フクシマとチョーサ捕鯨

今年も南氷洋に夏が訪れ、水産庁、鯨研が送り込む日の丸「チョーサ」捕鯨船団とシーシェパードのおいつおわれつの攻防が始まった。捕鯨船に「Research」という文字を大書きし、水産庁や鯨研は捕鯨が「科学的な調査」のためだと強弁するが、科学に名を借りた国営商業捕鯨であることは世界中が承知している。退却を「転進」と言いくるめた過去が思い出される。

水産庁/鯨研は11月に成立した第三次補正予算で「チョーサ」捕鯨名目で23億円の追加が認められ、当初の7億とあわせると、なんと例年の3倍から6倍の予算を獲得し、カネはふんだんにある。今年は水産庁の監視船も船団に加わり、「海賊行為」「テロ行為」を取り締まる体制だ。

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被災者に「絆」はあるか

昨年を表す漢字として、日本漢字能力検定協会が選んだのは「絆」だった。東日本大震災で感じられた家族の「絆」、支援の輪で感じられた「絆」など、確かに多大な災害による悲劇を暖かな絆が包み込んだという印象がある。

ところが被災者たちの間から、「絆なんて、大ウソ」という声が出ている。
マスメディアで流される震災は、たいていは最もひどいところだ。
テレビに映る映像は、津波で壊れた街、流された家、失われた命……。その後は避難所や仮設住宅で暮らす人々……。

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マインドコントロール下の女性に死刑回避

昨年12月12日、北九州で7人が殺害された事件で、最高裁で下された判決に注目が集まっている。松永太(50)に死刑、内縁の妻である緒方純子(49)に無期懲役が確定したのだ。

松永に死刑は、判決としては不思議はない。
注目に値するのは、緒方純子のほうだ。犠牲者が7人にも及ぶ事件で、実行犯と認められた被告の死刑が回避されるのは極めて異例だ。

事件が起きたのは、1996年から2002年にかけて。
松永と緒方は高校の同窓生で、1982年頃からつきあい始めた。松永には妻子があったが、「婚約確認書」なるものを作って緒方の両親を信用させて、交際を続ける。

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会長・勝俣さんちにお手紙を届けようツァー

通常運転中でも下層労働者が被曝しながら作業しなければ、動かない原発。そもそもが人の道に反した代物だ。
利益を優先して安全対策を怠り放射能をまき散らすことになった、福島原発の事故はまさに人災である。

事故責任者=永久戦犯を全体に許さない、という志で作られたのが『東電・原発おっかけマップ』(鹿砦社)だ。
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『まだ、まにあう!』佐藤雅彦著【ブックレビュー】

昨年12月16日、野田佳彦首相は東京電力福島第1原発の1~3号機が「冷温停止状態になった」として、事故そのものが収束に至ったと宣言した。

事故直後から、原発はメルトダウンしていない、などとウソをついていた政府。それは事故による混乱のためなどではなかった。
これからもウソをつき続けていくということを、野田総理が高らかに宣言したのだから。

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