「元SMAPの中居正広がジャニーズ事務所を辞めて移籍するなんてありえませんよ。あるならジャニーズ事務所内で分社を作るのが、ジャニーズ事務所にとっても中居にとっても“節税になるし、有益”なのです。事業部制にしてね」と語るのはベテランの芸能関係者。
ジャニーズ事務所の動きがにわかに漏れ伝わってきた。
「SMAP」が解散して1週間もたたないうちに、風雲急を告げるか。平成17年に「SMAP」のためにジャニー喜多川氏と元マネージャーの飯島三智で設立した株式会社ジェイ・ドリーム(以下、ジェイ社)を解散させ、「SMAP」のCDやDVDの出版権についてはジェイ社からジャニーズ出版にすべて移しつつも、中居は、元メンバーの草なぎ剛、香取慎吾、稲垣吾郎らのこれからのマネジメントの面倒をみるというもの。
「そもそもある方向から見れば、『SMAP』の分裂劇は、飯島女史が、『SMAP』の肖像権や曲の権利をジャニーズ事務所がもっていて、メンバーを連れてほかの事務所に移籍してもそれらの“財産”が使えると思っていた脇の甘さが失敗の決定打となった。そうした権利関係について、ビジネス感覚がある木村拓哉は、工藤静香との結婚をバックアップしてもらって依頼、『命綱」として懇意にしている藤島ジュリー景子から『事務所を出てもSMAPの権利は動かせない』ことを聞いて知っていたから独立話を蹴ったのが不幸な劇の始まり」(同)
キャッシュフローも分裂劇に影響した。「SMAP」については、ギャラの流れがほかのグループとはまったく異質で、ギャラはいったんジェイ社に入り、その粗利の一部をジャニーズ事務所に上納する、という形になっていた。これを快く思っていなかったのが、“次期社長”と言われ、『SMAP』の元マネージャーの飯島女史とライバル視されていた藤島ジュリー景子だ。
だからこそ、昨年の分裂、独立騒動時に藤島ジュリーは木村に「権利がとれないからジャニーズに残れ」とささやく。ところが、木村は当然、この「肖像権や曲の権利がジャニーズ事務所にある」とメンバーたちも知っていると思っていたふしがあるという。
「そこで木村は独立から『いち抜けた』となるのですが、中居はずっとあとになって、木村が『曲の権利や肖像権や、【SMAP】のネーミングライツを事務所外に持ち出せないことを“すでに知っていた”と聞かされて頭にくるのです。ですから、今回、ジャニーズ事務所内で分社を作るにあたっては、中居は曲や肖像権を完全には抑えるのはもちろん無理ですが、少なくともジェイ・ドリームがもっていた権利をすこしでも引き継ぎたいと考えています」(同)
もともとジェイ社がもっていたのは、おもにSMAPの映像権。もともと横のつながりがないSMAPの木村と中居ゆえ、分裂騒動時にわざわざ木村が「SMAPの商業権利」について中居にレクチャーすることはなかった。昨年の『独立騒動』がもし成功したとしても、『SMAP』の曲は歌えないし、曲の二次使用権や映像使用権も入らないと学んだ中居は、今「タレントの権利」や「会社経営」について知人の起業家などから猛烈に勉強中。
ジャニーズ事務所と条件を詰めていく中居は「じょじょにおおむね話はまとまりつつある。事業部制の分社化を希望している」と同放送作家。
これを裏づけるのが、中居と親しい別の放送作家。
「報道されているように、中居が木村以外の4人を引き連れて独立するなんてありえません。周囲には『ジャニーさんに恩返ししたいよな』と語っているようですよ」とした。
芸能プロダクションを顧客にもつ税理士は語る。
「中居の目線から見れば、事務所を出たってかつてのSMAP時代にたいへんな思いをして培った曲の権利の使用料などは馬鹿にならないし、放り出すのは損。いっぽうで、ジャニーズ事務所にとっても、まだまだ『SMAP』のベストCDや残った映像で稼ぐ方法はあるにちがいないので中居らに事務所を出られたら、金銭的にはロストとなる。中居にもジャニーズ事務所にとっても『WINーWIN』な関係でいられるのが中居の『ジャニーズ事務所内分社化』なのです」ジャニーズ事務所に「中居氏が独立して分社を作ると聞いたが本当でしょうか」とファックスで質問したが、期日まで(7日)までに返答はなかった。この話題はナーバスで触れられたくないところだろう。
「具体的には、中居がジャニーズ事務所との契約を更新を決める6月の寸前、5月あたりで中居の会社は立ち上がるのでしょう」(前出・放送作家)
一部報道で噂されるように、飯島女史が中居の新会社に合流することは「200%ない」と事情を知る業界関係者は軒並み口をそろえる。となると腕ききのマネージャーが必要だが、どの程度、ジャニーズ事務所はマネージャーを「新中居事務所」に貸し出すのかも成功のキーとなる。
ジャニーズ事務所の稼ぎ頭、中居が、ほかのメンバーたちと昨年の今頃1月18日に「SMAP×SMAP』(フジテレビ)で伝説の『謝罪』をしてから1年。ついに「MCの天才」が「社内独立」という形で事務所に残る決断をした。ジャニーズ幹部の覚えがめでたく“木村優遇”の状況下、元リーダーの意地をかけてリベンジを始めたといえるだろう。
(伊東北斗)