中原徹の越権と橋下徹の無法──憲法軽視の弁護士上がりが大阪を壊す

本コラムで先に取り上げた大阪教育長で「パワハラ」が認定された中原徹 が辞任した。知事の松井が「辞職の必要はない」と「パワハラ擁護」を展開していたが、4月の統一地方選挙を忖度したのか、あるいは「引導」が渡されたのか中原は辞任した。

そもそも中原は公立高校校長として「憲法」(21条:「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」)を踏み倒す学校行事での「君が代」唱の際に、教員が歌っているかどうか口元を調査するような人間だったので、「パワハラ」を起こすこと自体に驚きは全くなかった。むしろ人格的には「当たり前のことをしでかした」といっていいだろう。弁護士でありながら憲法を無視する行為を平然と行い、それを橋下(当時知事)に「素晴らしいマネージメント」と褒められていたが、橋下の気まぐれな賛辞ほど無責任なものはないことはようやく世間でも認識が広まってきた。

日本は憲法を最高規範とする法治国家であるらしい(私はあまり信用していないけれども)。一定の権力を手に入れた法律の専門家である弁護士が行政に関わる際は自身の思想信条を施策として提起することは許されるだろうけれども、最低限常識的法律解釈から外れてはいけないのではないか。

◆支離滅裂に中原を擁護し続ける橋下の「往生際の悪さ」

橋下は中原の辞任に対して「本当に残念で仕方がない」と語っている。だが、あろうことかパワハラ行為については「反省すべき」だとは言及しているものの、被害者である大阪府教委職員に対して「全く言うことを聞かなかったと聞いている。とんでもない」と述べるにとどまらず、中原のハラスメントを審議した第三者委員会の報告書について、「でたらめだ。中原氏の発言が一切採用されていない、名誉にかかわるので思う存分言った方がいい。2年間で改革の道筋をつけてくれた」と全面的に中原擁護の姿勢を崩していない。二重の嫌がらせもいいところだ。橋下の無茶苦茶な言動を追っかけていると本当にきりがない。この男にあれこれ言葉を投げかけること自体が無駄だと思う。「バカは死ななきゃならない」という子供の言葉を思い出した。

だけれども、これが橋下の本性だ。

いいんですか、大阪市の皆さん? くどいと叱られるかもしれないが、こんな人間が中心となってぶち上げている「大阪都構想」の本質は前大阪市長平松邦夫氏が『紙の爆弾』3月号 に明らかにされている。

間近に控えた統一地方選挙で関西にはいくつもの改選議会がある。「維新」勢力に対しては徹底した異議申し立ての投票行動が期待される。

「往生際が悪い」という言葉を理解する格好の例が橋下の支離滅裂な中原擁護だが、それ以外にも橋下のお先棒を担いだ人間を忘れてはならない。

一応スタンスとしては「脱原発」を売り物にしていた飯田哲也を囲ってみたり、経産省出身の古賀茂明を子飼いにしようと試みたり。橋下は確かにテレビ受けする(しかも一見「良心派」と思われる)人物の登用にも抜け目はなかった。

◆橋下徹も中原徹も憲法を軽視する本末転倒な「弁護士」

一方、中央大学の野村修也、中原徹、そして本人橋下徹(大阪弁護士会で懲戒の経歴有)。いずれも弁護士だが些末な法律や条例を盾にとり人権を踏みにじっている。あらゆる法律の前提となる最高規範「憲法」をあまりにも軽視し過ぎる本末転倒弁護士連中だ。

国会議員に西村眞悟という男がいる。この男は行き掛かり上あちこちの党を渡り歩き現在は「次世代の党」の所属しているが、以前は民主党所属だった時期もある。西村は弁護士資格を持っていた。が民主党所属だった時期に「現行憲法でも日本は北朝鮮に宣戦布告をして叩きのめすことが出来る」と怒鳴りまくっていた。資金繰りに困ったためか「弁護士の名義貸し」を行い弁護士法違反で逮捕起訴され有罪が決定し弁護士資格は剥奪されている。

西村は堺の出身だ。現在堺市長は「反維新」だが大阪には理解しがたい感覚の「弁護士」や元弁護士が集まって来る。我々一般人は「弁護士」と言えば法律に詳しい特別職と思いがちだが、どうやらその枠から外れる人間も多数生息しているようだ。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ

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