警察庁は、パソコンの遠隔操作事件で4人を誤認逮捕したことなどを受けて、コンピューターウイルスの情報を一元管理して、データベース化することを決めた。
データベースは、警察庁が新設する不正プログラム解析センターが運用し、全国の各警察に新たなウイルスなどの情報を提供する方針だという。
「遅きに失した感がありますね。サイバー犯罪は国民のだれもが被害者となりえるのがわかっていながら、しかもなりすましメールの被害がサイバー犯罪対策課に膨大にあがっていたのに、ようやく腰をあげるのですから」(警察庁詰め記者)
巧妙に、他人になりすまして嫌がらせメールを送りつけるのがビジネスとして成り立っている。いわゆるネット版の「復讐屋」で、じつに嫌な時代が来たといえる。安倍晋三・自民党総裁も被害者だ。
警察庁や国家公安委員会のホームページなどに10月、自民党の安倍晋三総裁の殺害を予告するメールが相次いで送られていた。警視庁捜査1課が一部のメールを送信したパソコンを特定していたことがわかっている。このケースではパソコンの解析が進められている。
メールには、遠隔操作を示唆する内容が含まれていたことから同課は、4人が誤認逮捕された遠隔操作ウイルス事件との関連について慎重に調べる。
捜査関係者は言う。
「メールは少なくとも42件送られていた。内容は殺害予告で、メールはほぼ同じ文面です」
この場合も卑怯なことに他人のパソコンを遠隔操作している。
メールは国内の同じインターネット接続事業者(プロバイダー)が使用されおり、同課が通信記録を解析し、一部の送信元を特定した。
「いまはネットのシステムが複雑化している。ログを追跡するのは個人では無理。今という時代ならではの犯罪じゃないかな。ただし、これからは警察が本腰をあげて捜査するし、罰則も厳しくなっていくはずです」(ネットジャーナリスト)
卑怯な「なりすましメール」の駆除にようやく動き始めた警察。ネット上のストーカーやなりすましメールで人を恫喝する連中がこれから多数、逮捕されそうだ。
(鹿砦丸)