こんな報道がある。
「うつ病は年間3万人を超える自殺の主な原因とされる。自殺者の家族らでつくる全国自死遺族連絡会の調べでは、2006年7月~10年3月に自殺した1016人のうち、69%が精神科で治療を受け、向精神薬を多数服用していた。厚生労働省は10年9月、『向精神薬の飲み過ぎが自殺につながっている可能性がある』として、日本医師会や医療機関に長期、多量の処方の注意を呼び掛けている」(中日新聞社)
よくよく考えれば、多くの薬品メーカーが協賛金を出している日本うつ病学会が過剰投与について警告を発しているのも不思議な話だ。
話を精神科ドクターのA氏に戻す。
――いやらしい話で恐縮ですが、「儲かるやり方」はありますか。
「精神科医は、日本医師会の監査が入りにくい分野です。国が行っている自立支援制度などは、患者が3割から1割負担になります。患者にはその制度を知らせずに3割の治療費を取り、浮いた2割を懐に入れてしまう医者もいます。また、職員に薬だけ出させながら通院しているのを装ったり、架空入院などもしやすい分野です」
――病名をどうやってつけていますか。
「適応障害は、ストレスが終わったあと、6か月以上持続しないとされている。そのいっぽうで、認知療法は4か月以内で終了するとされています。ですから認知療法を取り入れたほうがいいのです」
認知療法とはうつ病への認知行動療法で、これまでの感情に焦点を置いた精神分析や、外に現れた行動を直接学習することによって変えようとする行動療法ではなく、感情と行動の中間にある「思考」に焦点を置いている。気分や感情は経験をどの様に認知するかによって影響される。
「ところが国立の認知行動療法センターの研修医を受けた医者でないと、認知行動療法ができない仕組みになっている。これも金もうけのためでしょう」
摩訶不思議なことがたくさんある精神医学界。このからくりは奥が深そうだ。
(鹿砦丸)