「才色兼備の女性でしたね。とても頭がよく、書く文章も整っていました。おそらくなにをやらせても、どんな仕事でも的確にこなしたんじゃないかな」(AVライター)
1980年代、Fカップの巨乳でAVクイーンとして人気を集めた冴島奈緒さんが、9月29日にがんのため死去していた。享年44歳。
AV黄金時代の80年代に爆発的な人気を誇った彼女は、清楚なたたずまいと艶っぽさで人気を博した。とりわけ、東京都出身で、グラビアアイドルとしてデビューし、日本テレビ系「11PM」のコーナー「秘湯の旅」リポーター、“うさぎちゃん”が印象に残る。その後、1987年に『冴島奈緒/FカップNo.1 奈緒の目覚め』でAVデビュー。スリムな体形に巨乳のアンバランスさでAVでも人気が爆発した。
88年には当時の人気AV女優3人で結成した「RaCCo組」に初代メンバーとして参加。AV女優がAV以外の世界で活動するのも珍しかった時代だった。
「多才な人でした。ビジネスウーマンとしてさまざまなビジネスに手を出していました。AVをやめてからVシネマ等に活動を移す一方、それと平行し、ロックバンド「ボンデージツインズ」のボーカル、執筆活動、ビューティカウンセラー等の活動をしていた。最近は自ら手がけた電子書籍の販売に力を入れていましたね」と知人が語っている。
関係者によると、5年ほど前にがんを発病していて、亡くなる数カ月前からは歩くのも困難になっていたという。
人気絶頂のころ、斉藤唯、葉山みどりと共に、AVアイドルトリオ『RaCCo組』の初代メンバーとしても活動するが、病気を理由に脱退した。
「今から思えば、あの頃のハードスケジュールが身体を蝕んだのかもしれません。1日で3本撮影する、なんていうのがザラな時代でしたから」(元AV監督)
彼女は、黒木香の後にやってきたインテリ女優だった。
歩けば、フェロモンをそこかしこにふりまくような、彼女の死はあまりにも唐突だった。才能ある女性の死はまことに残念だ。
(黒井玄角)