AKB48の新曲『真夏のSounds good !』を購入した。はっきりいってAKB４８のメンバーの水着は、前田敦子が入ったメンバーたちでは見納めである。
しかし冷静に考える必要もある。いったい、この少女たちは進化しているのだろうか。付録のPVを眺めてみた。よくよく見れば、水着で海岸で歌っているだけのPV。「全員ビキニだと思ったら、パレオもいるじゃないか。ずるい。金返せ」と吠える知人の編集者。
そういえばＡＫＢ４８は、よく考えればアーティストとしては、もはやマイケル・ジャクソンやマライア・キャリーなどと肩をならべるほど稼いでいる。
「理論値では、ＰＶに１０億円くらいは使えますよ」（芸能プロダクション）
さらに、ＰＶをじっとりと見ていたベテランのオーサリング・ディレクターは語る（ビデオの編集者の進化形。撮影から編集まで一気に行う）。
「カメラワークを見る限り、素人だね。やっつけでカメラ割をするとこうなる」
こんなことでいいのだろうか。事情通に聞けば、ＡＫＢ４８の『真夏のSounds good !』は、「テイク１１」で撮影が終了、３時間もかからなかったと聞いている。この話がもし本当だとしたら、メンバーたちに人気がありすぎて忙しいのは差し引いても、手を抜きすぎだ。
「マイケル・ジャクソンは、『ＢＡＤ』のＰＶで２００回以上もテイクしました。椎名林檎の『ここでキスして。』も美しいＰＶが特徴ですが、デビュー時で金がなかった椎名ですら、４０回ほどテイクしたのです。さらに言うならば、ＡＫＢのＰＶはホワイトバランスがあっていない。色の基調がバラバラだ」（前出・オーサリング・ディレクター）
ホワイトバランスの調整は、撮影者なら最初に行うイロハの「イ」である。そんな初歩を忘れてしまうほど、本当に疲弊してきたのか、ＡＫＢよ。
さらに専門的なことを言うなら、肌の色がバラバラだ。これは、色調補正がきかなかったのだろうか。それともグアムココパームガーデンビーチ (グアム島)でのロケで遊びにうつつを抜かしたか。
沢尻エリカと結婚して話題となった映像クリエイターの高城剛は、全盛期の小泉今日子のＰＶを作っていた。それとて、テイク４０回は超えていた。
今見てもその出来は秀逸だ。『あなたに逢えてよかった / 小泉今日子』などなどはユーチューブでも楽しめる。
「粗製乱造を止めるようなスタッフがいないのでしょう。今のＡＫＢ４８は、だれもコントロールができない」（芸能記者）
聞くところによると秋元康をもってしても、事務所をもってしてもＡＫＢ４８全体をコントロールするのは不可能となってきているという。
「篠田 麻里子が男と同棲しているのは、もはや業界関係者なら知っている。大島優子は、同じ事務所との前田敦子とは口すらきかない。秋元才加と大島優子は独立しようとして焦っている。ＰＶでは、各事務所から『少なくとも２カットはアップにしてほしい』などと注文がかかっている。ＡＫＢ４８全体をコントロールするのは、もはや難しいのです。あと１年はやらせたかった前田敦子の卒業を止められないのですから」
（ＡＫＢ４８に詳しい映像関係者）
そう、ＡＫＢ４８は、もう秋元康にも、ＡＫＢ４８のメンバー自身にも、メンバーが所属する芸能事務所にもコントロールできない「モンスター」となったのだ。
一説には、ＡＫＢ４８の新曲には業界用語でいう「行政」がかかったようだ。「行政」とは、「だれだれが●●をリリースするから買うように」と業界内部でお達しがあること。今回の新曲は広告代理店、テレビ局や出版社から印刷会社、流通まで推定で２５万枚近くの行政がかかったと噂されている。
「出荷枚数と、売上枚数はちがうからね。まあ、実売をきいたらみんな驚くだろうな」（大手レコード会社）
ＡＫＢ４８よ、ＰＶの出来の粗さは大目にみよう。新曲もパンチにかけるが次に期待しよう。
だが、ファンですら予測できない方向に向かうのなら、今年いっぱいで人気が終わるだろう。なにしろ、歌もダンスもＡＫＢ４８の足元には及ばない「本物のアーティスト」としてＫ－ＰＯＰの新星が、手ぐすねを引いてＡＫＢ４８の凋落を待っているのだから。
（渋谷三七十）
