昨日26日、大阪地裁809号法廷で13時10分から、M君が野間易通氏を名誉毀損、プライバシー侵害にかかわる、損害賠償事件(平成28年(ワ)第4998号)、として提訴していた裁判の判決言い渡しがあった。

倉地真寿美裁判長は野間氏対して11万円の支払いを命じる判決の主文を読み上げた。大阪地裁809号法廷の前には、裁判開始30分以上前から傍聴を希望する人が集まりはじめ、最終的に19名が傍聴席で見守るなか、判決言い渡しが行われた。

原告席にはM君の代理人の姿が、被告席ではなく傍聴席に開廷5分前に現れた野間氏の姿があった。M君も傍聴席で判決を聞いた。

この判決は妥当であろうか。倉地裁判長は結審を急ぎ、M君側が提出しようとする主張や証拠に期限を設け、さらにはこの名誉毀損事件の背後にあった「M君リンチ事件」への関心を、充分に示すことがなかった。この事件の悪質性はリンチ事件の被害者である「M君」へのさらなる誹謗中傷が行われた点である。判決文を読んだM君に感想を聞いた。

「まずは、野間氏の不法行為性が認定されたことは素直に喜びたいと思います。特に野間氏が主張した『対抗言論の法理』は全面的に否定されており、これは野間氏の主張の中核を担う論理が否定されたことを意味します。しかしながら、次の諸点においてこの判決は到底納得できるものではないと感じております。

1.ネット上の「個人情報晒し」についてプライバシー侵害を認定しなかったこと。

2.野間氏の一連の発信を「罵詈雑言」と認定しながら、この大半を、侮辱や名誉棄損の不法行為として認定しなかったこと。なお、裁判の主張の中で、当方も野間氏も共に「罵詈雑言」(故に不法行為である・ない)という文言は使っていない。

3.今回の件は「ネット荒らしの不法性」が問われた事件であると理解しているが「インターネット媒体においてはいささか過激な投稿の応酬が繰り返されることも稀ではない」、「本件暴行事件(註:リンチ事件)やこれに関連する事柄の評価において原告と異なる立場から原告の行動を批判するものであることを考慮すると(中略)原告に対する不法行為を構成する違法な表現行為であると認めるには足りない」との内容が含まれており、要するにこれは「ネット上の言論にはあの程度の誹謗中傷が許される」とも解釈できる認定を裁判所が行った。紛争解決を放棄したに等しく、憲法軽視であるとさえいえる極めて不当なものであること

4.前項と関連し、リンチ事件との関係において野間氏の一連の発信が「二次加害」であるとまったく認定されなかったこと。

5.訴訟費用の負担が当方に対し不当に重すぎること。

6.全体として当事者(当方及び野間氏)、さらには法律も軽視した杜撰(ずさん)な事実認定に基づいた判決である。

これらを踏まえ、今後の対応を検討したいと思います。

最後になりましたが、ここまで来られたのは、物心両面でここまで裁判支援をしてくださった皆様がおられればこそのことです。カンパをお寄せくださった皆様、傍聴にお越しくださった皆様、ご意見を表明して下さった皆様に、改めて深く御礼申し上げます。本当にありがとうございます。対李信恵氏ら5人の裁判もさらに長く続くと思いますが、今後のご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます」

取材班も判決文に目を通したが、野間氏の名誉毀損に該当する書き込みは1つしか認定されていない。これは一般的生活者の感覚からは、大きくかい離したものであると言わざるを得ない。死にかけそうな暴行を受けて、その挙句苦しんでいる最中に、被害者の姓名や所属大学を(本人が望んでいないのに)、インターネット上で晒す行為は、こうも軽く認定されてもよいものであろうか。このような判断が定着すれば、「ああそうか、ネットなら少々『バカ』や『クズ』って書いていいんだ」という誤解を誘発しかねないのではないか。

勝訴したもののM君は弁護団と相談の上、今後の方針を検討するという。闘いはまだ続きそうだ。

(鹿砦社特別取材班)

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きょう『人権と暴力の深層』が発売される。そして13時10分から大阪地裁809号法廷では、「M君」が野間易通に、繰り返し本名や在籍する大学名を明かされただけでなく、侮蔑的な書き込みが行われたことに対する名誉毀損、プライバシー侵害による損害賠償を提起した裁判の判決が言い渡される。われわれの「しばき隊」との闘いはこの日を期してさらに一段レベルアップする。

「M君」が野間を訴えた裁判の判決内容は、今のところ裁判官が知るのみだ。しかし、過去に同じような争いで野間は敗訴しているので、「判例主義」の裁判所ではよほどのことがない限りに野間の罪が見逃されることはないであろう(裁判は水物なので、あくまでも推測だが)。

誰の要請かはわからないものの、常に公安警察が傍聴席に座っていた。「何らかの不測の事態が起きる可能性がある」──大阪地裁が、本件訴訟を扱うにあたり表明した偽らざる本音である。

◆「正義」を連発する野間易通

さて、被告の野間であるが、自分で書いたとは信じがたい書面を次々に提出してきた。そして鬱陶しくなるほど目に飛びこんでくる「正義」という単語。われわれから見ていれば、野間にとってもっとも距離が遠いはずの言葉は、「親愛」、「赦し」、「利他」、「正義」「融和」などだが、その中でも野間は準備書面の中で「正義」を連発している。

ネット依存症にして、社会運動乗っ取りへの類まれなる才能を持った野間易通。現実世界では卑屈にしか振舞えないくせに、ネットに入ると人格が急変する。このような傾向の人間は、最近もあちこちで見かけるが、きょうはあくまで現実社会で野間が行ってきた行為への判断が裁判所から下される。

◆巻頭グラビアには「有名人」が続々と登場

そこで、である。取材班はあるいはこういった、偶然の巡り合わせもあろうかと、野間の本性を『人権と暴力の深層』で読者にわかりやすくグラビアで紹介している。

しかも、至近距離からのショット多数だ。

先日香山リカを「捕捉」したことをお伝えしたが、取材班が巻頭のグラビアで読者に提供するのは、香山、野間ばかりではない。有田芳生参議院議員、安田浩一、伊藤大介……。まだまだ「有名人」が続々と登場する。そして読者は驚かれるであろう。彼らの姿と、言葉から発せられる「腐臭」に対して。

『人権と暴力の深層』は、『ヘイトと暴力の連鎖』、『反差別と暴力の正体』を凌駕する。同じ取材班が保証するのだから間違いない。読者の皆さんはまずグラビアを目にしたら、その意味をお分かりいただけるだろう。

◆香山リカ、あなたはすでに『人権と暴力の深層』を読んだのか?

ところで、「目立ちたがり」の香山が、本コラムで取り上げられたことに自身のツイッターで反応をしている。

2017年5月22日の香山リカツイッターより

 

 

こういった「揶揄」は表現の自由の範囲で許容されるものであろうが、まだ発売されていない書籍を「鹿砦社のデマ本の取材班に」との断定はあまりにも乱暴すぎないか、香山。あなたはすでに『人権と暴力の深層』を読んだのか? 「デマ本」? 明らかに名誉毀損に該当するぞ。

またこんな書き込みもある。

2017年5月22日の香山リカツイッターより

笑わせてくれるのはいつものことだが、ちょっと残念な情報を香山には伝えてやろう。香山の写真やインタビューは確かに掲載している(あ、だから「デマ本」なのか?)が、それはあくまでも、付録的なものであり、中心ではない。香山には不満かもしれないが香山などは中心に据える価値もない。温情で少し取り上げてやっただけのことだ。本書の核はもっと深いところにある。にもかかわらず上記のごとき罵声を浴びせる。香山は本当に品位がない。でも取材班は香山と違い、香山の更生を「祈らない」。なぜか? 無駄だからだ。

「私怨」で作られた本か、そうでないかは皆さんにお読み頂ければ、瞬時に明らかになる。香山よ、言葉使いに気をつけろ。あなたは一応、大学教員だ。

(鹿砦社特別取材班)

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いよいよ明日、『人権と暴力の深層』が発売、書店に並ぶ。そして明日は、13時10分から大阪地裁809号法廷で、M君が野間易通に繰り返し本名や在籍する大学名をあかされただけでなく、侮蔑的な書き込みが行われたことに対する名誉棄損、損害賠償を提起した裁判の判決が言い渡される。2017年5月26日は、「しばき隊」にとってはメモリアルデーとなるかもわからない。

国会では21世紀型治安維持法「共謀罪」が衆議院を通過し、参議院での審議に入ろうとしている。この法案が成立して、政府権力が積極的に運用すれば、私たち(今このコラムをお読みいただいてる読者の皆さんも)逮捕される時代に突入する。もちろん、反権力・反権威で細々と戦線を張っているわれわれが「咎人」(とがにん)となる日はもう遠くないだろう。それにしても自公政権と維新は今の国会内の勢力図が未来永劫変化しない、と考えているのだろう。

自公政権と、まったく方向性が異なる勢力がもし政権を取ったら、しかもその勢力が「反自公」を強く掲げていたらどうなるか、への想像はわかないのだろうか。仮にそのような政権が樹立されれば「特定秘密保護法」も「盗聴法」も「共謀罪」もすべてが、自公に向く武器に変容することへの怖れを考えることはないのだろうか。これらの法案を恣意的に運用すれば、下野後の自公党員や元議員を簡単に逮捕することができるようになり、その政権勢力への一切の批判者も同様に葬られることになる。つまり「独裁政治」を導くために、権力者にとってはこれ以上ない使い勝手の良い「異論粛清正当化」の武器なのだ。

◆「共謀罪」法案を国会内で止める方法はあるはずだ

「国家国旗法」、「周辺事態法」、「特定秘密保護法」、「戦争推進法」がすでに成立している2017年5月25日。そこに「共謀罪」が加わることに「反対」の旗幟を鮮明にすることは無駄だろうか。私はそうは考えない。状況はすでに十分絶望的だ。地獄の底のように絶望的だ。きのうきょうに始まったわけでなく、このおぞましい法案群に囲まれるにあたっては、幾度も幾度も真綿で首を絞められるがごとき危機感と、もちろん反論を発信してはきた。

しかし現状はどうだ? 「21世紀の治安維持法」を国会内で止める方法は、いくらもある。正攻法、非正攻法を問わず「手段」はある。われわれはもう野党の体たらくに、呆れているからここでその具体策を開陳しはしない。しかし、本気で考えれば、たとえ与党が3分の2議席を占めていようが、方法はあるのだ。

どうせ参議院法務委員会で強行採決になれば、またしても事前に用意していた「強行採決反対!」とか「数の暴力だ!」とか書かれた安っぽい紙きれをテレビカメラに向かって掲げる程度なんだろう、野党議員の諸君は。

◆「男組」解散をめぐる佐藤圭と有田芳生の発言

「鹿砦社取材班」は国会内の野党とは違う。「取材班」は少々の危険があろうとも、罵声を浴びようとも、取材対象に最接近して質問を投げかける。これが取材者としては当たり前の姿勢である、とわれわれは認識しているが、残念ながらその認識を同業者と共有することが難しい時代になっている。

例えば下のツイッターにおける、東京新聞「特報部記者」佐藤圭(本人談)と参議院議員有田芳生のやりとりなどは、われわれが感じる違和感の頂点と表現しても過言ではない。

 

この書き込みは「男組」解散に際しての佐藤の書き込みに対する有田のコメントであるが、われわれは「本部長」、「若頭」などやくざ組織に似せた役職名を設定し、上半身に入れ墨をほどこした連中が始めた「男組」を微塵も評価しない。

しかし、取材班はここで、リンチ被害者M君も一時は「男組」に所属していた事実を隠蔽しはしない。M君は「男組」組長であった高橋直輝(添田充啓)から直接に度重なる勧誘を受け、「男組」に一時所属したのは事実だ。M君にとってこの判断は「誤ったもの」であるとわれわれは断じる。M君自身も慚愧の念を隠さない。しかし人生にはそういった局面がいくらもある。目的のために有効と考える選択肢に乗ったら、とんでもない行先に連れていかれたことがある読者も少なくないのではないだろうか。

 

 

間違い、判断ミスは誰にでもある。それが社会的活動であれば、「自己総括」をして、自分の過ちを認めて、その後の姿勢を修正すればよい。それでも過去にこだわって「あれこれ」言いがかりをつけてくる輩がいる。そんな奴はほおっておけばよい。過ちや判断ミスに気がついたら、自分のミスを認める。心配しなくとも誰だってミスを犯すのだから、反省をしたってそれを深追いするのはごく一部の人に過ぎない。

反省、気づきは成長の上で不可欠だ。年を重ねたとしても。しかし残念ながら有田芳生参議院議員や、東京新聞特報部記者佐藤圭には反省の微塵もない。東京新聞(=中日新聞)はかつて、今の読売新聞や産経新聞のような政権よりの新聞だった。何が起きたのか知らないが、近年急に紙面がまともになっている。

しかし、「こちら特報部」の佐藤圭は「新憲法」というまがまがしい語彙を多用し、実質的な「改憲論者」に紙面を割いてきた人物であるという指摘が少なくない。だから取材班は佐藤圭にロングインタビューを行った。その内容は『人権と暴力の深層』でご確認いただきたい。

◆明日、書店で『人権と暴力の深層』を手に取りグラビアを目にした方々へ

なるほど、そういうことだったのか。「未来のための公共」というSEALDsの焼き直し、反原連からしばき隊、SEALDsに続く「壮大なるマイナス」を犯した連中が、恥知らずにもまたしても国会前で「宴(うたげ)」を繰り広げている。

「本気で止める」、「これが民主主義だ」というプラカードの数はそれだけ、言葉が本来持つ意味を侮辱する。こんな連中を嬉々として扱う大手マスコミの○○ぶりを糾弾するのはもう飽きた。

宣言する。鹿砦社特別取材班はその総力を注いだ成果を、明日読者の判断に委ねる。そして書店で『人権と暴力の深層』を手に取り、グラビアを目にした方々は書架に戻すことなく、同書を携えてレジへ向かわれるであろうことを、かなりの確信を持ち予言する。

(鹿砦社特別取材班)

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やっぱり、そういうことだったんですね。「戦争法」に加え、21世紀の「治安維持法」こと「共謀罪」の審議が衆議院法務委員会で修羅場を迎えているこの日に、有田先生はこのようにツイッターに書き込みをされています。

 

嗚呼「あほらし屋の鐘がなる」そうで、今回も鹿砦社を散々けなしていただきました。でも有田先生。この日はツイッターなんかやっている場合じゃなかったんじゃないですか。 

有田先生は参議院議員ですが、それでもこの稀代の悪法「共謀罪」が衆議院法務委員会での攻防を迎えている日。廃案に追い込め!安倍内閣を倒せ!と声なき声が全国に充満している時に、あなたは何をしていたのですか。

裏を返せば、それほど鹿砦社の取材が気になって仕方がない、ということですね。グタグタ文句を並べていますが、フリーのジャーナリストは「獲物」を捕まえるためなら、少々のことはしますよ。元はジャーナリストだったんだから、それはご存知でしょ、有田先生。「人定さえできてない水準」って「有田さん」と呼びかけたことじゃないですか。人定なんかじゃありませんよ。呼びかけですよ。ネタを取るためなら、時には警察を欺くことだってフリーの記者(いや大新聞の記者だって)はやりますよ。それがお気に召さないようですね(まさか「共謀罪」の先取りじゃないとは思いますけど)。

◆張り込みは当たり前の取材ではないですか?

ワイドショーの芸能レポーターが、無回答承知の上で、事件記者が取材対象のノーコメントを承知の上で「○○さん!!」と呼びかけるじゃないですか。あれは取材じゃないんですね? 事件記者は被疑者に、政治部の記者は大臣や取材対象に「○○さん!」と名前がわかっていても呼び掛けるじゃないですか。あれはすべて「人定さえできない水準の取材は取材じゃない」で方づけられられるんですね?

ものすごい侮辱ですよ。いえいえ、私たちにじゃなくて、芸能レポーターや事件記者に対してです。もちろん取材班が有田さんお住まいのマンション近くに張り込んだのは事実です。たしかに何日にもわたる張り込み取材で、朝5時頃、どこかの部屋から出てきた方に、視界が悪かったので近寄って話しかけたことはありました。寒い季節でした。有田先生は何日も帰宅されていませんでしたよね? まさか別宅でもおありになるのでしょうか?

張り込みは当たり前の取材ではないですか? しかも有田さんには取材班から何度も「質問状」を送りましたが、初回に短いお答えを頂いた以降は、何の反応も頂けなかったじゃないですか。「取材拒否」ってやつですよね。

◆「何も話していないのに」は間違いないですね?

しかも有田さん。あなたは5月18日のツイッターの書き込みでもウソを書いている!「何も話していないのに」と断定して書いていますね。確認しますよ。「何も話していないのに」は間違いないですね。間違いないですね? 有田芳生参議院議員!!

わかりました。上等です。あなたがどう振舞って、何を語ったかは『人権と暴力の深層』で明らかにしましょう。先日このコラムで「硬い文体が読みにくい」、取材班の先輩が香山リカ先生の「あら、大勘違いw」を書いていましたが、それを引用しての有田先生の書き込み。わざわざ鹿砦社の宣伝にご協力頂きましてありがとうございます。深く御礼申し上げます。

ですから有田先生にも、香山先生同様不平等のないように、ちゃんとグラビアでも、本文でもご搭乗いただき、本機は目的地へ向けて順調に航行しております。

◆有田先生は「玉虫色ジャーナリズム」なんですね

最後にひとこと申し上げます。有田先生。あなたに「左翼」云々(「でんでん」ではなく「うんぬん」)を語る資格はありませんよ。立命館大学在学中の民青(民主青年同盟=日本共産党の下部組織)時代は、結構派手にご活躍だったそうじゃないですか。あなたはその後日本共産党除籍になっていますね。

 

 

そして、あら不思議、一時は素敵な長野県知事だったけども、そのあと国会議員になってからは「うーん」と頭を傾げざるを得なかった田中康夫さんの「新党日本」に所属されていましたよね。私たちは政治にそんなに詳しくはない(でも狙った獲物は逃さない)取材集団ですから有田先生がどうして、ころころ所属をお変えになったのかまでは、正直知らないんです。そこには〝大人の事情〟があったんでしょうから聞きませんよ。

でも、あなたが無節操だということは知っています。「イエロージャーナリズム」? 何か悪いですか? 有田先生の書かれた『私の家は山の向こう』(文春文庫)は「レッドジャーナリズム」ですか?「ホワイトジャーナリズム」ですか? あ、そうだ、有田先生はいつも変遷しているから「玉虫色ジャーナリズム」なんですね、きっと。

別に鹿砦社取材班で勘違いな「エリート意識」持っている奴なんかいませんから、「イエロージャーナリズム」はかまわないんですけど。有田先生「イエロージャーナリズム」に対してウソを書いてはまずいでしょう。違いますか? 「何も話していないのに」って、これ大ウソじゃないですか。まあいいです。議論は『人権と暴力の深層』をご覧いただいたあとにしましょう。

(鹿砦社特別取材班)

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一つの妖怪が三たび現れようとしている、――欺瞞を暴く『人権と暴力の深層』と名付けられた妖怪が。腐りきった「しばき隊」と、この界隈に蠢くあらゆる連中が、この妖怪に対する神聖な討伐の同盟を結んでいる。国会議員と大学教授、メディアジャーナリストといかさまフリージャーナリスト、市井の与太者に過ぎないネット荒らしと官憲も。
 
およそ「反しばき隊」で、その敵対勢力から、「こじらせ左翼」だの「レイシスト」だといって罵られなかった者がどこにいるか、およそ「反しばき隊」で、より進歩的な反政府派に対しても、また反動的な政敵に対しても、「反しばき隊」という烙印を押す非難を投げ返さなかった者がどこにいるか?
 
この事実から二つのことが明らかになる。「鹿砦社特別取材班」は、すでに「しばき隊」を中心とするあらゆる勢力から、一つの力として認められている。 「特別取材班」がその見解、その目的、その傾向を全読者の前に公表して、「反しばき隊」の妖怪談に「特別取材班」の宣言を対置すべき時が、すでに来ている。

「しばき隊」は、彼らが支配権を握った所では、開放的な、多様な、牧歌的な関係を、残らず破壊した。彼らの運動は、生まれながらの目上と結びつけていた色とりどりの封建的な絆を無責任に復活させ、人と人との間に、露骨な利害、無情な「ヘゲモニー掌握のための排除」の他には、なんの絆をも残さなかった。「しばき隊」は、無垢な市民、純粋な社会参加の意識、歴史的原則的な闘い、沖縄への闘争への無配慮な侵入を利己的な打算の冷水に溺れさせた。

彼らは、彼らに対峙する勢力を「レイシスト」「ヘサヨ」と言い募ることを特許状で許され、立派に勝ち得た数々の特権を、ただ一つの非情な「ヘゲモニー」の自由と取り換えてしまった。一言でいえば、「しばき隊」は、現政権の進める反動政策、宗教的・政治的な幻想で覆われた搾取の代わりに、公然たる、あつかましい、直接の、剥き出しの「運動ヘゲモニー」を握ろうとした。
 
勘違いされた「しばき隊」は、これまで貴いものとされ、敬虔な畏れをもって仰がれてきた一切の価値や運動から、その後光を剥ぎ取った。彼らは、市民運動家や法律家やミュージシャンや学者や国会議員までもを、自分たちのお雇いの兵隊に換えてしまった。

5月26日、奇(く)しくもM君の対野間裁判判決の日、鹿砦社はみたび渾身の取材成果である〈爆弾〉を投下することを宣言する。『人権と暴力の深層』は、腐敗した社会運動を隠れ蓑に暗躍する、「黒百人組」への再度の〈闘争宣言〉である。

(鹿砦社特別取材班)

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あの黒ぶち眼鏡で、控えめにコメントをするかつての姿はどこかへ行ってしまった。老眼をかける時以外は眼鏡をはずし、かつては冴えなかった顔色も心なしか(日焼けのためか?)健康そうに見える。しかし、健康状態が良さそうなのは喜ばしいが、この人には虚言癖と、過剰な自己顕示欲が露骨に表れてきた。

◆「ガチャ切り」なんかしていない

まさか、この世界に首を突っ込むキャラクターだとは予想できなかったけれども、最近は「しばき隊」内、外での存在感急上昇の香山リカだ。香山は鹿砦社に対して明確な嘘を過去少なくとも一度発言したことがある。『反差別と暴力の正体』に掲載したが、香山は自身のツイッターに「ロクサイシャってとこから電話来て、大学に送った質問状の回答まだかって。弊社では掌握しておりませんが何の質問ですかっ、て言ったらガチャ切りされました。何なんですか」と書き込んだことがある。

2016年8月25日の香山リカツイッターより

しかしこれは大嘘である。香山のかかわる会社へ電話取材した概要は『反差別と暴力の正体』に紹介したが、この際読者に事実を知っていただくために、会話の一部始終を公開しよう。電話に出たのは香山が関連する会社の男性だ。

男性 はい〇〇です。
── お邪魔いたします。こちら株式会社鹿砦社と申します。いつもお世話になっております。
男性 はい、お世話になっております。
── 香山先生いらっしゃいますでしょうか?
男性 どういったご用件でしょうか。

 

 

── こちらのほうから書籍と、感想をいただく書式をお送りさせていただいたのですが、そちらのほうをまだ頂けていないものですから。
男性 えっと、書籍と?
── ご感想をいただく質問状をお送りさせていただいたのですが。
男性 その質問状というのは何で送られましたか?
── 郵便でお送りいたしました。お送りしたのは大学(立教大学)の方にお送りさせて頂いておりまして。
男性 大学ですか。すいません大学は今夏休み中ですので、香山は大学に行っていないので……。
── お送りしたのはしばらく前になりまして、「届いた」ということは先生がツイッターでつぶやいていらっしゃいましたので、ご覧にはなっていると思うのですね。
男性 そうですか。すいませんが弊社に送って頂かないと弊社のほうで管理できませんので。
── 先生、今日はご不在でいらっしゃいますか。
男性 あまりこちらには来ませんので。
── あ、そうなんですか。
男性 すいませんがFAXかメールで送っていただけますか。
── わかりました。それではまた改めてご連絡差し上げます。

一言一句交わした言葉を再現したのが上記のとおりである。どこが「ガチャ切り」なのだ!この日は普段他者と交信をすることの少ない鹿砦社のツイッターアカウントから「香山リカ先生、ガチャ切りされました。何なんですか……」と弊社鹿砦社の取材におっしゃっていますが、「また、後日あらためて電話をさせていただきます」といって電話を切ったのが事実です。音声データもございますのでアップしますよ」と香山宛てに発信したが、その後香山からの返信はなかった。噓の上塗りは厄介なものなのだろう。

◆これで文句はないだろう!

この一件のほか、取材班からの質問状には回答をよこさないくせに香山は月刊誌『創』2016年11号で自身が持つコラム「こころの時代解体新書」に、「鹿砦社から届いた質問状に答える」と題した文章を掲載している。ところが題とは裏腹にこの文章の中で香山は取材班が投げかけた質問に全く回答していない。卑怯じゃないか。

そして、さすが今年度国内研究で講義がない(立教大学事務室談)香山先生は情報に敏感だ。『人権と暴力の深層』の広告(まだ正式には世間には出回っていない5月18日の時点で)をどこかで目にした模様で、下記のような書き込みを行っている。

2017年5月18日の香山リカツイッターより

香山は取材班の質問にはまともに回答をよこしてくれないが、鹿砦社の出版物には登場をご希望であったようだ。虫がいいのもたいがいにしてほしい、などと冷たいことを取材班は言わない。

心配しなさんな。香山先生。あなたがそう思うだろうことを取材班はちゃーんと分かっていた(取材班の中には医師ではないものの臨床心理学をかなり学んだ者がいる)。だから香山に直接インタビューもしたし、グラビアにもバッチリ登場してもらっている!

 

 

ご本人の記憶にはないだろうが!どうだ。これで文句はないだろう!鹿砦社に後ろ足で砂をかけるようなことをすればどうなるか。香山先生とくどご熟読あれ!

『人権と暴力の深層』に収められているサプライズは、もちろん香山だけではない。読者の皆さん!『人権と暴力の深層』には「香山サプライズ」を超える「爆弾」が満載されてることを取材班は保証する。発売は26日だが、売り切れも予想される。今すぐアマゾンでご予約を!

(鹿砦社特別取材班)

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呉光現(オ・クァンヒョン)という人物が自身のフェイスブックに「鹿砦社潰れたらええな」、「文句あったら言ってこいやあ」との書き込みをしていると、5月1日某ジャーナリストから連絡が入った。呉は翌日にこの書き込みを消しているようだが、調べてみると、呉は特定非営利活動法人聖公会生野センターの要職にある人物だ。

 

聖公会は英国国教会にルーツを持つ由緒あるキリスト教の宗派であり、その関連団体の人物が上記のごとき下品な表現を使うのは目を疑う。呉の真意を確かめるべく、5月1日午前11時過ぎ生野センターに電話をして、呉と下記の会話を交わした。

── 4月29日に「鹿砦社潰れたらええな」と書かれていますね。
  はい、やりました。翌日消しましたけど。
── 「文句あったら言ってこいやあ」と。
  ええ、そうですね。で、岡本君のこともやってはったね。
── ああ、岡本朝也さんですね。
  そうですね。全然事実誤認も甚だしいし。
── どこかに間違いがありましたか?
  去年の『週刊実話』に書いてはったね。
         (略)
── 先生の方からご覧になって、私どもに具体的な事実誤認とか、間違ったことがあれば、それを訂正することは全くやぶさかではないのですね。ただ先生のことは私ども全然存じ上げませんし。でもこういった形で「潰れたらええな」といきなり書かれた。われわれとしては会社が潰れると生活に路頭に迷うわけです。
  そうですね。
── それほど強い思いで何か?
  怒ってますから。
── 具体的にはどういった件で。
  あれ見ましてね、まず岡本君は関係ないですよね。リンチ事件というので、僕もあれ暴力事件と確かに認識しておりますけどね、Mさんという方が誰かも知ってますしね、もちろんね。しばき隊……。今、そちらのホームページ見てますけれども、「検証『みれぱ』としばき隊、カウンター」て書いてますけどね、「1」ということは続くんかなと思いますけど、林範夫弁護士もよく存じ上げておりますし、林範夫弁護士がどういう関係があるのかなと。     
── 林先生はそこのパネル展の呼びかけ人です。
  呼びかけ人になってるし、NGOセンターの代表理事やし、「反ヘイトスピーチ裁判」の、そちら「称する」て書いてあるね。
── はい。
  裁判の事務局ですね、それは事実、まあそうですね。「称する」て書いてあるね、「称する」て表現することにそちらの価値観が反映されてますよね。
── 「称する」という?
  李信恵が在特会らを訴えた裁判の事務局を担当し、「反ヘイトスピーチ裁判」と、わざわざ括弧つけてあるけども、と「称する」というね、三文字がそちらの価値観を反映していると読みますね、読者はね。私もカウンターですからね。
── 先生もカウンターでいらっしゃるわけですか?
  カウンターって組織ないのご存知でしょう。
── いわゆる現象のことですよね?
  そうですね。しばき隊は私はやってませんけれども。
── 差別に反対する行動という意味での。
  当然レイシストたちに対してカウンターとか権利あると思ってますからね。これだけ見ても「未来のための歴史パネル展」実行委員会と「しばき隊」「カウンター」、みんな括弧ついてますね。さらには「M君リンチ事件とは無関係とはいえないものだが、今回取り上げるのは金や林ではない。共同代表の一人であり、毎日新聞の取材も受けた岡本朝也、この人物が、今回の特集の『主人公』である」、と。「岡本の人となりについては続編で報告する」、と書いてありますけれどもね。これ明らかに普通の文章ちゃいますやん。
── 普通の文章とおっしゃいますと?
  明らかに悪意がある文章でしょ。
── 岡本さんは先生もご存知であると思いますけど、M君に対して「刑事告訴するな」と。
  そういうことやったんですか?
── ええなさっています。それからそこに金明秀先生のツイッターの書き込みが載っていると思うのですが。
  ありますね、貼ってありますね。
── これ、いかが思われます?
  よくないなと思ったね、去年やね、これね。
── よくないで済みますか。
  これ、僕が言えることないでしょ。
── ですからこういう方々が役員にお名前を連ねていらっしゃる。その事実をさっき先生、「事実と違う」とおっしゃいましたけれども、この中で事実と違うものがあれば私は訂正をするように編集部に伝えるつもりなんですが、どこが事実と違うんでしょうか?
  私は事実関係は問題にしてません。
── いやさっき「事実誤認も甚だしいし」と。
  事実関係ね、去年の4月28日ね、M君リンチ事件が1年以上にわたる隠蔽工作を打破して明るみに出される先鞭をつけた『週刊実話』って書いてますやんか、報道。当日に取消しというか。
── 当日訂正があったのが事実であれば、記事が掲載されたことも事実じゃないですか。
  うん、でもそれも書いた方が。
── それは先生のご見解であって、その事実の取捨選択はわれわれの編集権ですよ。
  ずるいなと思って。
── 事実じゃないですか。
  『週刊実話』で報道があったけれども、「明るみに出される先鞭をつけた『週刊実話』による報道があった日であったのだ」て書いてありますね、そちら。だけどその日のうちにそれは訂正して謝罪をして連休明けの号でも出してはりますね、『週刊実話』ね。
── 正確にご記憶かどうかわかりませんが、記事全てについての訂正ではありませんよ。
  なるほどね、そうおっしゃるんだ。
── だって事実ですもん。あの記事全てが間違いであるのであればその記事全てについての訂正記事が出たということです。記事の一部についての訂正が出たということは全然意味が違いますからね。
  なるほどね。
── ですから今お尋ねしてるのは、先生が事実とは違うとご指摘いただける、私どもが間違っている箇所があるのであればそれは訂正するのはやぶさかではありませんが、事実の指摘をして頂けないか、ということをお願いしているわけです。
  その材料持ってないですよ。
── その材料もないのに「潰れればいい」と。
  僕はそちらさんの文章を見て、これは酷い、ずるいことしてるなと思いましてね。しょっぱなにね、なぜ取材班がこのパネル展に注目するのか。それはこの「未来のための歴史パネル展」は「しばき隊」「カウンター」の「関連事業」でありとありますね、まずそれは事実じゃないですね。
── なぜですか、先生ご自身カウンターだと。
  しばき隊もカウンターも組織ないので。
── あります。カウンターにはないかもしれませんがしばき隊にはあります。
  しばき隊はコメントはやめときます。カウンターは組織じゃないので「関連事業」なんかあり得ないですね。
── だから岡本さんはしばき隊じゃないでしょ?
  違うと思いますよ。
── でしょ、で先生もしばき隊じゃないでしょ?
  違いますね。
── 先生さっきおっしゃった通りカウンターですよね?
  そうですね。
── 先生ご協力されているということはカウンターの「関連事業」ということじゃないですか。
  全然関係ないよ。カウンターやってるから岡本君の「みれぱ」に(ま、「みれぱ」と略しますけども)協力やってるというのはまた別の問題でしょ。
── 理由がどうではなくて、現実問題先生は先ほど「私はカウンターです」と。私がお尋ねしたのではなくて。
  カウンターのメンバーですよ。カウンターって組織じゃないですよ。
── 組織ではないです。でも岡本さん、そうですよね。
  岡本さん、カウンターのメンバーだけど組織じゃない、カウンターそのものが。
── 組織じゃないけれどもカウンターでしょ。
  有志の人が集まった人たち。
── そう、別に私は組織性を聞いているのではなくてカウンターをなさっている方ですよね。
  うん、だから「関係事業」というのは普通組織と関係あると思いますやんか。
── じゃあ金明秀先生はいかがですか?
  金明秀先生はこんなん言っちゃったんだなあと思って。
── いや、そうではなくて金明秀先生はしばき隊ですかカウンターですか。
  知らない。
── 知らないでしょ、だからわれわれから見たら一緒なんですよ。
  そうですか。違うね事実は、ちゃんと取材なさったら、そしたら。
── 先生だってカウンターとお認めになってる、岡本さんだってカウンターですよ、もう一人の能川(元一)さんっていう人だってカウンターですよ。
  そうでしょうね。
── だからみんなカウンターですよ、ここにいる人は。
  何百人といます。
── そんなことは知ってます。
  最終的に大阪であったのは昨年の12月の末に川東さんが告知で来はりましたね、ご存知ですかね鶴橋に。あれ川東さん一人やったけど、いわゆるカウンターは何百人集まってましたね。それ全部「未来のための歴史パネル展」関係あるんですか?
── 全部とは言ってないですよ。ここに出てきてる人が全員カウンターの関係者であるからそれがしばき隊とカウンターの「関連事業」だと結びつけられても仕方がないでしょということですよ。
  それは取材が不十分ちゃいますの?
── 不十分ではないです。ここに出てくる名前の人たちみんなどういう人たちか取材してあります。で、突然全然面識のない呉先生から「潰れたらいいな」と。
  ほんまにそう思いましてね。
── で、今でもそう思っていらっしゃるわけですね?
  今はもうどうでもいいわと思いますね。
── いや、「どうでもいいわ」じゃない、われわれの生活どうなるんですか?
  潰れないでしょ、僕が呟いたぐらいで。
── 先生は全くの私人ではないですよ。日本聖公会という大変崇高なキリスト教団体の関連団体でお仕事をなさっている先生ですよね?
  例えばね、例えば宣伝になるけど日本会議ってご存知ですかね?
── もちろん。
  じゃあ、「日本会議潰れたらええな」って言うたらあきませんの?
── 日本会議と鹿砦社と規模も力も全然違いますよ。日本会議というのはものすごい数の政治家が名前を連ねてですね、権力があってお金があって大企業の人間たちの名前を連ねてるところです。鹿砦社に社員何人いるかご存知ですか?
  知りません。
── 10人いないんですよ。
  そうですか。
── 中小企業ですよ、そこに対して「日本会議潰れたらいいな」と「鹿砦社潰れたらいいな」と全然意味違うじゃないですか。
  なぜ僕がそんなふうに書いたか気づきませんか。
── 仮にですよ、われわれ呉先生がいらっしゃる「聖公会生野センター潰れたらいいな」なんて言ったら、それはものすごい差別であり攻撃でしょ。
  そん時は「こんな言われてるわ」で済ますけどね、こっちはちゃんとやっとったらいいから。そんなん言われたことあるし、そんなふうのこと。
── あなたはそこでどういうお役職かわかりませんけれども、こういう不注意なことをお書きになったことに対して、まずいというお気持ちは持たないわけですか。「文句あったら言ってこいやあ」と。これ喧嘩腰ですよ。
  だから電話してはるんでしょ。まあ、だから消したけどね、ちゃんとチェックなさったんね。
── 私知りませんもん、先生のこと、存じ上げませんもん。
  ないですね、私かつて定期購読者です。
── ありがとうございます。別に喧嘩する関係だとも思ってませんしね。でも看過できないですよ、中小企業としては。大企業だったらいいかもしれませんけれどもね。なんら訂正なさるお気持ちはないわけですね。これでいいなと思っていらっしゃるわけですね?
  どういう意味ですか、おっしゃってることわかりません。基本的にね、論議が噛み合ってないんですけども。
── 噛み合ってないのはこんな無茶苦茶書かれるからですよ。私はなぜ書いたのかということをお尋ねしてるのですよ。
  ですから、「デジタル鹿砦社通信」を読んであまりにも悪意に満ちてるから。
── 悪意に満ちてる?
  はい、というふうに判断しました。
── 悪意に満ちてるとお感じになったので、「潰れたらいい」とお感じになった。
  酷いからね、こんなんいいんだろうかと。『週刊実話』の件に関してはお互い意見が違うみたいなんだよね。
── 違いますよ、だって先生の解釈は極めて勝手ですから。掲載されたことは事実じゃないですか。
  訂正したのも事実で、それ取捨選択するのはそちらの自由ってことなんでしょ。
── しかもその訂正が全面訂正だったら書きせんよ。あれは記事の全面訂正じゃないんですから。李信恵氏が加害者ということではなかったという部分訂正ですよ。
  そうね、そうね、厳密に言うとね。
── お分かりでしょ、全面訂正だったら書きません。でもその基本的な記事の部分に対する訂正ではないですよ、あれは。
  明るみに出たというのは裁判の段階でいわゆる社会的になってるのと違いますの、裁判にかかってませんけど。
── 何がですか?
  Mさんの裁判ね、訴訟ね。刑事はもう終わったみたいですね。で、今、民事が続いてるみたいですね。それで僕それにかかわってないのでそういう伝聞でしかよお言いませんけどね。その段階でいわゆる明るみになってるんちゃいますの、裁判ということは密室裁判ちゃうし。
── じゃあ先生きょう大阪地裁で行われてる裁判のこと全部ご存知ですか?
  もちろん知りませんよ。
── 知らないでしょ、そんな詭弁は通じませんよ。
  なるほどね、そうおっしゃるんだ。
── だって私だって知りませんもん、大阪地裁で毎日100も200もやってるような裁判。
  そうですね、じゃあ、『週刊実話』でメディアに載ったということで明るみになったという理解、あなたたちの。
── 私どもは何が問題かと感じているかと言うと、いろんな人たちが隠蔽してるんですよ、この事件を。隠蔽をするのに国会議員から大学教員からマスメディアの有名な人までが。被害者は死にかけてるわけですよ。
  相当なお怪我をなさったみたいですね。
── ええ、それをどうやって正当化なさるんですか? そういう行為を。むしろお伺いしたいです。
  当事者は刑事より民事で裁判やってるわけでしょ。
── すぐそうやって逃げるでしょ。
  岡本君は当事者ちゃうやんか。
── 当事者ですよ、「刑事告訴するな」と彼に迫ったんですから。
  そういう意味でね、暴行を働いたという意味の当事者じゃなくて。
── ええ、刑事告訴するなということを彼に迫ったんですよ。
  迫ったというか忠告したというか、判断の分かれるところですよね。
── 半殺しの身にあって、なんで被害届出したらいけないのかとの話です。在特会がやって来て生野のコリアの方に対して言葉だけじゃなくて暴力振るって殴る蹴るしたら、先生だって警察に被害届出すでしょ?
  出すやろね。
── 当たり前でしょ。顔の骨折れてボコボコになって目が見えなくなって、そこまでやられてなぜ被害届出したらダメなんですか。それやってるのが岡本氏なんですよ。どう正当化するんですか? 先生のおっしゃってること。
  僕はね、そのことはね、詳しくは知りません。
── 知らなかったら憶測で私たちを決めつけないでくださいよ。
  なるほど、それで岡本君の「みれぱ」も関係あると、隠蔽に。なるほど金明秀君も関係あると、林範夫先生も関係あると。
── ありますよ。
  なるほど、はい。
── われわれは憶測で書いていません。事実に基づいて書いてますから、その事実に基づいて書いたことをご覧になって、その感じ方はいろいろですからね、それは結構ですけどね、「潰れたらいいな」はこれもう撤回なさらないわけですね。
  撤回しましょう。
── え?
  撤回しましょう。
── なさいますか?
  はい、今からフェイスブックで撤回します。フェイスブックで書いたから。ごめんて書いときます。
── ごめん?
  謝罪いたしましょう、フェイスブックで、フェイスブックで書いたから、それ一番僕の取るべき行動でしょ、謝罪するって決めましたから。
── 私は強制してるわけではなくて、本当にそういうふうにお感じになってですね?
  あなたとの電話の中で会社の存続に危ういようなことを僕が発言したと、フェイスブックでという判断でしょ。
── 会社の存続に先生の一言で及ぶかどうかわからないけれども、中小企業にいる人間としてはこういうことを書かれるとドキッとしますよ。
  はい、だから訂正と謝罪いたします。
── 今からどなたでも見れる形で書いていただけると。
  もちろん一昨日と同じように。
── わかりました。ご訂正いただけるということは感謝申し上げます。
  そうですね、今ページ見てますけども「鹿砦社潰れたらええなあ」「文句あったら言ってこいやあ」ということに対して謝罪と訂正したら。
── はい、ではよろしくお願いいたします。

呉との電話は30分近くに及んだが、最後に呉は本人のフェイスブック上に「今から」訂正と謝罪を掲載すると約束してくれた。しかし、呉のフェイスブックには『噂の真相』がどうのだとか、全く関係のなさそうな書き込みに交じり、

 

上記の書き込みがあったものの、同日午後3時を過ぎても一向に訂正文が掲載される様子はなかった。午前中の会話は無駄な部分を割愛してあるが、呉の対応は極めて失礼なものであったので、聖公会の東京本部に事情を説明しようと電話すると、大阪にも事務所があると紹介を受け、聖公会大阪事務所のY氏に呉の書き込みにつき報告し、こういった行為を行わないように指導を徹底していただきたい旨お願いした。Y氏はすぐに呉に電話をかけてくれたのだろう。午後になり取材班不在中に呉から電話があったようで、折り返し呉に電話をかけた。

── お電話いただいていたようで。
  はい、いたしました。聖公会大阪教区に2度ほどお電話なさったようですね。
── ええ、させて頂きました。
  関係ないやんか。
── いえいえ、最初に東京聖公会の本部に聞きました。
  そうですか、2回目の電話で説明されたみたいですね。2回目の電話で向こうがこうこうこうと説明されたと思いますけどね。
── そうです、わたくしども知識がないものですから、最初東京の聖公会に。
  そりゃまあいいですよ、ネットで公開してる。
── 東京の方が大阪に事務所があるのでそこに聞いてくださいというご指示を受けましたので、そちらにお電話させて頂きました。ところで、恐れ入りますが呉先生、午前中お約束いただいてすぐ謝罪と。
  文章出来てますよ。
── いえ、出来てるんじゃなくて、あの時あなたはすぐそれを書いていただけるとおっしゃったというように私は記憶しているのですが。
  先程書き終えたばっかりです。
── 『噂の真相』がどうのとか書かれていますね。
  うん、そりゃ全然関係ない。思い出したから。
── それは結構ですけれども、私からお願いして、録音してありますけれども。
  やっぱり録音してあるんだ。
── 当然ですよ。意見の違いがあったら困りますから。
  はい、先程文章出来上がりまして、あとはアップするだけです。
── あの「チクった」と言うのはどういうことなんですか。
  それは書いただけでそちらの名前書いてないんやから。
── それを私はお尋ねしているのであって。
  それ違うところでもチクられたんですよ、最近。
── そんなこと聞いてるんじゃないですよ、あなたにお願いしたことは分かっているでしょ。あなた、一つの会社を潰せということを言ったということをね、午前中ちゃんと事実をもって確認して、それでもうわかったと、取り下げると、謝罪して撤回すると最後におっしゃっていただいたわけでしょ?
  取消しでもいいですかね。
── はい?
  撤回、取消しと説明ですね。
── どちらでも結構ですが、その後に『噂の真相』のことを思い出すのは結構ですよ、そのあとなんですか「チクった」っていうのは。
  そりゃそちらとは書いてないやん。
── いやいや書いてないじゃなくて、あなたはその前にすべきことがあるんじゃないんですか。私との約束の中で。あなたこれからすぐ書きますとおっしゃたんですよ、あの時。
  すぐ書いて先ほど書き終わったんです。
── 前後してるじゃないですか、その前に他のあの三つ上がってるじゃないですか。
  あんなん1分で書けるから。すぐ書くって言ったって一瞬で書ける場合と、考えて書く文章違うわけでしょ。
── そういうようなことを聖職者の方がおっしゃるのは。
  聖職じゃないです。
── いかがなものかと思いますよ。
  うん、聖職じゃないです、私。あのね、もうアップしますんで読んでください。そちらから電話頂いて意見の違いはあるけれども。
── いや、意見の違いはないですよ。
  あるやん。
── ご納得いただいて私も理解してお願いしますということで終わったわけです。
  うんだから、意見の違いは意見の違いでそのまんまで書くしかないんですよ。
── いや、問題はあなたが約束を守って下さらなかったということじゃないですか。
  あ、なるほど。
── あ、なるほどじゃないですよ。
  えっとですね……、読みましょうか? 今からアップする文章読みましょうか?
── いえ結構です。私はもう信頼感失いましたので。
  はい。
── こちら事実を提示して一生懸命お話ししたんですけど、そのことをもって訂正をすぐ書かれると言っていただいたことに対して、反故にされたことで、私は先生に対して完全に信頼感を失いました。
  そうですか、わたし今書いた約束守って取消で結構ですね。
── 知りません、私は別に何も文章の文面については申し上げるつもりはありません。
  なるほど、はい。意見の違いも書いてますからね。でも謝罪、取消しは書いてますので。
── 「アホな奴、アホな奴おるな、関係ないところに電話して僕のところにチクっとる」と。これは状況的に私のことじゃないですか。
  いや、明言してないよ。最近違うとこでもされたて言いましたやん。
── 欺瞞は通じないですよ。
  最近されましたからね。
── さっきYさん(聖公会大阪事務所)から電話かかって来たでしょ。
  かかってきましたよ、どうなってるんですか言うて。
── そのことじゃないですか、時間的に言ったら。
  うん、で違うことも思い出したんですよ。
── あなた、よくそんないい加減なこと言いますね。
  いい加減、そちらもなんか……。まあ録音なさってるから言葉慎重にさせてもらいますけども。
── 私の言葉にいい加減なところあったら指摘してくださいよ、ひとつでも
(略)しかしさっきから先生の私に対する言葉の頂き方を聞いてますと、口先だけでごまかそうと聞こえて仕方ないわけですよ。だってそうでしょ、「すぐ書く」とおっしゃったのになんで『噂の真相』が思いついたからって『噂の真相』が出てくるんですか。約束なさってるんですよ、あなた午前中に。
  書いた書いた。
── 挙句の果てに「アホな奴がおる」て。「アホな奴」、私じゃないですか。「関係ないところに電話して僕のところにチクっとる」と。私でしょ?
  ちゃうですけどね。
── 認めなさいよ、あなた、ちゃんと。
  あなたと違うんですけどね、それやった人。
── じゃあ、誰なんですか?
  そんなんあなたに。
── それより先に書くと約束したでしょう。
  しましたよ。
── なんでしないんですか?
  だからあとアップするだけですよ、さっき書き終わって。
── 違いますよ、自分の勝手で約束したことを。さっきからの会話も。私もう一回申し上げますよ、私が申し上げた中であなたに対して欺瞞とか嘘とか事実と違うことってありましたか? 何か。意見の違いはあるかもわからないけど。
  意見の違いはありますね。
── 事実の違いはありましたか?
  事実の認識の違いはありましたか?
── いえいえ、事実の違いはありましたかと聞いてるんですよ。
  あなたが嘘ついてるとか、あなたの言ってることが事実誤認してるとか言ってないつもりですけどね。
── いや、おっしゃってましたよ、午前中。
  そうでした?
── 午前中、山ほどおっしゃってましたよ。
  そうでした? どういうところでした? おっしゃってください。僕、基本的には二つのことを言ったと思うんですよ。ちょうど1年ぐらい前の『週刊実話』のことと、あれはその日のうちにネットで謝罪と訂正出したでしょと。そしたらそれは一部ですとおっしゃったね。李信恵さんの絡みに関しては『週刊実話』は謝罪と訂正をしたとおっしゃいましたね。ああ、そやったなと思って、それはもうそれで終わったと思うんです。1回2回やり取りして。そうですね。それともう一つ、今回の肝は、「未来のためのパネル展」、なぜ取材班がこのパネル展に注目するのか。それはこの「未来のための歴史パネル展」は「しばき隊」「カウンター」の「関連事業」であり、なおかつM君リンチ事件とも無関係ではないからだ。そこで岡本さんがMさんに刑事告訴するな云々とおっしゃいましたね、僕もそれはそうだったんだと思いましたが。
── ご存知ないとおっしゃいましたよ。
  ちらっと風の便りに聞いてましたけど、そんなはっきり。
── あれ? あれ? 午前中と違いますね。午前中はそんなこと知らないとおっしゃいましたよ。
  ちらっとは耳に入って、ちゃんとは知りませんよ。
── あれ?
  それこそ言葉の隅を突くのやめてくださいよ。
── いえいえ、まあそれは結構です。
  カウンターは違うだろうと、それだと思うんですよ。カウンターは組織じゃないと、あなたはしばき隊は組織だとおっしゃいましたよね、ああ、そやなと。
── それは私の認識ではなくてしばき隊の人がそう言っていたからそう言っているんです。
  でも「関連事業」というのが、そこには何か連なりがありますね。
── あります。それは先程申し上げた通り、岡本さん、もう一人の呼びかけ人の方、林弁護士先生、金明秀先生、その他の方々は全員カウンターですから。
  そうでしょうね、わたしもカウンターですから。あとカウンターには社会的名前通ってない方たくさんいらっしゃいますんでね。
── そういう意味で先生と私、そのことに対し事実に対しての認識の違いってないんじゃないですか。
  そこでカウンターの「関連事業」というのがどう繋がるんかなと。
── 先生はご不満かもわからないけれども、これはあと2回ぐらいのシリーズで書きますけれども。
  それはもうどうぞ書いてください。
── その中でさっきも申し上げましたけれども、岡本さんのなさった行為がどうだったかなということが最後に結論になるわけです。
  なるほどね。
── よろしいですか、さっき先生おっしゃたように、彼がM君の刑事告訴をするなと言ったことをご存知なわけですよね。
  風の便りに聞いてる程度です。
── 一応、風の便りに聞いてる程度にはご存知。午前中のお電話でもちょっとお尋ねしたんですけどね、生野にたくさん在特会がやって来て、例えば先生のいらっしゃるセンターに土足で上がって来て、いらっしゃる方に暴力を振るったりとか、あるいはたくさんじゃなくて一人の人を狙って乱暴、狼藉働いて怪我をさせるようなことがあったら、当然のように先生はそれは警察か何かに……。
  一般的に刑事案件になりますね。
── なさりますでしょ。それを仮に私が、「呉先生、それちょっと思いとどまってください」と「今の日本社会でそれやると在日の人たちに対する風当たりが強くなりますから」とか何とか言ったらそれはおかしいでしょ?
  仮定の話はあんまり言えないですね。
── 私は例を挙げただけであって、それをやったのは岡本さんだと言ってるわけですよ。
(略)
── こういった先生のような公職の方が、露骨に「鹿砦社潰れろ」という表現されたのは初めてです。
  そうですか、ショックだったですね。
── われわれにももちろん落ち度があることはあると思いますし、間違いもあるとは思うんですけれども、それはそれで正していきたいと思います。要するにどうすれば少しでもましな社会が出来るかということを模索してるわけなんですね。ですから「潰れろ」と「文句あったら言いにこいやあ」というのは表現としていかがなものかなということで。
  だからそれはね、申し上げますけれども、昨日4月29日ですね、あげたのは。昨日かな29日ですね。昨日は酒飲んでませんので酔うた勢いではありません、まずね。岡本君のいろんな見てて、おたくのこの「デジタル鹿砦社通信」見てて、これはそちらの意見ですよね、金明秀さんとか林範夫とか出てきて、コリアNGOセンターとかも出てきてね、わざわざ括弧でくくって「反ヘイトスピーチ裁判」と称する、てね、そういう表現わざわざなさって、僕もこの裁判にカンパもしてますからね、「M君リンチ事件の隠蔽工作と二次加害に最も深く関与した組織である」ということは、林範夫さんとコリアNGOセンターも全て反ヘイトスピーチ裁判の事務局も含めてリンチ事件の隠蔽工作に深く関与した組織というそちら判断なさってるんでしょ。
── 事実がそうですもん。
  僕はそうとは思えないですね。この人たちは皆よく知ってますからね。
── では先生に申し上げますが、今、民事訴訟をやっている中で、コリアNGOセンターは被告の側に、M君とコリアNGOセンターで交わした私信のメールを証拠として出してきてますよ。
  なるほど、そこは知りませんでした。
── 私はそんなことはあってほしくないという希望を持っているのですが、残念ながら事実はそうなんです。ですから会社の中でも、特に社長をはじめとして今回の先生の書き込みに関しては尋常ならざる怒りが渦巻いておりますので、先ほどおっしゃった書き込みを早急にしていただくと、それからやはり解せない「アホな奴おるな」と、これは私のことですよね?
  名前出したらそうやけどもね、名前出してませんやんか。
── 名前出そうが出すまいが、状況的に言ったらそうですよ。
  あなたを確定して送ったわけではないですよ。
── 私にはわかりますから。さっきあなたに確かめたじゃないですか、Yさんから電話があったと。
  向こうから電話かかってきたんですよ。
── かけてくださいと私が頼みましたから、だから私がアホな奴なんでしょ。
  そんな、なんで決めつけますのん。
── そのタイミングじゃなかったらあなたこんなことを書いてることないじゃない、過去に。
  なるほどね、そんなふうに解釈なさったんですね。
── そんなふうにって、他にどう解釈できるんですか、これが。あなただってね、NPOの責任者なんだからこういうところにもの書く時は一定程度の注意と責任持って書かなきゃダメですよ。
  気をつけます。
── これは私に対する侮辱です、明らかに。これは私に対することだとそれをちゃんと認めてください。でないと私はあなたに対して必要以上にどうしてこんなことする人かなと思いますよ、呉先生に対して。わたし在特会でもありませんからね、言っときますけど。
  そちらさんが在特会サイドとはわたし全然思っていません。そらもうおっしゃったの否定もしなかったでしょ。これまでのそちらさんの出版の内容とか見てたらそう思ってません。そら『反差別と暴力の正体』と見出し出てますけどね、それに対しては知らん部分もありますけども、わたしも情報、僕なりに調べますわ。
── いや、もう結構ですよ。

呉はこの後ようやく重い腰を上げて、謝罪文をアップしたが、それまで自身の顔を大写しにしていた画面が鶏のから揚げのように見える写真に変更されている。呉はその文章の末尾で「この投稿に関してはコメント等は受けませんのであしからず」としているにもかかわらず、伊藤大介が呉の意に背いて自身のフェイスブックでコメントをしている。

 

今回取材班は一切の評価を下さない。判断は読者に委ねる。
最後に。近日発売の『週刊金曜日』と『月刊サイゾー』に掲載される下記の鹿砦社の広告にご注目いただきたい。鹿砦社の新たな銃弾が既に装填された。読者諸氏の期待を鹿砦社は裏切らない。

(鹿砦社特別取材班)

『人権と暴力の深層』カウンター内大学院生リンチ事件真相究明、偽善者との闘い(紙の爆弾2017年6月号増刊)鹿砦社特別取材班=編著

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特集シリーズ、検証「未来のための歴史パネル展」の第4回目をお届けする。今回はこれまでの経緯のご紹介とは異なり、日本の学問の在り方と社会運動という大きな壁に直面する内容だ。一般読者には聞きなれないことばかもしれないが、「みれぱ」において「剽窃(ひょうせつ)」と疑われる点が少なくない箇所が見受けられる。そしてその疑惑の中心人物が岡本朝也だ。

◆「剽窃」定義のガイドライン

そもそも「剽窃」とはなんだろうか。本稿は若干このコラムには珍しく「硬い内容」になるが読者諸氏にはご容赦頂きたい。

剽窃(plagiarism, forgery)とは、他者の書いた文章・論理・言葉などを、自作として使用する行為である。つまりコピペ・盗用である。わずか一部であっても、自分の言葉と他人の言葉は峻別しなければならず、他者の執筆した文献や文章などを使用する際は、引用・区分または別記表記などで峻別する必要がある。

言うまでもなく、引用符を付けず自分が書いた言葉かのように記したり、または、誰かの書物を自分の成果とすれば「学問に対する背信行為」であり、これを犯した者は学者生命が絶たれて然るべきものとされる重大な非違行為だ。これはアカデミズムの世界にいる人には常識であるが、逆に言えばそれ以外の世界の人にはあまり知られていない概念である。

2014年に、小保方晴子の博士論文盗用問題が騒がれたことがあったが、あれは極めて悪質で明瞭極まりない「剽窃行為」である。下記のとおり各大学がガイドラインをもうけている。

〈関西大学〉
http://www2.kansai-u.ac.jp/econosc/hyosetsupdf.pdf
〈早稲田大学〉
https://www.waseda.jp/fpse/pse/assets/uploads/2014/05/20170330_AvoidingPlagiarismJAP1.pdf
http://www.waseda.jp/fpse/gse/assets/uploads/2016/04/652ddf06da2b53baaed45b6238e189e6.pdf

◆パネル展(みれぱ)の剽窃調査

では、具体的に「B君の原案」と「現在、『みれぱ』パネル展で使用されている現物」を比較することにより、疑念を解き明かしてみよう。

ここでは3つの項目について確認を試みる。「①実際の文章の酷似度合」「②実際に使われているパネル資料」「③論理構成」である。

最初にパネル展で使用された「竹島/独島問題」のB君の原案と現在使用されているパネルの単純比較を行う。[図表1]は「B君の原案と「みれぱ」のパネル」の内容で、「B君案」と「現・使用の「みれぱ」資料」の酷似可能性を指摘するのみに留まる(以後、詳しく説明)。

黄色■■■の部分は文章自体、水色■■■は過去原案が加味された部分、緑色■■■は当時岡本と打合せ段階で双方が合意を得て割愛したが付記された部分、という区分法をとる。
  

[図表1]酷似部分

 

 

上記の通りB君が作成した文章を「そのまま」使用した箇所は多くはない。語尾や言い回しには若干の差異がある。この類似点だけで剽窃と決めつけるのは危険だろう。ただし、留意すべきは、この表記に至るまで(このシリーズで前回までにお伝えして来た)B君と岡本のやり取りの内容だ。岡本はB君に大方の研究・調査を行わせたのちに、B君を追放している。したがって、この場合紹介文章の類似性もさることながら「コンテクスト(文脈)」の検討も加えられる必要がある。人文科学に包摂される歴史学は社会科学とは異なり、FACT(事実)に高度な厳密性が求められるため「似ている」状況が発生することは起こり得る。であるからこそ「コンテクスト(文脈)の類似性」、「論理構成の類似性」の検討が意味を持つ。

◆パネル文から「コンテクストの酷似性」「論理構成の酷似性」を検証

では実際に展示されたパネルはどのような内容であったのであろうか。[図表2a]がB君が作成した原案、[図表2b]が実際に展示されたパネルだ。

[図表2a]B君原案

[図表2b]実際に展示された「みれぱ」パネル資料

 

 

以下、B君原案と「みれぱ」パネル資料の「コンテクストの酷似性」「論理構成の酷似性」検証を行う。[図表3]で取材班が「剽窃疑惑」を抱いた根拠を示す。ここでは変数を細かく切り、変数それぞれの関係を整理し、具体的に検討したい。

[図表3]コンテクストの酷似性、論理構成の酷似性

[図表3]において明らかなことは、「コンテクストと論理構成が完全に一致している」という結論である。コンテクストと論理構成は、書き手によって十人十色に分かれるものである。「完全一致」はいかにも不自然かつ剽窃の疑いを持たざるを得ない。

◆なぜB君の原案が使用されているのか?

では、なぜ剽窃に至ったのか。2つの可能性が推測される。「B君が書いた原稿は、彼がM君を擁護していることを理由にアカハラを受けた後、岡本は改めてゼロから独自で執筆をせず、そのまま校正に回し、修正したものを現在使用している」か「B君原案を元にアレンジを加えた」のいずれかだ。

B君は岡本と5~6回にもわたり、原稿のやりとりをしており、校正に回せる段階に到達していたことは、前回の本検証記事〈3〉で岡本自身が認めている。そして校正に回せると分かるや否や、事件以降M君を支援するB君の存在は、しばき隊、カウンターからのパネル展に対する援助を受ける際に支障になるがゆえに排除したものと考えるのが自然である。

具体的に剽窃行為疑惑がどのような人的手続で、誰が加担したのかまでは定かでない。しかし現に調査結果として「剽窃疑惑」という結論が導き出された以上、論理的に考えれば「B君の原案をそのまま校正に出し、それを修正し、使用されている」か「B君原案を元にアレンジを加え、校正にかけ、使用されている」のいずれかがを想定することが妥当である。

B君が岡本とのみ、原稿打合せをしていた事実がある以上、岡本が主犯格で彼の一存で剽窃的行為が行われたのではないかと推測される。

そしてこれは重要な要素であるが、近年多くのポスト・ドクター(博士学位取得者)たちが職探しに窮困している。このパネル展開催も、たとえば大学教員採用の際に「社会活動」として「業績一覧」に記入すれば、1つの貢献と見なされ、常勤講師・准教授・教授といったような「アカデミックポスト」への就職の一助としてポイントとなる。勿論、採用側が「B君の原案が校正に回せる段階になって、リンチ事件の被害者であるM君を支援していたことを理由に不当に排除し、その原案がそのままパネル展側に搾取され、岡本らがそれを校正にかけ、再編集を経た上で、紛い物の社会貢献活動をしている」ことを知り得ることはまずあり得ない。「みれぱ」を記事化した毎日新聞(本検証記事〈1〉参照)を見れば明らかだ。

以上述べたことを要約すれば次の通りである。

① 運動維持のためならば、リンチという多大なる人権侵害を受けた人(犯罪被害者)を守ろうとする者にすら、アカハラを行い、パージする
② 運動維持のためならば、剽窃すら行い、科学を裏切る
③ そしてそのような者が大学教員として幅を効かせている

ということである。また、B君から見れば「アカハラを受けた上に、剽窃までされた」という事に他ならないのだ。現在もなお、関西大学社会学部のホームページには、岡本朝也の名前が非常勤講師として記載されている。岡本は現在もなお、大学の教壇に立っているのだ。B君への圧迫と排除、アカデミック・ハラスメントの実態を知れば、類似のことを今後も行う可能性が極めて高いと言わざるを得ない。関西大学当局および関係学会においては、大学内部で発生した事案ではないものとはいえ、適切な対応を望みたい。(つづく)

(鹿砦社特別取材班)

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検証「未来のための歴史パネル展」の第3回目をお届けする。「みれぱ」共同代表の岡本朝也によるリンチ事件被害者、M君に対する行動については前回触れた通りである。今回は、実際にパネル展を開催するにあたって、岡本が何をしたかをご紹介し、このパネル展そのものの欺瞞性を問う。

◆大学生B君はなぜ「みれぱ」から排除されたのか?

今回の新たな登場人物がB君(仮名)である。2014~2015年当時は、大阪在住の大学生だった。M君リンチ事件については、事件発生当初から先輩格の被害者M君の側に立ち、支援をしてきた人物である。周囲の「大人」たちが運動内部の権力構造に屈服し、M君を裏切る中、年若いB君が良心を捨てず、最後までM君を裏切らなかったことは、醜悪な話だらけのM君リンチ事件に関連する話題の中で、一抹の清涼剤ともいうべきエピソードである。まだこの国には見どころのある若者がいるものだと、取材班も頭の下がる思いだ。鹿砦社は事件直後のM君やB君の窮状を知らず、1年以上も社内に「加害者側」の人間、それも最も悪質な二次加害者の一人を抱えていた(当人以外知らなかったこととはいえ)のだから。

◆「M君の支援をした」ことを理由に、B君を排除した岡本朝也

B君は、自らの勉強、研究の研鑽も兼ねる目的で、「みれぱ」のパネル製作に関わる。そこで「竹島問題」の項目を担当することになったB君は、一所懸命に勉強し、資料も収集し、パネル用の文章を仕上げた。次に紹介するのは、2015年5月5日のB君と岡本のLINEでのやり取りである。画像の中ではM君とB君の実名が挙がっている部分のみ、修正を付している。

岡本朝也(白い吹き出し)とB君(黄緑の吹き出し)のやり取り1-2

岡本朝也(白い吹き出し)とB君(黄緑の吹き出し)のやり取り3-4

岡本朝也(白い吹き出し)とB君(黄緑の吹き出し)のやり取り5-6

岡本朝也(白い吹き出し)とB君(黄緑の吹き出し)のやり取り7-8

岡本朝也(白い吹き出し)とB君(黄緑の吹き出し)のやり取り9-10

岡本朝也(白い吹き出し)とB君(黄緑の吹き出し)のやり取り11-12

岡本朝也(白い吹き出し)とB君(黄緑の吹き出し)のやり取り13-14

 

 

 
画像はあくまでやり取りの一部であるが、もはや説明は不要であろう。岡本は「M君の支援をした」ことを理由に、B君を排除したのである。これよりも前から、岡本は酒席等でB君に対し「パネル展を取るか、Mを取るか、どっちか選べ」などと複数回にわたり詰問していたという。昔、「あそこの家は部落だから、あの子と遊んではいけない」、「あそこの家はチョーセン人だから、あの子とは遊んではいけない」というようなことをわが子に言う不見識な親がいたが、岡本の所業はこれと全く同じものではないか。開始段階でこのような悪意に満ちた排除を行い、それを隠蔽し平然とパネル展開催を繰り返すのが岡本ら「みれぱ」の真の姿だ。「何よりも大事なことは歴史修正主義者と戦うこと」だと「みれぱ」代表者の岡本は言っているが、岡本自身が「リンチ事件隠蔽」、「B君排除の隠蔽」という「歴史修正主義」を率先して実行しているではないか。

「みれぱ」は学術研究の場である。共同代表者二人は研究者であり、顧問には関西学院大学教授の金明秀も名を連ねている。さらに「みれぱ」は自らの「パネル作成のポリシー」においても「学術的記述を目指します」「学術性を優先します」と明記している。

岡本はその学術研究の場である「みれぱ」において、学生であるB君に対し、「大学講師と学生」、「パネル展代表者と一参加者の学生」という権力関係の強弱を背景にした排除を行っている。それも「リンチ事件の隠蔽」という極めて悪質な動機づけによるものだ。岡本のB君に対する「排除」は、研究・教育の場で極めて重大視される「アカデミック・ハラスメント」に該当する。

M君リンチ事件の加害者や二次加害者への「忖度」にいそしみ、被害者M君を支援したことを理由に研究・勉学の機会を求めた学生B君を排除し、なおかつその「不都合な事実」を隠蔽しながらパネル展の開催を続けている。これが「未来のための歴史パネル展」の実態なのである。「みれぱ」は次のようなポリシーを掲げている。

「人権を尊重します」「侵される側、虐げられる側、マイノリティの側の視点を優先します」空念仏とはこのことだ。岡本朝也以下「みれぱ」関係者は暴力を肯定し、自らが実践した「歴史修正主義」をこれまで隠蔽してきたのだ。崇高な理念は結構だが、これでは欺瞞じゃないか。

「リンチ事件被害者M君を支援したこと」を理由とした岡本ら「みれぱ」によるB君排除は、「運動体内部の多数派」による、数と権力を背景とした少数意見の排除、封殺という点で、M君リンチ事件と同根の問題性が極めて色濃く表れている。

これだけでも十二分にふざけた話であるが、「みれぱ」の問題はこれに留まらない。本連載に関して「鹿砦社、潰れたらええな」、「文句あったら言ってこいやあ」とフェイスブックに書き込んだ人物が現れた。「潰れたらええな」と喧嘩を売られて、鹿砦社が黙っていると思っているのか!(つづく)

[追記1]
この件については、従前よりM君に同情的な立場からリンチ事件に関心を寄せている「ウォッチャー」の「将鼓」氏が、4月21日に取材班に先立ち自身のブログで問題提起をされている。併せてお読みいただきたい。
将鼓氏「某事件と”パネル展”」

[追記2]
当初、本特集シリーズは4回シリーズでお届けする予定であったが、本文中にもご紹介したように「鹿砦社、潰れたらええな」などと喧嘩を売る者が登場するような不測の事態が発生したため、急遽シリーズを延長することとなった。

(鹿砦社特別取材班)

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宮沢和史さん(2016年10月2日熊本「琉球の風~島から島へ~2016」にて)

気取らない、威張らない、爽やか。元THE BOOMの宮沢和史さんだ。彼は昨年1年間体調不良で、ステージで歌う活動を「休養」していた。それでも震災後の昨年10月2日熊本で行われた「琉球の風」に駆けつけて「今日だけはどんなことがあっても歌わせてくださいと僕のほうからお願いしました!」と全国のファンには極秘(?)で「島唄」を熱唱してくれた。

一昨年は顔色がさえず、体が辛そうだった。本人曰く「ヘルニアで動くのも苦しい」状態だったそうだ。昨年はずいぶん元気になっていて、ご本人も「だいぶ元気になりましたよ。ステージで歌わないのが休養になったみたいですね」と明るく話してくれた。それでもまだ指のしびれがとれることはないとのことだった。

◆宮沢和史さんが「島唄」に込めた想い

4月1日付朝日新聞デジタルより

4月25日から防衛局による「辺野古の海破壊行動」が激化しているが、それに対するささやかな抗議として、宮沢さんの「島唄」にまつわる逸話をご紹介する。

以下は4月1日付の朝日新聞デジタルに掲載された記事からの抜粋だ。

沖縄の音階と三線(さんしん)を全国に広めた「島唄」。ラブソングのように聞こえる歌に込められた本当の意味は?

「THE BOOM」のボーカリスト、宮沢和史さん(51)は山梨県出身。沖縄音楽の魅力にとりつかれたきっかけは、1989年のデビューから間もない頃、土産にもらった沖縄民謡のカセットテープだった。 「バブルの空気に居心地の悪さを感じて、日本から世界へ発信できる音楽を探していたとき、大地につながりをもつ沖縄民謡に日本の原風景を感じたんです」

90年、アルバムのジャケット撮影のため、初めて沖縄の土を踏む。翌年には沖縄県糸満市のひめゆり平和祈念資料館を訪れ、ひめゆり学徒隊生存者の話を聞いた。住民を集団自決に追いやったものに対してだけでなく、沖縄戦に無知だった自分自身にも腹が立った。人々が息絶えたガマ(洞窟)の中に自分もいるような恐怖を覚え、資料館の外へ出ると、さとうきびが静かに風に揺れていた。

宮沢さんは振り返る。「牧歌的な光景と、その下で行われた殺戮(さつりく)とのギャップが信じられなかった」伝えなければと思った。自分には音楽がある。「体験を話してくれた方に恥ずかしくない曲を作ろう」。そう考えて一気に書き上げたのが「島唄」だ。

「ウージ(さとうきび)の森であなたと出会い ウージの下で千代にさよなら」。単純に恋の始まりと終わりを描いたとも取れる一節は、ガマの中で自決した二人の幼なじみの男女をイメージしているという。「レ」と「ラ」がない琉球音階で作られた曲の中で、このフレーズだけは通常の西洋音階にした。「何が誰がそんな状況に追い込んだのかを思うと、沖縄の音階はつけられなかった。ヤマトの音階にした」

◆今年も9月に熊本「琉球の風」で「島唄」を

私は沖縄の知人から聞いて、「島唄」に込められた意味を知ってはいたけれども、上の記事にある通り、宮沢さんご自身がそのことを語るようになったのは21世紀に入って以降で、それまではメロディー、歌詞ともに卓抜した名曲として世界にも広がっていた。

さて、肝心の「島唄」であるが下記が、ほぼ宮沢さんの意図に近いだろうと思う。巧みの技である。パッパラパーのバブル時代でもこの歌詞には抵抗を感じる人が多くはなかっただろう。しかし表の歌詞を翻せば、これはまがうことなき「反戦歌」だ。しかも琉球(沖縄戦)から、大日本帝国の暴虐を撃つ視点には勇気も要ったに違いない。だから宮沢さんは今も大枠で「島唄」の歌詞を語ることはあるけれども、この時代状況に対する発言は極めて慎重だ。それでいい。彼はこれだけ大きな仕事をやってのけたのだから、「島唄」をクースー(泡盛の古酒の意)のごとく、磨き上げていってほしい。今年も9月には熊本の「琉球の風」で「島唄」を聴くのが楽しみだ。

「島唄」を歌う宮沢さん(2016年10月2日熊本「琉球の風~島から島へ~2016」にて)

沖縄で続く中央政府の暴虐に対して「島唄」の歌詞を送る。

でいごの花が咲き 風を呼び 嵐が来た
(1945年春、でいごの花が咲く頃、米軍の沖縄攻撃が開始された。)

でいごが咲き乱れ 風を呼び 嵐が来た
(でいごの花が咲き誇る初夏になっても、米軍の沖縄攻撃は続いている。)

繰り返す 哀しみは 島わたる 波のよう
(多数の民間人が繰り返し犠牲となり、人々の哀しみは、島中に波のように広がった。)

ウージの森で あなたと出会い
(サトウキビ畑で、愛するあなたと出会った。)

ウージの下で 千代にさよなら
(サトウキビ畑の下の洞窟で、愛するあなたと永遠の別れとなった。)

島唄よ 風にのり 鳥と共に 海を渡れ
(島唄よ、風に乗せて、死者の魂と共に海を渡り、
遥か遠い東の海の彼方にある神界“ニライカナイ” に戻って行きなさい。)

島唄よ 風にのり 届けておくれ わたしの涙
(島唄よ、風に乗せて、沖縄の悲しみを本土に届けてほしい。)

でいごの花も散り さざ波がゆれるだけ
(でいごの花が散る頃、沖縄戦での大規模な戦闘は終わり、平穏が訪れた。)

ささやかな幸せは うたかたぬ波の花
(平和な時代のささやかな幸せは、波間の泡の様に、はかなく消えてしまった。)

ウージの森で 歌った友よ
(サトウキビ畑で、一緒に歌を歌った友よ。)

ウージの下で 八千代に別れ
(サトウキビ畑の下の洞窟で、永遠の別れとなった。)

島唄よ 風に乗り 鳥とともに 海を渡れ
(島唄よ、風に乗せて、死者の魂と共に海を渡り、
遥か遠い東の海の彼方にある神界“ニライカナイ” に戻って行きなさい。)

島唄よ 風に乗り 届けておくれ 私の愛を
(島唄よ、風に乗せて、彼方の神界にいる友と愛する人に私の愛を届けてほしい。)

海よ 宇宙よ 神よ 命よ
(海よ 宇宙よ 神よ 命よ 万物に乞い願う。)

このまま永遠に夕凪を
(このまま永遠に穏やかな平和が続いてほしい。)

島唄よ 風に乗り 鳥とともに 海を渡れ
(島唄よ、風に乗せて、死者の魂と共に海を渡り、
遥か遠い東の海の彼方にある神界“ニライカナイ” に戻って行きなさい。)

島唄よ 風に乗り 届けてたもれ 私(わくぬ)の涙(なだば)
(島唄よ、風に乗せて、沖縄の悲しみを本土に届けてほしい。)

島唄よ 風に乗り 鳥とともに 海を渡れ
(島唄よ、風に乗せて、死者の魂と共に海を渡り、
遥か遠い東の海の彼方にある神界“ニライカナイ” に戻って行きなさい。)

島唄よ 風に乗り 届けてたもれ 私(わくぬ)の愛を
(島唄よ、風に乗せて、彼方の神界にいる友と愛する人に私の愛を届けてほしい。)

◎[参考動画]島唄 本当の意味(kesigomuify2010年5月22日公開)

「琉球の風〜島から島へ〜」Facebook

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

『島唄よ、風になれ! 「琉球の風」と東濱弘憲』(「琉球の風」実行委員会=編)

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