間近に迫った日弁連会長選挙──日弁連がネットの「言論の自由」を弾圧か?

日本弁護士連合会(日弁連)会長の選挙が行われている。大阪弁護士会所属の中本和平弁護士と東京弁護士会所属の高山俊一弁護士が会長候補に立候補している。

投票は2月5日で現在激しい選挙戦が展開されているが、知人の弁護士から不可思議な情報提供があった。ある弁護士が匿名の自身のブログで片方の候補を応援したところ、日弁連から注意を受けたとのことだ。その方が現在掲載しているブログの内容を引用する。

「さっき、日本弁護士連合会選挙管理委員会の副委員長さんから、わざわざお電話をいただきました。 わたくし、なんかの選挙に出た覚えがないので、ビックリしたのですが、なんと私のブログ記事が日弁連の選挙管理規定に違反するので、削除して欲しいと言うのです。
  問題となったのは以下の記事。2016年1月17日付け記事で、
【悲報】日本弁護士連合会の執行部側○○○○候補が、稲田朋美自民党政調会長に何度も献金していた。というもの。
  取り敢えず非公開にしましたのでリンク切れになっていますし、候補者の名前も匿名にしました。
  今回の日弁連会長選挙にはふたりしか立候補者がいないので、片方の先生を批判すると、もう片方の先生を応援したことになるから選挙運動だ、という話なんです。
  そして、会長選挙管理規定が今回の選挙から「改正」されて、WEB選挙活動が認められるようになってたけど、それは各陣営に1つずつのオフィシャルホームページだけ。
他の人は、選挙対策本部の弁護士も一般会員も、WEB上で1人の特定の候補に有利になる発言は許されないという驚くべき改定がされたというのです。
こんなの、WEB選挙が認められるようになったと言えますか?
逆に、明らかに言論の自由が制限を受けるものです。」
◎「宮武嶺のエブリワンブログ」より

◆「言論の自由」を守るべき日弁連に「言論の自由」感覚が欠如している

本当だろうか。事実を確かめるべく日弁連に電話取材した。応対に出た日弁連総務課の事務担当者(氏名は名乗らなかった)に上記質問をぶつけたところ「選挙管理委員会の副委員長がそう述べたのなら事実でしょう」との回答であった。

おいおい、言論の自由もへったくれも日弁連には無いのか? 通常の国政選挙、地方選挙でも実質的にネット選挙はほぼ全面的に解禁されている。それに対して、時には国を相手に闘う職務にある弁護士が全て所属する「日弁連」がこのように矮小な、選挙運営を行っていては、日本司法における対抗勢力の脆弱性、もしくは偏狭性の現れと感じられても仕方がないであろう。

「言論の自由」を守るべき日弁連に「言論の自由」感覚が欠如している。これは重大かつ深刻な問題と言わざるを得ない。

さらにこのブログ執筆者が、中本弁護士の過去、自民党稲田朋美政調会長に政治献金をしていたことに言及していたが事実であろうか。中本弁護士所属事務所に取材してみた。それによると中本弁護士は「一水会」(鈴木邦男氏が発足させた「一水会」とは同名だが無関係)という大阪の弁護士集団の実力者で、その後輩である稲田朋美氏を応援していたことは事実であるという。

3万円の政治献金も過去確かに行っていた。ただし電話応対に出た弁護士の話では「中本弁護士は憲法などについてはむしろ稲田氏と全く逆の考え方で社民党の福島瑞穂さんや民主党議員との付き合いの方がはるかに深いです」とのことだった。なるほどそう言われればそうか、と騙されそうになるが、この曖昧さこそ現在日本を覆う困難を引き起こした「どっちつかずの態度」なのではないのか。

中本弁護士は安倍のような改憲主義者ではないだろう。しかし「後輩だから」という理由で稲田朋美を応援していた過去があるようでは日弁連の会長を任せようとは思わない。社民、民主を応援しながら小選挙区制を進めたり、2大政党制を進めた大学教員のようなものだ。

私はもちろん弁護士資格など持っていないので自由に発言できる。日弁連会長候補者としての中本氏を私は支持しない。一見リベラル、一見穏当な姿勢の中にこの時代を誘引した細かであっても、過ちを包含している人物のように思えて仕方がない。
一方、高山俊一弁護士の主張全てにおいて中本弁護士よりは余程明白だ。何よりも「反戦」に対する考え方が極めてはっきりしている。私自身の考えに近い。
一般人には関係なさそうではあるが日弁連は本気になれば相当な力を国に対しても発揮しうる団体だ。選挙の推移を注視したい。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎「先頭で行動する政治学者」山口二郎氏を迎えて前田日明ゼミ第4回開催!

『紙の爆弾』!タブーなきラディカル・スキャンダル・マガジン

「先頭で行動する政治学者」山口二郎氏を迎えて前田日明ゼミ第4回開催!

1月16日西宮市甲子園ノボテルで第4回の「前田日明ゼミ」がゲストに法政大学教授で政治学者の山口二郎氏を迎え80余名の参集のもと行われた。

松岡社長の挨拶に続き、山口氏の講演がはじまった。「おとなしくアカデミズムの世界で仕事するのは終わりかなと考え東京に移った」という山口氏は、この間、先頭に立って行動してきた学者である。

山口二郎氏

「天皇制と、戦争放棄が密接な関係にある憲法、天皇陛下の方が安倍総理より余程真っ当な歴史認識を持っている、無責任な支配の特徴、主観と客観の区別がつかない。かつての自民党には官僚出身の合理的政治家、地べたを這いずるように弱者を助けようとする政治家がいた。政治に蔓延する『反知性』主義、今年は闘いの年、自由は突然奪われるのではなくひたひたと圧迫や弾圧のレベルが上がってくる。民主主義をどう育てるか、私自身も野党結集を画策している。選挙に行かないとどうにもならない。安倍政治が本当にいいかどうか考えたら変わる。やればできる」(山口氏)

山口二郎氏と前田日明氏

休憩をはさんでホストの前田氏との対談に移った。

前田氏が対談で訴えたことは、「小泉政権から始まった偽りのグローバルスタンダード」「安倍政権は経団連株を買っている」「学生の連中も安保法案に対いて頑張った。そこが日本政治を変えて行けるように期待している。次の選挙は18歳から選挙権が与えられるので注目している」ということだった。

これに対して、山口氏も強い危機感で反応した。
「日本はまとまった見解を米国にぶつけたことがない。それが出来る政治家を作り上げていかなければいけない」「選挙で下手をすると二大政党制は無くなってしまう」「政権奪取の意欲が民主党に薄れている」「自信喪失。新しい物を議論すればいいのに、おおさか維新と組みたいとか『集団的自衛家』一部容認など言い出せば国民への訴求はない」

前田氏はさらに「日本の美しさ、理念の破壊が90年代頃から進んでいる。日本人は自国のものでなくとも技術を磨きそれを改良していく美しい連鎖があったが、アメリカの『グローバルスタンダード』で潰されそうだ。そのきっかけを作ったのは小泉純一郎だ」と喝破する。

次いで両氏が最近の動向について意見を交わす。

山口 大人が若者に利用され搾取されている。マスコミの現場の人が頑張って視聴者が応援していく。

前田 はっと気づいたらおかしな時代になっているのではないか。安保法制はどうとも思わないけど憲法9条は絶対守るべきだと思う。自国は自国で守るべきだと。国として自衛をするんだったら自分は賛成。自衛隊法のような不備な法律では戦えない。でも安倍はアーミテージから言われたこを実行しているだけ。

丁々発止の議論がテンポよく行われた。次いで会場からの質問が出された。

質問者「日本へのアメリカの影響力具体的な行動を教えてください」

山口 「90年代から日米安保運用が変化してきた。実務的には既に様々な関係がある上に安保法制を上乗せするのはおかしいと言うのが言いたかったこと。でも米中には絶対戦争しない黙約がある。尖閣も棚上げて数十年前に戻すべきだと思う。これからISの地上戦にアメリカが進む時に日本はどう対処するかを考えておくべき。ISを軍事力で解決できるかという問いがある。下等生物は切っても、切ってもまた増殖する。アメリアの軍事力行使と距離をおいて考えていくべきだ」

前田 「東京オリンピックにおける『テロ』が怖いと思う。報道にも大きな問題があり一概にISが悪いとは言えない。アメリカの誤爆、誤射にも大きな原因がある。安倍首相はそこで何か起こったら『ほらこんな体制では危険だろ』といってさらに強化を図ろうと考えているのではないか」

と多岐にわたる話題展開され、あっという間に終了時間を迎えた。

「ゼミ」終了後はお二人の講師を交えて懇親会が行われた。時あたかも甘利経済再生担当大臣への1200万円の賄賂疑惑が沸き起こり、株価は連日暴落を続けている。
益々の混迷が明らかな2016年。鹿砦社主催の「西宮ゼミ」は今年も多様な価値をお届けし続けることだろう。

次回2月28日(日)には木村草太氏をゲストにお招きし手の開催が決定している。受講ご希望の方は早目のお申し込みを。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎第3回「前田日明ゼミin西宮」──田原総一朗氏を迎えて聴衆120人の大盛況!
◎第1回前田日明ゼミ開催!──新右翼鈴木邦男さんと「真の愛国者」を問う!

『紙の爆弾』!タブーなきラディカル・スキャンダル・マガジン

秋葉原に跋扈──ヤクザが去って韓国ローティーン「JKK」勧誘の嵐

「今やヤクザは山口組の分裂騒動からというもの、警察のマークがきつく、おいそれとスナックやキャバクラに足を運べなくなった。秋葉原もかつてはヤクザがケツを持っている『JKお散歩』や『JK耳かき』という名の「JK本番」サービスが大流行していたが、警察のチェックがきつく、ヤクザもJKビジネスの後ろにいて、かすりをもうけるのは難しい。その隙間を縫って、韓国マフィアが韓国人のローティーンを使ってJK本番サービスを仕掛けています」(秋葉原の性風俗業者)

秋葉原を深夜11時過ぎに歩いていると「お兄さん、お兄さん、ひとつだけ教えてください。未成年に興味はありますか?」と中年の男性が声をかけてくる。

「ついていくと、上野のラブホテルに連れて行かれ、5万円前後で韓国人の十代前半の女の子がフェラを上手にしてくれる。プラス2万円にて、『ゴムつき本番』になだれ込みます。もちろん地元のヤクザに話は通していますよ」(同)

そして、12月に入って「写真を撮られて十数万円もぼったくられた」という被害者が続出、地元警察も、キャッチに目を光らせ始めた。

「コスプレ喫茶のようなスタイルで『喫茶いかがでしょうか』と声をかけてくる女の子たちも、たどたどしい日本語の場合葉『JKK』、つまり韓国嬢の女子高校生バージョンでのエッチプレイである可能性が高い。まあ日本の風俗サービスがエアポケットに入ったような状態なので、そこにスーッとアングラなJKKサービスが入ってきたのです。午後11時すぎて『未成年に興味ありますか』と聞いてくるキャッチの出没時間は、わずか5、6分にすぎない。警察に通報されて駆けつけても、もう影も形もないというわけです」(同)

秋葉原や上野あたりの繁華街でも新宿の歌舞伎町ばりに「キャッチは違法です。ついていかないようにしましょう」というアナウンスが流れるが、やはり「ローティーン好き」にはたまらない魅力のある街となった。

「まあ山口組の分裂騒動が続くかぎり、韓国風俗は儲かるでしょうね」(同)
秋葉原の2016年が始まった。今年もロリコン好きの男がわんさかと集まりそうだ。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。

◎メールストーカーの心理状態を推察し、挑戦状を出す!
◎川崎中1殺害事件の基層──関東連合を彷彿させる首都圏郊外「半グレ」文化
◎国勢調査の裏で跋扈する名簿屋ビジネス──芸能人の個人情報を高値で売買?

月刊『紙の爆弾』2月号!総力特集─安倍政権を支える者たち

忘れられた衝撃事件の真相──寝屋川中1男女殺害事件容疑者の意外な手記(下)

山田は、2002年に住んでいた大阪の寝屋川近くで、男の子を監禁する事件を連発している。

「山田容疑者は窃盗、傷害、覚せい剤など前科8犯……山田が住んでいる自治会では、『あの人に近寄らないほうがいい』と囁かれたことがあります。理由は、気にいった大人のOLや中学の男の子を撮影して逃げる、ということが頻繁に起きたからですね」(寝屋川の住民)

このように男女どちらでも愛せる山田容疑者は、刑務所で何を思い、どんな恋人を探していたのだろうか。

過去、服役経験もある、前出の作家の影野氏がさらに解析する。「僕はこの事件を知ったとき、Y・Kという1人の人物を思い出しましたね。Y・Kは13年前、山田同様に刑務所に服役していました」彼は、懐かしそうに服役時代を振り返る。

「当時のY・Kの罪名は、少年への『過失傷害致死』です。彼は性的にはヘテロ(=異姓愛)のようでしたが、大人の女性より幼少女が好きで、中性的な少年も彼の性の対象となりました。しかも、幼児童に対しての虐待癖があるため、このときの懲役も少年を縛って窒息死させたものだったのです。Y・Kは12才より類犯に類犯を重ね、36才(服役中)に至るまでの人生のほとんどが塀の中でした。服役中も、そのころ爆発的人気だった『モーニング娘』の写真集を買って『昨日は燃えたよ』などと、自慰行為を自慢するかのように囁いてきたのが印象に残っています」

Y・Kは、大人になりきらない少年少女を愛すバイセクシャルだったようだ。

「Y・Kは大人のオンナには、まったく興味がないようでした。少女か、いまだ男になりきっていない中性的な少年が性の対象だといってました。今回の寝屋川の事件と、どことなく似てませんか」

実際、Y・Kはどんな男だったのか。その風貌や、受刑生活を影野氏に訊いてみた。
「そうですね。Y・Kはガリガリに痩せ細り、腹には胃潰瘍の手術痕が生々しい。なんとも、不気味な男でした。同性愛者でもあると認定された彼は、夜間独居での生活を余儀なくされていました。1人で舎房に還えるとき、ニヤニヤと笑う顔が異常性愛者特有のように思えましたね。刑務所で罪を償うという状況下であれば、山田も刑務所で手紙だけが唯一の心のよりどころであり、同時に名前をロンダリングして出所したときに暮らしやすくするつもりだったのかもしれません」

世間を震撼させた山田浩二容疑者が、獄中結婚や養子縁組による「名前と過去の犯罪歴のロンダリング」をしていた形跡が明らかになる。

同時に、なぜ中学1年生が連日、夜中に遊び歩いているかについて、社会評論家や教育評論家が侃々諤々の議論を重ねており、この事件がきっかけで「寝屋川近郊では、大人たちが防犯パトロールを強化して、子供の夜遊びを注意する体制ができた」きっかけができたという。

大阪の警察関係者が語ってくれた。
「この事件のポイントは、中学生たちが山田の誘いに簡単に乗ってしまったこと。つまり、まったく無警戒に変質者が中学生に声をかけることができたという事実に焦点を当てて事件を考え直さなければいけない」

いっぽうで、「結婚をして、名前を変える」とすぐに社会に「潜伏」できるというシステムも問題なのではないだろうか。

「そうした意味では、マイナンバー制度がもしかして第二の山田の登場を防ぐかもしれません。名前を変えてもナンバーで犯罪歴がわかりますからね。だとしても亡くなった中学生にとっては、制度の確立が遅すぎましたけどね」(同)

今もなお、中学生たちの死体遺棄現場には花束が山のように置かれている。最後に、山田の足取りを追った影野氏が感慨深げに語る。

「寝屋川の現場に行きましたが、犯人の山田が辿ったであろう道を歩くたびに、感慨にふけったものです。山田は何を思い、何がしたかったのだろうか。ただ、殺害目的のためだけに、2人を連れまわしたのだろうかと。そして、山田は遺体遺棄した日に、養父と何を語ったのだろうか。今生の別れとでも思ったのだろうか。裏切っていると分かっていても、自らの欲望を抑圧することができない山田容疑者も、私が刑務所で出会った受刑者と同じで、更生の道は難しいのかもしれません」

投稿された手記には、「今まで自分は32年間の人生の中で、たくさんの人の期待を裏切ってきました」と綴っている。

このとき書いた殊勝な手記は、彼の本心だったのだろうか。現在、山田は『完全黙秘』のため、『接見禁止』(=面会、読書、手紙の初受信などのすべてが禁止される)を余儀なくされている。だが、裁判が進み、事件の概要が明らかにされたとき、山田容疑者が何を語るか注目したい。(了)

寝屋川中一男女殺害事件容疑者山田浩二が手記を投稿していた受刑者の同人雑誌『獄同塾通信』(現『獄同塾友会』)

(小林俊之+影野臣直) ※取材協力『獄同塾友会』

◎忘れられた衝撃事件の真相──寝屋川中1男女殺害事件容疑者の意外な手記(上)

◎小林俊之+影野臣直!強力タッグの短期連載ルポ[全8回]
新宿・歌舞伎町ぼったくり裏事情──キャッチ目線で見た「警察の対応変化」
《1》「ぼったくり店」はどうやって生まれるのか?
《2》なぜ銀座のクラブにはゴタがないのか?
《3》メニューに金額明示があれば違法性はない?
《4》東京五輪を前に警察が浄化作戦を始動?
《5》御一人様51万円「クラブ・セノーテ」事件の衝撃
《6》ベテランキャッチが語る「ぼったくり」の世界
《7》「ガールキャッチ」復活と増えるプチぼったくり
《8》警察の弾圧が盛り場の「食物連鎖」を増殖させる

ネット爆弾に気をつけろ!──知らぬ間に自分が「真っ裸」にされているSNSの世界

1月6日付の本コラムでハイセーヤスダ氏がメールストーカーに対して気炎を上げている。ストーカーがどのような人物かは伺う術もないが、ハイセーヤスダ氏を軽く見ない方がいいことだけは警告しておこう。

私はこれでも腕っぷしには自信があり、少々のストリートファイトでかすり傷一つ負ったことはないけれども、ハイセーヤスダ氏と一戦交えようとは思わない。彼の130キロはありそうな肉体と鍛え上げられた全身を覆う筋肉は、多少格闘技を齧ったことのある人間なら直ぐに察知できる。そして厄介なことに彼の筋肉は打撃戦だけではなく、寝技になっても必ず持久力を発揮する弾力も兼ね備えている。

だから私はかすり傷を負うかもしれない危険を冒そうとは思わない。

◆SNSヘビーユーザーたちが陥る言説と心性の劣化

ハイセーヤスダ氏の肉体はともかく、彼の論考には私も賛同する部分がある。スマートフォンや携帯電話、SNSへの言及の件である。「スマートフォンを使うと鬱になる」という説は初耳だが、不思議には感じない。またFacebookやTwitterに強い習慣性があることはそのヘビーユーザーの没頭振りを見れば明らかだ。特定の空間でしか通用しない言語や理屈から、独自のルールは私自身が最も忌み嫌うものだ。

よって最低限の情報収集以外に私はSNSを覗くことはしないし、ましてや自分が利用することなどない。日本ではmixiというサービスがこれらに先行する形で利用者を広げたが、日記風に自分を語ること、自分の趣味や考えを展開するこのサービスには当初「招待制」だったので、今日に至るも内容をつぶさに検証したことはない。しかし引用された文章などを読むにつけ利用者の思考、趣味、同傾向の人間との結びつきなどが、その気になれば管理運営者によって全て網羅的に掌握されるシステムであることがわかる。

この特性はTwitterやFacebookでも同様だ。利用方法次第では商売上の広告として無料で利用できたり、イベントや集会の告知に利便性があることは理解できる。だから利益追求のためには使い方次第で便利なサービスである。しかしながら個人がその瞬時の思いや感情、意見を発表する場としては相当な危険と落とし穴を備えているのがTwitterやFacebookだと心しておいた方がいいだろう。

その危険性の第一は前述の通り「強い習慣性」、さらに言えば「依存性」である。冗談ではなくニコチン中毒の比ではない。Twitterで段々フォロワーやフォローが増えてくるとスマートフォンや携帯電話で利用しているユーザーは膨大な書き込みへの反応が半ば強制的に要求されてくる。反応しないと「あの人冷たい」とか「あの人最近アクティブではない」とか思われるのではないかという潜在的な脅迫観念が湧いてくるので、取り立てて書きたいことが無くとも「ああ疲れた」とでもとりあえず存在を示しておかなければいけないし、顔も姿も知らないけれどもSNS上で懇意にしてくれる人々への好意を持続性するためにはリツイートを忘れてはならない。

かくして、SNS利用者が持つ24時間の中で相当数の物理的具体的な時間がSNSへと強制的に割かれて行き、さらに「何を書こうか」、「誰々には暫く連絡していないなぁ」と頭の中で気にしたり思案する時間を考えれば、相当程度「SNSに支配」されていると決めつけても過言ではない状態に陥る。

そして、そのようなヘビーユーザーは時としてSNSと実際生活上の人間関係の重要さを測りかねるようになり、ついには日常生活において対人関係に支障を来たす。

畳みかけるように恐ろしく不幸なことはユーザーが書き込んだメッセージやフォロー、フォロワーの関係は管理運営会社が全て吸い上げて、その人の人物像のかなりの骨格まで明らかにしうるほど、知らない間に「裸の状態」で踊らされてしまっていることだ。そしてそのことに気が付いてSNSを止めようとしても、止めてももう遅い。全ての情報を削除しアカウントを閉鎖しても管理運営会社には全ての情報が残る。

◆「交換日記」の時代は健全だった

むかし、「交換日記」という牧歌的なお遊びがあった(今もあるのだろうか)。友人同士(女の子に多かったように思う)で自分の日記を書き、次の日には友達(だけ)に渡し友人が日記を書く。また次の日は自分にノートが戻ってきて、つらつら日記を書く。ノートはもちろん手渡しで、日記の内容も交換している友人間だけの「秘密事項」が基本ルールであったと思う。ちょっと「いやらしいな」と当時は好感しなかったけれども、「顕名」で「手渡し」の交換日記は今考えればSNSよりもあらゆる面において余程健全と言える。

Twitter、Facebook、LINE、さらに言えば(私も利用しているけれども)電子メールなどは多少の違いはあれ前述の通りあなたを「真っ裸」にする危険性があるツールであることは認識しておいた方がよいだろう。「ただほど高いものはない」の典型と言ってもよいかも知れない。

◆一点だけハイセーヤスダ氏の誤解を招くコラムに反論する

最後にハイセーヤスダ氏の以下の部分には反論する。

「君が敵にまわしたのは僕だけじゃなくて『鹿砦社』全体だ。右翼にも左翼にも縦横無尽に人脈があり、ヤクザにも警察にも通じている鹿砦社と君と、どちらが勝負になるのか決着をつけようじゃないか」
穏便かつ平和主義の鹿砦社をこのように誤解させるような記述をしてはならない。「右翼にも左翼にも縦横無尽に人脈があり、ヤクザにも警察にも通じている」などとの表現は「普通の人」に大いなる誤解を生む恐れがある。しかもこの表現では鹿砦社関係者が総出でハイセーヤスダ氏の私戦に加担すると誤解される。

だから、私なりに当該部分を書き直す。

「貴殿が何らかの誤解で悪意を抱いていると思れる対象は私個人のみなならず、これまで左右の思想を分け隔てなく紹介し、出版の実績もある出版社でもあります。また同社は所謂『反社会的勢力』とされる人々についての論考や取材も積極的に行ううとともに、適切な距離を取りながら警察、検察といった国家の権力機関も研究し、また必要があれば情報収集のためには接触も辞さない出版社であると申し添えます」

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎3.11以後の世界──日本で具現化された「ニュースピーク」の時代に抗す
◎2016年のジャパン・カオス──2026年正月に記された日系被曝難民家族の回想記
◎負け続けた2015年──「普通の人」たちが生み出した絶望と病理の行方
◎2015年日本の現実──日本に戦争がやってくる

月刊『紙の爆弾』2月号!総力特集─安倍政権を支える者たち

忘れられた衝撃事件の真相──寝屋川中1男女殺害事件容疑者の意外な手記(上)

昨年8月、大阪の寝屋川市で中学1年生の平田奈津美さん(13)、星野凌斗(りょうと)くん(12)の2人が殺害され、遺体で見つかった事件は衝撃的だった。ちょうどお盆にあたる2015年8月12日に、平田さんと星野くんが行方不明となり、周囲は騒然とした。調べから、2人が寝屋川のコンビニに一緒にいたことが判明。お互い行動を共にしていたと推測された。だが、翌13日の深夜には高槻市の物流センターの駐車場で、粘着テープにまかれた平田さんが遺体で発見され事件は進展した。そして、事件発生から8日後の21日に、近くに住む山田浩二(45)が容疑者として逮捕された。

その後、残念ながら星野くんも、大阪府柏原の山林で遺体として発見されている。大阪地検は山田浩二容疑者を、平田さんに対する殺人罪で起訴した。平田さんの死体遺棄容疑については、遺棄した時点で平田さんが死亡していたことをさらに詳しく立証する必要があると判断し、現在(2015年12月1日)は処分保留としている。

前科もあり、出所後は福島原発で除染作業をしていたこともあるという、契約作業員・山田浩二容疑者の闇は深い。中学時代、窃盗、傷害などさまざまな犯罪に手を染めていた山田は、過去には覚醒剤の売人などの前科もあるという。

しかも服役中に何度も名前を変えた山田(金、渡利、柴原、岸本)は、塀の中からの『手紙』により女性との交際を求めていた節がうかがえる。刑務所事情に詳しく、獄中の受刑者の更生と社会復帰を支援する同人雑誌『獄同塾友会』の編集長を務めている作家の影野臣直氏が語る。影野氏もこの事件に興味をもち、現場への取材などを敢行している。

寝屋川中一男女殺害事件容疑者山田浩二が手記を投稿していた受刑者の同人雑誌『獄同塾通信』(現『獄同塾友会』)

「なぜなら、山田は少なくとも3度、『獄同塾友会』に投稿してきます。といっても、12年前(2003年)に刑務所内での同人誌としては異例の2000部もの発行部数を誇った、塾友会の前身である『獄同塾通信』でのことですがね。投稿のたびに、彼は名前を渡利だったり岸本だったり改姓していますが、明らかに最初の投稿で、女性や同じ境遇にいる方たちとの文通を求めているように思えます」

山田の手記は獄同塾通信の15号(2003年6月15日発行)、16号(同年9月15日発行)、17号(同年12月15日発行)に掲載されている。15号では渡利浩二で、16、17号では岸本浩二と改名している。なぜ、名前が頻繁に変わったのだろう。

「結婚や養子縁組によって名前や本籍地を変えれば、前科がいくつあってもブラックな履歴は残らないといわれています。だから、ローンなども組めるようです。まぁ、山田の場合は車で移動するので名前や住所などを変えていなければ、交通違反などで捕まったときに面倒なことになります。そのため、薬物で逮捕された履歴を消さなくてはならない。違反だけでなくとも、警察に職質されたとき、クスリの前科がある者はすぐ尿検査を促されます。そうしたことを避けたかったのではないでしょうか」(前出・影野氏)

影野氏が指摘した手記は、初代編集長を務めていた大場知子編集長の時代に投稿されたものだ。

たとえば『渡利浩二名義』の獄同塾通信15号のタイトルは、『未だ見ぬ悠紀へ』とあり、こんなことが書かれている。

「起訴事件が5件有りなので5~6年と少しを務めることになりそうです(涙)。考えただけでゾッとしますが、今は自分なりに反省しています腹を括っています。
……(中略)……
還暦を過ぎた両親には、少し遅くなったけど親孝行をしてやりたい、するなら今しかないですから。また、1日も早く運命の女性と出会い結ばれて、遠いどこかで『早よ、生んでくれやぁ!』と叫んでいる未だ見ぬ子供をこの世に誕生させてやりたいです。これでも、子供の名前は決めているんです。……以下、省略」

影野氏が続ける。
「もちろん、手紙の原本などは残っていないが、本文中では贖罪の箇所が多くみられます。文面は普通の青年のそれであり、中学生を誘い込んで殺すような残虐性は本文中からは見いだせません。むしろ、結婚願望というか、子をなして普通の生活への憧憬を感じますね」(続く)

(小林俊之+影野臣直)? ※取材協力『獄同塾友会』

◎小林俊之+影野臣直!強力タッグの短期連載ルポ[全8回]
新宿・歌舞伎町ぼったくり裏事情──キャッチ目線で見た「警察の対応変化」
《1》「ぼったくり店」はどうやって生まれるのか?
《2》なぜ銀座のクラブにはゴタがないのか?
《3》メニューに金額明示があれば違法性はない?
《4》東京五輪を前に警察が浄化作戦を始動?
《5》御一人様51万円「クラブ・セノーテ」事件の衝撃
《6》ベテランキャッチが語る「ぼったくり」の世界
《7》「ガールキャッチ」復活と増えるプチぼったくり
《8》警察の弾圧が盛り場の「食物連鎖」を増殖させる

メールストーカーの心理状態を推察し、挑戦状を出す!

先輩の田所敏夫さんが先日、昨年12月14日に行われた鹿砦社の忘年会についてレポートしていたが、僕は僕なりにこの夜、事件があった。深夜の25時30分すぎに、「酔ってるのか? とりあえず落ち着いて座れ。」といういたずらメールが入ってきた。2012年の夏に東電をぶったたく本を作ってからこの手のストーカーメールがガンガン入ってくるようになり、無視していた。だが無視できないことに旧知のライターの名前を出して、「Aの住所を教えたらメールしないだろう よろしく!」と時間がたって入ってきた。

はっきり言って、この一連の流れとメールアドレスのデータは、警察庁のサイバー犯罪対策室の係官にルートがあるので、すぐに報告した。するとさっそく解析してくれるそうだ。警察庁の人を快く紹介してくれた弁護士の猪野雅彦先生には、心より御礼を申し上げたい。この猪野先生は、現在、パートナーの弁護士を探しているので、仕事がない弁護士は、鹿砦社(の東京編集室にいる)のハイセーヤスダ宛に連絡をしてほしい。もっとも猪野先生そのものは稲川会や怒羅権を守る弁護士なの で「強面」であることを付け加えておく(そのおかげで僕は友人がヤクザだらけとなった)。

話が横にそれた。問題は、「メール」でつきまとう、という行為についてだ。
たとえば、米ノースウエスタン大学の研究チームは、スマートフォンを1日1時間 以上使う人は、鬱になりやすいという発表をしている。

「スマホを使えば、鬱になる」という断定はここではきわめて危険だ。だが、データはスマホの使い手が鬱になりやすい、というデータを如実に示している。

僕自身は、ツイッターやフェイスブックは、「CIAおよび日本政府が個人情報を集める」ために立ち上げたと考えている。その証左の一端は、10月末に報道されたが、「米グーグルと米ヤフーが検索情報を共有する」というニュースだ。僕はなんとなくこのニュースを、「情報サービス業者のインフラ戦略」として聞いてみたが、よくよく見れば、この話は「民衆が何を考えているか、ひとつお互いに掌握しておこうじゃないか」という話だ。だから僕は一切、ツイッターもフェイスブックもやらない。LINEをやるくらいなら、携帯そのものを捨てる。

メールストーカーよ。僕は君を追跡する。
話を情報戦に絞れば、この勝負は長引きそうだ。
君が敵にまわしたのは僕だけじゃなくて「鹿砦社」全体だ。右翼にも左翼にも縦横無尽に人脈があり、ヤクザにも警察にも通じている鹿砦社と君と、どちらが勝負になるのか決着をつけようじゃないか。

そして宣言する。僕はメールでしか物を言ってこない「誰か」について、おそらくパワーをすべてつぎこみ、社会から抹殺するだ ろう。もしも過去に僕に「社会的に抹殺された」何人かについて情報を得たいなら、僕が「サイバッチ」のライターをしていた時代まで遡れ。

さあ、ゲームの始まりです。勝負のゴングは、僕の中ではすでに鳴っているのだ。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。

◎川崎中1殺害事件の基層──関東連合を彷彿させる首都圏郊外「半グレ」文化
◎国勢調査の裏で跋扈する名簿屋ビジネス──芸能人の個人情報を高値で売買?

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堤防決壊で大洪水の傷跡が残る観光地、鬼怒川温泉に行ってきた

昨年末、鬼怒川温泉に行ってきた。理由は昨秋9月10日に記録的な豪雨を記録し、鬼怒川の下流の堤防が決壊し、濁流が民家に流れ込み、不幸にも死者を出したからだ。僕は、こうした天災や事故が起きた観光地には極力行くようにしている。お悔やみの意味もあるし、「すいている」という事情もあるが、なによりもどうせ遊ぶのなら、誰かに感謝されたいとひとりの人間として率直に思う。

川治温泉の風景

今回、お世話になった鬼怒川の旅館(正確には川治温泉の旅館)は、もう集客に懸命で、上野と越谷から往復のバスを無料でだしていたほど。来年、50歳になる僕にはありがたいサービスだ。東武の特急「スペーシアきぬがわ」はかなり乗り心地がいいと、鉄道博士のO社員に聞いていたが、乗り換えの心配がいらないし、往復の交通費が無料とは感激だ。

案の定、休暇にはならず、あちらこちらに話を聞いて回る取材となり、まったく休まらないが、得てきた情報は公開する。まずこのコメントを紹介する。

「氾濫した打撃はそんなに宿泊客の激減にはつながっていないと思いますが、今年は暖冬なのが参りますよね。雪の景色を露天風呂で楽しみたいお客さまが、このシーズンは多く押し寄せますから。このあたりは、地熱で雪がとけてしまうから、雪見の露天風呂は、ここいらでは売りのひとつだから、雪が降らないのは少し残念ではあります」(ベテランの旅館店員)

帰る日に雪が降ってきた

皮肉なことに、帰る日に雪が降ってきた。朝にチェックアウトして出るときに、「この雪を見ながら露天風呂に入りたかった」とつぶやき、おごそかに降る雪をうらめしく見ていると、旅館店員が話しかけてくる。

「この雪はすぐにやみますよ。むしろ今日が来られる日だったら、バスが遅れる可能性だってあります。まあ、この暖冬をうらみますよ」

日光関連で残念なニュースがある。「日光さる軍団」のポスターやチケットなどをデザインしたアートディレクターの男性が、「デザイン料の一部しか受け取っていない」と訴訟を起こしたのだ。男性は、「おさるランド」にデザインの使用差し止めを求める仮処分を東京地裁に申し立てた。

鬼怒川の濁流

この話が複雑なのは、おさる軍団の女性社員が、「おさるランド」のアイキャッチとなっているかわいいキャラクターを描いたことだ。おさるランド側に言わせると、「自社の社員が描いたキャラクターをデザイナーが加工しただけで、著作権はこちらにある」という主張になり、両者の言い分は平行線だ。これは、東京五輪に続く「第2のエンブレム問題」として注目していきたい。

記者会見に行ってみたが、「おさるランドは、客が入っており、儲かっている。払わない理由がわからない」とデザイナー氏が主張していた。行く末を見守りたいと思う。

話を鬼怒川の観光に戻すと、倒産している旅館が鬼怒川には相次いでおり、旅館の後継者もなかなか希望者がいないようだ。

「NHKが日光を舞台にしたドラマでも作ってくれないと無理。来年の『真田丸』は関係なさそうだしねえ。あなた、鬼怒川温泉を舞台したドラマでも作ってくれませんか」と旅館の店員は言う。

ウエスタン村は、債権でもめており、実質的に破綻している。今もなお、倒産におびえて年寄りが旅館を運営、その姿に未来はない。

それでも、と僕は思う。実は鬼怒川温泉は、川の氾濫から台地が変形し、温泉が湧いたという説もある。「災い転じて」福という観光地になるように祈る。(小林俊之)

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2016年のジャパン・カオス──2026年正月に記された日系被曝難民家族の回想記

2016年鹿児島県川内原発爆発事故に端を発する「JAPAN CHAOS」により、日本国は終焉した。娘の遥(はるか)と妻を懸命に引きつれロシアから中米のこの国に渡った私たちは難民だ。

FUKUSHIMA2011

昨年末、妻が急逝した。乳がんだった。今年は遥と二人だけで9回目の新年を迎えた。とはいってもこの国にはかつての日本で盛んであったような「新年」を祝う習慣は無い。亡命直後はそれでも妻が雑煮を作ったり、遥かには「お年玉」を渡したりしていたが、それが娘にとってこの環境に馴染むのには好ましくない、私たちだけのノスタルジーだと気がついた6年前から新年を祝う旧日本的な行為はすべてやめることにしている。

この国では2020年から「2000年以降に開発された科学技術(とりわけ電子技術)の大半は、本来的な人間の生活に資するものではない疑いがあることから、暫時使用の取りやめを勧奨する」という、世に言う「反進歩主義法(反デジタル法)」が施行されている。国民内で喧々諤々の議論の末に成立した稀代の「反進歩主義」に立脚したこの世界でも例を見ない法精神に、この国の先住民たるインディオ(インディアナ)の生活則が強く反映されていることは疑いない。

しかし、政治的に強い影響力を持たないインディオ(インディアナ)の古い習慣に中央政府が耳を傾けた理由には、米国のデフォルト及び中国の内戦勃発という激震と、この地にたどりついた我々、日本からの難民に極めて高い確率でがんが発症し出したことを直視したことも強く影響している。現実的課題として資本主義の終焉、原発をはじめとする巨大エネルギーとコンピューターテクノロジー(デジタル技術)の無限発展への懐疑と危険視が大衆の心も捉えたのだ。

私たちは強制はされてはいないものの、2030年までに「携帯電話」と「インターネット」の使用を停止するように求められている。医療分野だけは例外的に2000年以降の技術の導入も認められているが、難民である我々より先に、この国の住人の多数は既に自宅からパソコンを取り払い、家族で1台だけ非常時用に携帯電話を保持する「Emergency Usage」を難じることなく受け入れ始めている。政府の決定とはいえ、差し当たり「不便」が伴うことが明白な「反進歩主義法」への住民の理解と即応振りに、私は正直かなり驚いた。

KAGOSHIMA2015

昨年9月妻に乳がんが見つかり、医師からは余命が幾ばくも無いことを伝えられた。何の兆候も感じていなかった妻はもちろんのこと、私も大いに動揺した。遥に母親の余命を伝えるのはあまりにも過酷だと判断した私は、「反進歩主義法」の精神に背いて、スイスの最先端医療機関に妻を搬送した。もちろん遥も同行させた。金銭的に窮乏状態にある私たちが妻の治療を高額なスイスの医療機関に委ねることができたのは、皮肉にもこの国の「反進歩主義法」への反感を強く内包する「日本人難民会」の経済的支援によってであった。そして妻の乳がん発症は川内原発爆発事故直後の初期被爆が原因であることが改めて医師から指摘された。

私自身の思想や主義(そんなあからさまなものはもとより無いのだけれども)とは関係なく、娘の母親を失わせたくないとの思いの前で、普段は付き合いもそこそこの「日本人難民会」から膨大な援助を受けることに私は躊躇しなかった。

だが、妻が最新の医療技術で処置に当たっても余命が数週間だとスイスの病院で通告を受けたとき、私は腰から力が抜けた。ステージ3だか、4だか確かに中米の国では「治療困難、余命半年」を言い渡されたとき、私の心にはまだ、進歩する(はず)の技術への信仰とも言うべき思考性癖が残っていたのだ。私たちが難民として暮らす国民平均年収の20倍を超える金額を、躊躇無く受け取った私は遅まきながら、妻の葬儀後喪失感とともに、自己嫌悪に陥った。もうこの国で難民として暮らす資格なんか無いと思いつめ、教会へ懺悔に赴いたり、仕事を休み午前中から酒に浸るようになった。

あっさりしていて実は隣人の生活に良くも悪くも興味を失わない国民性など、私の頭からはすっかり吹き飛んでいた。遥を学校に送り出したあと、私は連日この国特有の度数が高い酒精を煽りだしていた。

ドアがノックされたのは酒精のビンが大方1本空になりかけた頃だっただろうか。半分うつろで吐息にたっぷりと蒸留酒の臭いを含んでいたはずの私がドアを開けると、立っていたのは差し向かいの奥さんだった。先住民とスペイン人の混血だが先住民の血の濃さが強く残る彼女の名前は記憶に間違いが無ければ「ケチュア」さんだったはずだ。

「タドコロさん、奥さんが亡くなってから町内の皆が心配しています。昨夜町委員会でどうしたらタドコロさんが元気になるか議論しました。もしお願いできたら今年の『町委員長』を引き受けてもらえないか、と結論が出ました。もちろん難民は法律上『町委員長』にはなれませんから、役所への名簿にはうちの主人の名前を載せます。でもこの町内を今年はタドコロさんに任せたい、と結果が出ました」

いったい何を考えているのだ。立っているだけでまともに受け答えができない私は答に窮した。ケチュアさんは続けた。

「タドコロさんは急に奥さんをなくしてとても気の毒だし、落ち込んでいる。きっとスイスに行ったことにも複雑なお気持ちがあるでしょう。私たちはタドコロさんが『日本人難民会』から支援を受けたことを知っていますが、誰もそれを責めてはいません。何故だかわかりますか?」

親切な配慮のようで油断のならないこの質問に泥酔状態の私は窮した。

「タドコロさんはオオタリュウを知っていますね。ご存じないかもしれませんが『反進歩主義法』は表向き私たちの先祖インディオ(インディアナ)の思想回帰の形を基礎としていますが、政府はオオタリュウの思想を詳細に検討しているのです。オオタリュウと会ったことがあるんですよね、知り合いだったのですね、タドコロさん?」

私の酔いは瞬時に醒めた。「待ってくれ、オオタリュウ(大田竜)の名前を知らないわけじゃない、彼の大雑把な思想変遷もまったき不案内なわけではないけども、私は彼と生きている時代も世界も違った。私がオオタリュウと知り合いだなどといったい勘違い(虚言?)をいったい誰が・・・」とまくし立てようとしたが言葉が出なかった。

「こんな言い方は失礼ですが、物質文明と経済発展だけに狂って破綻した『日本』を政府も、私たちも実はとても真剣に考えているんです。明日の私たちの姿と重ねながら。そこから生まれたのが『反進歩主義法』なのです。でも破滅した『日本』の中にオオタリュウやアンドウショウエキ、タナカショウゾウ、フジモトトシオといった優れた思想があったことはとても興味深い事実です。だからタドコロさんにはその思想をこの町内で教えてほしいのです」

もう私は完全に体温が下がりはじめていた。たしか「笛」を意味するはずの名前を持つ差し向かいの奥さんがただの主婦ではないことは明白だ。普段口数少ないこの主婦が政府の情報機関に関する仕事をしていることは間違いない。それにしても40年前の日本の公安が監視対象としていたような(それにしては人選が相当大雑把な)人物を政策立案の参考にするこの国はいったい何を考えているのだ。彼女が口にした人物たちが生きたのは時代も異なり思想にも相当開きがある。それ以上に私からは晩年思想的に破綻したとしか思われない人間の名前が重宝されている。

本当に「反進歩主義」など実現できると思っているのだろうか。

その時、遥が帰ってきた。「こんにちは、ケチュアさん。お父さんまたお酒臭いよ。だらしない。お母さんは神様の下に召されたんだから、いつまでも落ち込んでいちゃだめ! 私ね、今日嬉しいことがあったんだ。クラス討論の時間にお母さんの最期の話をしたのね、そしたら学校で3人しかいない『反進歩主義法』討論委員に選ばれたんだよ!今からお母さんのお墓に報告に行ってくるね。いいでしょ?」

「ああ、それは良かった、気をつけて行っておいで」私は虚ろに答えた。
ケチュアさんが口を開いた。
「ハルカさんは元気そうで良かった。タドコロさん。私たちは本気で『反進歩主義法』を進めたいと考えているのです。それにその先に…… もし可能ならこの国家を終わりにしたい……」

彼女の言葉を全て信じたわけではない。でも、難民として受け入れられてからこの国が私たちに与えてくれた厚遇は、豊かではない国家財政の中で破格というべきものだった。そこには何らかの打算や損得勘定を感じさせるものは一切なかった。

「わかりました、私でよかったらお引き受けしますよ」

自分でも驚くほど無謀な答えが口から飛び出した。急速に脳が回転し始めた。どんな結果になるにせよ近代の反省に立脚する「反進歩主義」の壮大な社会実験に俄然興味が沸いてきた。自分が難民であることも忘れた。娘が討論委員に選ばれたのが政府の恣意か偶然かもどうでも良い。本気かどうかわからないが「それにその先に……もし可能ならこの国家を終わりにしたい……」は、抗いがたい魅力に満ちている。

生きる目的を数十年ぶりに与えられた気がする。2026年は「反進歩主義」から「国家の終焉」を夢見て働くことができる。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎2016年逝きし世の日本へ──2024年8月15日に記された日系難民家族の回想記
◎負け続けた2015年──「普通の人」たちが生み出した絶望と病理の行方
◎2015年日本の現実──日本に戦争がやってくる
◎菅直人VS安倍晋三裁判──請求棄却判決の不当とねじれ過ぎた真実
◎3.11以後の世界──日本で具現化された「ニュースピーク」の時代に抗す

「脱原発」×「反戦」の共同戦線誌『NO NUKES voice(ノーニュークスヴォイス)』第6号!

 

負け続けた2015年──「普通の人」たちが生み出した絶望と病理の行方

終わりだ。2015年が暮れてゆく。読者諸氏と何かを共有できるとすれば、「お互い生きて年を越せそうだ」ということくらいだろうか。毎度毎度独りよがりで、偏屈な語りばかりの私だから大晦日ぐらい頬が緩むような明るい話題をお伝えしたい、何かあるはずだろう。「安寧」か「労い」か「希望」の欠片でもいい。大晦日なのだから「前向きさ」、あるいは誰にも口を割りはしなかった秘そやかな「喜び」のようなものはないのか。さらに言いつのれば「軽い嘘」でもいい。年の終わりなのだから腹を捩じらせないまでも、微笑ましい何かを献上できないものか。

田所敏夫「8.27反安倍ハンストの大きな意味」(2015年8月28日)より

結局ダメだ。書けない。やはり軽くても嘘はどうあがいても書けない。「2015年」の結びだからだろうか。

◆2015年の絶望は、他者を当然のように排除する「普通の人」たちの台頭だった

「2015年」私にとっては絶望を徹底化された年だった。キーワードは「普通」または「普通の人」である。

幼少時より自分が「普通」ではないとさんざん思い知らされてた私(個人)にとっては、「普通」または「普通の人」が持つ概念と語感の強制には慣れ過ぎていて、全く痛痒はない。けれども、ついに「普通」または「普通の人」という概念は私だけをターゲットにする域を大いに超えた。多数派が誰彼構わず意見や行動様式が異なる人びとを揶揄する際、実に無垢に聞こえながら底抜けに恐ろしい恫喝の用語として、こともあろうに「政府が行おうとしている暴挙に反対する場所」でさえまき散らされたのだ。「排除」の道具としてである。

田所敏夫「安保法採決直後に若者弾圧!ハンスト学生への『不当ガサ入れ』現場報告」(2015年9月25日)より

「警察」や「権力」、「国家」などという概念とその実態に少しでも思索を巡らせた経験があれば、語るのが恥ずかしいほど最低限の自明性すら死滅しているのだ(それは「戦後民主主義」と呼ばれたものと重複する)。実に基礎的な、幼稚園児程度の経験則も論理も社会構造への理解も知識もない自称主催者たち(誰も彼らを『主催者』と認めたことはないのだが)。彼らが振りまく「普通」あるいは「普通の人」を少し解読すれば、その意味するところ「彼らの行動方針に従う人か、従わない人か」のみを尺度とした分類であることに慄然とする。

彼らは「普通」または「普通の人」でなければその場所に留まらせることすら許さない。罵倒を浴びせて追い出そうとする。攻撃される人が持っているモノをぶっ壊す。暴挙に及ぶ「普通の人」たちを年格好から想像すれば、一応の経験もして来ただろうと思しき年齢の人たちが遠巻きに見ている。同罪だ。

田所敏夫「見せしめ逮捕のハンスト学生勾留理由開示公判」(2015年9月26日)より

◆2015年の病理は安倍でも自公でも警察でもなかった

「何をやってるんだ!やめろ!」と液晶の画面越しに私は怒鳴った。「普通」もしくは「普通の人」ではないから揉みくちゃにされ、あげくの果てに警察(!)に向かい「こいつら○○だから帰らせた方がいいですよ。逮捕してくださいよ」と口走った男とその仲間たち。この連中の妄動は「2015年」私にとって最も印象深い可視的な「罪」として記憶されている。「戦争推進法案」成立と同等もしくはそれ以上に深刻である壮大な病理だ。

安倍でもなく、自民党、公明党でもない。公安警察でも機動隊でもない。今年いよいよもってその本性を露わにしたのは権力者に命令されてもいないのに、権力者が内心期待する以上の自主的規制から、さらに踏み込み結果、公安警察並みの役割を果たした「普通の人」たちだ。

スマートフォンや各種の伝達媒体の普及で映像の伝達、風景を記録する機器が市民の手に備わった唯一のメリットは、権力があからさまな暴力を振るいにくくなったことだ。だから大集会や大勢のデモにおける機動隊の既得権であった暴力は圧倒的に抑えられている。だが、その逆の側では権力でさえ躊躇する思想弾圧や暴力を「普通の人」たちが代行する。もう機動隊など不要なのだ。

◆2015年の不快は、言葉と意味の不調和、背理の極まりだった

「民主主義ってなんだ」と壊れたレコードのように繰り返す大学生たち。「本気で止める」気など皆無のくせにデザインにだけは広告代理店並みの注意を払い、絶対に本質的な抗議を忌避する不気味な集団。その背後であれこれ采配を振るい、世間受けする配役や、あろうことか「金儲けに」にまでも抜け目のない腹黒い輩たち。それをあたかも何か新しい思想胎動の発芽のように繰り返し報じ、恥を知らない「東京新聞」や「週刊金曜日」を始めとする「良心的」メディア。そう「赤旗」も忘れてはいけない。

これらの塊が私には猛烈に不快でたまらない。悪意なさそうで計算高く、本当は欺瞞だと気づいていながらも付和雷同が処世訓として身に着いた「普通の人」たち。彼らをひとからげに「ファシズム・ファシスト」と呼びつける訳にはゆかない。彼等は冗談でなく「アンチファシズム」(!)を標榜しているのだ。こんなにも激しい言葉と意味の不調和、背理の極まりがあろうか。

計算高いことにかけては人後に落ちない「日本共産党」はついに来年の通常国会の開会式に参加することを表明した。「憲法の規定による国事行為の範囲を超える問題がある」を理由に天皇が主席する国会の開会式への出席を1947年から控えてきた「日本共産党」。12月24日わざわざ大島理森=衆議院議長を訪ねて、この意向を明らかにした。


◎[参考動画]共産党、国会開会式出席へ 約40年ぶり方針転換(共同通信社2015年12月23日に公開)

何故に「この時期」に、独自に発表するのではなく「わざわざ大島理森衆議院議長を訪ねて」表明しなければならなかったのか。そうしたのか。

「日本共産党」は自公政権に対抗するために「国民連合政府」を提唱し、野党に選挙協力を働きかけている。候補者擁立が決定していた熊本で既に公認候補の取り下げを決定し、今後さらに「野党共闘の柱」として存在感を誇示してゆきたいようだ。

田所敏夫「戦争法案『断固阻止!』──沖縄『祖国復帰斗争碑』に学ぶ反戦の哲学」(2015年9月15日)より

そのためには「現実路線」と冠される「日米安保反対の一時凍結」まで差し出している。

前述の「普通」または「普通の人」を名乗り全国の市民運動の背後でいそいそと糸を手繰っている人たちの中に「日本共産党」党員が少なからず入り込んでいることは偶然だろうか。

で、一体何がしたいのだ?「日本共産党」の諸君、ではない「普通の人」たち。
私は確信する。「普通の人」たちは来年、私や「普通ではない」人たち「まつろわぬもの」を血眼になって探し出し、排除にかかるだろう。

「2015年」を総括する。私(たち)は「普通の人」たちの成す勢いに敗北した。
「15年安保」などという成立しえない虚語が許されている。
「60年安保」、「70年安保」と並列で「15年安保」を語る心象は「普通の人」にしか能わぬ技だ。
「2015年」私(たち)は徹底的に敗北した。敗北し続けた。
負け続けた2015年が暮れてゆく。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎2015年再考(1)「シャルリー・エブド」襲撃事件と表現の自由、力学の軋み
◎2015年再考(2)橋下ファシズム台頭の起源──TV×維新×虚言の愚劣な結託
◎2015年再考(3)湯川さん、後藤さん人質事件の惨事からこの国は何を学んだか?
◎2015年再考(4)戦争と大学──「学」の堤防は決壊し、日常を濁流が飲み込んだ
◎3.11以後の世界──日本で具現化された「ニュースピーク」の時代に抗す

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