学院生リンチ事件」について被害者支援、真相究明、加害者糾弾について「別個に進んで共に撃つ」形で共闘してきました。

そして、このたび、9月20日に本書の内容を情報公開した直後、森奈津子さんに対して理不尽な攻撃が勃発したのです。あろうことか森さんが講師を引き受けた、「千葉県人権啓発指導者養成講座」の「女性に関する人権」のテーマの講座に対し、これに不満を持つ徒輩が、森さんを勝手に「差別者」認定し講師を解任するように千葉県に迫ったのです。

特に、本年3月、共同代表による性加害で逮捕者を出した「TransgenderJapan」など、わざわざ要望書を千葉県に持参し直接申し入れています。そんなに森さんの発言に困ることがあるのでしょうか?

くだんの「TransgenderJapan」はみずからの団体の幹部が逮捕されたことをどう反省したのか? それを対外的に真摯に明らかにするのが先決で、それなくして他人の講座にちょっかいを出す資格などありません。

[左]「TransgenderJapan」はわざわざ千葉県庁に要請書を持って申し入れに行っている/[右]「TransgenderJapan」共同代表(当時)逮捕のネット記事

森さんは昨年、LGBT法案の委員会審議で滝本太郎弁護士と共に参考人として呼ばれ発言するほど、当事者としてLGBT問題、女性の人権について発言する知見と資格があります。

出版社としては著者を防衛することは当然であり、この件に対しては断固連携して闘います。

こういうことで、日頃は綺麗ごとばかりを宣う「LGBT法連合会」や、これを支持する政党、立憲、日共、社民、れいわは、どう動くのか? ことは一人の有能な知識人の「言論の自由」を潰しかねない重大な問題なのだ、わかっているのか!?

◆「しばき隊大学院生リンチ事件」の加害者側人脈の蠢動を許すな!

私たちの物事を見る指標に、くだんの「しばき隊リンチ事件」があります。ここで加害者側に立った徒輩(またこれにつながる者)らが森さん攻撃に与していることは決して偶然ではありません。今回の犬笛を吹いたのも、しばき隊のボス野間易通です。

LGBT問題にしろ、今回の問題にしろ、野間易通はじめ、リンチ事件加害者側につながる、いわゆる「しばき隊」(~系)の人物が蠢いているのは偶然でしょうか?

野間易通がリークし、リンチ加害者と昵懇の者が拡散

リンチ事件について私たちは真相究明として6冊もの本を出しました。毎回リンチ直後の凄惨な顔写真を付け、リンチの最中の阿鼻叫喚の音声データを付けたものもあります。このリンチ事件は、将来ある大学院生(当時某国立大学大学院博士課程在学)の人生を狂わせました。被害者はいまだにリンチのPTSDに苦しんでいます。不憫です。

いまだに「リンチはなかった」などと吹聴している者がいますが、まさに「偽造するスターリン学派」(トロツキー)です。

今また、LGBT当事者として長年活動してきた森さんの、ささやかな言論の場さえ奪おうとするLGBT活動家やしばき隊(~系)活動家らによる理不尽な攻撃には、少々の意見や考え方の違いを越え一致して反撃しなくてはなりません。ことは憲法21条「表現の自由」に関わる深刻な問題なのです。

◆しばき隊(~系)活動家やLGBT活動家は「左翼」でも「極左」でもない!

 

森さんへの不当な県知事の発言に抗議する千田有紀教授。「ぽんたCafe」は千田教授のアカウント

ついでながら、森さんには常々申し上げているのですが、しばき隊(~系)活動家やLGBT活動家は「左翼」でも「極左」でもありません。単なるゴロツキ暴力集団にすぎません。昔風に言えば「反革命」「修正主義」ということでしょうか(古い!笑)。

「左翼」「極左」とはまず権力に対して闘うことが基本ですが、彼らが権力と闘っていることなど見たことが在りません。かつては「警察のみなさん、ありがとう」などと中核派や新左翼系ノンセクトグループを暴力的に弾圧する機動隊に「ありがとう」などとエールを送っているのです。こんな「左翼」「極左」はありえません。

学生時代、少なからず「左翼」「極左」の活動に関わった私や滝本太郎弁護士としては、彼らを「左翼」、さらには「極左」などと呼ぶのはおこがましいです。まだ曲りなりに権力と闘っている中核派を「極左」というならわかりますが(ちなみに中核派の杉並区女性議員は区のLGBT条例に反対しました)。

森さんや読者のみなさん、これからは彼らを「ゴロツキ暴力集団」と呼びましょう! 決して「左翼」とか「極左」と呼ばないように!

森さんの問題、今現在、まだ流動的ですが、注視していきましょう! 講座の予定は来週10月2日、この週末から週明けにかけて大きな動きがあるものと予想されます。もし理不尽な処置がなされたならば断固一致して抗議しましょう!

(松岡利康)

【続報!】先にご報告した、森奈津子さん女性の人権講座解任問題ですが、昨日9月26日夕刻、中止が決定、千葉県のHPで公表されました。

※令和6年10月2日(水曜日)に全日警ホールで開催を予定しておりました千葉県人権啓発指導者養成講座 1「被差別部落出身者に関する人権」「女性に関する人権」については諸般の事情により中止となりました。

とのことですが、詳しい説明はありません。「諸般の事情」って何?

また、昨日、滝本弁護士らが千葉県庁を訪れ上申書を提出したとのことですが、一顧だにされず、あっというまの決定でした。

滝本弁護士の側近の方によれば、

知事には会えず、担当部署の人が対応したそうです。(逃げたか?)
画像を送ります。
いつものことといえばいつものことですが、こんな適当な部屋で。
県の担当者からは、その場で中止が確定していると告げられました。
「今回の中止は知事がxで発信する直前の20日頃から、
担当に苦情がたくさん入ったため、安全に出来ないので中止」と、
「安全面の考慮」という逃げの常套句での説明でした。

 

憲法問題にも抵触する問題ですから、本件に対しては断固弾劾しなくてはなりません。

さらに展開あれば継続的にご報告いたします。

※               ※               ※

 

『LGBT異論 キャンセル・カルチャー、トランスジェンダー論争、巨大利権の行方』
女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会=編著 

A5判 164ページ(本文160ページ+カラーグラビア4ページ) 
   定価990円(税込み)  
   紙の爆弾10月号増刊 9月28日発売

【内容】
1: [対談] 堀茂樹×滝本太郎 世界を席捲する新たなカルト=「性自認」思想の現在
2: 千田有紀 フェミニズムの再生を求めて
3: 井上恵子 東京大学三浦俊彦教授の記事に対する東京大学関係教員有志声明の批判──その問題点
4: 杉島幸生 『トランスジェンダーになりたい少女たち』から考える
5: キャロライン・ノーマ オーストラリアにおけるジェンダーイデオロギーから子供たちを救おうとする私の妹の闘い
6: 滝本太郎 LGBT理解増進法について
7: 滝本太郎 前提として知っておきたいこと
8: 滝本太郎 2つの考え方の図
9: 三浦俊彦 LGBT支援のための前提条件
10: 森奈津子 男性器つき女性を誕生させたい政治家たち
11: 滝本太郎 性自認主義の進展──特例法について司法の状況
12: 玉置祐道 女性スペースの管理と法律の現状と問題点
13: 益田早苗 LGBTQ当事者の子育て:子どもの安定した生活と最善の利益を守る
14: 郡司真子 学校で危ない性教育?
15: 滝本太郎 性自認至上主義は、カルト的な思想運動である
16: 斉藤佳苗 『LGBT問題を考える』を出版して

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0DHGBQC8X/
◎楽天 https://books.rakuten.co.jp/rb/18009428/
◎紀伊國屋書店 https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-04-4910027201044
◎ヨドバシ https://www.yodobashi.com/product/100000009003917973/
◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000752

ジャニー喜多川やカウアン君やデヴィ夫人のそれぞれの言動は、それぞれの必然性に基づいて行われたもので、驚嘆するほどの事象ではない。

驚くべきは7月23日に報道された国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会の人たちが、この件に関して調査のために来日し、さらにジャニーズ事務所も「再発防止特別チーム」を結成して真相を究明しようとしているというニュースだ。

 

在りし日のジャニー喜多川

再発防止って「加害者」がとっくに死んでいるのに何で再発防止のチェックが必要なのって聞きたいよね。国連もそんなことに人と時間を費やすなら、原発事故の再発防止のためのチェック機関を作ってほしい。

折しもアメリカではスリーマイル島事故後の初の新規原発がジョージア州で営業運転を開始するという。世界中で権力者のやりたい放題による災厄が多くの人民を苦しめている時に、死んだ人間のセクハラ疑惑なんか追求している場合じゃないだろう。

事故が起こらなくても原発で働く作業員は皆被曝していると、定期的に作業員の健康診断を行っていた医師が言っていた。その医師に対して電力会社の社員は診断の結果を絶対にマスコミには知られないようにと忠告したという。また、退職した作業員が1年後に白血病で死んだという話もよく聞かされたそうであるが、そういう事例のチェックは全く行われなかった。

日本の公的機関がそこまでやるとは期待もしていないが、それをやるのが国連ではないかと思う。

無名の作業員たちの生死にかかわる被害より、未成年のお尻の穴の被害の方が大事だろうかと問いたい。

お尻の穴と言えば、先頃鹿砦社から発行されたムック本。『人権と利権』の中で、少々気になる記述があったので書き添えておきたいと思う。

同書は大変に好評で売り切れ間近と聞いているが、編著者の森奈津子さんというバイ・セクシャルの女性と加賀奈々恵さんという埼玉県富士見市議の都の対談。

その中で森さんの次の発言に、つい首をかしげてしまった。

「松岡さんは、やっぱり女性スペースにトランス女性も入れるべきだとおっしゃっているんですけれど、ああいうゲイの方って、ゲイオンリーのイベント、例えばエッチなショーがあったり、あるいはゲイの方々が出会って性的な行為に及ぶハッテン場など、そういうところに『”体が女性のトランス男性”の皆様もどうぞ入ってきてください』とはおっしゃらないんですよね」

(注・ここに記されている「松岡さん」とは、一般社団法人フェアの代表理事の松岡宗嗣という人のことで、鹿砦社の社長、松岡利康とは関係ありません)

「ゲイは女性の体には興味がないので、いくら心が男性だと言っても体が女性の人が入って来られては困る、ということなんですね」

「一方では、ゲイをハッテン場に体が女性のトランス男性を入れないのに、女性にばかり強制をして、おかしいなと思うんです」

筆者は今は亡き『噂の真相』の岡留安則編集長の紹介で、かつて同性愛者に対する差別反対運動のリーダーとして一世を風靡していた「オカマの東郷健」が発行する『ザ・ゲイ』という雑誌の編集を受けおったことがあり、その関係で全国のゲイバーやハッテン場となった映画館を取材したことがあった。

そこでも目撃したことは、ゲイバーにも女性客が度々訪れるという事実、もちろん体が女性のトランス男性もお見えになっていた。

また、ハッテン場として有名なポルノ映画館では女装した男性が大モテで、の周囲には常に大勢のファンが群がっていた。男装した女性に関しても同様。

また、男性とのカップルで女性客も入れる映画館では自分の彼女を全裸にして性交までする男性もいたが、2人の周囲には男たちがスクリーンに背を向けて羨望の眼差しで男女のプレイを鑑賞し、2人が帰る時には「ありがとね。また来てね」と声をかける御仁にもいた。

つまり、彼等の中には本当は女性の方が好きなのに相手に恵まれず、風俗に行く金もないので仕方なくハッテン場に身を寄せている人も多くいるということである。
こういう人たちがトランス男性やトランス女性の参入を拒むということは考えられない。

女性が単独で入場することは許されない映画館も確かにあるが、それは映画館側が警察の介入を恐れてバリアーをはっているだけのことで、そこにたむろするゲイたちが女性を排除してるわけではない。

ハッテン場に集う人たちを統1された理念と美意識で結ばれた集合体だと思ったら大間違いなのだ。このへんは正確に把握してないと、同好諸氏に足元をすくわれる危険がありますのでご注意下さい。

それにしても純粋なハッテン場とも言えるジャニーズ事務所が、はたしてジュニアたちにとって有害な場所だったのか。歴史の査定を待つ他はないが、今なおジャニーズジュニアに熱い声援を送り続けている女性たちの姿に、どうしても原発再稼働を阻止するだけの民意を表明出来ずに流されてしまう大衆の「嫌なことは忘れる」「醜いことから目を背ける」集団心理が重なって見えるのはどうしたものだろうか。

8月4日の国連メンバーによる記者会見では、原発事故の被害者の方々についてのコメントもあったことを忘れなく。

愚か……という言葉を使いたくはない。1970年に「天皇陛下万歳」と叫んで自決した三島由紀夫の気持ちが判る。それがパロディーであるのなら、幾らでも叫んでいいだろう。ジャニーズよ、永遠なれ、と。

結局それは滅びの美学なのかもしれない。確かに男が皆ゲイになったら、その民族は滅びるしかないのだから。

笑える。

板坂 剛 ジャニーズよ 永遠なれ(全3回)
〈1〉死して尚、放たれる威光
〈2〉「性加害」という表現への疑問
〈3〉真に許されない愚かしさとは

本稿は『季節』2023年秋号掲載(2023年9月11日発売号)掲載の同名記事を本通信用に再編集した全3回の連載記事です。

▼板坂 剛(いたさか・ごう)
作家、舞踊家。1948年福岡県生まれ、山口県育ち。日本大学芸術学部在学中に全共闘運動に参画。鹿砦社より『三島由紀夫と1970年』(2010年、鈴木邦男との共著)、『三島由紀夫と全共闘の時代』(2013年)、『三島由紀夫は、なぜ昭和天皇を殺さなかったのか』(2017年)、『思い出そう! 1968年を!! 山本義隆と秋田明大の今と昔……』(紙の爆弾2018年12月号増刊)等多数。

鹿砦社編集部編『ジャニーズ帝国 60年の興亡』A5判 320ページ 定価1980円(税込み)

【主な内容】
Ⅰ 苦境に立たされるジャニーズ
  2023年はジャニーズ帝国崩壊の歴史的一年となった!
  文春以前(1990年代後半)の鹿砦社のジャニーズ告発出版
  文春vsジャニーズ裁判の記録(当時の記事復刻)
 [資料 国会議事録]国会で論議されたジャニーズの児童虐待

Ⅱ ジャニーズ60年史 その誕生、栄華、そして……
1 ジャニーズ・フォーリーブス時代 1958-1978
2 たのきん・少年隊・光GENJI時代 1979-1992
3 SMAP時代前期 1993-2003
4 SMAP時代後期 2004-2008
5 嵐・SMAPツートップ時代 2009-2014
6 世代交代、そしてジュリー時代へ 2015-2019
7 揺らぎ始めたジャニーズ 2020-2023

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315290/

去る4月21日午後、『人権と利権』編著者で「紙の爆弾」「デジタル鹿砦社通信」寄稿者の作家・森奈津子さんに対して殺害予告がSNSにてなされました。文中では「564」「始末します」「透明にする」など殺害するという意味の隠語を使っていますが、かえって不気味さを感じさせます。殺害予告は同時に滝本太郎弁護士にもなされています。両氏とも所轄の警察に相談しているとのことです。

当社としては、当然ながら著者を守るという観点から、断固弾劾するものです。

一部証拠をアップしておきますが、いくら意見が異なるからといって、こういう恫喝はいかなる理由があっても許せません。

◎殺害予告 https://twitter.com/ys5120230930433

翌22日は、「カウンター大学院生リンチ事件」(別称「しばき隊リンチ事件」)の主たる暴行犯・エル金こと金良平との期日(東京地裁立川支部。今回は非公開の電話会議。森さんと鹿砦社が被告。相手方代理人は神原元弁護士)、翌々日23日は森さんが共闘する「女性スペースを守る会」関係の訴訟(横浜地裁。森さんは支援者として傍聴。本件も相手方弁護士は神原元弁護士)の弁論が予定されていました。どちらの訴訟とも相手方はカウンター・しばき隊界隈の人物です。

これまでの経緯から推察するに殺害予告をしたのはカウンター・しばき隊に近いLGBT関係者(自称「保守オカマ」)と見なされますが、エル金こと金良平のケースもありますので、あえて公にし警鐘を鳴らす意味で皆様方にお知らせしておきます。大学院生リンチ事件では、加害者らの周辺の者たちによってSNSで激しい罵詈雑言が被害者に浴びられましたが、言葉だけでなく実際に物理的暴力が振るわれましたので、これを見てきた私たちとしては多大な危惧を覚え、事前抑制の意味でも皆様方に警鐘を鳴らすものです。

2件の訴訟の代理人を務める神原弁護士は、この事態をどう考えられるのでしょうか? 誰が見てもやってはいけない行為ですので、厳しく叱責していただきたいものです。こんなことをやっていれば、神原弁護士が往々にして嘯く「正義」が泣こうというものです。

まずは訴訟の当事者、また著者を守るべき出版社として満腔の怒りを込めて抗議しておきます。

以上

2024年4月24日 
株式会社鹿砦社 代表 
松岡利康

森奈津子編『人権と利権 「多様性」と排他性』

森奈津子編『人権と利権 「多様性」と排他性』
amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0C5GCZM7G/

◆三里塚で52年ぶりの強制執行

52年ぶりに、三里塚(成田空港周辺)で強制執行があった。来年で開港から45年、空港反対運動が連綿とつづいてきたことに、愕いた人たちも多いことだろう。

反対運動は83年に反対同盟が分裂し、その後も再分裂や部落単位の移転など、反対運動のスタンスも変化した。絶対反対から騒音問題の条件闘争まで、獲得目標も分化している。

とはいえ、80年代に政府が空港建設過程の強引さを一部の反対同盟(熱田派)に謝罪し、「空港建設に強制的な手段は用いない」という和解協議は、反対運動全体の成果として準用されるべきであろう。

日本の国際空港は、国際基準の第一種だけで4つ(羽田・関西・中部・成田)ある。仙台・佐賀・福岡も運営会社は「国際空港」であり、国際路線をもっている空港は18もある。羽田に代わる国際空港(ハブ空港)として期待された成田空港は、旅客数では羽田の半分となってしまっている。

今後も反対運動が止むことはないと思われるが、そうであれば地域との共生や農業活性化と観光旅行を結びつけるなどの、新しい資源活用がもとめられるのではないか。いまも三里塚・芝山の山林と農地は美しい。

生きている三里塚闘争 52年ぶりの強制収用(2023年2月18日)

◆工藤会館跡地を「希望のまち」に

工藤會幹部の裁判方針(控訴審)に変化があった。死刑判決を受けた野村総裁を庇うように、田上会長が自分の判断で犯行を指示した、と教唆犯として罪をかぶろうというものだ。本人たちの言葉を引用して、その方針変更を確認しておこう。

野村被告と田上被告は一審の弁護士を全員解任し、公判方針も変えている。田上被告が「自分が野村に相談することなく、独断で事件の犯行を指示した」と、つまり野村悟の死刑判決を回避するために、罪をかぶることを宣言したのである。

主張を変えた契機は「弁護士から被害者のこと、私の指示で長い懲役に行った(組員の)ことに向き合うことが本当ではないかと言われました。もう本当のことを話そうと思って、決めました」であると述べた(9月27日・控訴審の田上被告人質問)。

そのうえで、「(被害者に)本当に悪かったと思います」と謝罪し、獄死は覚悟していると述べた。

野村被告は「襲撃の指示もしていないし、事前に襲撃する報告も受けていない」と、改めて事件への関与を否定した。

当初、弁護団のなかでも「無罪は確実」とされてきた。共同謀議の具体的な証拠・証言がなく、工藤會の親分子分の絶対的な関係から、推論して指示があったに違いない。あるいは子分が慮る関係が、共同謀議とみなせるというものだった。

一般社会に当てはめると、社員の犯罪はすべて指揮関係にある上長の責任、ひいては社長の責任とする論理の飛躍は明らかなが、それが昨今の暴力団裁判なのである。

田上会長が「獄死は覚悟している」と述べているとおり、この裁判で無罪が得られることはなく、出獄(保釈)も無理であろう。かつて、溝下秀男総裁時代に取材した者として、ある意味で歴史的な判例となるこの裁判を見守っていきたい。

《工藤會レポート》最高幹部裁判の方針変更 工藤会館跡地を「希望のまち」に(2023年10月11日 )

◆鹿砦社の広告(『人権と利権』)の掲載を『週刊金曜日』が拒否

デジタル鹿砦社通信で、筆者が編集長を務めていた『情況』誌の紹介をさせていただいた(謝)。さて、その中で強調したかったのは、広告掲載でした。すなわち、鹿砦社の広告(『人権と利権』)の掲載を『週刊金曜日』が拒否したことについて、掲載拒否が結果として差別につながると指摘しました。その核心部を、すこし長くなりますが、引用しておきます。

『情況』は鹿砦社様の広告を表3(巻末)に定期掲載しています。『週刊金曜日』が当該者(団体)の抗議で、鹿砦社の広告を拒否した契機となった『人権と利権』も掲載しています。当然のことです。ご出稿いただいていることに、あらためて感謝するものです。

明らかに差別や人権侵害を目的とした刊行物でないかぎり、その表現や主張に、結果として差別的な内容・人権侵害的な内容が含まれていたとしても、誌上で批判・反批判をするべきです。そこにこそ、イデオロギー闘争としての「反差別」「人権擁護」が成立すると考えるからです。

したがって、今回の『週刊金曜日』の措置は、ファシストの焚書行為に相当するものと、わたしは考えます。『人権と利権』は運動内部に存在する「利権」を暴き出し、健全な反差別運動の発展をめざす視点から編集されていると、一読してわかるものです。

内容に誤りがあり、あるいは不十分であると考えるならば、批判の論攷を書けば良いのであって、人の眼に触れさせないのは矛盾の隠ぺい、自由な批判を抑圧するものにほかなりません。

反差別運動の基本は、現代社会が資本主義の景気循環において相対的過剰人口を生み出し、そこにレイシズムの歴史的ファクター(差別意識)が結合することで、差別を再生産する社会であること。この基本認識があれば、差別を排除するのではなく俎上にあげて、分析・批判することを通じて、差別意識を変革していくことが求められるのです。

差別は個人・組織が起こすものですが、差別社会にこそ原因があることを忘れるならば、差別者のキャンセル、排除によって変革を放棄し、結果的に差別を温存することになります。すなわち『週刊金曜日』の今回の措置(広告拒否)こそが、差別を温存・助長するものにほかならないのです。

《書評》変革のための総合誌『情況』2023年夏号 新しい論壇誌のスタイルへ 鹿砦社の広告への反応にもご注目(2023年8月30日)
 
◆重信母娘を「テロリスト」と呼んだ駐日イスラエル大使

ウクライナ戦争が継続する中で、またひとつ苛烈な戦争が拡大した。パレスチナ紛争における、イスラエル軍のガザ侵攻である。

イスラエルのギラッド・コーヘン駐日大使が、「報道1930」(TBS)にジャーナリストの重信メイ氏が出演したことを問題視したことについて、パレスチナ紛争を筆者なりに解説した。

重信母娘を「テロリスト」と呼ぶイスラエルの侵略者 ── ウクライナ戦争と比べてみれば、侵略者の傲岸な様相がわかる(2023年10月24日)

ウクライナ戦争と比較してみれば、わかりやすく読み解けるはずだ。イスラエルは軍隊の力で入植地を拡大し、膨大なパレスチナ人が「難民」として郷土から追い出されているのが、パレスチナ紛争の歴史であり実態である。

重信房子は当初はボランティアとして、のちにはPFLPを支援する義勇兵(日本赤軍)としてパレスチナで活動した。これをウクライナに当てはめてみると、ウクライナ軍に参加、あるいは提携しているポーランドやロシア(反プーチン)の義勇兵と同じである、いま、プーチンはこれらの義勇兵たちを「テロリスト」と呼ぶ。イスラエル駐日大使の「テロリスト」呼ばわりは、まさにプーチンと同じなのである。

記事ではあまり問題にしなかったが、「『殺人者やテロリストの一族に発言の場を与えるべきではない』(駐日大使)というのであれば、犯罪者の子供は許さないの(犯罪者差別)と同じである。目下、重信房子の『パレスチナ解放闘争全史』を編集中。

重信房子『はたちの時代』編集後記 ── 読書子への感謝に代えて(2023年8月12日)

◆最後に

ウクライナ戦争もパレスチナ戦争も、いっこうに先行きが見えない。国内では自民党各派閥(とくに安倍派)のパーティー券キックバック問題が浮上してきた。自民党は総裁選を控えて、いっそう混乱することだろうが、再生力のある党でもある。来年も熱い一年になるであろう。みなさま、よいお年を。(完)

◎横山茂彦-2023年を顧みる〈全3回〉
〈1〉ウクライナ戦争の現実に、世界史を目撃する
〈2〉過激なまでに右派シフトしても自民党支持者に不人気だった岸田政権
〈3〉ウクライナ戦争もパレスチナ戦争もこの国も、いっこうに先行きが見えない

▼横山茂彦(よこやま・しげひこ)
編集者・著述業・歴史研究家。歴史関連の著書・共著に『合戦場の女たち』(情況新書)『軍師・官兵衛に学ぶ経営学』(宝島文庫)『闇の後醍醐銭』(叢文社)『真田丸のナゾ』(サイゾー)『日本史の新常識』(文春新書)『天皇125代全史』(スタンダーズ)『世にも奇妙な日本史』(宙出版)など。

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年1月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2023年冬号

ここ1カ月ほど、28年間追及してきたジャニーズ問題(創業者社長ジャニー喜多川による未成年性虐待とジャニーズ事務所の横暴)を〈集大成〉する書籍(『ジャニーズ帝国60年の興亡』)の編集に追われました。ようやく校了し今月20日頃の発売となります。ジャニーズ問題に対する四半世紀余りの言論活動の〈集大成〉としてA5判・320ページの大著となりました。資料も満載し今後に残るような豊富な内容で、堂々とした本に仕上がる見込みです。28年間も継続して追及してきた私たちにしかできない仕事だと思い、総力で取り組みました。すでにアマゾンなどで予約募集していますので、ぜひ予約申し込みをお願いいたします。

そういうこともあって、『週刊金曜日』鹿砦社排除問題についての追及のほうが休止してしまいました。この問題、少なからずの方々が注視されてきましたが、休止してしまったことをお詫びいたします。決して水面下で裏取引していたわけではありませんよ(笑)。

8月28日にColabo仁藤夢乃代表と『金曜日』植村隆社長宛てに9月5日を締め切りとして書面(質問書)を送りました。

ところが両氏からの返信はありません。仁藤代表、植村社長には森奈津子、黒薮哲哉両氏からも質問書が送られました。植村社長からは(内容はともかく)返信があったとのことですが、仁藤代表からはないそうです。

どうやら仁藤代表は嵐の過ぎ去るのをひたすら待ち、無視に徹し逃げ切ろうとしているのかと推察されます。いつも元気な仁藤代表のようにがんがん反撃していただきたいものです。

問題となった『週刊金曜日』6月16日号鹿砦社広告

 

問題の書『人権と利権』

◆Colabo仁藤夢乃代表への質問事項

私から仁藤代表には6項目の質問を記しました。

1. くだんの『人権と利権』の表紙が「こんなふうにバスを切り刻まれ、ぐちゃぐちゃにされたこと、本当に傷つきました。」とのツイートが全く事実に反するので、「明確な訂正や謝罪、態度表明」を求める。

2. 仁藤代表のツイート後、本件書籍『人権と利権』で森さんと対談を行った埼玉県富士見市加賀ななえ議員に対して仁藤代表と昵懇の太田啓子弁護士、影書房編集者はじめColabo支持者らから激しいネットリンチがなされたが、これに対し「やめるよう忠告したりされた」かどうか。

3. 本件書籍でColaboについて加賀議員は一言も触れておらず、言及しているのは須田慎一郎氏なのに、須田氏に一切触れていなのはなぜか?

4.「Colaboと仁藤夢乃さんを支える会」に当初から大学院生リンチ事件の加害者・李信恵らが名を連ねていることをどう考えているのか?

5. 公開討論を要請するので、植村社長と一緒に出席することを希望するが応じていただけるか?

6. 私に先立って森奈津子、黒薮哲哉両氏からの質問書に対して「誠意あるご回答」を送ることを希望するが、回答しないのはなぜか?

ご覧の上記6点、私は決して無茶なことを求めているわけではないことはご理解いただけるでしょう。

[左]『週刊金曜日』6月30日号に掲載された「おわび」。[右]『金曜日』を屈服させたことを喜々として表明する仁藤夢乃代表のツイート(2023年6月27日付)

◆『金曜日』植村社長への書簡

一方、植村社長とはたびたびやり取りしてきましたが、今回は、大学院生リンチ事件(いわゆる「しばき隊リンチ事件」)の李信恵ら加害者側代理人・神原元弁護士が、植村社長の「慰安婦訴訟」の代理人に就いていたり(両件とも中心的に活動)、本件鹿砦社排除問題の「伏流」に、このリンチ事件があるので、これについて、「『人権』を尊重されるのであれば、ぜひ資料を一瞥され、一人の生身の人間として誠意を持って答えられることを熱望いたします。」と記載し、あらためて大学院生リンチ事件についてのコメントを求めました。植村社長には先にリンチ関連書6冊を送り、今回もこれらの本のあとに発行された未収録の資料の中でも特に重要なものを同封させていただいております。

加えて、仁藤代表と一緒に公開討論を要請し、ぜひ出席されることを求めました。

ちなみに、くだんの『金曜日』掲載の広告代金、請求はしないということでしたが、チャラにしてもらう道理もないので振り込んだところ、現金書留にて返金してきました。人を見下したような不快感を覚えましたので、開封せず、そっくりそのまま返送しました。その後、音沙汰ありません。

同誌7月7日号掲載の敗北宣言と鹿砦社への宣戦布告

さらに追い打ちをかけた同誌8月4日号掲載の鹿砦社絶縁宣言

◆『週刊金曜日』や、植村社長の出身母体『朝日新聞』(と、この系列雑誌)はジャニーズ問題をどう報じたのか?

『人権と利権』を一部(1ページの4分の1)掲載した『週刊金曜日』の広告掲載に対するColaboと仁藤夢乃代表への謝罪に端を発した鹿砦社広告排除と鹿砦社との絶縁問題は、すでに『金曜日』のみならず『紙の爆弾』など鹿砦社出版物における共通した読者の方々にも波紋を広げ、『金曜日』の定期購読をやめた(あるいは定期購読が切れても更新しない)という方が複数知らせてくださいました。

 

植村社長の出身母体『朝日新聞』系列の『週刊朝日』(2019年7月26日号)の表紙。ジャニー喜多川死後に「追悼ジャニーさんありがとう」などと失笑ものの特集を組んでいた

いわゆる「左派メディア」といわれる『金曜日』が、本来なら〈言論・出版の自由〉や〈タブーなき言論〉を先頭になって死守すべき立場にあるにもかかわらず、そうではなかったことが自己暴露されました。

この問題は、冒頭に記した昨今のジャニーズ問題を引き合いに出して言えば、ひとり『金曜日』のみならず、植村社長の出身母体『朝日新聞』(やこの系列の雑誌など)が、長年にわたり(『週刊文春』が告発し勝訴してから20年以上も)ジャニーズ問題を黙過・黙認、放置、隠蔽し、それどころかジャニーズ事務所に忖度しつつジャニーズタレントを積極的に起用したりして来ながら(今はなき『週刊朝日』はジャニー喜多川死後に「追悼ジャニーさんありがとう」などと失笑ものの特集を組んでいます)、海外メディアのドキュメントによって、今頃になってあたふたするという喜悲劇を演じていることにも通じていると思います。朝日時代、社会部記者だった植村社長はジャニーズ問題をどう認識し、どう対応されたのでしょうか?

『金曜日』は創刊30年などとはしゃいでいますが、同誌は30年間に、一般的な性加害問題はたびたび採り上げても、ジャニー喜多川による未成年性虐待をどれほど告発したでしょうか? 20年前に『週刊文春』が告発し激しい裁判闘争で実質勝訴し、未成年性虐待という性犯罪の実態が暴露された時に、『金曜日』がどう対応したか、ぜひご教示いただきたいものです。

さらに、このかんジャニーズ問題が騒がれる中、Colaboと仁藤夢乃代表に近い者らによって、いわば傀儡組織「PENLIGHT ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会」が作られ、「当事者の会」にも近づき入れ知恵をしたりしているといった情報も入ってきています。これまでジャニーズ問題に関わったこともない者が、あたかも「ジャニーズ・ファン」を装い、政治主義的にジャニーズ問題に介入し、あわよくば今後予想される賠償金などの利権やこれに関する第三者機関にありつこうとしているように思われます。これは断じて排斥しないといけません。

手前味噌ながら、私たち鹿砦社は文春よりも5年も早くこの問題に取り組み3度の出版差し止めにも屈せず、文春の告発が始まるまでに15冊の告発系、スキャンダル系の書籍を刊行し、かつその後も大手パチスロメーカーを告発し「名誉毀損」に名を借りて私が逮捕されたり会社が壊滅的打撃を受けたりしました。『金曜日』にはこういうことがあったでしょうか?(この裁判の経過を終結するまで故・山口正紀さんは『金曜日』にレポートされたことが懐かしく想起されます。山口さんらのこのコラムはその後なぜか打ち切られました)

さらにその後、7年間も大学院生リンチ事件(しばき隊リンチ事件)の被害者支援、真相究明に全力で取り組み、多大の返り血を浴びました。しかし私(たち)はこのことで俗に「知識人」とか「ジャーナリスト」といわれる人らに対する判断の基軸のようなものを体得することができました。

『金曜日』には、こうした経験が果たしてあったでしょうか? 安全圏から高見の見物、みずから血を流すことなく、取って付けたようなコメント、きれいな言論でお茶を濁してきたのではなかったでしょうか?

私(たち)から喧嘩を売ることはありませんが、売られた喧嘩は買うしかありません。喧嘩を売っておきながら無視や逃亡は許しません!

株式会社 鹿砦社 代表
松岡利康

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