森田健作や松田聖子、酒井法子らを育成、デビューさせた大手芸能事務所サンミュージックプロダクションの創業者で代表取締役会長の、相澤秀禎さんが2月23日午後10時27分、都内の病院ですい臓がんのため死去した。83歳だった。24日に同社がFAXで発表した。相澤さんはかねてから病気療養中だった。
相澤さんは、1962年に「竜美プロ」を設立。新人歌手・松島アキラをデビューさせ、その後、西郷輝彦を発掘してマネージメントに奮闘する。1968年には、サンミュージックプロダクションを設立し、森田、桜田淳子、松田、酒井、安達祐実ら数多くのタレントを手がけた。
相澤さんに取材したことがある。サンミュージックでは岡田有希子自殺、松田聖子独立など、業界全体に影響するようなトピックスの中心にいた人物だ。岡田有希子の自殺について、突っ込んで聞くと「好きな人への思いがノートにつづられていました」とだけ語り恋の相手が誰かは教えてはくれなかった。また、松田聖子や酒井法子などを自宅に下宿させて、一緒に朝ジョギングした思い出なども語ってくれた。それにしても、岡田有希子はなぜサンミュージックの屋上から飛び降り自殺をしたのだろう。岡田のマネージャーも自殺しているし、これで真相を知る人は事実上、もういなくなったのである。
そうした意味ではタレントを守りきって相澤会長は逝った。
ひとことでいえば気さくな人柄であり、人と垣根を作らない人だった。
多くのタレントが慕っていたと思うが、ベッキーとメル友だったり、お茶目な一面もあった。芸能界の裏も表も知り尽くした重鎮がまたひとり、消えた。
(鹿砦丸)