睦雅はONE Friday Fightsへの雪辱誓う前哨戦をKO勝利。
瀧澤博人も再挑戦へ復活のKO勝利。
細田昇吾は実力発揮する前にKO負け。
西原茉央、17歳のテクニシャンに敗れる波乱。
プロ第1試合前に行われた2024年度年間表彰式は6名が表彰されています。
◎KICK Insist.22 / 3月23日(日)後楽園ホール17:15~20:40
主催:(株)VICTORY SPIRITS、ビクトリージム / 認定:ジャパンキックボクシング協会
年間表彰選手
最優秀選手賞:睦雅(ビクトリー)
優秀選手賞2名:西原茉生(治政館)、勇成(Formed)
技能賞:勇成(Formed)
KO賞:睦雅(ビクトリー)
殊勲賞:皆川裕哉(KICK BOX)
功労賞:政斗(治政館)
新人賞:菊地拓人(市原)

最優秀選手賞の睦雅は昨年7月、WMOインターナショナル・スーパーライト級王座獲得し、国内は3勝。ONEでは5月の初出場から2連勝し、2022年9月から11連勝となりKO賞も受賞。
西原茉生は王座奪取と、初戦の三日月蹴りによるKO勝利がインパクトがあった。
勇成は挑戦者決定戦で樹(治政館)に勝利し、皆川裕哉を倒して王座奪取した成長が見られ技能賞も受賞。
◆第13試合 63.0kg契約 5回戦
WMOインターナショナル・スーパーライト級チャンピオン.睦雅
(=瀬戸睦雅/ビクトリー/ 1996.6.26東京都出身/ 62.7kg)27戦20勝(13KO)5敗2分
VS
ポムロップ・ルークスワン(元・S-1スーパーフェザー級覇者/タイ/ 62.8kg)
98戦70勝24敗4分
勝者:睦雅 / TKO 1ラウンド2分30秒
主審:少白竜
初回、睦雅はローキックから前進し、ボディーブローから顔面狙った追い足でポムロップをロープ際に下がらせるとパンチ連打。ミドルキック、ローキックを加えて様子を見て更に戦略は練られて行く。ポムロップは前蹴り、間合い見て右ミドルキックで出て来るも、睦雅もハイキックで返し、軽くパンチの交錯後、左フック一発で仕留め、カウント中のレフェリーストップとなった。


睦雅は控室で「もう少し長いラウンド行きたいプランではあったのですけど、試したかったことや、引き出しも増やしたかったですけど、やっぱり前回のONEでの負けがあったので、1秒でも早く倒したいという気持ちが出てしまいましたね。」と語った。
リング上でのマイクアピールでは「前回、負けちゃったんで気が張ってて駄目だった部分もあるんですけど、まあKOで復活出来たので、でもまだ完全復活ではないので、近くまたあの舞台へやり返しに行くので、そっちの舞台でもKOするので楽しみにしていてください。」とONEでの雪辱戦も誓っていた。

睦雅は昨年5月からタイ・ルンピニースタジアムでのONE Friday Fights に出場し2連勝していたが、今年1月31日のONE Friday Fights 95ではエー・ミウ(ミャンマー)に第2ラウンド、ダブルノックダウンでの41秒KO負けで初黒星を喫した。
今日は勝ったが、ONEでの雪辱は果たしていないことが、まだ大舞台での完全復活ではないということだろう。
◆第12試合 57.5契約3回戦
WMOインターナショナル・フェザー級チャンピオン.瀧澤博人(ビクトリー/1991.2.20埼玉県出身/ 57.2kg)
43戦27勝(15KO)12敗4分
VS
プラカイトーン・トー・タラヤン(タイ/ 57.5kg)
79戦55勝21敗3分
勝者:瀧澤博人 / KO 2ラウンド2分23秒
主審:椎名利一
長身の瀧澤博人がローキックとパンチを上手くコントロールし。プラカイトーンの出方を見て臨機応変に攻める。プラカイトーンが圧力掛け、やや前進するも瀧澤はロープやコーナーに詰められても落ち着いて捌く、首相撲に持ち込むと上背の有利さからウェイトを掛け、左ヒジ打ちでプラカイトーン右眉辺りをカットした上、プラカイトーンの蹴りに合わせた右ストレートヒットをボディー打ち込み、ノックダウンを奪った。諦めた表情のプラカイトーンはテンカウントを聞いた。


瀧澤博人は控室で、「最後はボディーストレート、みぞおちを打ち抜きました。その前の縦ヒジ打ちが眼球に当たった感じだったので、これは心折れたかなと。今後はもう一回ぐらい説得力ある試合で倒さないと納得して貰えないんで、皆が納得した形で再挑戦したいです。」と完全復活と昨年叶わなかった世界への再挑戦を誓っていた。
リング上では、「昨年、結果が振るわなかったこともあったんですけど、それでも応援してくださる皆さんの御陰で強くなった帰って来ることが出来ました。今日、更に強くなったことを証明することが出来たので、もう一度、昨年獲り損ねたWMCの世界王座と、そしてラジャダムナンスタジアム王座挑戦していくことをここに表明したいと思います。難しい夢だからこそ、叶わないと言われる夢だからこそ追う意義がありますし、叶った時は嬉しいんだと思います。だから僕は諦めず、最後までその夢を叶える為に一生懸命頑張って行きたいと思います!」と語り、このままでは終わる気は全く無く、ヤル気満々の闘志を物語っていた。

◆第11試合 52.0契約3回戦
ジャパンキック協会フライ級チャンピオン.西原茉生(治政館/2003.6.27埼玉県出身/ 52.0kg)
16戦10勝(5KO)5敗1分
VS
WMOインターナショナル・ミニフライ級チャンピオン.コウシ・ノーナクシン
(=曽我昂史/ノーナクシン/2007.10.3埼玉県出身/ 51.85kg)
18戦12勝(2KO)6敗=タイ現地5勝5敗含む
勝者:コウシ・ノーナクシン / 判定0-3
主審:西村洋
副審:椎名28-30. 中山28-30. 少白竜27-30
ローキックから距離が詰まり首相撲へ移るとムエタイテクニック優るコウシがバランス良く組み合ってヒザ蹴りで攻め西原茉央を苦しめる。ヒジ打ちで西原の鼻の左側面カットと腫れ上がらせるダメージを負わせた。ウェイト掛け優位に立つ首相撲はコウシが上手い攻め。離れても蹴りのタイミングが上手い17歳のムエタイボクサーが日本人でも可能なんだという時代となった。コウシがテクニックで圧倒の大差判定勝利となった。


「今、17歳なんですけど!」とマイクで言った途端、場内が響めいた。「17歳でこんなテクニシャンとは!」といった空気。
「タイで試合と練習多くやっていて、自分(コウシ)のこと知らない人沢山居ると思うんですけど、今日リングに立って、フライ級チャンピオン倒して自分の名前売ろうと思って、階級上(の相手)でも勝てまして、それで今日、別の会場なんですけど、ONEとかやっていて、凄いなと思っているんですけど、自分も数年後、ああいう場所に立ったりとか、タイでラジャダムナンスタジアムのタイトルとか狙っているので、今日、自分の名前覚えて帰って貰えると有難いです。そうなる自信ありますし、それぐらいの覚悟決めてやっているので、自分のこと注目してください!」と1分半に渡る説得力あるアピール。17歳でこれだけ言えるのは大物の風格があった。
帰り際の控室では「まだ使っていないムエタイ技いっぱいあるんで今後も注目お願いします!」と語っていた。
◆第10試合 スーパーフライ級3回戦
ジャパンキック協会フライ級1位.細田昇吾(ビクトリー/1997.6.4埼玉県出身/ 51.9kg)
23戦14勝(3KO)7敗2分
VS
NKBフライ級5位.滑飛レオン(テツジム滑飛一家/ 52.1kg)10戦7勝(5KO)2敗1分
勝者:滑飛レオン / KO 1ラウンド2分21秒
主審:勝本剛司
ローキックの様子見からパンチに入った滑飛レオン。右ストレートヒットしてノックダウンを奪うとすでに効いてしまったか細田昇吾。再開後も滑飛が間合いを計り、細田の反撃を警戒しながらパンチで詰めていく中、再び右ストレートでノックダウンを奪った。このラウンドを凌ぎたい細田だが、滑飛のラッシュを凌げず連打を受け、3ノックダウンを喫してしまった。あっけないノックアウト負けに、この先の展望も後退となってしまった細田はまた出直しだろう。

◆第9試合 ウェルター級3回戦
ジャパンキック協会ウェルター級3位.正哉(誠真/ 66.4kg)11戦7勝(3KO)4敗
VS
梅沢遼太郎(白山道場/ 66.0kg)10戦3勝(1KO)2敗5分
勝者:正哉 / TKO 2ラウンド1分9秒
主審:中山宏美
蹴りの攻防からパンチ、正哉が連打の猛攻を掛けたが、何とも危なっかしい打ち合いの中、ラウンド終了間際に右ストレートでノックダウンを奪った。梅沢遼太郎はゴングには救われず、カウントは8で第1ラウンド終了。第2ラウンド、正哉は蹴りもパンチも貰う危なっかしい中、右バックハンドブローでノックダウンを奪い、梅澤が立ち上がったところで連打のラッシュ。レフェリーストップとなった。
◆第8試合 ライト級3回戦
ジャパンキック協会ライト級2位.菊地拓人(市原/ 61.1kg)8戦6勝(3KO)2敗
VS
青木大好き(OZ/ 60.5kg)13戦7勝6敗
勝者:菊地拓人 / 判定2-0
主審:少白竜
副審:西村30-29. 勝本30-28. 中山29-29
殺伐とした開始から互いの蹴り合う間合いとパンチの攻防。青木のローキックがヒットしていたが、菊地拓人は効いた様子は無く、蹴りを加えたパンチの打ち合いとなるも、激しさ増す中、忍耐の戦いは菊地拓人が圧していく中、僅差で制した。
◆第7試合 58.0kg契約3回戦
ジャパンキック協会フェザー級5位.眞斗(KIX/ 57.4kg)13戦5勝(2KO)6敗2分
VS
同級6位.石川智崇(KICKBOX/ 57.7kg)8戦4勝3敗1分
勝者:石川智崇 / 判定0-3
主審:椎名利一
副審:少白竜26-30. 勝本27-30. 中山27-30
初回、上下の蹴りの攻防、石川智崇がバランス良くやや圧した流れ。第2ラウンドにはパンチ連打か、石川がノックダウン奪い、組み合っても攻勢を維持してヒジ打ち、眞人の右眉尻辺りをカット、打ち合いから蹴りで両者の攻防が増し、第3ラウンドも激しい攻防の中、石川のヒジ打ちで更に眞人の額上部もカット、首相撲も石川が優勢を保っていく。眞人も諦めないパンチと蹴りで前進するも、石川智崇が大差判定勝利を掴んだ。
◆第6試合 70.0kg契約3回戦
我謝真人(E.D.O)VS白井大也(市原)は白井大也が体調不良に陥り試合中止
◆第5試合 バンタム級3回戦
松田悠哉(誠真/ 53.5kg)5戦1勝(1KO)4敗
VS
JKイノベーション・バンタム級8位.翔力(拳伸/ 53.1kg)9戦5勝(1KO)3敗1分
勝者:翔力 / KO 1ラウンド1分2秒
主審:勝本剛司
パンチとローキックの攻防の中、翔力の左ボディブローヒットで松田悠哉は効いて蹲ってしまい、そのままテンカウントとなった。
◆第4試合 53.0kg契約3回戦
花澤一成(市原/ 53.0kg)10戦1勝(1KO)6敗3分
VS
カズキ・シッソー(トースームエタイシン/ 53.0kg)11戦5勝(1KO)5敗1分
勝者:カズキ・シッソー / TKO 2ラウンド1分52秒
主審:中山宏美
蹴りの攻防は花澤一成がやや優勢気味に進み、第2ラウンドも花澤が蹴りで優る攻勢からカズキ・シッソーが花澤の左前蹴りに合わせた右ストレートでノックダウンを奪うと花澤は立ち上がろうとするも立ち上がる前に崩れ落ち、カウント中のレフェリーストップとなった。花澤はまたも打たれ脆いところを突かれた様子。
◆第3試合 ミドル級3回戦
前田啓伍(SOGA KICKBOXING)、怪我により欠場
JOE(=カンパイ・カンパナート/タイ/ROCK ON/ 71.6kg)代打出場
VS
タイン・ノーナクシン(タイ/ 72.5kg)39戦27勝10敗2分
勝者:タイン・ノーナクシン / 判定0-3
主審:少白竜
副審:中山28-30. 勝本29-30. 西村28-30
◆第2試合 フェザー級3回戦
日本猿サトルJSK(治政館/ 57.0kg)1戦1勝
VS
久住裕翔(白山道場/ 56.6kg)4戦1勝3敗
勝者:日本猿サトルJSK / 判定3-0 (30-28. 30-29. 30-29)
◆プロ第1試合 ライト級3回戦
西郷隆道(野本塾/ 61.0kg)1戦1敗
VS
山守浩司(OZ/ 60.8kg)1戦1勝(1KO)
勝者:山守浩司 / TKO 2ラウンド1分10秒 / タオル投入による棄権
◆オープニングファイト アマチュア80.0kg級2回戦(90秒制)
西村寿一(SOGA KICKBOXING/ 78.4kg)VSTAKUMI(Y‘zd石神井公園/ 79.6kg)
勝者:TAKUMI / 判定0-3
主審:勝本剛司
副審:椎名18-19. 西村18-19. 少白竜18-19
《取材戦記》
今、注目の出場したい舞台は「ONE Champion Ship」と皆が口にするようになりました。これも現在のステータスである。瀧澤博人が目指すラジャダムナンスタジアムなどの殿堂スタジアム王座は90年代までのようなスーパースター揃った隆盛期には及ばないが、最高峰として永く継続して来た伝統が強み。プロモーター主導のビッグイベントタイトルは今盛り上がっていても、いつ廃れるか分からないからその時代の旬のものと、殿堂タイトルを獲得しておく意義はあるだろう。それが歴史に名を残し、群衆の記憶に残る存在となるのである。
睦雅は国内では10連勝中。タイ・ルンピニースタジアムでのONEで負けたと言っても今回が再起戦とか復活したとは感じ難い。ただ大舞台での敗戦は大舞台でしか返せないリベンジ精神はあるでしょう。
西原茉央をテクニックで優った17歳のコウシ=曽我昂史はアマチュアで268戦223勝(40KO・RSC)32敗13分。ジュニアキックで50冠という幼い頃から戦って来た戦歴である。プロでは国内8戦7勝(2KO)1敗。タイで10戦5勝5敗。さすがにタイでは勝率圧倒とはいかない壁の厚さがあります。幼い頃から始めるジュニアキックは2010年頃から始まり、那須川天心がその先駆者とも言える存在だが、曽我昂史が17歳でこれだけのテクニシャンとはタイで鍛えられてきた経験値が大きいが、今後が恐ろしく楽しみな選手である。これから先、いろいろなメディアにも登場するであろう。古い考え方だが、コウシでなく本名でやって欲しいな。
次回、ジャパンキックボクシング協会興行は、5月25日(日)に市原臨海体育館に於いて、「Road to KING3」が開催されます。メインイベントは、2月にONE Friday Fightsに出場し1ラウンドKO勝利したジャパンキック協会フェザー級チャンピオン、勇成(Formed)が出場します。昨年は皆川裕哉が務めたメインイベント。その皆川裕哉から11月に王座奪取した勇成が今年のメインイベンターとなりました。
▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」
