アルゼンチン代表FWメッシ(バルセロナ)が、2012年の年間最優秀選手「FIFAバロンドール」に輝いた。4年連続で、4度目の受賞は史上初だ。
「メッシの場合は、幼少のころからフットサルで鍛えたボールコントロールが有効で、これだけでも数十億を払う値打ちがあるね」(スポーツジャーナリスト)
バロンドールは仏語で「黄金のボール」を意味し、1956年にフランス・フットボール誌が創設。91年に設けられたFIFA年間最優秀選手と2010年に統合され、「FIFAバロンドール賞」となった経緯がある。
「メッシの場合は、ドリブルしても走るスピードが落ちない。まさに神がかり的な動きをペナルティで見せてくれる。歴代の監督は楽だったろうね。メッシを中心に戦略を組み立てればいいのだから」(サッカー評論家)
だが、諸刃の剣で、前回のワールドカップを見ればわかるように、メッシに頼りすぎたアルゼンチン代表はあっけなく散った。ベスト8がやっとだったのだ。
「メッシは、最後のファンタジスタだ。今のサッカーは機能的なパスを中心にした戦略が求められる。メッシが目立たなくなったときに、現代サッカーは完成するでしょうね」(スポーツ紙記者)
皮肉なことに、メッシに頼りすぎたアルゼンチン代表はワールドカップ予選でボリビアと引き分けるなど、1位なのに精彩を欠いている。
「早くメッシ抜きでも勝てることを証明しないとアルゼンチンのサッカーに未来はない」という声もある。メッシの個人技は、昨日のサッカーのもので未来のものではない。
細かくパスをつなぐアルゼンチン本来のサッカーを期待したい。
(鹿砦丸)