西成あいりん総合センター住民訴訟の行方 大阪維新の「西成特区構想」が孕む〈排除〉の思想

◆センター仮庁舎のどうにも止まらない雨漏りの原因は?

センター仮庁舎のどうにも止まらない雨漏りの原因は?

9月20日、大阪地裁で「公金違法支出損害訴訟」(センター住民訴訟)の第4回目の裁判が開かれた。この裁判は、西成あいりん総合センターの建て替えに伴い建設された南海電鉄高架下の仮庁舎の予算が、適正に運用されているかを争うものだ。

今回、原告は書面にて仮庁舎が安全性が保証されない高架下に建設されたこと、合理的な理由がないにもかかわらず、南海辰村建設と随意契約したことの違法性などを主張した。

7億5,000万円の税金を使って建てたセンター仮庁舎で、開業2ケ月後に雨漏りが発生、それが一向に止まらないことは前回報告した。

その後、天井板を交換したり、天井裏に水受けを設置するなどしたが、雨漏りは止まらず、最後はバケツで受けていた。窓枠にも水滴が垂れ、床には吸水シートが敷かれていた。

建設業で働く人からは「屋根の防水工事が施されてないのでは?」「高架の上に降った雨が、スラブ(床)や梁、柱を伝って溢れるのでは?」などの声が出ている。同じ高架下に作られた1階建てのあいりん職安仮庁舎では雨漏りは確認されていない。センター仮庁舎の雨漏りの原因は何か? 仮庁舎でどんな工事が行われたのか?

南海電鉄は、高架からコンクリートが剥落する危険性などを防ぐためとして、センター仮庁舎のコンクリートの劣化が認められた部分に断面復旧材による補修を行い、コンクリートにクリアガードを塗布したという。

工事の詳細は省くが、この工事はコンクリートの気密性や水密性を確保し、鉄筋腐食の進行は抑制できるが、鉄筋の入った、高架を支えるコンクリート構造物の強度そのものを回復するものではない。

設置から81年経過し老朽化した高架下の柱のコンクリートには、無数の細かいクラック(ひび)があるが、空気や水分はこのクラックを経由して鉄筋に到達しうる。高架上の線路から雨水や空気が、クリアガードに遮断されずにコンクリート構造物に浸透していく。

つまり断面復旧材による補修や、クリアガードによっても、コンクリート構造物の気密性、水密性は確保されず、鉄筋腐食は進行していくことになる。じっさい工事後も、コンクリートの亀裂から、鉄の錆を含んだ茶色い水が出ている。

◆耐震工事のやってないセンター仮庁舎は危険ではないのか?

では、南海高架下の耐震性はどうなっているのか? じつは、センター仮庁舎から南へ200メートルいった萩之茶屋駅南側で最近、高架下の柱に重厚な鋼板を張り付ける耐震補強工事が行われている。

同じ工事は、南海電鉄の難波駅や今宮戎駅周辺でも行われてきた。しかし、そうした工事が、センター仮庁舎では行われていない。仮庁舎を決める際の「まちづくり会議」で、南海電鉄の耐震性に疑問の声があがったが、識者からは「南海に確認したところ、今回仮移転の検討を進めている場所は、耐震化の対象外」と返答されている。

更にデータなどの提示を求めた委員に、府職員が「南海を信用できないのか?」と言う場面もあった。腐食が進行しつつある柱を取り込んで建設されたセンター仮庁舎の耐震性は、果たして大丈夫なのか? 劣化した高架下に建造物を建てるならば「耐震化の対象外」とはいえ、大事をとって耐震補強工事を施すべきではなかったか? それをやらずに、工事を急いだのは、何故か?

◆大阪維新の「西成特区構想」にあわせた「まちづくり」が狙うものは?

高架下の安全性など十分考えずに仮庁舎建設を急いだのは、大阪維新の「西成特区構想」の目玉であるセンター建て替えを、新今宮駅前の再開発計画にあわせて進めたいからだ。そのため兎にも角にも労働者や野宿者をセンター周辺から「どかしたい」。これが大阪維新とともにまちづくりを進める人たちの狙いだ。

そのために、センター建て替えの理由を「耐震性の問題」としてきた人たちが、耐震性に疑問の残る仮庁舎に、4~6年、労働者を押し込めようという。おかしな話ではないか。

センター解体の目的が「耐震性」の問題ではないことは、耐震性に問題ない「第二市営住宅」まで解体することからも明らかだ。元市長の橋下氏は、「あいりん総合センターは、解体後、跡地の北半分を駅前再開発に使いたい」と明言していた。センター解体の目標は、そのために、新今宮駅前の広大な更地を確保すること、しかもなるべく使い勝手の良い台形の更地を確保することだ。まだ使える第二住宅を、税金を使って解体するのは、凸凹を平らにするためだ。

センターをつぶした跡地利用案の一例

◆大阪府は、随意契約した南海辰村建設にも責任を負わせろ!

今裁判で、大阪府は、どんなことがあっても南海電鉄に賠償責任を負わせないという免責条項を盛り込む「高架下区画地一時使用計画書」を作成していたことがわかった。

当初3か所提示された仮庁舎の建設場所を、南海電鉄高架下に決めたのち、大阪府は随意契約で南海辰村建設を相手方に選んだ。その理由を大阪府は「高架下にある特殊性により、安全性を配慮して」と述べていた。「高架下にある特殊性により、安全性を配慮して」というからには、随意契約の相手方・南海辰村建設に安心・安全に責任を負わせることが不可欠であるにもかかわらず、大阪府はそれを免責してしまった。しかも、ここで大阪府と南海が、利益相反の関係であることも明らかになった。これは随意契約を原則として禁止する地方自治法234条2項違反ではないのか。

◆日本の経済を末端で支えてきた人たちが、無残に排除されていいのか?

日本最大の日雇い労働者の町・釜ヶ崎は、1970年開催の「日本万博博覧会」に向け、大量の労働力を確保するために、国策で作られてきた。政府は、万博招致が決まった1966年以降、急ピッチで会場の建設・整備工事が進めることとなり、1967年~1969年万博関連の仕事に就く労働者を全国からかき集めてきた。労働者を詰め込めるだけ詰め込むために作られたドヤが、現在も何棟か残っている。

左ホテルの2階の位置の高さに、右ホテルの3階の窓がある

こうして国策で集められた人たちは、その後様々な理由で家族や故郷との離散を余儀なくされ、釜ヶ崎を第二の故郷に選び、生活を続けてきた。高齢化し、生活保護や年金で暮らす人、野宿者、ガードマンや清掃など比較的軽い仕事に就く人などさまざまだ。

日雇い労働者こそ減ったものの、困難は何一つ変わっていない。DVから逃れてきた女性、安宿を求める非正規雇用や派遣労働者、精神疾患を持つなど生きづらさを抱えた人……差別や貧困が拡大する今、釜ヶ崎のような場は、一層必要になってきている。そうした人たちを暴力で「どかして」つくる「まちづくり」とは何かと考えるとき、どこかで聞いたこんな言葉を思い出す。「再開発を決めるのは、いつもどこでも、そこにいない人」。

具体的にそこに住むか住まないではない。まちづくりをいうときに、そうした釜ヶ崎の歴史を踏まえ、誰が主役のまちにすべきかを考えることが重要だ。

「要するに、あっちにできるホテルから、俺たちを見えなくさせたいんやな」。今朝、「センターつぶすな!」のビラを撒いていると、おっちゃんが私にそう言った。JR新今宮駅の向こう側には、星野リゾートの建設が進んでいる。

釜ヶ崎のセンター周辺には、新しい仲間もポツポツ増えている。センター開放行動主催の「秋祭り」は10月27日(日)11時~17時。センター団結小屋周辺で。

星野リゾート建設現場

▼尾崎美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。最新刊の『NO NUKES voice』21号(9月11日発売)では「住民や労働者に被ばくを強いる『復興五輪』被害の実態」を寄稿

「風化」に楔を打ちこむ『NO NUKES voice』21号
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安倍官邸親衛隊の最右翼、木原稔議員が総理補佐官に就任した政治的意味

◆陰険な言論統制と強烈な官僚統制

派閥順送りの閣僚人事は無能大臣を生み出し、国政の停滞をもたらすに違いない。今井絵里子内閣府政務官や小泉進次郎環境相ら若手の「育成」登用も、政権の人気浮揚効果とともに政局がらみであることで、今回の改造人事の内実は明らかだ。しかし国会答弁で詰まるような大臣がいても、それは無視して必要な法案が通ればよい。政局が水面下で展開しようと、審議と実効性のある施策が実施されればよい。それよりも問題なのは、国民に負託されない実権者たちが、この国の道筋を「勝手に」つくってしまうことではないだろうか。

閣僚のほかに、官邸人事も刷新された。じつは議員たちがなりたがる大臣や政務官よりも、官邸人事のほうが政権にとっては重要なのだ。補佐官、内閣特別顧問といった肩書の総理のスタッフこそが省庁に指示を出し、人事権をもって霞が関を統制・支配しているのだから。いわば安倍総理の代理人として、親衛隊として暗躍しているのが官邸スタッフなのだ。

かつて、北村滋内閣情報官(警察庁出身)はメディアから「日本のアイヒマン」と呼ばれてきた。その北村滋は今回、国家安全保障局長および内閣特別顧問となった。これまでどおり、安倍政権の情報統制や政敵のプライベート情報を調査する「情報将校」としての役割をつよめるのは必至であろう。

ただし、アイヒマンという表現は必ずしも当たっていない。親衛隊将校アドルフ・アイヒマンは、ユダヤ人虐殺を行なった収容所行政や囚人輸送に大きな役割をはたしたが、かれが虐殺を立案したわけではない。戦後、南米で潜伏中を摘発され、裁判にかけられたときに、アンナ・ハーレントが彼のことを、どこにでもいる普通の人物が虐殺に手を染めたと、ファシズムにとりこまれる人間の凡庸さを論評したもので、そもそもアイヒマンは情報将校ではないし、北村滋を内閣情報官に任命したのは民主党・野田政権である。

◆危険な総理補佐官

木原稔総理補佐官

それはさておき、今回この欄で取り上げるのは、北村滋のような理論肌の官僚出身者ではない。もっと強引に辣腕を振るいかねない、危険な総理補佐官である。その人物の名は、木原稔。熊本県第1区選出の衆議院議員だ。

ご記憶にあるだろうか。2015年に自民党「文化芸術懇話会」(文化人と政治家が参加)において、作家の百田尚樹が「沖縄のふたつの新聞(沖縄タイムス・琉球新報)はつぶさなアカン」と発言したことを。この懇話会の代表をつとめたのが、木原稔総理補佐官(衆議院議員)なのである。

ほかにも出席者から、安保法案を批判する報道に関し「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働き掛けてほしい」「悪影響を与えている番組を発表し、そのスポンサーを列挙すればいい」との声が上がった懇話会である。内閣官房長官の菅義偉すらも、懇話会での「マスコミを懲らしめる」といった発言について「報じられたことが事実だとすれば、どう考えても非常識だと思う。国民の審判を受けて国会に来た人は、自らの発言に責任を持つべきだ」と会見で述べている。この懇談会での報道圧力発言の責任を問われて、木原が党の青年部長を更迭されたのは言うまでもない。


◎[参考動画]【日いづる国より】木原稔、安倍晋三を支える決意[桜H25/1/18](SakuraSoTV 2013/1/18公開)

同じ2015年の沖縄全戦没者追悼式で、安倍総理に怒号が浴びせられたとき、木原は「主催者は沖縄県である」「たくさんの式典や集会を見ているから分かるが、明らかに動員されていた」「そういったことが式典の異様な雰囲気になった原因ではないか」と、ヤジを飛ばしたのは県の動員による参列者であると示唆している。

主催した県側は「動員などはあり得ない」と反論したが、主催者の一人である県議会議長の喜納昌春に「いくら何でもひどすぎる。ゆゆしき発言で、悲しくなる」「自民党に沖縄のことを何も知らない議員がいることが問題。末期的だ」と批判されたのは記憶に新しい。

青年部長を更迭ののち、木原は三か月で党の文部科学部会長に就任する。問題児ながら40代のはたらき盛り。期待の中堅政治家であることに変わりはなかった。

しかるに2017年には「子どもたちを戦争に送るな」という教育は偏向教育であり、特定のイデオロギーだと主張している。それに関連して、自民党のホームページに学校の教員情報を投稿できるフォームを設置したのも、自民党文部科学部会の会長・木原稔議員だったのだ。そのフォームには「学校教育における政治的中立性についての実態調査」とあった。そして、こう呼びかけていたのだ。

『教育現場の中には「教育の政治的中立はありえない」、あるいは「子供たちを戦場に送るな」と主張し中立性を逸脱した教育を行う先生方がいることも事実です。』

『学校現場における主権者教育が重要な意味を持つ中、偏向した教育が行われることで、生徒の多面的多角的な視点を失わせてしまう恐れがあり、高校等で行われる模擬投票等で意図的に政治色の強い偏向教育を行うことで、特定のイデオロギーに染まった結論が導き出されることをわが党は危惧しております。』

そし木原のツイートがこうだ。

『「子供たちを戦場に送るな」というのは、政治的中立を逸脱している。そんな発言をした「先生方」は自民党に報告してほしい。』と。一時的にとはいえ、自民党のホームページが密告を奨励するサイトと化したのだ。自民党および木原に批判が殺到したのは言うまでもない。


◎[参考動画]【木原稔・稲田朋美】地方に漲る力と絆、伝統と創造の会の役割[桜H26/5/16](SakuraSoTV2014/5/16公開)

ようするに、この男は極右政治家なのである。その意味では、官僚出身の総理補佐官とは違って、国民の負託を受けた独自の活動(行き過ぎ)をおこなう危険性がある。木原稔にはこれらの「前科」があることを確認しておこう。

現在、総理補佐官は官僚出身の今井尚哉と長谷川榮一(経産省)、建設官僚出身の和泉洋人、政治家は薗浦健太郎、秋葉賢也、そして木原稔の6人である。かれらが安倍総理の「分身」として暗躍するとき、官邸主導・一極支配の構造はいやがうえにも強化されるのだ。

国民に負託されていない官僚出身者は言動が慎重だとされるが、この総理補佐官の中には官僚出身でも極めて危険な人物もまぎれている。次回は「影の総理」とまで言われる人物を紹介することにしよう。


◎[参考動画]木原みのる財務副大臣 国政報告 アベノミクスの実績 麻生さんの話も(seikei-jpn2019/2/12公開)

▼横山茂彦(よこやま しげひこ)
著述業、雑誌編集者。近著に『ガンになりにくい食生活』(鹿砦社ライブラリー)『男組の時代――番長たちが元気だった季節』(明月堂書店)など。

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高齢・無能・暴力団だけではない 改造内閣の「不倫閣僚」たち

順送り人事ゆえに、およそ職務に不適格な高齢閣僚、暴力団との関係が深い反社閣僚、あるいは小泉進次郎の「転向」にみられる政局含みと。ここまで第4次安倍改造内閣の閣僚たちを紹介してきた。ものごとには、いろどりというものがある。今回はその、いろどりを色事で飾ってくれた閣僚たちの物語だ。

◆菅原一秀経産大臣の「愛人」遍歴

菅原一秀経産大臣

週刊誌で「愛人を練馬区議にした」と騒がれているのが、菅原一秀経産大臣である。菅原一秀氏といえば「保育園落ちた。日本死ね」というブログ問題の国会質疑で「匿名だよ、匿名」とヤジを飛ばしたことで名を知られる。経済産業副大臣時代には「政治経済事情視察」として国会を休み、当時の「愛人」とハワイ旅行に出かけていたことが「週刊文春」に暴露された。

菅原氏はバツイチなので、この「愛人」という呼称がふさわしいかどうかはさておき、今回新たに元秘書との関係が「週刊新潮」に暴かれたのだ。「不倫」の尻ぬぐいに、その元秘書を政治家にしたというのが記事のインパクトだ。その秘書は14年間ものあいだ菅原の政策秘書を務めた50代の女性で、昨年の補欠選挙でみごとに当選。今年の統一地方選挙でも上位当選をはたした。と、ここまで書けば本人を特定出来るのがネット社会の怖さである。

「週刊新潮」の記事では、菅原大臣の事務所での暴虐さも暴かれている。秘書たちは朝6時の街頭演説から、夜の11時までブラック勤務を強制されているという。

クルマの運転でも、ちょっとでもミスをすれば怒鳴られる。「このハゲー!」で政界を去った(選挙で落選)豊田真由子元議員の言動が暴露されたとき、「つぎは菅原だ」と囁かれたのが、これらの秘書に対する言動だったという。

2007年には秘書に党支部へのカンパ(毎月15万円)を強要したとも報じられた(菅原氏はカンパの強制性のみを否定)。高校時代(早稲田実業)に甲子園に出場と選挙公報に書いたものの、じっさいには補欠としてスタンドから観戦していた虚偽記載。

女性への言動の酷さは、何度も週刊誌を騒がせたものだ。前述のハワイ行きの愛人に「女は25歳以下がいい。25歳以上は女じゃない」「子どもを産んだら女じゃない」などモラル・ハラスメントしたと2016年6月に週刊文春が報じている。ということは、区議になった元美人秘書は30代から政策秘書(キャリアと能力が必須)を務めていたのだから、女としては扱ってもらえなかったことになる。

2016年には、舛添要一辞職後の東京都知事選挙に立候補が噂された民進党蓮舫代表代行が「五輪に反対で、『日本人に帰化をしたことが悔しくて悲しくて泣いた』と自らのブログに書いている。そのような方を選ぶ都民はいない」と発言するが、後日「蓮舫氏のブログではなく、ネットで流れていた情報だった」と釈明している。あまりにも言動が軽く酷すぎる経産大臣が、国会質問で野党の標的になるのは必至だろう。

◆今井絵理子内閣政務官 あぶない男性遍歴の肉食系女子が政務官に

もうひとり、順送り人事のなかでは小泉進次郎環境相とともに、若手の起用となったのが今井絵理子内閣政務官(参院当選1回・35歳)である。沖縄アクターズスクールの出身で、アイドルグループSPEEDの元メンバー。離婚した175R(イナゴライダー)のSHOGOとの間に一子があるシングルマザーで、2009年には「ベストマザー賞」を受けている。

『週刊新潮』2017年8月3日号

ところが、ベストマザーは政治家転身後に不倫を犯す。2017年7月に「週刊新潮」自民党神戸市議員の橋本健氏との不倫疑惑を報じたのだ。今井氏は疑惑を否定しているが、橋本氏が「おおむね事実」と認め、「私が積極的に交際を迫ろうとした」「私自身の婚姻関係は破綻しているが、認識の甘さで軽率な行為をとってしまったと反省している」とコメントした。

橋本氏は妻子持ちであり、メディアは「略奪不倫」と報じたものだ。息子に聴覚障害があることから、SPEEDの復活をのぞむ声や政治家としての活躍を期待されたものの、愛人とホテルに3泊するという下半身交際をしていたのである。今井氏はホテルに宿泊したことは認めつつ、「深夜まで一緒に(講演)原稿を書いていた」と言い訳をしたという。ちなみに、橋本氏はその後、政務活動費の架空請求が明らかになり、神戸地検に詐欺罪で起訴された。2018年10月に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が確定している。

だが、今井氏の「不都合な男性関係」はこれが初めてではない。参院選挙の出馬表明直後に一つ屋根の下で同居する事実婚男性がいることが週刊誌に報じられていたのだ。報道を受けて本人も「将来を見据えて交際している男性がいます」と同居男性の存在を認めていた。交際相手は沖縄の同級生で初恋の相手だという。実母とひとり息子と4人で一軒家で暮らしていたのだから、事実婚といっていいいだろう。事実婚相手は今井の所有する車を運転するなど、その姿は家族同然だった。今井の自宅近くにある児童デイサービスで送迎車の運転などして働いていたという

ここまでならば、シングルマザーを支えるかつての初恋相手という美しい話なのだが、それだけで終わらなかった。なんと、今井の事実婚相手に逮捕歴があったのだ。報道によると「彼は1年前に風営法と児童福祉法違反で那覇署に逮捕されている。未成年と知りながら中学生を雇い、客の男性にみだらな行為をさせていた。沖縄にいられなくなり、今井が東京に呼び寄せて仕事先まで紹介したらしい」という。そして事実婚相手は、自民党からの出馬が決まると身辺整理のために「捨てられた」のである。ここまで見てくると、恋多きオンナというよりも肉食系女子といった印象がつよい。

裏では「順送り、お友だち人事」と酷評される今回の改造内閣のおもてむきの評価は「育成内閣」だそうだ。しかし、今井氏起用に限っていえば、安倍総理は育成する素材を見誤っているというべきであろう。

▼横山茂彦(よこやま しげひこ)
著述業、雑誌編集者。近著に『ガンになりにくい食生活』(鹿砦社ライブラリー)『男組の時代――番長たちが元気だった季節』(明月堂書店)など。

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マスコミがこぞって報じる「あおり運転」問題は本当に社会の大問題なのか?

自動車の「運転席に座ったとたんに性格が一変」するひとがいる。これは昔から言われ続けていることだ。加えて最近マスコミが「あおり運転」キャンペーンに、嬉々として取り組んでいるので、自動車を運転しないかた、あるいはそういった場面と遭遇したことのないかたには、「あおり運転」が喫緊の課題のように思われるかもしれない。がそんなことはない。

◆30年前から頻発していた「嫌がらせ運転」

「あおり運転」などという言葉はなかったけれども、同様の脅迫的運転はわたしが経験した限りでも30年前から、頻発していたし、悪質さはいまの比ではなかった。今日最初から誰かを狙って「あおり運転」をしてやろう、と準備しているひとはおそらく、極めて少数(あるいはいないかもしれない)だろう。

だが、30年前にはある種、運転を職業とする人の中で、無線で連絡を取り合いながら、自家車(主として女性が運転してる)を前後から挟み撃ちにして、嫌がらせをする行為が頻発していた(関西では、例えば国道176号線の山間部が有名だった)。本通信読者には身に覚えのあるかたはいないだろうが、176号線では事故には至らずも、猛烈な前後からの嫌がらせ運転(いま「あおり運転」と言われる行為)が、毎日のように行われていた。

あんなものは、自動車に乗ったら「変身するように、自分の力が何倍にもなるんだ」と思い込んでいる、お馬鹿さんの行為に過ぎず、したがって、今日でも同様の場面(すなわち「あおり運転」)にわたしが被害者として、遭遇することも珍しくはない。地方都市に住んでいると、公共交通機関があまり便利ではないので、自家用車の利用者が増える傾向にある。山手線の内側や大阪環状線の中とは利便性に、天と地ほど差があるのだ。

◆「おとなしい市民」と思われやすいハイブリッド車の運転者

わたしの住む住宅街は、公共交通機関の便はよくない。だから買い物や通院では自家用車を利用する。わたしの所有している自家用車は、日本一有名な自動車製造販売会社が生産した、いわゆる「ハイブリッド」車だ。こういった車種を購入するひとや運転者は「おとなしい市民」と見なされやすい。実際現在所有している車種は同じ名前の、2代目であるが、この車に乗り出してから、あわや交通事故になろうかと思われる危険運転に、何回遭遇したことだろうか。

自動車を頻繁に運転する方には、お分かりいただけるだろうが、運転者は、自分の周りを走っている車の「車種」で、自分の運転態度を決める傾向がある。わたしが所有している「おとなしい市民」が多数利用している、と思われる車種には、たとえばBMWやメルセデスベンツ、国産の大型車が、強引に接触すれすれで割り込んできたり、広い道にでようと待っていると、わたしの前に2台待っている車があるにもかかわらず、やかましくクラクションを鳴らしてくる。

あまりの失礼さに、わたしがサングラスをかけて車を降り、クラクションをやかましく鳴らしたBMWの運転席の窓をノックすると、ご婦人が急に顔色を変え「どうしよう!?」と焦っている。それでもわたしはノックを続ける。ようやくご婦人が窓を開ける。

「わたしが動けないのに、クラクション鳴らされてもしょうがないじゃありませんか。やかましいですよ」

「急いでいたものですから……すみません」

「急いでいたって、わたしの車は動けないでしょ。あなたは、『どうせおとなしい運転者だ』とおもって、気軽にクラークション鳴らしたのでしょうけど、わたしのような人間が運転していることもあるんですよ」

「すみません! 二度と鳴らしません」

毎日車を運転するわけでもないのに、平均すると、月に一回はこのような場面に遭遇する。

◆「あおられる方」の運転態度に問題があるケース

それから、文字通りの「あおり運転」には、「あおる方」だけではなく、「あおられる方」の運転態度に問題があるケースが少なくない。どなたが採った統計だったか忘れたが、大阪では赤から青信号に変わって、0.4秒経っても信号待ちしている先頭の車のブレーキランプが消えないと、後続車がクラークションを鳴らす、という(本当に科学的かどうかわからないが)調査結果をむかし耳にしたことがある。

たしかに、大阪中心部の運転は荒いし、せっかちな人が多い。逆にわたしの居住地では、赤信号が青にかわって、5秒くらい発進しない車がざらにみられるし、こちらが右折しようとしているのに、前方から直進してくる自動車が、交差点内で、停止して右折を譲ってくれることしばしばだ。親切といえば親切ではあるが、交通法規上は、「直進優先」が原則だから、このように交差点で直進しようと思い、信号が青だと確認していても、前の自動車が急停止することがある、実はこれは非常に危険な行為で、この近辺ではこのような運転による事故も多い。が全国的な問題ではないから、報道されるほどのことではない。

つまるところ「あおり運転」は、マスコミがこぞって問題にしなければならないような重大問題ではない。消費税の引き上げ、年金の引き下げ、原発事故による健康被害や汚染水問題。それらに比べればはるかに社会性の低い問題だ。社会性の低い問題を過剰に報道し、社会性の高い問題を報じない。これもある種の道義的罪ではないか。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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続々湧き出す第4次改造安倍政権の新閣僚スキャンダル 政治家と暴力団の切っても切れない関係

反社会勢力、すなわち暴力団と政治家の関係は、集票とカネ(利権)という政治の根幹にかかわるゆえに、本質的に切れないものである。

第4次安倍第2次改造内閣(首相官邸HPより)

「いい人だけ付き合ってるだけじゃあ選挙落ちちゃうんですよね」
これはたびたび引用することになるが、2016年1月に辞任した甘利明社会保障・税一体改革担当大臣の辞任会見での発言である。URへの口利きのあっせん利得として、事務所(秘書)が建設会社から1200万円を受け取っていた責任をとって、辞任した一件だ。この「いい人だけ」の裏側には「悪い人と付き合う」が含意され、そこにはパーティ券の購入や資金援助、ブラックな人脈との付き合いが政治家の本質だと暗喩されている。

それがただの暗喩ではないことを、今回の改造内閣はわれわれに明示している。すでに派閥均衡(ただし反主流派は除外)の順送り人事であるがゆえに、70歳をこえた老害政治家や、とうてい大臣の任にたえない新閣僚を本欄で紹介してきた。9月18日の記事参照

◆経済ヤクザは、かならず政治家と結びつく

今回は単に能力がないだけではなく、暴力団と密接な付き合いがある新閣僚を紹介することにしよう。しかし、それを単なるスキャンダルとして突き出すつもりはない。反社会勢力というレッテルも暴力団という概念も、警察官僚が作り出した法律用語にすぎず、かならずしも実態を反映していないからだ。

たとえば警察官のなかに圧倒的に性犯罪が多いのは、抑圧された階級組織に特有の病理である。だからといって警察官が全員性犯罪者とはいえないし、警察組織を犯罪組織とみなすこともできない。ヤクザ(任侠)組織も同様に、犯罪を是認している組織は存在しない。建前だけとはいえ、任侠道はまっとうな人の道を説いている。ヤクザに暴力事犯が多いのはケンカのプロという側面からある意味当然だが、それはカタギ(一般市民)に迷惑をかけてはいけないという組織の規律に担保されている。そして経済のグレーな部分を担う経済ヤクザは、かならず政治家と結びつく。それは政治家とヤクザの関係の本質なのである。

だが大臣となった以上、警察官僚が決めつける反社会勢力との密接交際は許されないことになる。いわば本質と建前のあいだで、政治家は集票力とカネを大臣職と引き換えに返上するシステムになっているのだ。したがって本来はスキャンダルではないはずのものが、閣僚になることでマスコミの標的にされることになる。甘利氏が言うとおり、政治家は矛盾した存在なのだ。そんな新閣僚が、今回の改造内閣でも浮上してきた。

◆田中和徳復興大臣 よく調べてみると、無能だった

「産経新聞」2011年10月22日ウェブ配信から引用しよう。復興大臣に就任した田中和徳氏(70歳)である。※引用の肩書は当時。

田中和徳復興大臣

【自民党の田中和徳(かずのり)元財務副大臣(62)の政治団体が、平成18年に開催した政治資金パーティーで、指定暴力団稲川会系組長が取締役を務める企業にパーティー券を販売し、40万円を受領していたことが21日、産経新聞の調べで分かった。パー券販売は財務副大臣在任中で、暴力団側から政治家側への直接の資金提供が判明するのは極めて異例。暴力団排除条例が全国の自治体で制定されるなど「暴排」の動きが加速する中、国会議員と暴力団側の関係が発覚した。政治資金収支報告書や関係者によると、パー券を購入していたのは東京都品川区に本社を構える企業。設立は昭和62年で、法人登記では「日用品雑貨の販売」「金銭貸付業」などとなっている。捜査関係者によると、同社は暴力団のフロント企業として認定されているという。稲川会系組長は、設立当初は代表取締役を務めていたが、平成4年からは取締役に就任。同社が長年にわたって暴力団の影響下にあり、資金源となっていたことがうかがえる。】(2011年10月22日付け産経新聞

すでに8年前の件でもあり、本来ならば問題視すべきではないことかもしれない。しかし暴力団との結びつきを暴露されるということは、ある意味で無能の証明でもある。そしてこの人物が大臣不適格なのは、あまりにも職務に不勉強であるからだ。9月12日に、田中復興大臣は福島県庁を訪れ、内堀雅雄知事と会談している。

ところが、この会談では官僚のペーパーを棒読みするばかりだった。記者会見でも避難者の住宅問題などには何も答えられなかった。取材者や県職員からは資質を疑問視する声が上がったという。

「民の声新聞」発行人の鈴木博喜氏は、退出する田中大臣に「自主避難者追い出し訴訟議案」(国家公務人宿舎に入居している避難者5世帯が被告になる)について「福島県が福島県民を訴えるなんて事が良いと思いますか?」と尋ねたが、「いや、これはちょっと私も……」と、しどろもどろの返答なのである。鈴木氏の記事から引用させていただく。

【事務方が「新幹線の時間がありますから」と制する中、筆者は「大臣の所管する話ですよ」、「勉強不足ですよ」と続けた。田中大臣は小さな声で「勉強不足って言われても……」とつぶやきながら会見場を後にした。】(2019年9月13日付け民の声新聞)

勉強不足だと思えば、その場で詳しく聞けばよいだけの話だ。質問の要旨をメモにとって、事務方に調べさせればよいのだ。それすらもできない大臣は、必要ないのではないか。

◆武田良太国家公安委員会委員長 さすがに暴力団からカネをもらったのはマズいだろう

武田良太国家公安委員会

つぎに「朝日新聞」(2019年9月13日付け週刊朝日)から引用しよう。
【2010年11月に公表された、武田氏の政治資金管理団体「武田良太政経研究会」の収支報告書によると、09年4月に開かれた政治資金パーティー代として、東京都のA社が50万円を献金している。また、11年11月公表の収支報告書では、A社の実質的な代表であるI氏が10年4月の政治資金パーティー代として70万円を支払っている。実は、このI氏、警察当局が指定暴力団山口組系の組員ではないかと当局からマークされ、裁判で素性が明かされた人物だった。
 08年12月、東京地裁で開かれた刑事事件の法廷。上場会社E社の創業者のH氏が、暴力団関係者に脅迫され、金銭を要求された恐喝未遂事件の裁判で、被害者として証言に立ったが、本誌が入手した裁判資料によると、I氏についての以下のような記述があった。
弁護士 E社はA社と業務提携なさいましたよね?
H氏   はい
弁護士 Iさんが元暴力団の構成員だというのもご存じですよね?
H氏   知りませんでした。はじめは
弁護士 知った後、あなたはどういう対応を取りましたか?
H氏   契約の解除に動きました
 ここで出てくる、「Iさん」こそ、武田氏に多額の献金をした人物と同一なのだ。】

政治家と暴力団の蜜月は、集票とカネ(利権)にかかわる本質的なものだと、わたしは冒頭で定義した。しかし、大臣は国政の責任を負う存在である。ましてや、警察機構を統括する国家公安委員長が、過去のこととはいえ暴力団から政治資金パーティーの代金を受け取っていたのである。

武田氏は13日の記者会見で「個別の報道には答えを差し控えたいが、政治資金は法令に基づき適切に処理されている」と説明した。もはや論評は不要であろう。警察庁を所轄する大臣が、適切に処理されていれば暴力団から献金を受けても良いと明言したのだ。

◆組長と仲良く写真を撮っていた竹本直一IT担当大臣 

最後は本欄ですでに、ハンコ文化を大切にする新IT担当大臣として紹介した竹本直一氏(78歳)である。同じく「朝日新聞」からだ。

山口組幹部だった男性と竹本直一氏(2018年8月撮影)

【閣僚名簿で「グレーな交友」を疑われたのが、科学技術担当相に起用された衆院当選8回の竹本直一氏(78)。SNSに、18年8月、花火を見物している竹本氏と記念写真に一緒に写っている角刈りの男性の姿がある。指定暴力団山口組系組幹部だったX氏である。同年3月に、竹本氏の後援会が開催した新年賀詞交歓会のパーティーで、X氏と岸田氏が親しそうに写真に納まっている写真が、写真週刊誌「フライデー」にも掲載された。
「X氏は長く幹部である組の顧問を最近までやっていたようだ。昔から、資金力豊富だと有名だった。岸田氏や竹本氏との写真は、箔(はく)をつけるために撮ったのでしょうね」(捜査関係者)そして、宏池会所属のある議員はこう話す。
「(フライデーに写真が出た時から)竹本氏は相手が暴力団関係者であることがわかっていたはず。岸田会長も、あの報道には激怒していましたよ。なぜ、竹本氏はSNSの写真を削除させなかったのか? こんなわきの甘さでは、大臣が長く務まるとは思えないですね」(2019年9月13日 週刊朝日)】

よくわかった。この人(IT政策担当大臣)はハンコをこよなく愛しているが、パソコンはたぶん自分で使えないのだろう。ホームページが「なぜかロックされている」のは既報のとおり、SNSも自分で管理できないから暴力団組長との記念写真を削除できなかったのであろう。

▼横山茂彦(よこやま しげひこ)
著述業、雑誌編集者。近著に『ガンになりにくい食生活』(鹿砦社ライブラリー)『男組の時代――番長たちが元気だった季節』(明月堂書店)など。

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安倍総理が小泉進次郎を環境相に迎えた本当の理由は何か?

小泉進次郎の環境相兼原子力防災担当相への就任。それを仕掛けたのは、菅義偉および田崎史郎だった。月刊「文藝春秋」9月号の「令和の日本政治を語ろう」というキャッチで、小泉進次郎と菅義偉の初対談が12頁にわたって掲載された。


◎[参考動画]環境相に小泉進次郎氏 第4次安倍再改造内閣が発足(共同通信2019/9/11公開)

◆進次郎を誘った菅官房長官の狙いは明らかだ

その中で菅氏は「進次郎という政治家をずっと見ていて感じるのが、何かをやろうという意思を常に持っているというところ」さらに「改憲は自民党の党是です」と迫ると、進次郎氏も「改憲にはもちろん賛成です」と応じる。田崎氏が「九月には内閣改造、自民党役員人事が控えています。進次郎さんはもう閣僚になっていい?」と振れば、菅氏は「私はいいと思います」と言明している。この記事は小泉進次郎を閣僚に登用する宣言だったのだ。

そして滝川クリステルとの結婚報告を、首相官邸で行なうという政治の私物化を堂々とマスコミに披露した。マスコミもそれを批判するどころか、まるで芸能人扱いだった。

ご存じのとおり小泉進次郎は無派閥で、どちらかといえば石破茂に近いとされてきた。というのも自民党農林部会で活動し、内閣府政務官として農業および地方創生で石破茂の活動を補佐してきた。のみならず、安倍総理と石破氏が総裁を争った党内選挙では、公然と石破氏への投票を明らかにしてきたからだ。ナショナリズムと個人的感情、そして独裁的な手法で政治を切りまわす安倍総理に、小泉進次郎も危険なものを感じていたからにほかならない。そして父純一郎の反原発政策を、基本的には引き継いでいるとされる。

進次郎を誘った菅官房長官の狙いは明らかだ。参院選挙で与党改憲勢力が3分の1を割り込み、自民党も議席を減らしている。消費税増税でさらに景気が冷え込み、アジア外交の行き詰まりから、安倍政権が死に体になるのは目に見えている。そこで話題づくりのために、国民的に人気のある小泉進次郎の閣僚起用ということになったわけだが、狙いはそれだけではない。あらゆる政治家は、ナンバーツーの存在を許さない。独裁的な政治家であればあるほど、政敵になりそうな政治家を潰しにかかるのだ。これまで一匹狼的に、いや孤高の立場から政治をコメントし、国民がその言動を注目している小泉進次郎人気を取り込み、しかし政治的な試練を与えることで「育成する」と称しながら、そのじつ潰しにかかっているのが菅官房長官および安倍総理の本当の思惑なのだ。

◆意地悪な人事だった

たとえばアメーバニュースの座談会で、ジャーナリストの堀潤氏は「(小泉氏の入閣が)意地悪な人事だった」と述べている「2020年にはオリンピックがあり、韓国もそうだが諸外国から日本の原発に関する注目度が高まっていく。政府は『アンダー・コントロール』と言っているが、その時に差配を振るうのが小泉さんだ。加えて、以前に比べて環境に対するブランド力は上がっている。その2点を踏まえて『やれるもんならやってみな』という思惑も見え隠れする」と言うのである。

いっぽうで、元日経新聞記者の鈴木涼美氏は「首相候補といわれている小泉さんを無傷で置いておくために環境大臣にしたのでは」と指摘した。「環境省は常駐の記者がいないくらいニュースに乏しいところだった。ニュースにならないということは安全ということだ」という。

ネットニュースのスマートフラッシュの記事によれば、進次郎氏を長年取材する政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は、こう指摘する。

「安倍(晋三)首相が、進次郎氏に環境相を打診したのには、“嫁いびり” というか、試練を与え、政権批判を封じ込めるという意図がある。父・純一郎氏は原発に反対。その整合性は取れるのでしょうか」と。父の小泉純一郎氏は「(原発の廃止に)大いに期待していると」記者会見で語気をつよめた。


◎[参考動画]「自然エネで発展できる国に」息子・進次郎に要望(ANNnewsCH 2019/9/15公開)

◆嫁いびりという見方も

初出張は、前任者の“お詫び行脚”だった。小泉進次郎氏は、就任翌日(9月12日)に福島県を訪問している。前任の原田義昭衆院議員が、福島第一原発の汚染水について、「海洋放出しかない」と発言したことを謝罪したのだ。

「この発言によって、お怒りになった方、またたいへん苦しい思いをされた方にまず会って、自分なりの気持ちをお伝えしたいと思った」というものだ。

原田氏の発言については、科学的な所見をふまえたものという評価もある(高橋洋一嘉悦大学教授・現代ビジネス)。高橋教授によれば、被災者に寄り添うだけでは汚染水問題解決しないということになる。

「環境相は、いまや発信力だけではなく、調整力や結果も問われる難しいポストになってしまった。大臣になって “逃げ” の発言が多くなれば、失望が広がりかねません」(政治ジャーナリストの角谷浩一氏、スマートフラッシュ)という見方もある。そして厳しい意見もある。

「前任の原田氏が、あえて批判の的になることを覚悟して『海洋放出』というボールを投げた。ところが、進次郎氏はじっくり考えずに動いた。世界の事例から考えても、処理水は希釈し、海洋投棄しても何ら問題はない。進次郎氏はその可能性をつぶしたのではないか。進次郎氏は、自らの発信力を『風評被害払拭』に向けるべきだ。寄り添っているフリだけ巧みにしているようでは、今後が心許ない」(ジャーナリストの有本香氏、夕刊フジ「以読制毒」)。これで安倍政権が、単に小泉人気を取り込んだだけではなく、閣僚人事が熾烈な「政局」であることを見ておく必要があるだろう。

◆よく似ている安倍総理と進次郎氏

それにしても、安倍総理と小泉進次郎氏はよく似ている。国民への好感度は、明快なしゃべり方、演説の能力によるものだ。演説の能力とは、同時に質問をかわして自分勝手な演説でそれを答弁に代える詭弁的な能力でもある。言葉の軽さと言い換えてもいいだろう。

難しいとされた日朝交渉に、当時官房副長官として登場した安倍氏は、自民党のプリンスとして国民的な期待感のなかで総理まで登りつめた。ちょうど20年前の安倍氏と、現在の小泉氏の姿はかさなって見える。政治家になる前史からたどってみたい。

その人の学歴を云々するのが、やや下品な批評であることを承知で解説しておくべきであろう。ふたりとも出身校は一流とはいえない。

安倍晋三氏は小学校から大学まで三菱財閥系の成蹊学園で、東大や慶応をめざした様子はない。東大法学部からキャリア組で警視庁入りし、のちに警察庁の審議官までのぼりつめた超エリートの平沢勝栄が家庭教師についても、晋三氏はお坊ちゃんが行く一貫校卒だったのから、その学力は推して知るべし。しかし、キャリアを積むためにアメリカに語学留学し、語学学校をへて南カリフォルニア大学に留学。神戸製鋼に入社し、ニューヨーク事務所、東京本社でビジネスキャリアを積んだ。南カリフォルニア大学はスポーツで有名だが、アメリカの最難関校とされている名門だ。その後、外務大臣を務めていた父晋太郎氏の秘書官になる。

小泉進次郎氏も、小学校から関東学院である。関東学院大学といえば、一時ラグビー部(春口監督)が大学選手権を連覇するなどの有名校(のちに大麻栽培の生活事故で凋落)だが、学力的にはトホホである。かつては赤軍派の拠点校として有名だった。東大闘争の安田講堂死守戦では、社学同の籠城部隊の主力だったという。横須賀にちかい六浦キャンパスは環境がいいといえばいいが、横浜から遠すぎる。小泉氏も安倍氏と同様に、国内でのトホホな学歴を、アイビーリーグの名門コロンビア大学に留学することで克服した。その後、ロンドンタビストック人間関係研究所配下の戦略国際問題研究所非常勤研究員をへて、父純一郎氏の私設秘書を務める。

◆安倍・小泉両家に共通する選挙基盤をささえてきた「黒歴史」

だが、ふたりが似ているのは、学歴やその後のキャリアアップだけではない。安倍・小泉両家ともに、反社会勢力との密接な関係で選挙地盤を築いてきた、隠された歴史があるのだ。

小泉家においては、横須賀一家がその選挙基盤をささえてきた「黒歴史」がある。横須賀一家とは稲川会の中核組織であり、現在も八代目の金澤伸幸が会長補佐を務めている名門だ。小泉純一郎を支援していたのは五代目にあたる石井隆匡、すなわち二代目稲川会会長、その人である。石井会長は竹下登にたいする皇民党の「褒め殺し」を止めたことで知られる。北祥産業というフロント企業を経営し、政商として自民党を操った。

三里塚闘争の「話合い」も北小産業で行なわれた。その石井会長の子分に浜田幸一元衆院議員、事実上の兄弟分に金丸信元自民党副総裁がいる。石井会長は金丸信と竹下登に「裏総理」と呼ばれ、赤坂の東急ホテルで会合するときには、若き日の小沢一郎がボディガードよろしくラウンジの入り口に立っていたという。

いっぽう、安倍家も小泉家におとらずヤクザと親しい歴史を持っている。地元の合田一家とは長らく、選挙協力の関係にあったという(地元関係者)。そして安倍晋三自身が、やはり対立陣営への選挙妨害などで特別危険指定暴力団の工藤會と密接交際をかさねていたのは、昨年8月の本欄および「誰も書かなかったヤクザのタブー」(タケナカシゲル著、鹿砦社ライブラリー)にくわしい。

かような相似性を持っているがゆえに、安倍総理の側からは小泉進次郎を手玉に取るのはたやすいことであろう。進次郎氏のほうもまた、安倍総理の成功に自分をかさねて政治家としてのキャリアアップの図を描き、シンパであった石破氏を見限ったのであろう。今回の入閣がキャリアアップにつながるのか、それとも安倍総理に潰されるのか、最大の興味をもって見守りたいものだ。

▼横山茂彦(よこやま しげひこ)
著述業、雑誌編集者。近著に『ガンになりにくい食生活』(鹿砦社ライブラリー)『男組の時代――番長たちが元気だった季節』(明月堂書店)など。

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ある日、朝起き上がる気力がなくなった…… 男性更年期障害にどう向き合うか?

古い友人が苦しんでいる。「精神疾患と名前が付くほど状態ではないけど、仕事に行くことができず、本人曰く『エネルギーが枯渇している』と感じる」らしい。メールで「調子が悪い時、お前はどうやってしのいでいる?」と質問が来たので、はて、あの元気者が何を言い出したのか、と疑問は感じていた。

しかし一時的な忙しさ(奴の仕事は定型業務が全くないといってよいほど、バラィエティーに富んだ珍しい仕事だ)ゆえのことだろうと、わたしは深刻には考えなかったので、「とりあえず疲れが取れるまで寝とけ」とメールへ返信した。

◆ある日、朝起き上がる気力がなくなった

ところが数日後、今度は電話がかかってきた。「お前、京都の精神科知ってるだろう? どこがいい?」今回はかなり切羽詰まった声で前置きもなく精神科を紹介してくれという。事情を聴くと半年ほど前から心身の疲労蓄積を感じるようになり、疲れているのに睡眠が浅くなったそうだ。その後症状が徐々に悪化して、ある日ついに朝起き上がろうにも、その気力がなくなったという。

彼には気配りのできる伴侶がいるので、彼女にも体調の変化を聞いてみた。すると「実は半年前から私仕事を始めたので、朝は早く出かけて、夜の帰宅も早くはなくなりました。ちょうどそのころから彼の調子がおかしくなった」とのことであった。ご伴侶は世間でも「先生」と呼ばれる公的資格を持っていて、長年専業主婦の座で我慢してきたが、子供も就職が決まり夫婦二人になったので半年前から現役復帰をしたというわけだ。

◆「そんなふうに俺がなるもんか」という思い込み

私には奴と似たような経験があったので、気心の通じた開業医の精神科を紹介した。診察結果は私の予想通り「抑うつ状態、3か月の自宅加療を要する」であった。

私は出来立てほやほやの、その診断書を目にして「先生、この加療3か月ですが、1年にしていただけませんか。こいつは会社の経営者で会社は順調ですから1年くらい休めます。金も羨ましいほど持ってます。ただ、大学を出てからろくに休まずに四半世紀以上猛烈に働いてきたから」と付き添った私がお願いすると「経営者のかたですか。ならば雇用を切られる心配はないのですね。わかりました。加療はいきなり1年は書けませんから6か月にしましょう。その間には受診に来られますからまた伸ばせばいい」と私の意をくみ取って頂けた。

診察室を出てすぐに奴は「おい、1年も仕事休めねえよ。お前無責任だな」と小声で言うので「じゃあ廃人になるか、自殺に追い込まれたいか?」ときつめの視線で睨んでやると「そんなふうに俺がなるもんか」と視線をあわさずに言うので、「そう思っている人間が危険なんだよ。俺もそうだった。体力はともかく精神的に崩壊するなんて絶対にない、と思い込んでいたよ。俺の場合は20年ほど前だけどね。自分のことを『救急車』みたいに思っていたのさ。『救急車』は病人や怪我人を運ぶだろ。だけど時々運転ミスで事故をするとニュースになる。あれだよ。横転した救急車ほどか原状回復が難しいものだよ」と自信をもって長期療養を勧めた。

◆「俺が鬱になるはずがない」と思っている中年男性こそ危うい

最近奴ほど深刻ではないものの、同様の相談を受けることが多くなった。いずれも同世代の男性からだ。そして医学書にも書かれているが、私はほぼ確信を持ちつつある。これは男性の「更年期障害」というやつと無縁ではないと。ただし私の定義する男性更年期障害は性欲や性機能とは無縁の症状を指す。

女性の更年期障害には研究の蓄積があり、女性ホルモンの投与などで症状を抑える対処療法も確立されているが、男性の「更年期障害」については、「定期的に運動をする」とか「気分転換を心掛ける」など、まだこれといった決め手はなさそうだ。おじさんからおじいさんに転換する時期に男性更年期は起こることが多いようだ。たいていは軽度で1年以内に快癒するらしいが、男性更年期だけでなく「燃え尽き症候群」を伴っている場合には別の危険性もある。

わたしが知人に感じたのはその危険性だった。「俺は大丈夫。俺が鬱になるはずがない」と思っている中年男性が、これまで感じたことのない精神的な壁にぶつかったら注意した方がいいだろう。

「仕事が生きがい」の人でも「このままだったら『死ぬよ』」と警告すれば、ほとんどの人が休みを選択する。こう言っては失礼だが職人さんや小企業の経営者を除いて、「あなたがいないと回らない」仕事などないのだ。そのことに本当に気が付いたときに、思考の転換への好機が訪れるだろう。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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田所敏夫『大暗黒時代の大学──消える大学自治と学問の自由』(鹿砦社LIBRARY 007)

奇人変人総集合の第4次安倍改造内閣で国民が払う重いツケ

第4次安倍改造内閣の閣僚が酷すぎる。誰が大臣になっても政治は変わらないというのは一つの真理だが、失政の多くは閣僚個人を通じて行われるものであって、そのツケはすべて国民が背負い込むことになる。どれくらい酷い政治家ばかりなのか。紹介をかねて、その言動をあばいていこう。

◆竹本直一特命担当大臣(78歳)──このIT大臣はパソコン使えるのか?

竹本直一内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策)

元サイバーセキュリティ担当大臣で「PCを使ったことがない」「オリンピック憲章は知らない」「パラピック(パラリンピックのこと)」と国民を驚かせたのは桜田義孝(五輪担当)だが、所信表明に近い改造後の発言は、その大臣の資質を自己暴露するものだ。今回、IT政策担当大臣に抜擢されたのは、竹本直一氏(78歳)である。78歳と高齢なのは、内閣が派閥均衡(ただし主流派のみで、石破派など反主流派は排除)と順送りの起用の結果だ。竹本氏も政務官や副大臣を歴任し、今回晴れて大臣就任となったわけだ。IT担当相のほか、科学技術政策担当、宇宙政策担当、クールジャパン戦略担当、知財戦略担当の特命担当大臣として初入閣である。

ところが、いやある意味で当然というべきか、早々からトンデモ事態が明かになって物議をかもしている。なんと、自らのホームページがロックされ閲覧できない状態になっているのだ。ご本人は「なぜロックされているのか、原因はわからない」という。その後、竹本氏は自身の公式ツイッターで、「ドメインを管理している会社からロックがかけられた状態になっており、復旧作業を進めている」などと説明している。

そしてもうひとつ、記者会見で突然「行政手続きのデジタル化と書面に押印する日本古来のハンコ文化の両立を目指す」と言い始めたのだ。役所をはじめとする事務手続きでハンコが必要となる煩雑さに関して、これまでにも議論が沸き起こっていたが、デジタル化を推進するはずの大臣がこんなことを言いはじめたのだ。ハンコ文化は中国・朝鮮から渡ってきたもので、それを「日本古来の」と言いなすのも見識が問われるというものだ。そして問題なのは、竹本氏がハンコ議連の会長であることだ。これは業界の利害をのみ突き出した、利益誘導ではないのか。いや、そもそも桜田元大臣といい、竹本大臣といい、高齢でとてもITに向いていない人材を、最先端技術の要職に登用しなければならないところに、安倍政権の末期的な姿がある。

◆北村誠吾地方創生・規制改革担当大臣──職務をわかっていない老害大臣

北村誠吾地方創生・規制改革担当大臣(同氏HPより)

30年以上にわたって、地元住民(建設地の地権者)が反対している石木ダム(長崎県川棚町)について「誰かが犠牲にならなければならない」と、強制収容を匂わせた大臣もいる。大規模ダムなどという昭和の遺物に執着する、まさに老害といういうしかない。

その人物は72歳という高齢で地方創生・規制改革担当大臣に就任した、北村誠吾氏である。ちなみに、地元住民は治水対策としては水道管の漏水など、生活に直結したものを優先してほしいと訴える。

9月7日にはダムに反対する集会に150人ほどが集まり、「土地の強制収用はさせない」とする宣言文を採択した。宣言文は9日に県知事あてに提出する予定。参加者は集会後、のぼりなどを掲げて市街を練り歩き「ダムは要らない。皆で止めよう」と声を上げた。北村氏は就任会見では「大臣の仕事については、これから勉強していきたい」と、準備ができていないところを自己暴露したが、官邸への呼び出しが当日にならないとわからない組閣の常とはいえ、あまりにも安易な順送り起用とはいえないだろうか。

◆衛藤晟一一億総活躍担当大臣──日本会議と現政権の直接の窓口役

衛藤晟一一億総活躍担当大臣(同氏HPより)

改造政権はポンコツであるとともに、トンデモ極右政権でもある。一億総活躍担当相として入閣した衛藤晟一氏(71歳)がその最右翼といわれている。1947年生まれで、学生時代は三派全学連・全共闘の時代とかさなる。衛藤氏は大分大学で「九州学生自治会連絡協議会」(のちに全国組織)を結成し、打倒全学連運動の先頭に立ったという。生長の家の活動家でもあった。大分市議、県議をへて衆議院議員(現在は参議院)と、官僚出身ではなくベタに党人派としてのキャリアを積んできたわけだが、その極右思想は一貫している。日本会議国会議員懇談会の幹事長をつとめ、日本会議と現政権の直接の窓口役となっている。

「日本会議の生みの親」とも呼ばれる村上正邦元参議院幹事長はインタビューでこう発言している。

「もし安倍さんが日本会議の言い分を尊重しようとしているなら、衛藤晟一を大臣にしているはずですよ。だけど、入閣させてないということは、そういうことですよ。日本会議の象徴は、稲田(朋美・防衛相)じゃない。稲田だとみんな言うが、衛藤ですよ」(「週刊ポスト」2016年9月2日号/小学館)。自衛隊の国防軍化、原発賛成、死刑制度賛成、夫婦別姓反対、女系天皇反対と、極右政治家としての基本政策はもちろん、婚外子の差別を是正する「婚外子の相続分規定改正案」に、自民党の党議拘束に反して賛成票を投じなかった筋金入りの超保守なのである。

◆お友だち起用の萩生田光一文科大臣──安倍氏・加計氏と3人でバーベキュー

衛藤氏よりもさらに極右で、しかも安倍総理にベッタリの役どころを演じると思われるのが、文部科学大臣に就任した萩生田光一氏だ。萩生氏の議員会館事務所には、なんと教育勅語が掲げられているという。

文科相としての起用には伏線がある。それは2013年には自民党の「教科書検定の在り方特別部会」の主査に就任していることだ。同部会は「自虐史観に立つなど、多くの教科書に問題となる記述がある」と教科書会社の社長や編集責任者を呼び出し、南京事件や慰安婦問題、竹島などの領土問題、原発稼働の是非などに関する教科書の記述について聞き取りをおこない、圧力をかけたこともある。

2007年には、日本会議の設立10周年大会にメッセージを送り、「行き過ぎたジェンダーフリー教育、過激な性教育」対策では日本会議の識者の先生方の後押しもいただき、党内でも問題を喚起し、ジェンダーの暴走をくい止め、正しい男女共同参画社会へと路線を変更する事ができました」などと自慢げに報告している。それよりも萩生田氏の最大の問題点は、安倍総理の「お友だち利権」であろう。

第一次安倍政権いらい、安倍総理は仲間内を大事にして、いわば上級国民ともいうべき階層を代表する政治運営に奔走してきた。大企業の法人税の軽減による「経済の活性化」という、およそ消費重視の内需拡大の経済発展ではなく、一部の資本家と上層社会が儲かる仕組みをつくってきた。

羽生田氏と安倍・家計

そしてもうひとつが、お友だち優遇の行動である。羽生田氏は選挙に落ちた「浪人時代」に、加計学園系の千葉科学大学の客員教授に就任しているが、2017年に内閣官房副長官として「教授就任前に加計氏とは付き合いはなかった」と国会答弁している。ところが、2013年ごろの写真として安倍氏・加計氏と3人でバーベキューをしている写真が暴露されたのだ。そこから「嘘つき政治家」と称されるようになったのだ。平気で嘘をつくような人物を、お友だちだからといって教育にたずさわる文部科学大臣にしてもいいのか。

反安倍から官邸での結婚報告と、安倍政権へのすり寄りに転じた小泉進次郎の環境相就任。元SPEEDの今井絵里子が当選一回ながら内閣府政務官に就任するなど、話題に事欠かない第4次改造安倍内閣。長くなりそうなので、この記事は続編を期待してほしい。

▼横山茂彦(よこやま しげひこ)
著述業、雑誌編集者。近著に『ガンになりにくい食生活』(鹿砦社ライブラリー)『男組の時代――番長たちが元気だった季節』(明月堂書店)など。

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安倍晋三までの62人を全網羅!! 総理大臣を知れば日本がわかる!!『歴代内閣総理大臣のお仕事 政権掌握と失墜の97代150年のダイナミズム』

ディズニーランドとVサイン 消えた不良と80年代の虚無

玲子さん(仮名)はわたしの友人の連れ合いで、同じ年だ。友人もわたしと同学年なので3人とも「同じ年」うまれである。玲子さんは大学卒業後から専門的な職業にフルタイムで勤務し、結婚、出産を経た現在も勤め続けている。友人も悪くない収入を得ているので、お二人をあわせた年収は2000万円近くにはなるだろう。

わたしの友人と玲子さんは、学生時代に知り合い結婚した。その後お子さんが3人生まれた。わたしは友人とは気楽に話ができるが、同学年である玲子さんとは、どうも波長が合いにくい(めったに顔を合わせることもないからかもしれない)。

◆ディズニーランドとVサイン

玲子さんは忙しい中、実に活動的に生活をしている。彼女はディズニーランドの年間パスポートを持っている。いつからかは知らないが、毎年年間パスポートは購入している。いったいいくらするのか調べたら(おせっかいだが)ディズニーランドだけ入場可能な年間パスポートが、大人61,000円で、ディズニシーにも入場可能な「2パーク年間パスポート」は、大人89,000円だ。玲子さんの家からディズニーランドまで、日帰りできなくはないが、新幹線を利用しても片道3時間近くはかかるから、ディズニーランドに行くときは、だいたい近くのホテルに宿泊することになる。アトラクションが変わると、必ず出かけるそうだ。そのたびに両手いっぱいのディズニーランドで購入したお土産を買って帰ってくる。

玲子さんに限ったことではないが、わたしたちの世代には、写真や、映像に写るとき手のひらで「Vサイン(ピースサイン)」のポーズをする人が珍しくない。玲子さんは友人によると、確認できる限り慶弔時などを除けば「すべて」の写真で「Vサイン」のポーズをとっているという。それは80年代から今日まで変わらない。夫婦ともにフルタイムで働き3人の子どもを育て上げるのは、さぞかし手もかかり忙しいことだろうと想像するが、友人によれば「それほど大したことではない」という。立派なものだ。


◎[参考動画]東京ディズニーランド 周年 CM(1983-2018)

◆お子さんの不登校と友人たちとのランチ

だけれどもお子さんのうちの一人は数年前から不登校気味である。理由はわからないが親子間の問題が原因ではなさそうだ。だからであろうか。玲子さんは不登校のお子さんのことはあまり気にせず、休日には友人たちと「ランチ」(「ランチ」は「ひるごはん」の意味だと思っていたが、女性が寄る「ランチ」は「ひるごはん」を食べながら、延々何時間もおしゃべりをすることを指す場合もあると近年知った。結果解散は夕刻になる)に出かけたり、海外旅行に行くこともある。

近年出かけた海外旅行は、玲子さんの友人たちとの旅行、2泊3日だったそうだが、そこで玲子さんが納まった写真でも、やはりかならず「Vサイン」がみられる。玲子さんのほかにも結構な頻度で「Vサイン」をしている人の姿もある。何が理由だか記憶にはないが、たしかに中学時代の修学旅行や、大学時代にわたしのまわりでも、男女を問わず写真機を向けられると「Vサイン」をする姿はめずらしくなかった。いまの若者はどうか知らないけれども、わたしたちの世代にとって「写真に映るときは『Vサイン』」は結構浸透していて、染みついている。

1960年代中盤生まれのわたしたちの世代に記憶が定かなのは、大阪万博あたりからであろう。多くの同世代の知人は、大阪万博について断片的であれ何らかの記憶を語ることができる(居住地が大阪に近かったこともあろうが)。途方もない人の波と何時間にもわたるパビリオンへの入場待ちの列。子供ごころに「足痛い。こんなん、もうええわ」と退屈した記憶がある。あの記憶以降、わたしには長蛇の列は、なるべくであれば避ける習性が身についている。一方玲子さんは逆だ。2-3時間待ちはディズニーランドでは常識の範囲らしい。平日は仕事をしているから、週末に出かけることが多いという。当然ディズニーランドは、平日よりも休日のほうが混むだろう。 

◆消えた「不良」

わたしたちの世代には「不良」がいた。「不良」は見た目で識別できた。今日、わたしが知る限り、容姿から「不良」が識別できるのは大阪の南部の限られた地域と沖縄だけである(ほかにも地域はあるかもしれないが直接目にしたことはない)。
「不良」が可視的であった時代には素行もだいたい予想ができた。そしてみずからは「不良」ではないが、なんとなく「不良っぽい」姿や行為に魅力を感じる若者もいた。彼・彼女らは表立っての「悪さ」はしないが、親が出かけた友人の家に集まってタバコを吹かしたり、酒を飲んだり、いまでは「クラブ」と呼ばれる「ディスコ」に高校生(ときに中学生)であっても繰り出したりしていた。


◎[参考動画]中学生暴力白書 black emperor ブラック エンペラー

まだ暴対法や、風営法のない時代。良くも悪くも今ほど「管理」が緩い時代だった。わたしには「不良」経験はないが、玲子さんは少し「不良」っぽい姿や振る舞いをすることを好んでいたそうだ。前述の通りあの時代別に珍しいことではない。その玲子さんは大学を出ると真面目に就職。結婚をして3人の子どもの母となる。仕事ぶりは真面目だろう。同世代のほとんどは、「真面目な」勤労者や、親になっている(わたしはそうなれなかった)。

他方、「ちょっと不良っぽい」ことに憧れた、若い日を過ごした玲子さんからは、いまでも、あの頃の雰囲気がどこかに感じられる。「虚無だった80年代」といえば言い過ぎかもしれないが、表層で「不良」が暴れまわり、「普通」の生徒もちょっと憧れる。「不良」は早々に「体制化」されてゆくことは「暴走族」が訳も分からず、特攻服や日の丸を掲げていたことに象徴的だ。おなじく「ちょっと不良っぽい」に憧れた層は、より安定的に「体制化」されてゆく。「Vサイン」と「ディズニーランドの年間パスポート」は、80年代を中高生で過ごした世代、ある部分の「エキス」ともいえるかもしれない。


◎[参考動画]The Two Beats (Takeshi & Kiyoshi) 1981

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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「週刊ポスト」謝罪文 韓国人の半分は憤怒調節困難の精神病だからと「断韓」煽る

まずは謝罪文(「週刊ポスト9月13日号掲載の特集について」「2019.09.02 19:00 NEWポストセブン)からご紹介しよう。

週刊ポスト9月13日号掲載の特集『韓国なんて要らない!』は、混迷する日韓関係について様々な観点からシミュレーションしたものですが、多くのご意見、ご批判をいただきました。なかでも、『怒りを抑えられない「韓国人という病理」』記事に関しては、韓国で発表・報道された論文を基にしたものとはいえ、誤解を広めかねず、配慮に欠けておりました。お詫びするとともに、他のご意見と合わせ、真摯に受け止めて参ります。(『週刊ポスト』編集部)

広告で煽った、特集のタイトルは「『嫌韓』ではなく『断韓』だ 厄介な隣人にサヨウナラ 韓国なんて要らない」である。そして記事のサブ見出しには「禁断のシミュレーション」「日韓両国のメリット・デメリットを徹底調査」とある。

つまり国交を断ったさいに顕われるメリットとデメリットを、さまざまな面から調査するというものだ。

具体的には「人や物の行き来が多い国同士では、経済的、文化的な損失も生まれることになる。ただ、そうした損失やリスクは、どれほどのものなのか。誠意を持って韓国と付き合おうとする際につきまとう膨大なコストと、ここで一度、冷静に天秤に掛けて比べてみたい。」(本文リードより)というものだ。

『怒りを抑えられない「韓国人という病理」』と題した記事がつづく。内容は韓国人研究者の論文を紹介しつつ、それに無批判に乗っかることで韓国人は精神病であると断じている。これに対して、小学館で執筆する作家や評論家たちが「断筆宣言」を突きつけることで、上掲の「謝罪文」となったのである。

作家たちの批判を掲げておこう。

「わたし、深沢潮は、週刊ポストにて、作家たちのA to Zという、作家仲間6人でリレーエッセイを執筆しています。しかしながら、このたびの記事が差別扇動であることが見過ごせず、リレーエッセイをお休みすることにしました。すでに原稿を渡してある分については掲載されると思いますが、以降は、深沢潮は、抜けさせていただきます。ほかの執筆陣の皆様には了解を得ています」(深沢潮)。深沢氏は両親が在日韓国人である。

「ポスト見本誌見て唖然とした。持ち回りとはいえ連載持ってるのが恥ずかしい。表紙や新聞広告に酷い見出し踊らせてるけど、日本には韓国人や韓国にルーツある人もいっぱいいるんだよ。子供だっているんだよ。中吊り広告やコンビニでこれ見たらどういう気持ちになると思ってんだよ? ふざけんなよ」「今週の記事は精神疾患当事者への偏見を煽るようなものもあってまじクソオブクソ。てかこれもう立派なヘイトスピーチ、差別扇動だろ」(葉真中顕)。

評論家の内田樹氏は「この雑誌に自分の名前を掲げて文章を寄せた人は、この雑誌が目指す未来の実現に賛同しているとみなされることを覚悟した方がいいです」「というわけで僕は今後小学館の仕事はしないことにしました」とツィートに投稿している。

在日韓国人である作家の柳美里氏も「『週刊ポスト』の『10人に一人は要治療 怒りを抑制できない 韓国人という病理』という見出しは、人種差別と憎悪を煽るヘイトスピーチです。 韓国籍を有するわたし、わたしの家族、親族、10人います。 10人のうち一人は、治療が必要?」「日本で暮らす韓国・朝鮮籍の子どもたち、日本国籍を有しているが朝鮮半島にルーツを持つ人たちが、この新聞広告を目にして何を感じるか、想像してみなかったのだろうか? 想像出来ても、少数だから売れ行きには響かないと考えたのか? 売れれば、いいのか、何をしても」と、怒りを隠さない。

しかし、問題は単なるヘイトではない。出版社が版元の週刊誌とはいえ、報道機関が日韓両国の断行を煽っているのだ。「WiLL」や「正論」など右派オピニオン誌がやるのならまだしも、報道性の高い週刊誌がこれをやったところに問題がある。「断韓」とはすなわち、韓国との国家的な関係を断つことにほかならない。もっと言えば、断行は戦争の前提であり、戦争を煽っているということになるのだ。報道機関が間接的とはいえ、戦争を煽ってしまったのだ。

メディアは政治権力を批判し、言論をもって世論を喚起するところに成立根拠がある。その報道の根本理念を忘れて、安倍政権の偏狭な外交政策に迎合し、政治権力の補完物に成り下がりつつある。これはひとり「週刊ポスト」だけではない。何でもいいから、売れればよいという傾向が強まっている。紙媒体の危機が背景にある。

◆紙媒体の低迷が生む、偏狭なポピュリズム

昨年、LGBTをヘイトクライムした「新潮45」が廃刊になった。かつては中瀬ゆかり編集長のもと、中年・壮年の男性層をターゲットに「読ませる雑誌」「納得させる雑誌」として、一世を風靡したこともあった。わたしも愛読者のひとりだった。ところが、中高年男性へのメッセージのテーマを見失って以降は、極右的な内容なら売れるとばかりに、無内容に右旋回してしまったのだ。その挙句が、「正論」や「諸君」(廃刊)の右派論壇誌に連なる極右的な中身になってしまった。それこれも、紙媒体が売れないからである。

週刊誌では“文春砲”と称される「週刊文春」が、往時の70万部から30万部に低減、「週刊新潮」も横並びだという。「週刊ポスト」とともに“ヘアヌード”で部数を競い合ってきた「週刊現代」は、いまや老人雑誌とでもいうべき惨状を呈している。最新号の目次を引いてみよう。

大人気特集第5弾  病院で死ぬのは、こんなに不幸/大事な遺産を親戚に横取りされない遺言書の「書き方」「書かせ方」/ちゃんとした外国人に聞いた 日本と韓国「どっちが正しい、どっちがまとも?」/消費税10%であなたと日本経済に起きること/飲まなきゃよかった、と後悔することになる薬/死んでからわかる、あなたの値打ち/井上陽水『傘がない』を、英語で何と訳しますか/お元気ですか?田村正和さん 財津一郎さんほか/尾野真千子 撮り下ろし
(8月30日号)

とほほ、である。部数減を「おとなの週刊現代」発行で糊塗するありさまだ。数年前に、やはり「週刊ポスト」とともに「死ぬまでセックス特集」を競い合った勢いもすでに褪せ、死に方や遺書の書き方が特集のメインなのである。ライバル誌だけに「週刊ポスト」も似たようなものだ。

週刊ポスト9月13日号
菅が二階と麻生を蹴落とした!「アベノカジノ」3兆円利権争奪戦
[潜入ルポ]アマゾン絶望倉庫/手術は成功したのに体調も気分もすぐれない…… それ、「術後うつ」「退院うつ」かも

9月6日号
死に至る「しこり」と放っておいて大丈夫な「しこり」の見分け方・あなたも老親も「ボケる前」に済ませておく手続き(23)

8月30日号
“老人ホームGメン”が教える「優れた特養[特別養護老人ホーム]」の選び方&入り方

菅官房長官のカジノ暗躍を暴露するなど、骨っぽいところも見せてはいるが、基本的に老人雑誌の記事である。

この「とほほ」状態の誌面を活性化するには、嫌韓から反韓へ、そして断韓へと最後の一線を踏み越えたのが、まさに今号の「謝罪」なのである。紙媒体への広告出稿が激減し、部数も低減するという危機的な状態のなかで、しかしだからこそ政治権力を批判する骨太なオピニオンを送り出す。かつて総合雑誌と週刊誌がメディアの王者だったことを思い起こし、原点に立ち返ってもらいたいものだ。

▼横山茂彦(よこやま しげひこ)
著述業、雑誌編集者。近著に『ガンになりにくい食生活』(鹿砦社ライブラリー)『男組の時代――番長たちが元気だった季節』(明月堂書店)など。

月刊『紙の爆弾』9月号「れいわ躍進」で始まった“次の展開”
安倍晋三までの62人を全網羅!! 総理大臣を知れば日本がわかる!!『歴代内閣総理大臣のお仕事 政権掌握と失墜の97代150年のダイナミズム』