これぞリアル「紙の爆弾」!──『ヘイトと暴力の連鎖』明日発売!


「臥薪嘗胆、捲土重来」。もし帯があればそんな言葉を散りばめたくなる『ヘイトと暴力の連鎖』がいよいよ明日14日発売になる。これまで詳細な内容は明かさなかったがもう出版差し止め懸念はないので、今日は本サイトをご覧頂いている方々に限り、特別に内容を公開しよう。くれぐれもご友人やご家族、ましてやしばき隊と思しき人々には口外しないで頂きたい(嘘です! 拡散してください!)。

その理由は『ヘイトと暴力の連鎖』が日本においてここ数年発刊された書物の中で最も「過激」な内容だからである。何が「過激」なのか。それは起こった事件に遠慮容赦なく迫り、事件に関わった、あるいは加担や隠蔽した人物の実名を挙げて渾身の糾弾を行っているからである。

覚悟せよ! リンチ事件の加害者ども。そして一市民の職場や自宅をあろうことか「選挙カー」で襲撃した不逞の輩。更には綺麗ごとを並べ「差別」を生業にして来た薄汚れた知識人やジャーナリスト、国会議員連中よ。

◆「こじらせ左翼」と揶揄された鹿砦社松岡代表による「SEALDs奥田愛基君への手紙」

鹿砦社は偽善と欺瞞を何よりも嫌悪する。似非は許さない。よって言論戦においての流血を排除しない。もっとも『ヘイトと暴力の連鎖』発売に先立つこと5月頃にしばき隊の大学生部門ことSEALDsの奥田愛基からは『SEALDsの真実』(田中宏和著)の発売を前に自身のツイッターで「出版社みても、こじらせ左翼の内ゲバって感じがする」、「安倍政権よりも、SEALDsが気になって仕方がないのは一種の『病』なんだと思う」とご丁寧な挨拶を頂いている。

さすが「国民的アイドル」奥田君だ。自信満々。向かう所敵なし!と思っているのだろう。しかし奥田君のこの不用意な書き込みが、鹿砦社の覚醒不充分な闘志に着火する役割を果たしてしまった。もう遅いぞ。取り消そうとしても無駄だ。帝国ホテルで食事を奢ってもらった(そんなことに本気でこだわっている訳ではないけど)相手を「こじらせ左翼の内ゲバ」だと? お前達改憲派学生集団から頂く言葉としては上等だから有難く受け取っておこう。しかし「内ゲバ」? 誰とゲバルトを交わすのだ? まさかSEALDsと? オイオイ鹿砦社は大人だよ。選挙権があっても頭の中身は、「ん」?なSEALDs諸君などは、御免だけど相手じゃないんだよ。わかる? 奥田君?

この行きがかり上、『ヘイトと暴力の連鎖』はかつて奥田君にインタビューしたことがある鹿砦社社長松岡利康による「奥田愛基君への手紙」から幕を開ける。「こじらせ左翼」と罵倒されても、若い者には優しい(それが時として裏切られる原因となる)松岡は奥田君に丁寧に呼びかける。この品の好さは一体何に由来するのだろう。若人とはいえ自分にうしろ足で砂をかけた人間への「手紙」はお人好しのなせる技か。

◆笑いのラディカル──揺るぎなき「ろくでなし子イズム」

ろくでなし子さん

「手紙」に続くのは不当逮捕を2度も食らった芸術家「ろくでなし子」さんへのインタビューだ。ツイッター上では不動の地位を確立している「ろくでなし子イズム」とも言うべき、揺らぎ無き価値観。警察に弾圧されようと、しばき隊にネットリンチされよと、炎上しようと、この人にかかれば全てとして「笑い」に回収されてしまう。本気で怒っている人間にとって笑われるほど腹の立つことはない。それが最大の武器だと知っている彼女のインタビューは、品性と独自の価値観のせめぎ合いで読者がヒヤヒヤすることは必至だ。

◆爆弾対談! 高島章弁護士×「世に倦む日日」田中さんが解き明かす「しばき隊の病理」

高島章弁護士

そして、ネット上で「反しばき隊」のフロント部隊として闘ってきた高島章弁護士と田中宏和さん(ブログ「世に倦む日日」主宰)の夢の対談が実現した。勿論初の顔合わせのお二人。一切遠慮妥協なし。しばき隊どもを斬りまくる。中性脂肪が溜まりすぎたようなマスコミ報道にうんざりしている読者諸氏は、この対談を目にして溜飲を下げ過ぎ、血圧が下がり過ぎないようにご注意を。

「世に倦む日日」田中宏和さん

このかん反原連による一方的絶縁通告から、相次ぐ非礼を投げかけられた鹿砦社が与り知らぬところで発生していた、所謂「十三ベース事件」と呼ばれたしばき隊による「集団リンチ」事件の情報に接し、鹿砦社の疑念は確信へと変わる。その本質を松岡が綴る。題して「社会運動の中の獅子の中の虫 反原連―SEALDs-しばき隊-カウンター」これらの団体や運動が一体のものであることを解き明かし、彼らが決して「リベラル」でも「左翼」でもなく、純然たる反革命=「黒百人組」であると論破する。

◆紙媒体では初! しばき隊による「集団リンチ事件」の全容を報告!

そして噂の「十三ベース事件」ことしばき隊による「集団リンチ事件」の全容が遂に明らかになる。ネット上で様々な情報が散逸しているが、紙媒体で事件の全容が明かされるのはこれが初めてだ。壮絶極まるリンチの様子と被害者の事件直後の写真を含め膨大な資料と取材報告。被害者の協力により実現した、悪質極まりない「リンチ事件」及びその後も続く、にわかには信じがたい、更なる加害者達の被害者への攻撃などは、目を背けたくなるほど凄惨な内容だ。しかし問題は、このような重大事件が何故報道されなかったのかである。それについての考察も本書には散りばめられている。

しかし、これで全てではない。まだまだ衝撃的な内容が詰め込まれている『ヘイトと暴力の連鎖』は明日発売だ。明日は、本書に詰め込まれた更なる衝撃の内容をご紹介する。

キーワードは「合田夏樹さん」だ。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

ヘイトと暴力の連鎖 反原連‐SEALDs‐しばき隊‐カウンター

鹿砦社特別取材班=編著
A5判/104ページ ブックレット 紙の爆弾2016年7月号増刊
定価540円(税込) 7月14日発売!

国会議員、著名作家、ジャーナリスト、学者らを巻き込んで
隠蔽された集団リンチ事件の知られざる真相を追及!
リベラル左翼勢力がもてはやす反原連‐SEALDs‐しばき隊‐カウンターの
恐るべき実態を明らかにする!

【主な内容】
1 SEALDs奥田愛基君への手紙
[インタビュー]ろくでなし子(美術家・漫画家)
  「逮捕」も「ぱよちん騒動」も笑いで吹き飛ばせ!
[対談]高島章(弁護士)×田中宏和(ツイッター&ブログ「世に倦む日日」主宰)
しばき隊・SEALDs現象の病巣を斬る!
4 社会運動の中の獅子身中の虫 反原連‐SEALDs‐しばき隊‐カウンター
5 反差別運動内で発生した深刻なリンチ事件の真相はこれだ!
6 急展開した「しばき隊リンチ事件」の真相究明
7 有田芳生参院議員の宣伝カーに乗ったしばき隊員に襲撃された市民
[特別寄稿]合田夏樹(愛媛県四国中央市在住 自称しばき隊研究家)
  いわゆる「十三ベース事件」との関わり
8 有田芳生参院議員の「集団リンチ事件」隠蔽関与の疑惑

7月14日衝撃緊急出版!『ヘイトと暴力の連鎖』(『紙の爆弾』増刊)

 7月14日衝撃緊急出版!『紙の爆弾』増刊『ヘイトと暴力の連鎖』!
 「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』
 タブーなきスキャンダル・マガジン『紙の爆弾』8月号!

しばき隊をめぐる事件報道は、なぜタブーとされてきたのか?


内実を明かすと、『ヘイトと暴力の連鎖』は当初7月6日に発売予定であった。しかしながら公職選挙法との関係で発売を延期せざるを得なかった。何故か。民進党、有田芳生議員が選挙公示前に宣伝車である通称「有田丸」で全国を回っていた時に、愛媛県在住の合田夏樹さんの職場と自宅を訪れ、その写真をネットに掲載するという事件が起きていたからだ。「有田丸」に乗車していたのはしばき隊の人間だった。『ヘイトと暴力の連鎖』にはこの事件の詳細な内容も報告、並びに合田さんから寄せられた文章も掲載している。

◆しばき隊顧問弁護士と有田芳生参議院議員の存在

発生した事実を発表するだけのことなので、『ヘイトと暴力の連鎖』を発売することは公職選挙法に抵触はしないだろう。しかし、最近しばき隊の顧問弁護士とも言われる人物は立て続けに、市民相手に恐喝まがいの請求や、提訴を繰り返している。明らかに懲戒相当の行為と思われる訴権の濫用(複数の弁護士談)行為の連続だ。一般人が行えば、一発で「脅迫罪」成立、検挙されるだろうに、やはり弁護士という肩書は侮りがたい力を持つ。

そんな弁護士を抱えるしばき隊、及び有田芳生参議院議員の選挙期間中に『ヘイトと暴力の連鎖』を発売すれば、内容が事実であっても、くだんの弁護士がどのような挙に出ただろうか。下手をすれば刑事事件として告訴される可能性も懸念された。昨今の当該弁護士の暴走振りを見るにつけ、その懸念は必ずしも的外れではなかったと思われる。そこで苦渋の選択ながら発売日を選挙後にずらすこととなったわけだ。

◆何故かしらタブーとされてきたしばき隊の問題点

しばき隊は次第にその本質を表出させるようになってきている。「リンチ事件」のような明らかな犯罪は必死に隠蔽を画策し、不幸なことにそれはある程度成功を収めてきた。『ヘイトと暴力の連鎖』以前にしばき隊問題をまとめて世に問う書物は『SEALDsの真実』を除けば皆無に等しかった。そこには数々の著名知識人、またマスメディアの関与(あるいは意識的な無視)があった。

何故かしら、タブーとされてきた、しばき隊の問題点指摘と、マスメディアの沈黙。しかしながらここに至りしばき隊の違法行為が多数発覚し、勇気を持ってそれに対抗する人が立ち上がり始めた。しばき隊はすでに「あがき隊」へと変質の途上にある。彼らは役に立たない人間を平気で切り捨てる。また、仲間内での異論は徹底して排除される。その姿はカルト集団そのものだ。

しかし、しばき隊を持ち上げる著名知識人、ジャーナリストの罪も限りなく深い。『ヘイトと暴力の連鎖』の中ではしばき隊に与する知識人、ジャーナリストらの本名が多数明かされている。乞う!ご注目! 一見良心派を装ったこれらの人びとの責任も私たちは徹底して追及してゆこうと考える。鹿砦社は岩波書店ではないので、鹿砦社と過去関係があった、あるいは著作を出している人物にでも、当然疑問を投げかける。それが出版社の主体性であり、社会的責任だと考える。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

ヘイトと暴力の連鎖 反原連‐SEALDs‐しばき隊‐カウンター

鹿砦社特別取材班=編著
A5判/104ページ ブックレット 紙の爆弾2016年7月号増刊  定価540円(税込) 7月14日発売!

国会議員、著名作家、ジャーナリスト、学者らを巻き込んで
隠蔽された集団リンチ事件の知られざる真相を追及!
リベラル左翼勢力がもてはやす反原連‐SEALDs‐しばき隊‐カウンターの
恐るべき実態を明らかにする!

【主な内容】
1 SEALDs奥田愛基君への手紙
[インタビュー]ろくでなし子(美術家・漫画家)
  「逮捕」も「ぱよちん騒動」も笑いで吹き飛ばせ!
[対談]高島章(弁護士)×田中宏和(ツイッター&ブログ「世に倦む日日」主宰)
しばき隊・SEALDs現象の病巣を斬る!
4 社会運動の中の獅子身中の虫 反原連‐SEALDs‐しばき隊‐カウンター
5 反差別運動内で発生した深刻なリンチ事件の真相はこれだ!
6 急展開した「しばき隊リンチ事件」の真相究明
7 有田芳生参院議員の宣伝カーに乗ったしばき隊員に襲撃された市民
[特別寄稿]合田夏樹(愛媛県四国中央市在住 自称しばき隊研究家)
いわゆる「十三ベース事件」との関わり
8 有田芳生参院議員の「集団リンチ事件」隠蔽関与の疑惑

7月14日衝撃緊急出版!『ヘイトと暴力の連鎖』(『紙の爆弾』増刊)

7月14日衝撃緊急出版!『紙の爆弾』増刊『ヘイトと暴力の連鎖』!
タブーなきスキャンダル・マガジン『紙の爆弾』8月号!
「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』

反原連、SEALDs、しばき隊を撃つ紙爆増刊『ヘイトと暴力の連鎖』7月14日刊行!


報道は参議院選挙の結果一色だ。開票日翌日だから恒例に従えばこのような扱いになるのがいわば「お約束」であろう。しかし、特段驚くような結果だっただろうか。SEALDs如きに選挙運動を頼れば、負けるのは必定。そんなことも解らなかった選挙結果に私は全く興味がない。むしろこの「お約束」の喧しさが、どこか嘘くさく感じられる。

その「お約束」や「お決まり」報道の真逆を行く、予定調和一切なしの告発本が7月14日に発売となる。『ヘイトと暴力の連鎖』だ。書名からだけでは抽象的な内容しか思い描くことが出来ないかもしれないが、内容は最大級の衝撃に満ちている。鹿砦社が放ってきた過去の告発本の中でも有数の破壊力だろう。

◆インタビューはろくでなし子さん! 対談は高島章弁護士×『世に倦む日日』田中宏和さん!

書籍の広告は限られたスペースの中で可能な限りのインパクトと情報を詰め込むのが定石だ。だが本書に限っては「意図的に」広告を書名とインタビューに登場頂いたろくでなし子さんと、対談をご快諾頂けた高島章弁護士とブログ『世に倦む日日』を主宰する田中宏和さんのお名前と漠然とした紹介文を示すに留めた。それには理由がある。

インタビュー、対談の踏み込み振りも充分に鮮烈であるが、『ヘイトと暴力の連鎖』では、しばき隊が手を染めた集団リンチ事件、ネット上では「十三ベース事件」と呼ばれていた事件の詳細に深く踏み込んだ。その全容を明らかにするとともに、被害者を襲った「集団リンチ」がいかに凄惨なものであったか、あるいは事件後加害者達が被害者を更に痛めつけて行く過程を余すところなく取材し紹介している。被害者の全面協力を得て初めて社会に出るしばき隊による「集団リンチ事件」の全貌を前に読者は言葉を失うかもしれない。

◆「リンチ事件」闇のディテールをついに公開!

『ヘイトと暴力の連鎖』に掲載されているインタビューや対談、事件の報告や論考は、衝撃的な内容であっても、事実を基に構成されたものばかりだ。しかし内容が「事実の解明」であろうと、その詳細が事前にしばき隊やその顧問弁護士に明らかになっていれば、ほぼ確実に「出版差し止め仮処分」をかけてきただろう(過去に他の出版社で同様の事例がある)。よって広告でも発売直前まで詳細を紹介することを控えざるを得なかった。しばき隊にとっては壊滅的な痛撃となる事実の積み重ね。彼らの正体暴露だけに鹿砦社も慎重に準備を進めたわけだ。

『ヘイトと暴力の連鎖』は『SEALDsの真実』(田中宏和著)が理論的に彼らの問題点を分析しているのに対して、しばき隊が行っている蛮行の実態を暴露し、彼らの悪質性を全面的に糾合するものだ。しばき隊には様々な業界の人間が加担している。頓珍漢な西本願寺系の僧侶がわけも解らずに不用意な発言を行い、高島弁護士に撃退されるという笑い話もあったように、彼らは構成員の名簿を厳密に保管しているような団体ではなく、主としてSNSなどを駆使して影響力を保ってきた。

ネット上では膨大な虚々実々の情報や噂が流布されているしばき隊に関わる事件と問題の数々。その核心部分を『ヘイトと暴力の連鎖』は紹介・分析・解明する。「リンチ事件」の詳細は読者が初めて目にする事実の連続だろう。目を覆いたくなる証拠もあるが、正視していただきたい。

◆しばき隊NO.1、野間易通を提訴したM君が7月12日に重大発表!

ところでリンチ被害者のM君は、5月24日大阪地裁にしばき隊のNO.1、野間易通を名誉棄損・プライバシー侵害の損害賠償を求め提訴した。野間はM君をリンチ事件後に誹謗中傷を続け、なんとM君の本名や所属大学名までを自身のツイッターで公表するなど、悪質極まりない行為を続けた。

第一回の弁論は7月6日大阪地裁で開かれ、初回にもかかわらず20名以上の傍聴者が集まりこの事件への社会的関心の高さが伺われた。次回期日は9月23日(金)大阪地裁809号法廷で午前10時15分からだ。

そのM君が明日7月12日午前8時30分に極めて重大な発表を行うという情報を得た。M君は「主水」の名前でツイッター(https://twitter.com/VENOMIST666)を利用している。発表はそこで行われる。是非ご注目頂きたい。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

7月14日衝撃緊急出版!『ヘイトと暴力の連鎖』(『紙の爆弾』増刊)

7月14日衝撃緊急出版!『紙の爆弾』増刊『ヘイトと暴力の連鎖』!
タブーなきスキャンダル・マガジン『紙の爆弾』8月号!
「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』

関西大で鹿砦社松岡利康社長が「出版と人権─出版社が守るもの」を語る

関西大学で共通教養科目の中のチャレンジ科目として開講されている『人間の尊厳のために』の講師として20日に続き、27日松岡社長が教壇に立った。「出版と人権─出版社が守るもの─」の演題で、150人の学生に向かって松岡節が再び披露された。

◆「被逮捕者、勾留経験者」がその実態を学生に語る講義

 

この日は2005年7月12日、神戸地検特別刑事部に松岡社長自身が名誉棄損容疑で逮捕された事件を中心に、「被逮捕者、勾留経験者」がその実態を学生に語るという、大学の講義には珍しく、かつ刺激的な内容となった。

逮捕当日の新聞記事をはじめ、事件の推移を伝える参考資料など、2部、計13枚の資料が学生に配布され、「逮捕されたら全裸にされ尻の穴や性器まで調べられる」こと、「手錠、腰縄でつながれて公の裁判の場に出される」こと、被疑事実を認めない限り保釈されず、接見禁止も長期にわたる「人質司法」が日本では現存していること、などの問題点がレジュメに沿って紹介された。

 

松岡氏はその出版活動歴や、この日話題とされた「事件」の印象から、大柄で押し出しが強く、がらっぱち口調で話をする人物、とのイメージを抱いている方が多い(私も実際に会うまではそのように想像していた)が、小柄で常に背広にネクタイを締め、語り口は普段の会話でも時に聞き取りにくいことがあるほど、どちらかと言えば小さな声で話しをする(激高して熊本弁交じりの怒声を上げた姿を一度だけ目撃したことはあるが)。この人が学生時代に大学の学舎屋上に籠城し、強烈なアジテーションを飛ばしていた姿を想起することは容易ではない(一度は聞いてみたいものである)。

教壇上から学生に語り掛ける口調も、普段のそれと変わりなく、極めて熾烈な内容と体験談を、声を荒げることもなく淡々と語っていた。だからであろうか、テーマの深刻さの割に学生たちの反応に特に強い緊張は感じなかった。

だが事件を紹介した「サンテレビ」のニュース番組のビデオが流されると、教室の雰囲気は一変した。やはり「テレビ」の持つ訴求力は強力だ。今、目前で講義をしている人が11年前には「犯人」とされていた事実が、初めてどのような意味を持つか学生たちに伝わったようだった。

そこから演繹的に松岡社長がその日語った内容、及び20日に語った内容への理解へと繋がっていったのではないだろうか。

◆次週からのグループ討論用資料のためにと「松岡流」のサプライズ

さらにこの日松岡社長による思いがけない計らいがあった。20日の講義で紹介したプリズンコンサートで有名な「Paix2」(ぺぺ)の『逢えたらいいな』、『島唄よ、風になれ!「琉球の風」と東濱弘憲』、さらにこの日の講義のテーマでもあり、名誉棄損逮捕につながった『アルゼ王国はスキャンダルの総合商社』各50冊を「学生の皆さんにプレゼントします!」と言い放ったのだ。

『逢えたらいいな プリズン・コンサート三〇〇回達成への道のり』
『島唄よ、風になれ! 「琉球の風」と東濱弘憲』
『アルゼ王国はスキャンダルの総合商社』
 

大学での講義でまさか書籍をプレゼントされるとは、不意打ちもいいところだ。少々眠そうにしていた学生も、全員が一瞬「え!」という驚きで教壇上の松岡社長に強い注意が向かった。

太っ腹故の大盤振る舞いと言ってしまえばそうだが、このプレゼントには松岡社長なりの配慮もあったようだ。次週にはグループ討論が行われる。その時にあらかじめグループの全員がプレゼントされた書籍を読み終えておき、討論の内容をより深いものとして欲しい。その為ならば1500円(偶然だが3冊とも定価は同じだった)の自社出版物くらいタダで提供しましょうと。これまた「松岡流」の規格外サプライズだ。

30あるグループが相談の上、どの書籍を受け取りたいかを決めて、その意向が集約された。最初は「Paix2」(ぺぺ)の『逢えたらいいな』が準備した部数以上の人気を集めたため、再調整の結果ほぼ均等に配分され、受講学生はこの日いずれかの書籍を手に教室をあとにすることになった。

次週はグループ討論、再来週は全体討論と続くこの講義、まだまだ「松岡流」のサプライズ、隠し玉があるのかもしれない。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

『NO NUKES voice』08号【特集】分断される福島──権利のための闘争
5月27日発売!「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』

「世に倦む日日」『SEALDsの真実』で問われている学者・文化人の言説と態度

「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』

高橋源一郎、山口二郎、小林節、小熊英二、内田樹、上野千鶴子をはじめとする「シールズ」応援団の現・元大学教員に聞きたい。
あなたたちは人生の中で、とりわけ学究活動に身を置くようになり、何を学び何を経験し、何を学生に教壇から講義してきたのかと。

「シールズ」は20世紀の最終盤に産れた世代の学生が構成していた。だから彼らには60年安保、70年安保の実体験は当然ない。私自身だって60年安保、70年安保を自身の体験として経験している訳ではない。経験はないが書物や各種の情報、そして何よりも私自身がそれらを、決して軽視できない問題だと感じたから、断片的ながら調べることはしたし、私が生まれるより前に惨殺された、樺美智子の名前は、小林多喜二同様、頭から離れることがない。

数十万人の激しいデモに身を置いた経験もなければ、国会周辺を取り巻く「怒り」の一員になった経験もない。だけれども「どのようなことが起こったのか」、「人々の怒りはどう現されたのか」についての私の想像は、それほど的外れなものではないように思う。

ひるがえって、昨年の「戦争推進法案審議」の際に国会周辺で繰り広げられた「シールズ」による行動には、当初から極めて強い違和感があった。「本当に止める」と書かれたプラカードの文字は真逆の意味にしか受け取れなかったし、「とりま廃案」の「とりま」の意味は知り合いの若者に聞くまで解らなかった。シャボン玉よりも軽そうな、そしてシャボン玉ほどの瞬時の輝きすら持たないこれらの言葉は、本来自然に高まっていく「怒り」に穴をあけて、茶番劇が茶番劇を認める役割だけを果たした。

「シールズ」も大学生なのだから、言論については批判や責めを負う責任はあろうが、もっと指弾されるべきは、彼らの「無知」振りに「違う、そうではない」と豊かな経験と知識から諌めるべき学者や、教員があろうことかもろ手を挙げて、あの空疎な乱痴気騒ぎを称賛したことだ。全共闘運動の何たるか、何であったかを賛否はともかく経験しているであろうはずの、高橋、山口、小林、上野らが吐いた「ことば」がどれほど軽率なものであったことか。

しかし、よくよくこの面々の名前を見直すと実は共通項がある。彼らはいつの時代も根源的な正義ではなく、その時代に受け入れられやすいトピックに必ずと言ってよいほど顔を出す連中だ。上野は京大時代には学生運動の中でも相当に過激な運動を牽引する指導的学生と近しい関係にあったと聞いている。その経験と昨年のシャボン玉ほどの重さもない空疎なイベントを自身の中で学者として真摯に比較し、無知の過ぎる学生たちに彼女自身の経験(それが成功にせよ苦い経験にせよ)を何故語らなかったのだ。本気であのイベントが「新しい運動」だと考えていたのか。そうではあるまい。彼女の打算高さを考えれば別の計算が働いていたはずだ。

山口二郎は法政大学の教員として、なぜ足もとの法大キャンパスで起こっている、異常事態を問題にしないのだ。「ついに国民の怒りが爆発しましたね」などと、的外れなコメントする前に、学内でビラ配りも出来ない、立て看板も立てられない、公安警察が常駐する異常事態を何故問題にしないのだ。彼自身が積極的に動いた「小選挙区制」を導入すれば、今日のような政治的閉塞状態、多様性のある政党が存在できなくなることは自明であったにもかかわらず、それを積極的に推進した責任をどう考えるのだ。

「世に倦む日日」主宰の田中宏和さん

つまるところ、「シールズ」応援学者は、私の見るところ、インチキばかりだ。

このような粗雑な感想ではなく、社会科学的手法を用いて「シールズ現象」を読み解いた『SEALDsの真実』が発刊された。著者である田中宏和氏は、人気ブログとツイッター「世に倦む日日」で積極的な発信を行っている在野の研究者である。『SEALDsの真実』では、鹿砦社の本コラムや『NO NUKES voice』以外、一部の右派を除いては批判が皆無に近かった「シールズ」にメスが入る。

「忖度」や「自己規制」という言葉をメディア関係者からしきりに耳にするようになった。そんなものは不要だ。本書は「事実を直視することの大切さ」と「知識・学識への態度」について我々に多くの示唆を与えてくれる。

◎田中宏和さんのブログ「世に倦む日日」
◎「世に倦む日日」ツイッター 

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

早くも増刷決定!「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』
『NO NUKES voice』08号【爆弾対談】「世に倦む日日」田中宏和さん×松岡利康本誌発行人

『NO NUKES voice』衝撃8号本日発売! 【特集】分断される福島

福島〈反原発〉のローザ・ルクセンブルク、佐藤幸子さん(撮影=大宮浩平)
NNV08号表紙の人は〈脱原発〉大熊町議の木幡ますみさん(撮影=大宮浩平)

『NO NUKES voice』第8号がいよいよ本日25日発売となった。熊本を襲った前例のない長期間にわたる地震の被害は読者の皆さんも心を痛められていることだろう。阪神大震災の時もそうだった。関東、東海地方には大地震の到来が予想されていたが、まさか神戸を中心に壊滅的な大地震が来ると予想できた市民は皆無に近かったし、熊本の人びともそうだろう。気象庁はついに今後の予想について「わかりません」と発言するに至っている。

しかし、不幸ではあるが、もし川内原発が熊本の地震の影響で過酷事故を起こしていたら、被災者の方々の生活はさらに語り尽せない悲劇に覆われていたのではないか。5年前の福島では、防護服を着た人間がマスクもつけない子供達の被曝線量を測っていたおぞましい姿が蘇る。

〈メディアの危機〉の前線で抗い続けるTBS「報道特集」キャスターの金平茂紀さん

◆【特集】分断される福島――権利のための闘争

今号も本誌は福島に足を運び、現地の人びとの声を頂いた。【特集】分断される福島──権利のための闘争では大熊町議会議員に当選された木幡ますみさん。政府のあやふやな説明、官僚の逃げ腰を許さずに最前線で怒りをぶつける姿が印象的な佐藤幸子さん。ご自身国政選挙に出馬することにより被災地の問題を全国に問いかけた木田節子さん。南相馬市の汚染地帯に住みながらも新しい運動の模索を続ける國分富夫さん。どなたからも悲惨な現実と格闘する穏やかながらのっぴきならない、現実に直面する人の凄みが伝わってくる。諦めと忘却を「時間」という武器を用いて待ち受ける政府や東電に対する揺るぎのない闘いの意思は健在だ。

〈学〉の世界で闘い続ける京大「熊取六人衆」の今中哲二さん

◆金平茂紀さん、今中哲二さん、中嶌哲演さん──必読の3大インタビュー

TBSテレビ報道特集でおなじみの金平茂紀さんはテレビ人の中では原発問題に詳しい屈指の人だろう。金平氏が語るテレビ報道の現状はいかなるものか。本誌だけへの告白が注目だ。

今中哲二(元京都大学原子炉実験所・助教)さんからは事故が起きてしまった今日の闘う戦術について原子力の専門家の立場から語って頂いた。

中嶌哲演さんは名刹、明通寺の住職でありながら福井県の反原発運動の先頭で闘い続ける哲学を仏教者の立場から伺った。

いずれも反原発の世界では欠くことの出来ない個性と知性が織りなす3大インタビューは誇張なく全国民必読だ。

◆爆弾対談! 『世に倦む日日』田中宏和さん×松岡利康本誌発行人

そして、『NO NUKES voice』は広範な多様性を認めあう運動や思想を指向する。その結果として現在避けて通れない問題が所謂「反原連」による一方的な断絶宣言から生じた問題である。

反原連の中心人物はその後「反差別」運動へとウイングを広げるが、ここでもやはり「排除の論理」を横行させ数々の問題を引き越こしている。昨年あたかも何か新しい学生の運動のように登場した「シールズ」は彼らがお膳立てした学生のタレント部隊に過ぎないこと、そして彼らの主張が実は「憲法9条2項」改憲であることは重大な問題であるにもかかわらず、これまでのところ主要メディアでは一切報じられていない。

その問題性を人気ブログ『世に倦む日日』を主宰する田中宏和さんと本誌発行人の松岡利康とが激論! 文字通り内容は「爆弾対談」となった。反原連―しばき隊―シールズに通底する暗部を余すところなく暴き出す。

「しばき隊は黒百人組!」と喝破した松岡利康本誌発行人
顔出しOKで爆弾対談に臨んでくれた「世に倦む日日」主宰の田中宏和さん

「爆弾対談」に加えて松岡論考「再び反原連への異議申し立て!―人の思いや好意には真摯に答えよ!異論を排除しない自由な運動への願い」。この題名はやや無いものねだりの感もぬぐえないが、果たして松岡氏の意図は如何に。

◆執念のおっかけ直撃取材は〈シニア右翼の女神〉櫻井よしこ氏!

そして、暫く鳴りを潜めていた「鹿砦社名物」直撃取材、今回は「あの」櫻井よしこ氏を自宅前で取材に成功!しかも櫻井氏は質問にも答え始めたため予想外の展開となった。逮捕一歩手前で敢行された取材班の成果にもご注目を!

執念で実現した〈シニア右翼の女神〉櫻井よしこ氏の自宅前直撃取材!
岩波新書『原発プロパガンダ』が話題の本間龍さんによる連載報告も衝撃的!

その他全国からの運動報告も満載だが、すべてを紹介することが出来ない。少なくとも前号『NO NUKES voice』7号発刊後からこの間、高浜原発再稼働時の事故による緊急停止、大津地裁における運転差し止めの仮処分決定。再度の言及になるが、熊本を中心とする例のない長期間に及ぶ大地震、そして5月17日には関東地方でも震度5弱の地震と、文字通り日本列島は激震常態が続いている。

地震の制御が出来ない以上、人災を最小限に食い止める=原発全機即廃炉しか日本列島住民に未来はないことを私たちは何度でも訴える。抗うことなしに花など咲きはしない。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。
    
   
   

『NO NUKES voice』08号【特集】分断される福島──権利のための闘争
5月26日発売!「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』

原発推進インチキ・メディアを斬る!《1》三橋貴明『原発ゼロの真実』

愛国者として名高い三橋貴明氏(経世論研究所所長・中小企業診断士)が書き下ろした「原発ゼロの真実」(TAC出版)は、冒頭から終わりまで突っ込みどころは満載だ。僕は第五章「原発と核燃料サイクル」の「小泉元総理のあきれた主張」に注目した。三橋はこう書く。

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三橋貴明『原発ゼロの真実』(TAC出版2014年7月)

 筆者は本書を執筆するに際し、「できるだけ、現場を訪れ、取材したうえで本を書く」と決意していた。そこで、実際に日本各地の「電力サービスの現場」を訪れ、各施設を自分の目で見たのである。だからこそ、日本のサービスについて、ろくな知識もないくせに、「原発ゼロ!」などと無責任に言ってのける政治家たちを軽蔑する。その代表が、2014年2月の東京都知事選挙において、引退していた陶芸家の元首相(細川護煕氏)を担ぎ上げ、「脱原発一本!」と例の調子で東京都の権力を奪おうとした小泉純一郎元総理大臣だ。小泉元総理は、「原発ゼロ」を謳い、我が国のエネルギー行政を混乱に陥れた挙げ句、2月9日投開票の東京都都知事選挙のために、細川元首相を引っ張り出した。小泉元総理の一連の発言は、以下の通りである。
「即時原発ゼロにすべき」
「(原発を)再稼働すると言っても核のゴミの最終処分場が見つからない。原発の運転の再開はせず、直に原発ゼロの決断をすべきだ」
「これから日本において、核のゴミ(使用済み核燃料のこと)の最終処分場のめどをつけられると思うほうが、楽観的で無責任すぎる」
「政治で一番大事なことは方針を示すこと。原発ゼロの方針を政治家が打ち出せば、知恵のある人が必ずいい案を作ってくれる」
「総理が決断すれば、原発ゼロ反対論者は黙ってしまう。原発ゼロに反対なのは自民党だけ」
 ひと言だけ、感想を述べよう。無責任きわまりない。使用済み核燃料の再処理や地層処分の技術は、ほぼ確立している。あとは、地層学的にもっとも適した地点を検討し、政治が決断すれば済む話なのである。
 ついでに書いておくと、たとえ時の総理大臣が原発ゼロを決断したとしても、筆者は黙らない。なぜならば、原発を再稼働しないことで、我が国のエネルギー安全保障が極端に弱体化し、貿易赤字が拡大し、我が国の国民が働いて稼ぎ出した所得が奪われ、経済成長が抑制され、エネルギー関連の投資も減少せざるを得ないためだ。
 脱原発を主張することは、それは個人の価値観である以上、構わないと思うが、それにしても「脱原発のプロセス」について、高レベル放射性廃棄物の処理を含めて提案しなければ卑怯というものだ。(三橋貴明『原発ゼロの真実』TAC出版)

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いいか、三橋よ! まずは脱原発のプロセスは、現在の政府に要求せよ。もはや「単なる老人」と化した小泉元首相が、過去を反省し、現在の政府に「脱原発」を突きつけていることは、過去を猛省している証左であり、これはこれで「是」ではないか。原発を推進するロジックを過去の人に求めるのはフェアではない。

まあ、こうした「原発推進猪突猛進文化人」に冷静な議論をせよというほうが無理というものかもしれないが。

(渋谷三七十)

『NO NUKES voice』08号【特集】分断される福島──権利のための闘争
5月27日発売!「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』

赤西仁に学ぶSMAPの未来──『本当は怖いジャニーズ・スキャンダル』〈増補新版〉

[増補新版]本当は怖いジャニーズ・スキャンダル

2013年刊行の『本当は怖いジャニーズ・スキャンダル』は、2008年から2012年までの5年間を中心にジャニーズスキャンダルをまとめたものである。今回刊行の増補新版は、ここに、最近のジャニーズの動向と今年1月に起こったSMAP解散騒動を加筆し、ジャニーズを多面的に見ることのできる一冊となっている。

◆KATU-TUN赤西仁の独立騒動の軌跡

本書に登場する多くのタレントたちの中から、この時期お騒がせの主役級だった赤西仁にスポットをあててみたい。赤西はジャニーズとのあつれきの末、ジャニーズ事務所を自らやめて独立した。今改めて彼の歩みをたどると、芸能人や芸能事務所のありようについて考えさせられるところも多く興味深い。

赤西は2006年3月、KATU-TUNの中心メンバーとしてCDデビューする。赤西、田中聖など、ジャニーズきってのヤンチャメンバーを擁するKATーTUNはデビュー前から人気が高かったが、素行不安が大きくなかなかデビューに踏み切れなかったといわれている。

待ちに待ったデビューでKAT-TUN人気は爆発、デビュー曲『Real Face』はミリオンセラーとなった。ところが次代のジャニーズを牽引するのはKAT-TUNで決まりかと思われた矢先の10月に、赤西はアメリカに留学のため活動休止し、KAT-TUNの人気はあえなく失速する。この唐突で不可思議な留学には、薬物捜査から逃れるためだったのではないかという疑念も持たれている。

2007年4月に帰国しKAT-TUNとしての活動に復帰するも、不協和音の噂は絶えず、デビュー時のKAT-TUNの勢いが戻ることはなかった。一方で盛んに夜の繁華街に繰り出すようになり、赤西を中心とした悪名高い夜遊びグループ「赤西軍団」が誕生する。ジャニーズでは山下智久、錦戸亮らが加わっていた。アイドルらしからぬ行状はもとより、赤西軍団の最大の問題は薬物疑惑がつきまとっていることだった。遊び仲間の一人のプロテニスプレイヤー宮尾祥慈は大麻使用で有罪判決を受けていた。赤西自身も捜査のターゲットとなり、2009年には逮捕されるとの情報が流れたものの、辛くも難を逃れている。少なくともこの時は限りなくクロに近い状況だったと考えられる。その後薬物疑惑のささやかれるクラブなどでの退廃的な夜遊びショットが多数流出した。薬物疑惑は現在に至るまでことあるごとに取りざたされて、赤西唯一の懸念材料になっている。

◆赤西のわがままさが功を奏す?

こんな騒動がありながらも、2010年7月にはKAT-TUNを脱退し念願のソロとなり、翌年にジャニーズのお膳立てで全米デビューを果たす。ところが、恩を仇で返すかのように、2012年2月、事務所に無断で黒木メイサとできちゃった結婚し、制裁としての謹慎に入った。その間、9月には長女が生まれ、赤西は育児にいそしみながら楽曲作りに励んでいたようだ。ジャニーズ、というよりジャニー喜多川はなおも赤西を見限らず、2013年6月に謹慎が解けると積極的に推して立て続けにCDリリースさせるのだが、赤西はその方針に不満を抱き、ついに2014年2月の契約満了を以ってジャニーズを退所するのである。赤西のわがままさばかりが目立つ顛末だった。
ジャニーズをやめたタレントは、バーニング系などに拾われない限り、大手メディアから排除されて辛酸をなめるのがそれまでの常だったので、その後の赤西の身の振り方に注目が集まった。赤西は同年7月14日の30歳の誕生日に自身のレーベルを立ち上げ独立。独立後最初にリリースしたCDは4万枚を売上げ、自主レーベルとしては上々の滑り出しを見せる。その後は大手メディアとは無縁にネットを活用しながら、市民会館クラスのハコを中心に全国ツアーを行うなど堅実な活動を続けた。さらに音楽フェスへの出演などを足掛かりに中国への進出を図ると、いつの間にか中国人気を獲得する。今後薬物問題でのつまづきさえなければ、ジャニーズ残留組よりはるかに大きな成功を勝ち取る可能性も出てきた。

◆韓流に先を越されたジャニーズの空白地帯〈中国〉

もともとジャニーズ事務所は中国進出を熱望していた。市場として有望だからなのは言うまでもないが、もう一つ、海外進出はジャニー喜多川にとって最後に残された夢、という事情もあった。赤西の強引なアメリカデビューもその海外への夢に後押しされたものだったがあまりうまくいかなかった。ならば中国ということで、ジャニーズは中国進出のためにさまざまな根回しを熱心に行った。しかしせっかく努力して中国コネクションを築いたのにもかかわらず、その後政治的に日中関係が冷え込んだことにより、中国進出は宙に浮いてしまっていた。

ジャニーズが手を出せない間に中国はすっかり韓流に席巻され、ジャニーズの空白地帯となっていた。そこに単身乗り込んだ赤西にとっては、中国は独占市場に等しいものだったかもしれない。もともと逸材でアメリカでの活動経験もある赤西には、十分に韓流と差別化できる魅力があり、自立した活動スタイルも自己主張の強い中国人気質と相性が良かった。

かくして、2015年には中国の「アジア人気アーティスト賞」「年度音楽大賞」を受賞、今年に入ってからは「アジアで最も影響力のある日本人アーティスト」に選ばれるなど、着々と中国での認知度を上げ、はからずもジャニーズをやめてからジャニー喜多川の夢を実現することになった。あまりにうまくいっているので、ジャニー喜多川が裏で個人的に支援しているのではないかという噂もあるほどだ。

この赤西の軌跡を、SMAP解散騒動を踏まえて見ると、めちゃくちゃに見えたジャニーズ時代のふるまいにも、理由があったのだろうかと思わせられる。赤西は、ジャニー喜多川にはかわいがられた一方、メリー・ジュリー母娘には疎まれていたといわれ、彼女らに不合理な前近代性を感じ取って孤独な戦いを続けていたのかもしれない。


◎赤西仁HP http://jinakanishi.com/

◆SMAPでさえ干される〈時代遅れ〉を越える戦略はある

ジャニーズ事務所とタレントの関係では断然タレントの方が弱い立場にあり、関係が良好でなければSMAPでさえ使い捨てにされるのだが、赤西は、独立してやっていくために必要な経験と実績をジャニーズで積み、うまくジャニーズを使い捨てている。SMAP騒動でジャニーズ側の横暴ぶりが明るみになった今から見ると、むしろあっぱれだったというべきだろう。赤西は、「ジャニーズを利用して知名度とスキルアップをはかり、脱退後はその政治力の及ばないネットや海外で活動する」という新たな道を切り開き、後輩たちにおおいに希望を与えることになりそうだ。

すでにその兆候は見えており、2011年に未成年喫煙問題で忽然と姿を消した、元Hey Say JUMPメンバーの森本龍太郎が、格闘技団体をバックにこの4月から独自に芸能活動を再開している。またSMAP騒動の前後から、二番手クラスの人気Jr.が相次いでジャニーズを去り、スターダストプロモーションから「地下アイドル」としてデビューして注目を集めている。そのタイミングや彼らが飯島三智の推しメンだったこと、また飯島がかねてよりスターダスト社長細野義朗と親しいことなどから、動きの背後に飯島がいるのではないかともささやかれている。

赤西、そして小林幸子の成功にも見るように、もう大手メディアや事務所の政治力に頼らなくても、工夫次第で芸能活動が成り立つ時代になりつつある。「干す」ことをちらつかせて恫喝し、タレントを支配するやり方は、遠からず通用しなくなるだろう。そしていずれは、ジャニーズのような強大な芸能事務所も時代遅れなものとなり、その存在意義を失っていくのではないだろうか。

(遠藤サト)

[増補新版]本当は怖いジャニーズ・スキャンダル
[増補新版]ジャニーズ50年史

ジャニーズ転機のマイルストーン 『ジャニーズ50年史〈増補新版〉』

[増補新版]ジャニーズ50年史

本書は、2014年初版の『ジャニーズ50年史』に、今年1月に起きたSMAP解散・脱退騒動の流れを加筆した増補版である。

ジャニーズ事務所は2013年に50周年を迎えている。『ジャニーズ50年史』は50年間のジャニーズにまつわるできごとを、時系列で並べてまとめた、ジャニーズの歴史を俯瞰するのには最適な書だ。ここでのジャニーズの歩みは、途中の浮き沈みはあるものの、大筋では逆境を乗り越えての発展・拡大の軌跡となっている。

◆年明け早々のお家騒動がジャニーズ衰退への大きなトリガーに

2015年までのジャニーズは、男性アイドルという市場にあって、ぶっちぎりの強さを誇っていた。行き着くところまで行ったという頭打ち感は徐々に出ていたが、まだまだ当面その覇権状態は安泰に見えた。ところが2016年の年明け早々、SMAP解散・脱退騒動が、ジャニーズ帝国の根幹を大きく揺るがした。このお家騒動は、ジャニーズを予想外に早く衰退に向かわせる大きなトリガーになった可能性がある。

SMAP育ての親、ジャニーズ中興の立役者だった飯島三智は1月でジャニーズを去り、この4月からメリー・ジュリー母娘の一本化された新体制に本格的に入った。飯島が最後に残していった置き土産のような仕事もなくなり、いよいよ次期社長ジュリーの真価が問われることになる。  

そもそも、飯島に若手タレントを任せたのはジャニー喜多川の意向だったといわれる。タレントが増え、ジュリー・メリー母娘のキャパシティーを超えてきていたので、長年別働隊だった飯島の能力を活用するのは理にかなったことだった。飯島は、人気の如何にかかわらず、律義に新たな仕事を作り傘下のタレントに振りあてて、SMAP以外のマネージメントでも敏腕ぶりを発揮した。ジュリー・飯島の二頭体制はうまくいき、2011年から2015年の間に、ジャニーズの業界内領土は最大版図を獲得するに至った。それをわざわざぶち壊したのだから、経営者としてはクレイジーというよりほかはない。普通に考えれば、飯島をバックアップし十分に働かせその成果を享受する方が、どれほどおいしいことか。

新体制では、すでに子飼いタレント同士で仕事を奪い合うような状況が生じており、この先旧飯島派タレントが合流した大所帯を捌き切れるようにはとても見えない。
 
◆ジャニーズ事務所はもう「国民的アイドル」を生み出すこともできない?

事務所のイメージも悪くなる一方だ。4月から、テレビでSMAPを見かけることが露骨に減っており、1月の「公開処刑」に続き、SMAPが干されるように陰湿に仕向けていることが容易に推測される。夢を売るはずのジャニーズ事務所は、夢の代わりに、SMAPを通じていじめの雛型を日本中に示し続け、多くの人々を嫌な気分にさせている。これでは子供のいじめがなくなるはずもなく、ジャニーズがしばしば口にしてきた「子供たちへの影響を考えて云々」というキレイ事はすべて嘘だったことがよくわかる。そしてこれだけイメージに傷がついたジャニーズ事務所には、もう万人に愛される「国民的アイドル」を新たに生み出すこともできないだろう。

やることなすことがあえて自滅の道に向かっているようにしか見えないのだが、一体この母娘はどういうつもりなのだろうか。実はもう、芸能事務所の経営などどうでもいいのかもしれない。すでに孫子の代まで何もしなくても悠々自適に暮らせるくらいの資産は十分にあり、貸しビル業でも営んだ方がよほど楽で儲かるはずなのだ。だからソニーにおける電機事業のように、芸能業務はアイデンティティと趣味の部分で残していけばよい。そうであるなら、目障りで気に入らないものを叩きつぶし、自分たちの好みの色に染め上げることが再優先になるのもわからなくはない。気の毒なのはそれに付き合わされるタレントたちだ。若手たちは、中高年の先輩タレントたちのような将来があるとは思わない方がいいかもしれない。

しかしファンでもない立場から眺める分には、今後予想されるジャニーズの縮小・衰退フェーズも、味わい深く面白いものになるのではないか。ぜひジャニーズの大きな曲がり角に建てられたマイルストーン『ジャニーズ50年史 増補新版』を傍らに、巨大芸能事務所盛衰の歴史を鑑賞してみて欲しい。
 
(遠藤サト)

タブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』!

黄昏の出版業界──「あいつに書かせるな」と編集部に差し込む輩たち

このところ、本当に「あいつは本当にダメだね」とほかのライターのダメなところを編集者にタレこむ話をする輩が多い。この連中は『自称・大物』という自覚があるのかないのかよくわからないが、自分が編集長よりも偉いと思っているのか、それともことさらに能力が低下したのをカバーしたのを隠すためか「あいつは取材していない」などと言い出す始末。てめえはどうなのか、と問いたくなるような連中だ。

「まあ、タレコミは偽計業務妨害に当たるんだろうが、それにしてもそういう話を聞くと、本当に出版は不況のような気がするね。もう昨年、出版社に入社した新人のうち4割が辞めたなんていう話が聞こえてきますし」(都内の私立大学の就職課)

◆猪瀬直樹がノンフィクション作家だった頃の悪評

こうした輩は昔からいたが、例外なく消えている。
「古くは猪瀬直樹がそうだね。すぐに他のライターの悪口を編集者に吹き込む。で、自分の自慢話を展開するんだ。昔の週刊誌は競争が激しくて、誌面の取り合いから殴りあいに発展することも少なくなかった。だが今の誌面の取り合いは、出版不況の下、もう生活がかかっている状況だからね」(出版社社員)

ある週刊誌のデスクによると「×のネタはこのライターには書かすな」と具体的に恫喝してくる連中もいるという。

「まあ、実力がないから、他人の悪口を吹聴して仕事を増やしたいんだろう。こういうライターに、万が一『編集者に金を借りた』なんてしゃべったらたいへんだ。2チャンネルあたりで『借金を返さないライター』として名前があがり、二度と編集からは声がかからなくなる」(同)

もはや40歳をすぎると「引退して故郷に帰る」という類のライター仲間が増えてくる。
「あと10年で書店が4000店舗になると言われている状況のもと、今『ライターをやめます』とか『編集をやめます』といわれても別に負け組とは思わない。むしろ、ちがう才能があれば、そちらを活かしたほうがいいのではないかと思います」(中堅週刊誌記者)

ただし、今年、大学を卒業した新社会人に聞くと、「出版社に入った同級生たちは、希望に満ちていた」というから、まだまだ「若者たち」がマスコミで実力を発揮するチャンスはあるのかもしれない。
「まあ、それにしてももう60歳すぎたら、後進のために引退したほうがいいのではないか。そうじゃないと編集もライターもちっとも育たないと思いますよ」(フリー編集者)

◆出版界でも「ダメな日本人よりも有能なアジア人を」の波

確かに、アベノなんたらかは不発らしいが、出版社の求人広告など新聞に掲載されていても数件だ。しかも、業界紙ばかりときている。いったいこの状況でどの党に入れれば、景気がよくなるというのか。民進党は「政権交代」を叫ぶが、よく考えれば経済の停滞をまねいたのは、直近ではほかでもない、民主党政権だろう(長いスパンでは自民党の責任だが)。

はてさて、失礼ながら、このところ中国人や韓国人のデザイナーやカメラマンを現場ではよく見る。もちろん有能だから版元は使うのだろうが、要するに「ダメな日本人よりも有能なアジア人を」というのが出版社や編集プロダクションのコンセンサスとして出てきたのだろう。もう有能なクリエイターは日本からは出ない。少なくとも出版の世界では、だ。

話を戻す。「あいつを使うな」と言われたライターは、きっと勝ち組だが、いよいよ世の中的にたとえばほかの業界で人材が枯渇しても「元出版関係者は使うな」と言われるほど、業界は凋落しているのかもしれない。

(伊東北斗)

7日発売!タブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』5月号
抗うことなしに「花」など咲きはしない『NO NUKES voice』Vol.7