小沢一郎(70)率いる新党「国民の生活が第一」が入居した東京・永田町のオフィスビルの所有者が、ソープランド業界最大手「角海老グループ」の創始者、鈴木正雄氏(80)だったことが話題になっている。

鈴木正雄氏は、16歳から吉原の遊郭で車夫をやりながら金を貯め、1958年の売春防止法施行で遊郭がなくなると、ソープランドをつくってそれを広げていった。立志伝中の実業家だ。

遊郭がなくなった後にソープランドが作られたのは、名古屋の中村遊郭が最初だ。その当時は、「トルコ風呂」と呼ばれた。
ちなみにトルコ風呂は、売防法の施行の前からあった。1951年に東銀座にできた『東京温泉』が、それだ。サービスは正当派マッサージだったが、美人揃いだったために人気が出た。

江戸時代からの大店だった『角海老』の名前を買い取って、吉原でトルコ風呂を開業したのが、鈴木だった。開業と同時に大当たりし、すぐに2号店を出す。
「それを見て、銀行と不動産屋と工務店が組んで、トルコ風呂への転業プランを、土地のオーナーたちに示したんです。7千万円で建物を建てて、3千万円の保証金と月3百万円の家賃で経営したい人たちに貸せば、すぐに元は取れるってね」(吉原のホテル経営者)
そのようにして、吉原はソープランドの街になったのだ。

勝ちとった成功を確かなものにしようと、鈴木はガムシャラに働き、店を増やしていく。愛人も二人いて、彼女たちを平等に愛したので、眠るのはいつも、移動途中のベンツの中だった。

ソープランドを増やしていくだけでなく、宝石店「角海老宝石」や、ボクシングジムを開いた。
ソープランドは現在、吉原、池袋、新宿、渋谷、亀有、松戸、横浜、川崎、千葉栄町、水戸土浦と、全部で30店舗ある。ほとんど総額が2万円を切る格安店であるが、女性の質もサービスもいい。経営努力の結果であろう。

これほどの働き者の鈴木だが、2009年7月、警視庁浅草署に売春防止法違反容疑で逮捕されている。ソープランドでセックスしているのなど当たり前の話。警察の中でさえ、「素人女性と問題を起こすのはよくないから、ソープに行きなさい」と指導しているのだ。売春防止法という建前での逮捕は、まったく理不尽だ。

日本には、建前と実態が違うことが多すぎる。憲法9条で戦力を保持しないとしておきながら、自衛隊という武力集団がいる。自衛隊員が逮捕されることもよくあるが、それはもっぱら盗撮や痴漢や公然わいせつで、憲法9条違反ではない。

せっかく小沢一郎は、鈴木正雄氏の店子になったのだから、その辺り、じっくり話し合ってみたらいいのではないか。

(FY)