ちょっといなせなバーを発見した。JR西川口の西口から徒歩4分ほどの場所にたたずむのは「たまりばぁ~スペクター」だ。
自分は、めったに行きつけの店を作らないが、このところ居心地がよくなってしまった。
どうやら仕事が明けたら、ここに何度も寄りそうだ。

オーナー兼マスターの吉野量哉氏は「松戸スペクター」の元総長である。
コワモテを想像していたのだが、とても優しく、料理がうまい。
自分は5000円で飲み放題コース(2品ついてくる)をよく頼むのだが、とくにさしみこんにゃく、オムレツなどは絶品で癖になる。

大きく壁にあしらった「C・R・S SPECTER」のロゴとドクロマーク。そのほか名を馳せた暴走族のステッカーがカウンターの後ろに、所狭しと貼ってある。それだけでも圧巻だ。
一見してトンガっている「たまりばぁ~スペクター」の魅力は、やはり自分にとってはノスタルジーだろうと思う。

暴走族は、やはり自分の世代にとって憧れだった。KAWASAKIの「NINJA」やHONDAの「CB」に乗っているイカした彼ら。
自分は暴走族ではなかったが、暴走族の友達とは仲がよかった。KやTとつるんで、よく横浜の山下公園などへ深夜にすっ飛ばした。自分が乗っているHONDAの「TZR250」は、あまりにもノーマルなので、彼らによくからかわれたが、TZRの排気音は気にいっていた。音を聞くためだけに首都高速を走ったこともある。もう年齢的におそらく二度と二輪には乗らないだろうが、いい思い出だ。

なぜ「たまりばぁ~スペクター」が落ち着くのか冷静に考えたことがある。この空間にいると「80年代の思い出」がいっせいに立ち上がるのだ。
尾崎豊の唄、おニャン子、高校生なのに徹夜で麻雀をやった毎日、大学受験、そして初デート。

自分が忘れてきたメモリアルシーンが一気に蘇るのだ。
オーナー兼マスターの吉野氏は、暴走族については生き字引のような人で、Vシネマの企画協力・監修をしたり、雑誌「実話マッドマックス」でスーパーバイザーを勤めている。
一度、じっくりと80年代の暴走族シーンについて話を聞いたが、実に細かく話をしてくれた。

こうした『隠れ家』を紹介すると殺到して自分の席がなくなると非常に嫌なのだが、地元・埼玉ゆえにイチ押ししておこう。
女のコと話をするのもよし、カラオケを楽しむもよし、80年代のノスタルジーに浸りたいむきのみならず、かわいいフロアキャストとおしゃべりを楽しみたい貴兄も、彼女と飲みたい人も、一度寄ってみるといいかもしれない。

(K)

「たまりばぁ~スペクター」
http://office-dynamite.com/specter/
〒332-0021 埼玉県川口市西川口1-32-18 佐藤ビル1F
TEL 048-255-6737
◎京浜東北線・西川口駅西口から徒歩4分~