最高検察庁の公判部長が先月、乗車中の電車のドアに繰り返しカバンをはさみ運行を遅らせたとして、警察の事情聴取を受けていたことが分かった。
事情聴取を受けたのは、最高検公判部長の岩橋義明検事(58)だ。
岩橋検事は9月28日の午後11時過ぎ、神奈川県の東急田園都市線下り線のあざみ野駅など複数の駅で電車のドアが閉まる際に自分のカバンを挟み、電車の運行を10分程度遅らせた。岩橋検事は勤務後に酒を飲み帰宅する途中で、事情聴取に対し「遅らせてしまったことは申し訳ない」と話しているという。
最高検公判部長の、子どものような悪戯。これは何を意味するのだろうか?
1993年に起きた埼玉愛犬家連続殺人事件を担当したのが、当時、埼玉地検の検事であった、岩橋である。
4人の殺人が立件されることになったが、主犯の関根元は「ボディを透明にする」と語り、肉を細かく切り刻み、骨を高温で焼いて、遺体を消滅させた。殺人事件のもっと雄弁な証拠となる、死体がない。
関根に脅されて死体損壊・遺棄を手伝ったとされる、山崎永幸の供述に基づいて捜査、公判は行われた。その結果、関根元と、彼の元妻、風間博子が殺人罪で裁かれることになった。
だが山崎は、関根、風間の裁判に証人として出廷すると、「博子さんは無実だと思います」「人も殺してないのに、何で死刑判決出んの?」「何で博子がここにいんのですよ、問題は。殺人事件も何もやってないのに、何でこの場にいるかですよ。それで釈放しないというのはおかしいですよ」と衝撃の発言をくり返し、博子が殺人に加わったという調書は、岩橋検事の作文だと断じた。
公判では、逮捕中の山崎に対する、岩橋の類い希な取り調べ手法も明らかになっている。
自分にも殺人容疑がかけられると知った山崎が、一切の取り調べを拒否した時のことである。
「一体どうしたら協力してくれる?」と懇願する岩橋に、「女でも抱かせてくれるって言うのか?」と山崎は答え、「女を用意するまで呼ぶな」と捨てぜりふをはいた。
翌日、地検熊谷支部に呼び出された山崎は、事務官に図書資料室に案内された。そこには、逮捕されるまで一緒に暮らしていた女性がいた。
そこで2人はセックスした。これは、山崎の著作にも書かれ、公判でも語られている。
そんな取り調べを経て、調書は作られていった。
公判資料を読み込んでいくと、どう考えても、風間博子は無実である。
興味のある方は、『女性死刑囚』(鹿砦社)を読んでいただきたい。
無実の女性を死刑判決に導き、牢獄に閉じこめ続けることになった、岩橋検事。
当たり前の人間なら、正気で居続けることは難しいだろう。
それで、子どものような悪戯に走ったのだろうか。
(FY)