アルジェリアで武装集団『覆面旅団』がプラントを占拠したことに対して、アルジェリア軍の特殊部隊が現場に突入、日本人10人を含む人質37人、武装勢力29人が死亡した。
「今さらながら、中東での建築作業やプラントが危険だと判明した。イギリスやアメリカの武装警備会社がオファー殺到で大忙しだという情報が入っている。なにしろ企業にとっては国があてにならないことがはっきりしたのだから」(外電記者)
海外でプラントを展開している日本の企業たちも、武装警備会社を雇う検討を始めた。なにしろ武器の扱いに精通している警備会社は限られる。加えて日本人を守り、テロリストに懐柔されない警備会社を探さないとならない。
「どさくさに紛れて自民党では、海外での有事の際に自衛隊を派遣できる法案を作ろうとしているが、まずは中東との信頼関係を築くことからはじめないといけない」(永田町関係者)
アルジェの現地対策本部で対応にあたっている城内実外務政務官は1月22日、カブリア内務相と会談し、犠牲者の遺留品回収やアルジェリア国内での日本人の安全確保への協力を要請。犠牲者の家族への説明や政府での事件の検証のため、死亡に至った経緯や、事件の全容についての情報も求めている。
「かつて日本人は中東のテロの標的にはならなかったが、今では日本はアメリカの従属国と思われており、じゅうぶんに標的になりうる」(通信記者)
日輝のように海外でプラントを作っている企業のみならず、日本としては中東とも政治レベルで太いパイプを作るべきだろう。
「アルジェリアの事件で、日本の情報収集力は中東においては、ゼロだと分かった。外務省も現地の商社マンに聞いている、という体たらくだからな」(事情通)
安倍首相は強い日本を取り戻すと選挙前に宣言した。果たして、諸外国に説明せずに軍事作戦を敢行したアルジェ政府にどの程度抗議ができるのだろうか。そして海外で働く日本人の生命をどのようにして守っていくのか。安倍の危機管理能力と外交手腕が問われている。これからの動向に注目したい。
(鹿砦丸)