昨年八月、尖閣諸島の中国領有を主張して、同島に上陸した「保釣(釣魚島防衛)行動委員会」(羅就主席)は、今年「十一月初旬にも中国本土や台湾の活動家らと連携し、抗議船で釣魚島(尖閣諸島の中国名)に上陸を強行する」と述べた。
これは十月十五日に同委が管理する小型船の安全検査をパスさせたことを受けての発言である。
実際に彼らは、香港当局から船の漁業以外の使用や香港水域外への航行は認めないとの通告を受けており、事実上、抗議船としての出航を禁じられている。

元々同組織は、中国共産党に反対する民主化活動家らによって組織されている。
同組織が昨年、尖閣諸島に上陸した際、中華人民共和国の国旗、「五星紅旗」と中華民国の国旗「晴天白日満地紅旗」を掲げていた。
これは中華民国政府を認めない中共政府にとって最大の皮肉であった。
昨年、尖閣諸島に上陸した一人である古思堯は、二〇一一年九月のチベット解放運動で、中共の国旗を燃やしている。
彼は一九八九年の天安門事件をきっかけに反中国共産党運動に身を投じ、香港を拠点に様々な抗議運動をしている人物で、香港における反共活動で、数度の逮捕歴もある。

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滅多にテレビを観なくなった私だが、観なくてもテレビの情報はいくらでも入ってくる。半沢直樹が人気を博しただの、一方でショムニはコケてしまっただのという話は、ドラマを一話たりと観ていなくても知っている。どちらも会社が舞台になっているが、私の勤める会社で話題に出たことは一度もない。

先日半年ぶりぐらいにテレビを付けてみた。KAT-TUNの田中聖が脱退して、やくみつるが「『タトゥーン』として再デビューしてもらいたい」と発言したことでファンから猛バッシングを受けた、なんてことを流していた。チャンネルを変えると、今度はTPP問題だ。日本政府は「聖域」として守ると言っていた農作物の関税を、一部撤廃する方向だという。農家にとっての被害は最小限に留めるとのことだが、撤廃される作物を専門に生産している農家は食っていけるかどうかの瀬戸際に立たされてしまうだろう。さらにチャンネルを変えると、女子高生ストーカー殺人のニュースをやっていた。ちょうどニュースとワイドショーの時間だったのだ。

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昨年9月に広島市で小6の女児がカバンに入れられ、連れ去られた事件で、わいせつ目的略取や監禁などの罪に問われた被告人、小玉智裕氏(21)の裁判が佳境を迎えている。10月7日の公判では、情状証人として出廷した小玉氏の母親が「被害者の方にはまだ謝罪を受け入れてもらえていませんが、受け入れてもらえたら、誠意をもって謝罪したいです」「今後は私たちがしっかり息子を監督していきます」と涙ながらに証言。これまで公判中はずっと無表情で、何を考えているのかさっぱり読み取れなかった小玉氏も母親の涙に心を動かされたのか、「(被害者の)心の傷は一生残ると思う。ぼくも一生かけて償っていきたい」と泣きながら反省の言葉を並べたのだった。

そんな重たい雰囲気の公判では、母親の証言により、事件に至るまでに小玉氏が抱えていた複雑な事情が明らかにされた。

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新聞やテレビで用いられるアンケート結果には、実際の世論を反映しているのか? と疑問が持たれることも多い。
先日、日本リサーチセンターの調査員が、「ご協力のお願い」を投函していった。
それを見ると、日本リサーチセンターは、2012年7月には「五輪の東京招致について」というアンケートを行い、「賛成56.8%」という結果が、日本経済新聞、毎日新聞、読売新聞に掲載されたとのことだ。これまでに、「中国に対する意識調査」「政策の認知と広報に関する調査レポート」「数字は語る 子ども手当の使い道について」などの調査を行っている。

今回の調査内容は、「自動車についてのアンケート」だという。
「ご協力のお願い」が投函されていたのは土曜日だが、「明日、伺います」と調査員のメッセージが記されている。
かつては夜型の生活をしていた私だが、昼型の生活に変えた。
だが、土曜日だけは夜更かしし、日曜は朝寝をしている。それくらいは、庶民に許されたデフレ時代の贅沢だろう。朝寝にはお金はかからない。

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「安全管理体制が機能していないことが明らかになった」
太田昭宏国交相は10月15日の閣議後会見で、9日から12日までの4日間、JR北海道に対して行った特別保安監査の結果について、そう述べた。
事故や不祥事、レール異常の放置など、トラブルが続発している、JR北海道。
原因の一つに現場のコミュニケーション不足が指摘されているが、その背景に労働組合どうしの確執がある。

JR北海道には、80%強が加盟するJR総連系のJR北海道労組(約5600人)、約8%のJR連合系のJR北労組(約550人)、約2%の国労北海道本部(約130人)と、3つの主要労組がある。
最大勢力のJR北海道労組は、2008年11月から導入されたアルコール検知器に対して、「前日に飲んでいなければやらなくていい」などと言って、組合幹部が率先して拒否し続けてきた事実がある。
組合幹部は組合員に対して、他労組と飲みに行くことや、結婚式に呼ぶことを禁じるだけでなく、他労組の組合員との会話を禁じて、業務伝達も困難になることも多かった。

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岡田くんとは新宿駅で待ち合わせをし、ランチをとることとなった。
東京は全くわからないというので私が店を見つけ予約することにした。新宿には比較的良く行くので私が店の予約を取ることに関しては特に何も思わなかったが、徐々に彼が他人任せの性格だと知ると自分で予約しなかったのも納得できる。

岡田くんはランチをとりながら自分たちの会社のチームが行いたいプロジェクトを私に説明した。その話を簡単にまとめると個人出版からベストセラーを生み出そうというプロジェクトだ。そしてその大きなプロジェクトの枠組みの中に雑誌を作るというものがあった。岡田くんの会社がおかもとの名義で運営しているサイトから発信するWEBマガジンを作りたいという。そして、その制作を手伝ってほしいと言った。

WEBマガジンには連載作を何篇か入れてもらい、隔週で発行したい。連載後は話をまとめて一冊のkindle本として発売し、その後、岡田くんの働く会社は印刷所を持っているので紙の本でも発行したいと話す。すでにオンデマンドの印刷は行っているという話もしてくれた。最終目標はその本が書店に並びベストセラーになることだと語る。
「今日、但野さんと話して様子を見て上司に話そうと思うんですよね。今も、上司も交えて数名のチームでサイトの運営してるんですけど、もし上手く行きそうならさらに上の方に話持って行こうと思っています」と言った。

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居酒屋などに、吠える熊のイラストともに「熊出没注意」と書いたポスターが、シャレで貼ってあるのを、ときたま見かけることがある。
知床の自然センターにも、まったく同じものが貼ってある(写真)。こちらはシャレでなく、本当にヒグマが出るのだ。
ヒグマは街にまで出てきて、学校の校庭に現れたり、民家に入り込んで食べ物をあさったりしているのは、時折ニュースなどで報じられている。

かつて、熊は人を恐れていた。
危険なのは、山中で不意に遭遇してしまい、熊が人に襲いかかることだった。
熊のいそうな山を歩く時は、ザックに鈴をつけて鳴らし、人がいることを知らせれば危険は少なかった。
だが今、熊は人を恐れなくなった。

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弁護士の不祥事が目立つようになり、この背景には、弁護士となっても生計を立てていけない人が増加している事情があると指摘されている。

そして日本各地の弁護士会には、懲戒請求が増加している。ところが、昔から各弁護士会は身内をかばってばかりで、なかなか懲戒しない。そこには勿論くだらない懲戒請求もある。橋下徹弁護士が関西ローカルの下品な番組でデタラメを言い煽ったものは論外だが、それ以外にも、自分の依頼を断ったというだけで懲戒請求する人などがいる。そこに付け込んで、弁護士会は懲戒請求を十把一絡げにしてしまう。

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当欄で経過をお伝えしてきた東京地裁の「虚偽記者席」問題をめぐる国家賠償請求訴訟で、東京地裁(山田明裁判長)は1日、原告のフリージャーナリスト・今井亮一さんの請求を棄却する判決を言い渡した。今井さんは控訴する意向。

訴状などによると、今井さんは2011年5月から2012年9月にかけて東京地裁(多和田隆史裁判長)で、東京高裁警備員の頭を殴るなどしたとして公務執行妨害などの容疑で逮捕、起訴された大髙正二さん(72)という男性に対する計13回の公判を取材。大髙さんは無実を主張しており、事件前から裁判所に批判的な活動をしていたこともあって、一部で冤罪疑惑が囁かれていた(結果、懲役1年2月の実刑判決を受け、現在は東京高裁に控訴中)。そんな事件の公判で、東京地裁は毎回5席の傍聴席に「報道記者席」とプリントされた白いカバーをかけ、司法記者クラブに所属しない今井さんら一般の傍聴希望者を頑なに座らせないようにした。しかし実際には、「報道記者席」は5席中4~5席がいつも無人状態で、不審に思った今井さんが調べたところ、そもそも記者クラブ側から東京地裁に記者席の用意を一度も要求していないことなどが判明。そこで、今井さんは今年1月、同地裁に「虚偽記者席」で傍聴を妨害されるなどしたとして、国に損害賠償金1万円の支払いなどを求める訴訟を提起し、この日までに3回の口頭弁論が開かれていた。

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インターネットの質問サイトや個人ブログを見ていると、心の病を抱えている人が多くいることに気付かされる。メンタルヘルスのカテゴリが作られ、連日多数悩みが投稿されているのだ。感情が制御できない人、鬱状態を隠して出社している人や、薬が合っているのか、自分は病気なのか、医者の言うことは正しいのか…… 心が不安定な分、悩みが尽きないのだろう。インターネットの情報をそのまま鵜呑みにするのは危険だが、毎日数十件もの多種多様な書き込みすべてが作り話とは考えにくい。

私も一時期、仕事のストレスで精神疾患にかかってしまい、毎週通院していたことがある。自分が「精神病」と認めたくなかったので、病院に行くのには強い抵抗があった。通院してみると、今まで知らなかった世界がそこにはあった。

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