「中国のサイバー攻撃は、いまや目を見張るものがある。テクノロジーを盗むだけではなく、米メディアの内部まで手を伸ばし始めたのですから」(軍事ジャーナリスト)
中国軍が米国向けのサイバー攻撃に関与したとの情報に対して、中国政府当局は、「事実ではない」と否定するとともに、「わが軍は米国から大量の攻撃を受けてきた」とコメントした。中国側が指摘するように、IPアドレスが特定できても完全な証拠にはならない、のはその通りだ。成りすましの可能性もある。
ニューヨーク・タイムズは、1月30日、中国を発信源とするサイバー攻撃をおよそ4か月間にわたって受け、すべての従業員のパスワードを抜き取られるなど社内のネットワークに不正に侵入されたと報じた。
攻撃は、去年10月、「中国の温家宝首相の親族が1000億円以上の資産を蓄財している」という疑惑を報じた頃から始まっている。
続いてウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は1月31日、同紙のコンピューターシステムが中国ハッカー集団の攻撃を受けていると報道した。ブルームバーグ通信も標的になったもようだ。中国側は「事実無根」とするが、報道監視や情報源の特定などを狙っているふしがあり、米捜査当局が事実関係の調べを急いでいる。
「中国には“黒客”と呼ばれる専門のハッカーがおり、政府の援助を受けてひそかに技術養成が行われているのです。とくに報道関係はセキュリティが甘いので、サイバーアタックするのは簡単なことです」(事情通)
今、サイバー空間は諜報戦で各国がしのぎを削っている。オバマ大統領は一般教書演説で「外国の政府や企業がアメリカの企業の秘密を盗んでいる。われわれの敵はさらに送電網や金融機関、航空管制システムを破壊する能力を獲得しようとしている」と述べ、サイバー攻撃に対して強い危機感をあらわにしている。そのうえで、オバマ大統領は、インフラのサイバーセキュリティーに関する大統領令を出し、対策を強化する姿勢を打ち出した。もはや世界は情報戦争という、新しい、そして忌むべき局面に入ったのだ。
セキュリティ会社の社員が言う。
「中国は、自国が有利になるような情報を、サイバー攻撃するともに盗むことが目的です。最終的には軍事機密を狙っていると見たほうがいい」
中国バブルは、崩壊が近いと言われている。もしバブル崩壊して石油が枯渇したら、尖閣諸島を占有する可能性も指摘されている。
サイバー攻撃してすっとぼけ続ける中国のよからぬ企みは、不気味そのものだ。平和という観点からは遠い地点で、今もサイバー戦争がそこかしこで起きている。
(鹿砦丸)