ゾンビのように蘇った、安倍晋三。民主党は衰退し、第3極もバラバラになるばかり。
もしかしたら、安倍政権は久々の長期政権になるかもしれない。そうなると、中国や韓国との関係は冷え切ったまま、ひたすらアメリカの属国化の道を進む、という悪夢が予想される。
ここで、法廷で無罪を勝ちとった小沢一郎の、本格的な復活が期待されるところだ。

『小沢一郎、復活。』(鹿砦社)の中で、元参議院議員の平野貞夫は、「『小沢』と聞いただけで、『詳しくは知らないが、どうせウラで何か悪いことをしているに違いない』『とにかく怪しいから悪者だろう』と曖昧なイメージ」が跋扈している、と指摘している。
「小沢一郎を嵌めた検察を許すな」と、平野氏は喝破している。
小沢一郎を「悪」のイメージに染め上げたことだけで、検察の目論見通りなのかもしれない。

『小沢一郎、復活。』では、弁護士・元検察官の郷原信郎が、法律の専門家の立場から、小沢一郎が名実ともに無実であることを立証し、「検察審査会を騙した東京地検の罪は重い」と、断じている。
リベラルな人々の間でも、小沢一郎を曖昧な「悪」のイメージで捉えている場合が多い。
ぜひ、同書に目を通して、確かめてもらいたい。そこから始めなければ、日本の政治の現状は掴みえない。

「一部メディアの報道も、最初から『小沢叩きありき』、『宗男叩きありき』だった」と、同じような境遇に立たされた立場から、新党大地代表の鈴木宗男も語っている。
そしてその意図を、こう解く。
「確かにアメリカに警戒された政治家は『落とされる』という歴史はあったでしょう。田中角栄さん、小沢さん、金丸信さん、そして私、鈴木宗男。戦後、三年以上続いた総理大臣は吉田、岸、池田、佐藤、中曽根、小泉のたった六人ですが、みんなアメリカの庇護のもとにあった」

元駐レバノン日本国特命全権大使である天木直人は、小沢一郎が脱原発を明言するに至った経緯を明かしながら、語る。
「(昨年の)十月には脱原発に舵を切ったドイツを訪問し、日本もドイツのような脱原発は可能だと確信されたようです。いまでは消費税増税反対とならんで〝脱原発〟は小沢新党の二大綱領です。これほどはっきりと脱原発を表明した政党は左翼政党を除いてはありません」

これから、アメリカ従属が深まり、国民が苦しめられることが予想される、日本の政治。
これを読み解くには、小沢一郎がどうして嵌められたのかを、知ることが必要だ。

(FY)